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あのプリンスも魅了したキャンディス・スプリングスの魅力を紐解く~13の発言&プレイリスト~
あのプリンスも魅了した、米ナッシュヴィル出身のシンガー・ソングライター&ピアニスト、キャンディス・スプリングス。今年6月には待望のデビュー・アルバム『ソウル・アイズ』を名門レーベル<Blue Note Records>から発表(日本リリースは7月)、Billboard JAPANジャズ・アルバム・セールス・チャート(7月18日付)で1位、収録曲「トーク・トゥー・ミー」はBillboard JAPAN洋楽チャート最高位2位(7月18日付)をマークし、日本でも人気急上昇中だ。アルバムの日本リリースに伴い、プロモーション来日した彼女をもっと深く知るために、敢行したインタビューから自身のルーツ、『ソウル・アイズ』、そして故プリンスについての発言、さらには、キャンディス自身が影響を受けた楽曲のプレイリストを紹介。ジャズ、ソウル、R&Bからカントリーまで、様々なジャンルを自在に調理する、<Blue Note Records>の新世代歌姫キャンディスの魅力を紐解く。
キャンディス・スプリングスのルーツ
ジャズ&ソウル
「このアルバムは、私が本当に作りたかった作品。幼い頃から、ジャズとソウルが大好きだった。父親のジャズやソウルのレコード・コレクションを聴きながら育ち、13歳の頃にオスカー・ピーターソンの音楽と出会い、即座に夢中になった。駆け出しの頃はホテルのラウンジでジャズ・スタンダードを演奏してたしね。」
▲ First Time Ever I Saw Your Face (Roberta Flack cover)
意外な人からのピアノ・レッスン
「レジー(・ウッテン)は一般的にはギタリストだけど、何でも弾けるから彼にピアノを習ったの。私の父親のスキャットがレジーのことをよく知っていて、「俺の娘がピアノを始めたんだけど、才能がありそうだからちょっと見てやってくれないか?」って頼んだの。最初は「俺も忙しいんだ。」って乗り気じゃなかったんだけど、父があまりにも頼むもんだから、引き受けてくれて彼の家でレッスンしてもらった。最初に習った曲が「ソウル・トレイン」のテーマ曲(笑)。ちょっとダサいけど、最高だった!あとは、ジャズ?スウィング?っぽいフレーズをいくつか教えてくれて、それが気に入ったって伝えたら、アート・テイタムの音楽を指し示してくれた。それが、私が10歳の時よ。」
歌うきっかけ
「元々は、ピアノ奏者になりかったかったんだけど、ある時、歌手である父に「歌ってみたら?」って言われたのがきっかけで歌い始めた。「歌った方が、よりが楽曲が映えるし、注目してもらえるから。それに、おまえみたいな歌声を持つ子はいないから。」って。」
▲ Soul Eyes
ノラ・ジョーンズとの出会い
「私の人生を変えたノラ・ジョーンズのデビュー作をくれたのは父。13か14歳の頃だったと思うけど、ピアノを弾きながら歌う、若手女性シンガーソングライターという部分にとても触発された。スタイルや年齢など、自分と似た部分が多かったから、親近感を感じたしね。それに、若いアーティストにありがちな、やりすぎなぐらいに音をレイヤーするのではなく、そういった余計なものを削ぎ落としたスタイルに惹かれた。プレーヤーとしても特出してると思う。」
故郷ナッシュヴィル
「NYやLAにも住んだけど、やっぱりナッシュヴィルが一番“チル”で、落ち着く。最近、1エーカーほどの土地に家も買ったのよ。だから、家に帰るのはセラピー的な役割もある。ちゃんとしたスタジオは持ってないけど、家にピアノが5台ある…もうちょっとで6台に増えるんだ(笑)。キーボードが2台、アップライト・ピアノ、グランド・ピアノ、それとフェンダー・ローズ。全部リビングに置いてあるわ。それと、フトアゴヒゲトカゲを2匹買ってるから、彼らの住かとモデルカーのコレクションもリビングにあるんだ。」
公演情報
KANDACE SPRINGSwith special guest JESSE HARRIS
ブルーノート東京:2016/9/8(木)~9/10(土)
>>公演詳細はこちら
INFO: http://www.bluenote.co.jp/
BAND MEMBERS
Kandace Springs / キャンディス・スプリングス(ヴォーカル、ピアノ)
Jesse Harris / ジェシー・ハリス(ギター)
Jesse Bielenberg / ジェシー・バイレンバーグ(ベース)
Dillon Treacy / ディロン・トレイシー(ドラムス)
リリース情報
関連リンク
デビュー・アルバム『ソウル・アイズ』
生楽器へのこだわり
「プログラミングされた音楽のことをとやかく言うつもりはないけど、このアルバムに収録されているのはすべて生楽器の音。マーヴィン・ゲイ、ルーサー・ヴァンドロス…昔のレジェンドたちと同じレコーディング技法で作られた。最初から最後まで、ほぼライブ・テイクでレコーディングされたもの。」
▲ Rain Falling (1 Mic 1 Take)
レス・イズ・モアの美学
「特に歌声に関しては、レス・イズ・モアの美学に絶対的に惹かれる。ノラは、いい例よね。そしてニーナ・シモンも。オーバーに歌わなくても、声のトーンや生々しさがきちんと伝わってくるし、彼女の声だ、って即座にわかる。シャーデーも同じね。エヴァ(・キャシディ)はどんなスタイルでも歌えるけど、やっぱり「Autumn Leaves」のうようなシンプルな曲の方が断然エモーショナルよね。」
楽曲のアレンジメント
「自然と出来上がっていく感じね。アルバムに収録されている曲は、何年も前に書き上げたもの、そしてレコーディング直前に学んだものあるけど、自分の直観に従って、表現している。」
▲ Talk To Me (The Blues Kitchen Sessions)
ジェシー・ハリスによる楽曲提供
「彼が「これらの曲を人々に聴いてほしい、君の歌声にもピッタリだと思う。」って言って、提供してくれた。実は、他にも2曲ほどあって、次のアルバムに収録できたら、って思ってる。「Talk to Me」はすごくキャッチーで、みんなが口ずさめるような曲だけど、同時にソウルフルで私らしいから気に入ってるし、「Neither Old Nor Young」はとてつもなくゴージャスな曲。本当にパーフェクトな曲で、才能豊かなソングライターだと思うわ。」
故プリンスとのエピソード
▲ The Beautiful Ones (Prince Cover)
キャンディスだけが呼ぶことを許されたニックネーム
「私が「プリンシーって呼んでもいい?」って聞いたら、「君ならいいよ。」って言われて、それからずっとプリンシーって呼んでる。私はキャンディーって呼ばれてたわ。」
プリンスから学んだこと
「自分に素直になること。私のデビューEPのヒップホップっぽいヴァイブは全然気に入らなくて、私や同作のプロデューサーに抗議の電話をしてきたぐらいだもん(笑)。「やっぱり君の強みはピアノを弾き語りするスタイルで、それを貫けば現代のロバータ・フラックになれる!」って。父親もプリンスと同意見だった。」
最後の思い出
「私の誕生日、2016年1月18日だったから、すごく鮮明に覚えてる。ダコタ・ジャズ・クラブに、彼の大好きなバンドの一つ、リヴィング・カラーを観に連れて行ってくれた。その後、ダウンタウン・ミネアポリスにソウル・バンドを観に行ってから、彼が観たいって言った…ケヴィン・ハートとアイス・キューブ主演の映画『Ride Along 2』を観に行った。この話、知ってるかな?ペイズリー・パークの近所に映画館があるんだけど、プリンスは映画が観たくなると映画館に電話して、貸し切りにするの。ポップコーンをつくるスタッフ以外全員追い出すのよ(笑)。で、最後に一緒に観た映画『Ride Along 2』の時は、途中で「もう帰んない?この映画あんまよくないよね。」って言いだして、私も同感だったらから、2人で大笑いしながら、映画館を去ったわ。ちなみに、同日に一緒にスタジオで作業したから、その時の音源がペイズリー・パークのどこかにあるはずなの。自分の携帯で録音したものも少しあるんだけどね。そして、その前日にデビュー・アルバムを聴いてもらったんだけど、「まさにこれだよ!よくやったね。」という言葉をかけてくれた。お気に入りは、「Novocain Heart」だって。アルバムを聴いて、ジェシー(・ハリス)のファンにもなったみたい。」
プリンスの後世への影響
「世界は彼の偉大さを理解している。夜眠れないほど、常にアイディアが浮かんでたの。夜中の3時や4時に突然メールしてくることもよくあった。「まだ起きてるの?もう寝なさい!10分前に電話で話したばかりじゃない!」って具合に(笑)。根っからのハードワーカーで、とても寛大な人。世界中の人々からリスペクトされていた真のレジェンドよ。」
Kandace Springsさん(@kandacesprings)が投稿した動画 -
キャンディスの魅力を紐解くプレイリストをApple Musicで公開中
公演情報
KANDACE SPRINGSwith special guest JESSE HARRIS
ブルーノート東京:2016/9/8(木)~9/10(土)
>>公演詳細はこちら
INFO: http://www.bluenote.co.jp/
BAND MEMBERS
Kandace Springs / キャンディス・スプリングス(ヴォーカル、ピアノ)
Jesse Harris / ジェシー・ハリス(ギター)
Jesse Bielenberg / ジェシー・バイレンバーグ(ベース)
Dillon Treacy / ディロン・トレイシー(ドラムス)
リリース情報
関連リンク
ソウル・アイズ
2016/07/01 RELEASE
UCCQ-1063 ¥ 2,530(税込)
Disc01
- 01.トーク・トゥ・ミー
- 02.ソウル・アイズ feat.テレンス・ブランチャード
- 03.プレイス・トゥ・ハイド
- 04.ソート・イット・ウッド・ビー・イージアー
- 05.ノヴォケイン・ハート
- 06.ニーザー・オールド・ノア・ヤング
- 07.トゥー・グッド・トゥ・ラスト feat.テレンス・ブランチャード
- 08.フォール・ガイ
- 09.世界はゲットーだ!
- 10.リーヴィン
- 11.レイン・フォーリング
- 12.風のささやき <日本盤ボーナス・トラック>
- 13.トゥー・グッド・トゥ・ラスト feat.テレンス・ブランチャード (社長 from SOIL&“PIMP”SESSIONS Remix) <日本盤ボーナス・トラック>
- 14.ステイ・ウィズ・ミー~そばにいてほしい <日本盤ボーナス・トラック>
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