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GARNET CROW 『夢・花火』 インタビュー
--今年の夏も多くのアーティストがサマーチューンを続々とリリースしていますが、GARNET CROWがこの夏に打ち出す新曲『夢・花火』はどんなイメージを膨らませながら作っていった楽曲なんでしょうか?
中村由利:作っていく中で「美しく儚いもの」というキーワードが浮かんできました。美しいがゆえに短命であったり、短命であるからこそ、その一瞬を精一杯生きる、生きようとする。例えば、花、桜などの植物、または花火も一瞬で消えてしまうけれど、その美しさは決して人々からは忘れられない、そういった姿を人間にも当てはめて広げていきました。
--『夢・花火』は、昨年、リリース目前まで作りながらも、もう一度世界観を作りこむ理由で温められた楽曲のようですが、その当時からこの楽曲はどのように進化していったんでしょうか?
中村由利:やり直した箇所は主にリズム隊です。よりロックで力強いサウンドの方が、この曲には合うと思ってやり直しました。元はもう少し綺麗なサウンドで、おとなしい感じでした。でもやり直して、自分たちの納得いくものができ、よかったです。
--この楽曲のオープニングで中村由利さんが歌っている「Ti amo」というフレーズは、どんな意味を持った言葉なんでしょう?
中村由利:イタリア語で“love you・・・”という意味ですが、ここはそんなに大意はありません。語感を楽しんで頂ければと思います。Youはもちろん愛しい人であったり、家族、友人、自然や母なる地球でもあります。
--また『夢・花火』の歌詞は、これまでのGARNET CROWの楽曲と比べても、かなりストレートで情熱的なものになっている印象を受けたんですが、どんな想いを綴っているんですか?
中村由利:人の一生も、宇宙の大きな時間の尺から言えば、ほんの一瞬です。その一瞬を大切に、そして美しく生きたい、そんな想いを歌っています。
--そんな『夢・花火』、実際に歌ってみていかがでした?
中村由利:久しぶりのアップテンポ、そしてマイナーチューンでしたので、新鮮な気持ちで歌えました。潔く美しく、自分の心もこの歌で清められたような、そんな感じです。
--今後GARNET CROWのライブにおいてもこの楽曲は重要な部分に位置する楽曲になっていきそうな予感がしているんですが、ステージではどうこの楽曲を魅せていきたいと考えますか?
中村由利:まだ具体的にライブが見えていないので分かりませんが、ダイレクトに皆さんの反応が見れるライブで、この曲がどういったポジションにくるのか、早く見てみたいです。
--ちなみにこの『夢・花火』のミュージッククリップはどんな内容になっているんでしょうか?
中村由利:とてもクールで、意味深で、かっこいいです。是非見てみて下さい。
--またカップリングに収録されている楽曲にも触れていきたいんですが、まず『His Voyage』。この楽曲はどんなイメージのもと、作っていったんでしょうか?
中村由利:人は夢や希望を持って生きていこうとしますよね、またそういった生き方が美しい生き方とされている中で、でもそうした夢や目標みたいなのが重く感じる事もありますよね。そんなものどうでもいいやって思うこと、あると思うんです。でも、最終的にはまた夢を見てしまう、そんな人間の性というか、人間臭さを感じとってもらえればいいですね。ちょっと皮肉った曲ですね。
--そして3曲目の『Ring Ring a ding』。こちらはどんなイメージをもと、作っていったんでしょうか?
中村由利:歌詞の中で「大好きって気持ち一つで」というフレーズがあるのですが、この詞がとても気に入っています。ひねくれていないで素直になろうって思います。大好きっていう気持ちは、いつまでも大切にしなくてはいけませんね・・・
--更に今作には、シングルとしてリリースされた『籟・来・也』の別バージョンが2テイク収録されています。それぞれどういった経緯から今作に収録することになったのでしょうか?
中村由利:番組用にアカペラバージョンを録ったのですが、オンエアー後に「あの声は中村さんですか?」というお問い合わせをたくさん頂いて、それで今回“じゃあ、収録しようか”という話になりました。「私が歌っています!」っていうことで。
--いずれも素晴らしい世界観を持ったテイクだと思うんですが、特に4曲目の『籟・来・也 ~mother earth~』はオリジナル以上の感動をもらいました。自身ではどんな印象や感想をこのテイクに持っていますか?
中村由利:アカペラで一曲やるというのは、私自身初めての経験でしたので、とても貴重な体験だったと思います。ただレコーディングは大変で、ブレスの仕方や歌のラインなど、細心の注意を払いながらのレコーディングでした。何しろ自分の声しか響かないわけですから、プレッシャーでした。
--どの楽曲にも思い入れは強くあると思うんですが、この『籟・来・也』に関しては、GARNET CROWの新たな代表曲と言っても過言ではないほどの力を持った曲だと感じているファンも少なくないと思います。それだけの楽曲を生み出すことが出来たことに対する率直な心境を聞かせていただけないでしょうか?
中村由利:去年でデビュー5周年も無事迎えられ、何というかGARNETの土台がやっと出来たかなと思っています。しっかりとした大地があるからこそ根を広げられるように、5周年を迎えられた今だから出来た楽曲だと思います。デビュー当時では恐らく形にできなかった・・・
--今作を聴いても感じたことなんですが、ここに来て改めてGARNET CROWは時代に流されない、自分たちにしか作り得ない音楽を追究している印象を受けます。実際のところはどうだったりしますか?
中村由利:私たちが目指しているものは「いつまでたっても色あせない、その人にとってのスタンダードになること」なんです。なので、そう言って頂けるのは本当にうれしいですし、やっててよかったと思います。
--では、改めて聞かせてください。GARNET CROWが生み出す音楽はどんな音楽だと言うことが出来ますか?
中村由利:自分たち自身、音楽制作に全く飽きていなくて、常に新鮮な気持ちで楽曲に向かえています。聴いてくださる皆さんにも、聴くたびに音楽の楽しさや深さを感じてもらえる、そんな音楽を作っていきたいです。
--このシングルのリリース後にはどんな展開が予定されているんでしょう?
中村由利:7月2日から「メルヘヴン」(テレビ東京系)のエンディングテーマとして新曲『今宵エデンの片隅で』がオンエアーされますので、そちらも是非チェックしてみてください。アッパーなナンバーは歌っていても元気が出て、前向きになれます!
--では、最後に読者の皆さんにメッセージをお願いします!
中村由利:これからも良質な音楽を追い求めていきますので、応援よろしくお願いします!
Interviewer:平賀哲雄
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