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BiSHアイナ・ジ・エンド×リンリン『プロミスザスター』インタビュー



BiSHアイナ・ジ・エンド×リンリン『プロミスザスター』インタビュー

「リンリンのウン○とかも「食べて」って言われたら食べれる」

 出逢って約1年半、付き合いたてカップル~二十歳の息子がいる熟年夫婦のような関係性になれたと云うアイナ×リンリン。その馴れ初めから今、二人の共作、そして未来に向けての話を幸福感いっぱいに訊かせてくれました。ぜひご覧下さい。

インタビュー参加メンバー:
アイナ・ジ・エンド(担当:おくりびと)
リンリン(担当:無口)

幕張メッセのたくさんの人の前で歌ったら泣きそう……って思ってます

--渋谷スクランブル交差点に巨大広告がどーん!と設置(3/16に「BiSH 3/20にココでお知らせがあることをプロミス。よろ。」と書かれた広告が登場。3/20に「BiSH 7/22幕張メッセイベントホール公演決定!!」と記された広告に切り替わった)。あれを見てどんな気持ちになりました?

BiSH / プロミスザスター[NEVERMiND TOUR FiNAL @ ZEPP TOKYO]
BiSH / プロミスザスター[NEVERMiND TOUR FiNAL @ ZEPP TOKYO]

アイナ:「エイベックス、やばー」と思いました(笑)。でも「もう後戻り出来ない」感もあります。

--幕張メッセでのワンマンライブ。誰もが出来ることじゃないですもんね。

アイナ:「幕張メッセ、でかいなー」と思ったんですけど、現実味が全然湧かない。もうよく分かんない……うん、分かんない。

--7000人~8000人キャパですもんね。伝説のBiS解散ライブ【BiSなりの武道館】@横浜アリーナ(http://bit.ly/1qqUMcn)が集客8000人だったので、デビューから2年強で早くも肩を並べることになります。

アイナ:ヤバイ……。

BiSHアイナ・ジ・エンド×リンリン『プロミスザスター』インタビュー

--とは言え、BiSHは鬼バンド(BiSHサウンドプロデューサー・松隈ケンタ(g)/清春や藍井エイルのバンドメンバーとしてもお馴染み楠瀬タクヤ(dr)/LUI FRONTiC 赤羽JAPANの小原just begun(b))と共に全国ツアー【BiSH NEVERMiND TOUR】(http://bit.ly/2krggZF)を新春から巡り、幕張メッセに立つに相応しいだけの熱狂ライブを生み出してきました。どんなツアーになったと感じていますか?

アイナ:うーん……なんかある?

リンリン:………………

アイナ:ウチらそういう質問にあんまり答えてきてないというか(笑)、チッチかハシヤスメに大体任せているので!

BiSHアイナ・ジ・エンド×リンリン『プロミスザスター』インタビュー
▲左から:リンリン/アイナ

--では、今回のインタビュー、ミスキャスティングですか?

一同:(笑)

リンリン:私は(今回のツアー)無心でやってました。

アイナ:無心でね!

--アイナは?

アイナ:アイナ的には「プロミスザスター」という大事な曲が出来て、でも全然ライブで上手く歌えなくて……何回も何回もいろんな大人の人たちがアドバイスをくれたんですけど、松隈さんが「自信持ちなよ、良い歌うたってんだから」って一言言ってくれて。そのときに「それが足りないんだ!」って初めて気付いたんです。それで気合いで歌ってみたら最後まで自信持って歌い切れて。だから変にどう歌うか考えるよりも「歌は気持ちのほうが大事なんだ」って松隈さんと同じステージに立ったことで気付きました。

--それに気付くまでは自由に歌えなかった?

アイナ:手術してから(昨年12月に声帯結節の手術を受けた)喉を潰しちゃいけないと思ってるから「無理しちゃいけない」とか「これ以上歌ったら明日かれる」とか考えちゃうんですよ。「無理したらみんなに迷惑をかける」という思考回路。でも多少の無理はしたほうが自分のテンションも上がるし、ちゃんと歌い切ることができるし、それが自信に繋がる。だから今は思いっきり歌えてます。

--そんなアイナを変えるきっかけにもなった新曲「プロミスザスター」、リンリンにとってはどんな印象の楽曲になってますか?

BiSHアイナ・ジ・エンド×リンリン『プロミスザスター』インタビュー
▲リンリン

リンリン:………………

アイナ:ハハハハ! 一番答えるの苦手なやつ(笑)。

--今回は2人しかいませんから! 2人で何とか補ってください(笑)。

アイナ:がんばって!

--普通に曲の感想でいいですよ?

リンリン:良い曲です! なんか、泣きそうになります。幕張メッセのたくさんの人の前で歌ったら泣きそう……って思ってます。特にサビの歌詞。

--今回はそんな幕張メッセに向けて、BiSH内でも人気カップリングであるアイナ×リンリンのストーリーにフォーカスしたいのですが、新メンバーとして加入してきたリンリンと初めて会ったときの印象から聞かせて下さい。

アイナ:オーディションに立ち会ってたんですけど、そのときの印象は「ガリガリで、変なTシャツを着た娘が来た」。ずっとモジモジしながら、カバンの紐を肩にかけたまま握り締めてたんですよ。それで歌う審査のときも「カバン置かなくていいの?」って聞かれても「この……紐は……大事なの……で」みたいな(笑)。それで紐をモジモジ握りながら歌ってるんです。Tシャツも変な柄だし「そういうTシャツが好きなの?」って聞いたら「Tシャツ……1枚で……着るのが……好きなので」みたいな。とにかく変な子すぎて!「絶対にほしい!」と思いました。

BiSHアイナ・ジ・エンド×リンリン『プロミスザスター』インタビュー
▲アイナ

--アイナ的にも加入してほしいメンバーだったと。

アイナ:「この娘がいたほうが面白くなるんだろうな」って思いました。それまでの4人のBiSHにそういうキャラはいなかったので。だから「欲しいな」って。

--なんでそんなにモジモジしてたんですか? 緊張?

リンリン:リュックとかでも手を離したまま歩けなくて……何かをギュッて持っていないと人前で歩けなくて。だったので、握ってました。カバンを。

--そのときはどんな気持ちでオーディションを受けてたんですか?

リンリン:お姉ちゃんとオーディションを受けたんですけど、集団面接に遅刻してしまったので、お姉ちゃんと私とメンバー4人と渡辺さん(BiSHマネージャー/WACK社長)しかいない空間で。そこで私はずっと怒ってました。おねえちゃんが遅れて間に合わなかったので。

--怒りながらモジモジしていたんですね。今はもう人前は平気になったんですか?

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▲左から:リンリン/アイナ

リンリン:今はもう。

--リンリンはどの辺で変わったと感じました?

アイナ:最近ですかね。目が据わってきました。以前はいつもキョロキョロしてて挙動不審だったんですけど、最近は落ち着いてきたし、メンバーみんなと仲良くしてる感じがします。加入当初はチッチとふたりでご飯に行くとか考えられなかったので。

リンリン:絶対ムリ。

一同:(笑)

リンリン:と思ってました(笑)。怖かったんですよね。「これ知られたら誰かにバラされるんじゃないか」とか。なので、アイナ・ジ・エンド以外はみんな怖かったです。

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  1. その場でリンリンに「めっちゃ嬉しい! これからも愛し続けるよ!」
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その場でリンリンに「めっちゃ嬉しい! これからも愛し続けるよ!」

--何を「バラされそう」と思っていたんですか?

リンリン:悪口とか。

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▲リンリン

--リンリン、悪口言わないと生きていけない人ですもんね(笑)。

リンリン:それが広まりそうな人たちと思ってました。

--まだ信用できなかったと。その中でなんでアイナだけ安心できたんですかね?

リンリン:…………

--打ち解けた瞬間があった訳ですよね?

リンリン:ダンスの練習のときずっと怖くて、でも帰り道に「怖いのはダンスのときだけやから! 本当はやさしいねん!」って毎回言われて(笑)。あと「神聖かまってちゃん、知ってるよ」とか私の趣味について一緒に喋ろうとしてくれたり……あ、思い出した。水着買いに行ったんだ。

アイナ:まだリンリンが入って2週間ぐらいのとき。とある日に空き時間があって、みんなひとりで行動していたんです。でも、まだ全然仲良くなかったんですけど、リンリンだけアイナが水着を買いに行くのについてきてくれて。ニコ生の番組で使う水着。それでひたすらウチが試着して「リンリン、これどう?」「お尻ハミ出てるんやけど、いけるかな?」って(笑)。リンリンはほぼ初対面なのにずっと水着姿を見せられて!

--まだリンリンは心開いてないのに(笑)。

アイナ:いちいち着替えては「リンリン! これ見てリンリン!」って。

リンリン:(笑)

アイナ:その日にリンリンとお揃いの服をWEGOで選んで、試着ルームでふたりで着替えたりして写真撮って「いぇーい! お揃いコーデ!」みたいな。もう普通に友達みたいな感じ。学校が一緒でも絶対に仲良くなってなさそうなタイプだったんですけど、喋ると結構楽しくて! なので、私は最初から開放的な心でリンリンと接してました。

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▲左から:リンリン/アイナ

--いきなり脱いでますからね。

リンリン:いきなり水着になって、私はその写真を撮らされて(笑)。

アイナ:渡辺さんに送らないといけなかったんです。楽しかったですよ! アイナが関西弁だからか普通に喋ってるだけなのにゲラゲラ笑ってて「なんで私は普通なのにこんなに笑ってるんだろう?」って思ったり(笑)。

--でも最初は怖かった訳ですよね?

リンリン:うん。

アイナ:相当怖かったと思う。

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▲アイナ

リンリン:見た目も怖かった。赤いリップで、髪もロングで、大人の、タバコ吸ってそうな女の人のイメージだったので。

アイナ:声もカスカスだし(笑)。

--そこまで怖いイメージの相手とどうしてここまで打ち解けられたんでしょうね。

リンリン:面倒見が良かったんだと思う。

--そんなアイナに対してリンリンは「あいなじえんどのために」という言葉を発信するようになります。アイナからするとどんな気分だったんですか?

アイナ:「やっぱり変わった人やなぁ」って。

--嬉しくなかったの?

アイナ:時間が経てば人って飽きが来るし、そういうことを言ってるのも「今のうちだけだろうな」って。だから「今のうちに幸せを噛み締めておこう」とは思ってました(笑)。あと『IDOL AND READ』のリンリンのインタビューを読んで泣きました。私も無理して嫌われ役にまわってダンスを教えていた部分があったから、その中でリンリンは心の支えになってくれていて、例えばキツい言い方をしてしまったときに「あの言い方、大丈夫やったかなぁ?」ってリンリンに聞くと「大丈夫だよ」みたいな。それで救われている部分はあったので、そんな私への想いを語ってくれていたインタビューを読んだときは泣きました。新宿でしたね。電車の中。その場でリンリンに「めっちゃ嬉しい! これからも愛し続けるよ!」ってキモいLINEして(笑)。

--そもそもリンリンが「あいなじえんどのために」と想ったきっかけ。まだ知らない人の為にも教えてもらえますか?

BiSH/MONSTERS[OFFICIAL VIDEO]
BiSH/MONSTERS[OFFICIAL VIDEO]

リンリン:「ダンスをもう1回みんなで揃え直そう」ってなったときに、アイナが「MONSTERS」とかの手本動画を実家で撮って見せてくれたんですけど、実家なのに壁一面が鏡だったんですよ。それにビックリしちゃって。小さいときからダンスをやっていたのは知っていたけど、親もそこまでお金をかけて家まで改造していて、そこで彼女はずっとずっと練習してきていて、でも私たちメンバーは同じレベルで踊ることが出来ないし、きっと自分がやりたい難しいダンスとかもここでは出来ない。でもBiSHにいて……って考えたら申し訳なくなって、なんかしなきゃと思って。

--それで「あいなじえんどのために」頑張ろうと思ったと。実際、BiSHのダンスリーダー的存在としてアイナは「なかなかみんな覚えてきてくれない」など葛藤し続けてきたと思うんですが、そうやって自分の想いにメンバーも応えてくれるようになっていく中で、今はどう変わっていってるんですか?

アイナ:メジャーデビューしてからは「やんなきゃ」と云うよりは、やるのがあたりまえになってきてるので、例えばリンリンは練習の前に誰よりも動画を見てて、自分の立ち位置とかもしっかり把握してるし、ライブでも人一倍ステージを客観的に見れてる。アユニの位置がちょっとでも違ったりしたらすぐ分かる。今はそうやって勝手にみんながやってくれるから、昔の4人時代のときみたいに「なんでやってこなかったの?」みたいなことはないですね。あと、今はみんなの個性を出したいから「ダンスって楽しいんだよ」っていうことを伝えられたらいいなと思っていて、無理に「5!6!7!なんでそこ出来ないの!」ってスパルタでやるんじゃなく「その手、なんかビーム出してるみたいでめっちゃ可愛いねぇ」って出来てなくても言う。それはそれで本当に個性が出てて良いと思うし、仕事として無理矢理やっているという感覚じゃなくて、楽しいと思ってやれたほうが面白いところもたくさん出てくるから。そこを大切に今はパフォーマンスについては考えてます。

--BiSHにおける理想のパフォーマンス像は?

BiSHアイナ・ジ・エンド×リンリン『プロミスザスター』インタビュー
▲モモコグミカンパニー

アイナ:アイコンみたいになりたいです。例えばモモコグミカンパニーだったら、あの状態で幕張メッセで踊ったらすごく可愛いと思うんですよね。ダンスがパキパキしてなくてフニャフニャしてて、ちゃんとやってるんだけどヘタっぴ。それがキャラになってきてると思うので、そういう各々の個性が確立できたら最強軍団になりそう。だから変に揃えて「6人でひとつだぜ!」っていう感じよりは、各々が爆発してそれが自然と虹みたいになりました。そういう感じが似合ってるかなって思います。

--ちなみに、リンリンはどうなったらいいなと思いますか?

アイナ:リンリンは気分なんですよ。結構気分。で、芯がしっかりしてるからやりたくないことはやらない。

リンリン:(笑)

BiSHアイナ・ジ・エンド×リンリン『プロミスザスター』インタビュー

アイナ:ただ、メンバーの中で唯一それがハッキリしてるから「ここでこうしたほうが面白い」と思ってやってるのか、素直に自分を全部さらけ出しているのか。ライブで見てても分かるし、いずれにしても自分を全部出せる人。そういう意味で目が据わってきたと思うんですけど、昔は自分を出したくてもちょっと我慢してたり、自分は今こうしたいんだけど「こうしなきゃいけないからこうする」って真ん中に寄せてたんですよ。全然出来ないくせに、白黒ハッキリさせることしか出来ない娘なのに、無理矢理頑張っていたんですよ。それを今バーン!って諦めて(笑)真ん中じゃなく両極端に振れるようになったから「プロミスザスター」のPVでもあんなパンクな髪型とかも出来ちゃう。そういうハッキリした個性がパフォーマンスでも確立できたら良いなと思います。他にそんなメンバーいないし、そういうところが格好良いので。

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今は結婚して……もう二十歳ぐらいの息子がいてもあたりまえな人たち

--いつからかリンリンってステージ上で一番目立つ子になってましたよね。猟奇的な声も動きも目つきもビジュアルも中毒性あるし、一度好きになったら目を離せなくなるだけの個性を爆発させられるようになりました。自分の中ではそう振り切れたきっかけって何かあったんですか?

リンリン:作詞が結構大きいかも。私が作詞している曲が増えて、その詞を書いたときの感情や状況を顔とか全部で見せよう。それは「綺麗に見せよう」とか「エモい」とか「可愛い」とかじゃなくて、グチャグチャな自分を見せようって思ったから。

BiSHアイナ・ジ・エンド×リンリン『プロミスザスター』インタビュー
▲リンリン

--それで頭に虫も付けようと。

アイナ:ハハハ!

リンリン:これは蜂です。

--凄い色の蜂ですね。

アイナ:マジで怖いですよね!

--その蜂もそってぃー(外林健太/BiSH衣装デザイナー)が用意したんですか?

リンリン:いや、勝手に。

--私物なんですね(笑)。

リンリン:磁石をピンにくっつけました。このあいだ、作ったばっかりなので。

--お気に入りなんですね。ちなみに、リンリンのファンってどんなタイプが多いの?

BiSHアイナ・ジ・エンド×リンリン『プロミスザスター』インタビュー
▲アイナ

アイナ:意外に普通の人が多くない?

リンリン:目立ちたがりは全然いない。普通の……

--リンリンみたいな恰好をする人はいないの?

リンリン:女の子でいます。服装とか髪型とか。

--リンリンにとってファンはどんな存在になってるんでしょう?

リンリン:相手をしてくれて嬉しいです。でもそんなに盛り上げようとかは思っていなくて。自分を見てほしいと云うより、自分を見せられたら私はそれでいいので。だから「見てくれてありがとう」みたいな。

--すごく従順なイメージがあります。ツイッターも「ねえ」の2文字でこんなにリプ飛んでくる人いないと思いますよ。

一同:(笑)

--辛辣なツイートでも、誰もイヤな想いをしないというか、他の人が書いたら大炎上しそうな内容でも受け止めるというか、リンリンだったら「死ね」と書いても……

アイナ:みんな喜ぶ(笑)。

--そんな唯一無二のリンリン。先程「時間が経てば人って飽きが来るし、そういうことを言ってるのも今のうちだけだろうな」とアイナが言っていましたけど、今のふたりはどんな関係性になってるんですか?

BiSHアイナ・ジ・エンド×リンリン『プロミスザスター』インタビュー
▲左から:リンリン/アイナ

リンリン:なんか……昔は付き合いたてのカップルみたいな。

アイナ:フハハハハ!

リンリン:毎日LINEしてて(笑)。

アイナ:気持ち悪い(笑)!

リンリン:今は結婚して……もう二十歳ぐらいの息子がいてもあたりまえな人たち。

アイナ:もう老後の人生送ってる。ヤバいじゃん!

リンリン:で、今、他のメンバーは「ちょっと気になってる」レベルの人たちだけど、こっちは長年の……

--熟年カップルだ(笑)。

アイナ:でもたしかにそんな感じがします。前ほど「アイナ、アイナ」って言ってこないし、私も「リンリンちゃん! 可愛いね!」とは言わないんですけど、今はたしかにジジババみたいな(笑)。何も喋らなかったとしても大丈夫。

--あれだけ人と接するのが苦手だった女の子が、今や熟年カップルになれるほどの関係値を作れている。相性が良かったというか、運命の出逢いだったのかもしれませんね。

アイナ:すぐ仲良くなれたし、そう思いました。オーディションのときとか練習のときは思わなかったですけど、リンリンと実際に喋ってみると「こういう発想があるんだ?」と思ったり、逆に「自分のこういうところを笑い飛ばしてくれるんだ? この人は」と思ったり、そういうことがいっぱいあったんで嬉しいなって。「友達になってくれてありがとう」って思いましたね。私も当時は心を開ける存在がいなかったし、リンリンが入ってきてくれて嬉しかったです。

BiSHアイナ・ジ・エンド×リンリン『プロミスザスター』インタビュー
▲アイナ

--ちなみに、結婚しているということはどっちが旦那なんですか?

アイナ:どっち? アイナ?

リンリン:うん。

--では、旦那さんから見た奥さんの好きなところを教えて下さい。

一同:(爆笑)

アイナ:えー、やだぁ!

--好きなところないんですか?

アイナ:全部好きですけど!

リンリン:(笑)

BiSHアイナ・ジ・エンド×リンリン『プロミスザスター』インタビュー
▲リンリン

アイナ:好きというか、人生で初めて覚えた感情があるんですけど……「こういう人なんだ!」って全部を受け入れられる存在。一般的に見たらダメなところもあるんですよ。初めてのインタビュアーさんだと全然喋らなくなるとか、それで「なんだ、この人」って思われちゃうかもしれないんですけど、私はそういうところも全部面白いなって。そういうところも全部ひっくるめて……

--いとおしい?

アイナ:そうですね。

--今の説明、完全に愛じゃないですか(笑)。

アイナ:私の中では、親友とかって云うよりは、どっちもお姉ちゃんみたいになることもあるし、どっちも妹みたいになることもあるので“シスター”みたいな。リンリンがゴーイングマイウェイすぎるから、アイナがそれを補助できたらいいなって思ってます。そういう存在になれたらいいな。

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渡辺さんもプー・ルイさんもBiSHが売れたらみんな良い方向に向く

--リンリンのことなら何でも受け入れられる?

アイナ:受け入れられます。多分、リンリンのウン○とかも「食べて」って言われたら食べれるぐらい。

BiSHアイナ・ジ・エンド×リンリン『プロミスザスター』インタビュー
▲アイナ

--それは凄いですね(笑)。

アイナ:結構そうです。

--「結構そうです」って。

アイナ:でも本当に食べれると思います。他のメンバーのウン○だと厳しいけど。

--ウン○でメンバーとの関係値測らなくていいです(笑)。では、リンリンは旦那さんのどんなところが好きですか?

リンリン:敬ってくれるところ。親みたいな。

--親にもなっちゃうんですね。全部担ってくれる。

リンリン:こっちに一人でいて親に会えないときに、その代わりになってくれるぐらいの愛情がある人。

--では、リンリンにとっては人生変えられたぐらいの出逢いだったんですね。

リンリン:うん。初めて人前で家族と同じぐらい素を出せてる。家族にいておかしくないぐらいの人。

--まだ出逢って約1年半。ここまで愛し合えるモデルケースがあると知って感動していますが、そんな2人が共作で作詞したナンバーが今作『プロミスザスター』には収録されています。「Help!!」。具体的にはどんな流れで制作した1曲なんでしょう?

アイナ:まず別々に歌詞を書いたんですよ。だからテーマが違うんですけど、アイナは「人って一筋縄では生きていけないんだ」と思っていた時期で、私は本来「こうだ!」と思ったら真っ直ぐ突き進むタイプなんですけど、そうじゃなくて人の意見も一回受け入れようと思って。だから「ブッダになりたい」と思ったんですよ。

--極端ですね(笑)。

アイナ:悟りを啓こうと思って。だからサビで「誰でもブッダになれるんだよ♪」ってダサい歌詞を書いたら使われなかったんですけど、リンリンにも「そりゃ採用されないでしょ」って言われて(笑)。だから1番と2番のサビ以外が私の歌詞になってるんです。

--リンリンはどんなテーマで書いたんですか?

BiSHアイナ・ジ・エンド×リンリン『プロミスザスター』インタビュー
▲リンリン

リンリン:曲を聴いたときに、走っているイメージが浮かんで。少年が高速道路を逆走してトラックとかも飛び越えて走っているイメージ。その少年は親に英才教育を受けさせられて、「こういう道を進みなさい」って将来も全部決められてて、自分が途中で「こういう道に進みたい」って思ってもそっちにはもう行けない。大人の言うとおりでずっと抜け出せなくて、親に決められた道=人生の外をかけている。

--すごくコンセプトもストーリーもしっかりしてるじゃないですか。

アイナ:そうなんですよ。だから逆に申し訳なくて! アイナが書いたところまでリンリンが書いたと思われたら申し訳ない。

--でも「ブッダになりたい」から始まったアイナの歌詞とリンリンの緻密な歌詞が合体して「Help!!」が出来た訳ですよね?

アイナ:結構合ってるんですよね! 私は「誰でもブッダになれるんだよ♪」っていう主要部分が無くなってるんで(笑)、そこが無くなったことで意味が統一されてるんですよ。リンリン側の意味に結果としてアイナが書いた歌詞も寄ってる。

--そんな「Help!!」、ライブでの反響はどうなんですか?

アイナ:良いと思います。振付も今までにないぐらい、さっき話したように個性をめっちゃ出そうと思ったんで、結構ヤバい感じになってるんですよ。表題曲の「プロミスザスター」はメジャー感が凄いので、こっちでは昔からのBiSHのイメージや楽屋ノリを表現したかったんです。

--「Help!!」で共作している2人なんですが、この夫婦は今後どうなっていくんでしょう?

アイナ:もう熟年ですからね。死に向かうしかないんですかね?

--どっちが先に逝くんですか?

アイナ:共に脱退?

--仮にアイナが脱退せざるを得ない状況になったらどうします?

BiSHアイナ・ジ・エンド×リンリン『プロミスザスター』インタビュー
▲左から:リンリン/アイナ

リンリン:……終わらせます。

--終わらせます?

リンリン:BiSHを。

一同:(笑)

--アイナのいない世界など終わらせると(笑)。

アイナ:凄い!

--「いらない、そんなの」って消しちゃうんでしょ?

BiSHアイナ・ジ・エンド×リンリン『プロミスザスター』インタビュー

アイナ:ヤバイじゃん(笑)!

リンリン:フフフフ!

--ただ、グループに脱退は付き物ですけど、そんな気配すらさせない今のBiSHは面白いなと思います。それだけ勢いに乗っているということかもしれません。

アイナ:そうですね。私も辞めたいと思ったことないし。というか、私が居なくなるとリンリンが終わらせちゃうんで(笑)。

--では、7/22幕張メッセイベントホールも決まってますし、今回のシングルタイトルじゃないですけど、このまま突き進んでスターになるしかないですね。

アイナ:本当にそう思ってます。BiSHの為にというか、BiSHを作ってくれた渡辺さん、その前に渡辺さんとBiSを作ってくれたプー・ルイさんもそうですし、BiSHが売れたらみんな良い方向に向くんじゃないかなって。それによって「悔しいから頑張ろう」という想いが生まれたり、いろんな感情が渦巻くようなグループにしたいです。

Interviewer:平賀哲雄
Photo:Jumpei Yamada

SuG 10周年記念ベストアルバム『MIXTAPE』インタビュー

BiSH「プロミスザスター」

プロミスザスター

2017/03/22 RELEASE
AVCD-83766 ¥ 1,100(税込)

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Disc01
  1. 01.プロミスザスター
  2. 02.Help!!

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