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sumika “Fashion with Music” インタビュー

 UKのファッションブランドALLSAINTSとビルボードライブが組み合い、2017年に始動した新イベント【Fashion with Music】の第2回目が、5月27日土曜日ビルボードライブ大阪、5月28日日曜日ビルボードライブ東京にて開催される。初回のTHE BAWDIESに続き今回登場するのは、7月にZEPP東京・大阪での、キャリア史上最大規模となるワンマン・ライブを控える注目の4人組、sumikaのアコースティック編成名義であるsumika[camp session]。2015年春に、バンドのフロントマンである片岡健太が体調不良による休養を余儀なくされるが、2016年に入って精力的に活動してきたsumika。それに対してsumika[camp session]は約2年振りのライブとなる。そこで、ファッションやビルボードライブへの思いとアコースティックの魅力について、メンバー全員に語ってもらった。

服において頼りになる人と出会うことで、新しい自分を発見することはありますね

--【Fashion with Music】への出演ということで、まずは皆さんそれぞれのファッションに対するこだわりを訊かせていただけますか?

片岡健太(Vo./Gt.):体の一部だと思うんです。上から下まで同じ服装の人に出会うことなんてまずないですし、目で見て感じる、話さなくても分かることだから、ある意味音楽以上に伝わりやすいですよね。

--今はみなさん普段着ですか?

片岡:はい。もっと考えて選んで来ればよかったです。

--どんな人なんだろうって、じっと見ちゃいます。

小川貴之(Key./Cho.):恥ずかしいですよ。

--では、恥ずかしがられている小川さんに。

小川:僕は割と真面目な雰囲気というか……。

黒田隼之介(Gt./Cho.):あくまで雰囲気。

小川:真面目だと思うんだけどなあ。服装は無理すると嘘が出ちゃうんで、自分らしくというか、そう考えると綺麗目な服が自分には合うと思うんです。

荒井智之(Dr.):僕は昔から洋服選びが本当に苦手で、ずっと周りに頼りっきりです。自分で選ぶときには「サイズ感にだけは気を付けろ」って友達から言われたんで、自分に合うのはジャストサイズだなって、それしか考えていなかったら、青い服ばかり集まっちゃいまして。このシャツとか。なんか大した話ができず、すみません。

--ジャケットがよくお似合いだと思っていたんですが、ご自身で選ばれたんですか?

荒井:これはスタイリストさんに勧めてもらって買いました。自分だとデニムのジャケットって選ばないんですよ。服において頼りになる人と出会うことで、新しい自分を発見することはありますね。このズボンもそうなんですけど、「意外と俺いけてるんじゃないか」って、恥ずかしい!

--“ズボン”と言っちゃうところが愛らしいというか、分かるんです。”パンツ”って洋服のことをよく分かっているお洒落な人が使う言葉みたいな。

黒田:ですよね。”ズボン”って言っちゃいます。僕はちょっと太ってきたんですよ。ダメな方の「脱いだら凄いんです」。だからばれないように、細いですねって言われたら「シメシメ」みたいな。

--いやいや、僕、今凝視してますけど、細いですよ。

黒田:そう思います?だったら成功です。

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自分たちが想像もしないところから、
「こういう音楽がやりたい」って思える新しい発想が生まれた

--そして先ほど、イベント当日に着られる衣装をALLSAINTSのショップで決められたわけですが、いかがでしたか?

黒田:例えばオーバーサイズのズボン、いえパンツ(笑)を選んで、ウエストをベルトで絞るとシルエットがかっこよくなるとか、自分じゃ考えない。でも鏡を見たらいいんですよ。

--自分だけで服を買いに行くと選ばないという意味では、片岡さんと小川さんはレザーを。イメージに無かったです。

片岡:そうですね、着たことがないですね。ハードに見えちゃうかなって。でも着てみて分かることもあって、素直にいいなって思えましたし、こういうイベントがあってこそ、自分たちだけじゃ出会えなかった方々とも繋がりができて嬉しいです。

小川:自分にも洋服にも、気が付かなかった一面を見ることができて、新たな自分がデビューした感じ。こういうことって大事だと思うんですよ。”かっこいいは作れる”。

片岡:今ファッション的な角度で使える言葉を絞り出したよね。

--名言?かどうかはさておき、新しい物事に出会って、それがアウトプットに良い影響を及ぼす。音楽もそうですよね

片岡:そうですね。長く続ければ続けるほど、意地だったり先入観だったり、なにかしら守りに入ろうする自分がいて、これまでやってきたことが壊れる怖さってあるんですよ。でも、僕らはゲスト・メンバーやスタッフがいなきゃ、ライブ一本もろくにできないバンドなんです。だから、人の力を借りるならちゃんと掛け算していくことが大切だと思っています。音楽に対してはもちろん、それはファッションにも言えます。なんでもまずは自分の中に入れてみて、判断する楽しさみたいなものを、最近は特に感じているんです。

--バンドとしての目に見える大きな変化でいうと、小川さんが2015年初めに正式メンバーになられたことは大きかったと思うんです。sumikaの魅力がよりワイドになったと感じています。

黒田:まさにそうですね。自分たちが想像もしないところから、「こういう音楽がやりたい」って思える新しい発想が生まれたんで、本当に幸せです。

荒井:小川くんが入る前は、良くも悪くも、既にバンドの音楽が好きな人やライブに行くことが習慣になっている人に届く音楽だったように思います。そこから小川くんが入れば、そうじゃない人にも届けられる音楽ができるんじゃないかって、よく健太とも話していました。そんなに”バンド”していない純粋なピアノの音色は、普段音楽との距離がそんなに近くない人にも、しっかり届く要素が強いですから。

--ビルボードライブにはグランドピアノもありますし、ばっちりですね。

小川:今のsumikaのお客さんは年齢層が広いんです。だから、大人向けのイメージがあるビルボードに始めて来られる若い方もいると思います。sumikaとしても初めてのステージですし、共に楽しみたいですね。個人的にはグランドピアノが弾けることが嬉しくて嬉しくて。早く聴いてもらいたいです。

--ビルボードライブに遊びに行かれたことがある方はいらっしゃいますか?

片岡:僕はあります。行く前までは確かに大人向けというか、敷居が高いイメージがあったんですけど、行ってみるとどの席で観ても楽しいし、飲み物も食べ物も美味しいし、”いいものを観た”って思えるんですよね。所謂ライブハウス然とした場所じゃないからといって、躊躇する必要はなかったんだって思いました。もっと早く行けばよかったなって。ザ・スパンデッツのライブを観た時に、生の歌声がちゃんと聞こえてきたというか、グランドピアノもそうですけど、フィルターをかけてアンプで増幅させた音ではなく、そこで鳴っている音が直に伝わってきたことが本当に良かったです。

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[camp session]の方が僕らの素に近い

--前回の【Fashion with Music】はTHE BAWDIESがフィーチャーされたんですけど、ROYさんがおしゃっていたことで印象的な話があったんです。いつもレコードで聴いて憧れていたソウルシンガーの歌声が歪んでいたんで、ご自身もそういう声になられたらしいんですけど、ビルボードだと、肉声が聞こえてくるわけですよ。それがROYさんが思っていた歪みとは違っていて、「俺、レコードの真似してたんだ」って思ったそうです。(THE BAWDIESインタビュー)

片岡:それは良い話ですね。レコードやインターネットだと分からないことがライブにはあります。それをビルボードで経験できたら、もっともっと音楽が好きになれると思います。

荒井:接客も丁寧で、訪れた人を楽しませることを一番に考えてくれていることが伝わってくるんですよね。音楽を楽しむために考え抜いている人たちによって作られた場所なんだなって。そんな風に、僕と同じようなことを思っている人が、他にもたくさんいるような気もするんです。言葉を交わさなくても分かっていて、繋がっている感覚は凄く居心地がいいですね。

--確かに、自分ももしインタビューされて思い返したら、荒井さんと同じことを言ったかもしれません。そして、sumika[camp session]としてのライブは久々ですから、初めて体験する方もいらっしゃると思います。改めてその魅力を訊かせてもらえますか?

片岡:[camp session]の方が僕らの素に近いというか、会場が大きくなればなるほど、自分たちがやっていることをアンプやスピーカーの力を借りて、増幅させなきゃいけない。そうやって多くの人に届ける美学もあるんですけど、自分たちの手が届く範囲で、自分たちの温度感を伝えようって、僕らはそこが柱にあるんです。そのためには、リラックスして臨むことが一番だって分かっていますし、気負いもなくて、[camp session]は今まで失敗したことがないんです。こっちからしてもご褒美ライブのような感覚ですね。

小川:[camp session]のリハは、自分たちの曲をついつい自賛しちゃうことが多いんですよ。気持ちがフラットな状態というか、心ゆくまで演奏できているような気がするんです。

--距離の近さ、音の温もり、となるとMCのスタンスも違ってくるのでしょうか?sumikaのときは真摯かつユーモアに溢れている印象です。それによってバンドとお客さん、互いの感謝を共有できることが魅力だと思っています。

片岡:質問コーナーがありますね。普段のMCのように、自分が思うことを投げて、それを皆さんがどう感じるかではなく、もう物理的にキャッチボールをしちゃおうと。今回もやる予定です。音楽人ではなくて一人の人間として向きあう感覚なんですよね。

--楽しそうですけど、尺を守れないイメージが……。

片岡:そうなんですよ。話が盛り上がってくるとつい(笑)

小川:そこは気を付けないといけません!

荒井:普段のライブも楽しいんですけど[camp session]は、本当に自分がリラックスして楽しんでいいと思ってるんです。その良さを存分に感じてもらって、来て良かったと思ってもらえることを大切にしています。でも緩くなりすぎて、ビルボードさんやお客さんからも、イエローカードが出ないようにしなければ……。よろしくお願いします!

--はい、当日を楽しみにしています。

sumika「SALLY e.p」

SALLY e.p

2016/12/07 RELEASE
NOID-15 ¥ 1,518(税込)

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Disc01
  1. 01.MAGIC
  2. 02.坂道、白を告げて
  3. 03.まいった
  4. 04.オレンジ
  5. 05.TACTICS (Bonus Track)

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