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メロン記念日 『MELON’S NOT DEAD』 インタビュー
楽器を持たない至高のロックバンド メロン記念日。と言われてもピンと来ない人は多いかもしれないが、今の彼女たちはアイドルグループの常識を覆し、BEAT CRUSADERS、ニューロティカ、ミドリ、THE COLLECTORS、GOING UNDER GROUNDといったロックシーンのビッグネームたちとコラボレーションを次々と実現。その“ロック化計画”の集大成と言えるアルバム『MELON'S NOT DEAD』がここに完成した。どのようなストーリーと意志のもと、彼女たちはロックに成り得たのか、4人が語る。
ロック化計画の集大成=人との繋がりの集大成
--紙資料にも“楽器を持たない至高のロックバンド”とありますが、そもそもデビュー当時から4人の中では「ロックでありたい」とか「ロックをやりたい」という意識はあったんでしょうか? それともいつの間にかロックに魅了され、自らもロックになっていった感じなんでしょうか?
斉藤瞳:デビュー当時はロック路線っていうのは全く意識していなかったです。最初は何も分からなかったので、どういう楽曲が私たちに合っているのかも分からなかったし、ハロー!プロジェクトのユニットとしてデビューしてますから、ロックはやっぱり遠い存在だったんですよね。でも『This is 運命』という曲をもらってから、周りが「メロン記念日ってロックが似合うんじゃない」って言い始めて、それがロック路線になっていくキッカケになったんだと思います。
村田めぐみ:あと、ずっと「メロン記念日単独のライブをやりたい」って言ってまして、それが叶ったのがデビューから2年ぐらい経ったときで。ファンの気持ちも「早くメロン記念日単独のライブを観たい」って高まりきっていたんですよ。それで単独ライブの会場でダイブやモッシュが起きたりして。それを目の当たりにしたのも大きかったと思います。「これはロックだ!」って思えたんですよね。
--1stコンサートからモッシュやダイブが起きるって、アイドルとしては今も昔もあり得ない状況ですよね。
柴田あゆみ:そうですね。しかもその日は東京に初雪が降りまして。今、思えばメロン記念日の前途多難だなって(笑)。でも初ライブということで自分たちに余裕がなくて、あらかじめ決めておいた挨拶用の台本とかあったんですけど、それを「一語一句間違えないように言わなきゃ」みたいな感じとかになっちゃって、すごく緊張してたんですよ。そんな中、お客さんは各々盛り上がってて、お客さんの目線と私たちの目線が一緒になったりして。みんなダイブしてるから。なので今振り返ると、あの日はとんでもない1日でしたね。
--そこからロックに対する覚醒っていうのは始まっていくの?
斉藤瞳:いや、そのライブにおけるダイブとかが危険っていうことで「ダイブはやめましょう」っていう呼びかけをするようになって、頂いた楽曲とかもまたロックからは外れたんですよね。バラードとかが続いたので、そのタイミングで自然とロック路線にはならなくて。でも「メロンのライブはロックっぽさを追求した方がいいんじゃないか」とか「メロンにはロックの楽曲を与えた方がいいんじゃないか」とか、そういう意見が周りからたくさん出てきたんですよ。それで「私たちにはロックが似合ってるのか」って知っていった気がします。
--それから徐々に自らもロックに魅了されていった感じなの?
大谷雅恵:ロック好きになりましたね。昔は洋楽ばっかり聴いていて、なかなか日本のバンドさんを聴けてなかったんです。多すぎてどこから入っていいのか分かんなかったんですよ。でもお仕事を一緒にさせて頂くようになって、ビークル(BEAT CRUSADERS)さんと一緒にイベントをやったのが最初なんですけど「すごく良いキッカケをもらったな」って。ビークルさんの曲はポップなのもあって聴き易いじゃないですか。なので入り口がまず良かったんですよね。最初ロックって言うと、重くてキィキィ言ってるイメージだったんですよ(笑)。でもバンドさんによって全然色が違って「幅広いんだぁ」っていうのを分かってからは、もうロックばっかり聴くようになりましたね。
柴田あゆみ:だからビークルさんやいろんなバンドさんと出逢えたのは本当に有り難いです。ロックの楽曲を頂いて、それを私たちらしく歌えるのも嬉しいですし、たくさんの人と出会えて、ここまで素敵な楽曲たちを作って頂いたっていう過程がおいしいなって。10年やってきて振り返ってみると、やっぱりそういう人と人との繋がりっていうのは、メロン記念日にとっては大きかったと思います。そういう意味では、今回のアルバムはロック化計画の集大成ですけど、これは人との繋がりの集大成とも言えるなって。10周年の区切りに「いろんな人たちに育てて頂きました」って改めて感じさせるアルバムですね。
--大谷さんは……、あ、ごめんなさい! 本当にごめんなさい!
村田めぐみ:よく間違えられるんで大丈夫です。
一同:(爆笑)
村田めぐみ:よく姉妹って言われたりもして。
斉藤瞳:これ、載せておいてください(笑)。
--もう間違えない!村田さんですよ、村田さん。
村田めぐみ:いや、もう一回ぐらい間違えてほしい。
--(笑)。で、今のメロン記念日はそうしたバンドたちと近しい存在になってる訳ですが、今の居場所は非常にしっくり来てる感じですか?
斉藤瞳:いやぁ~、まだ若干……、心地は良いんですよ。ライブハウスの凄まじい密接感でライブできるのはテンション上がるし、私たちには合ってるねって感じてますし。でも実際、バンドマンではないので「楽器を持っていたらどれだけ格好良くできるんだろう?」みたいな、そういうもどかしさがあったりとか。あとはロックに関して知らない部分もまだまだあるので。
大谷雅恵:やっぱりバンドの方って音からちゃんと作っていくじゃないですか。でも私たちは音を作ってもらって歌をうたう立場だから、ヒダカトオル(BEAT CRUSADERSのボーカル&ギター)さんが「こうすると、よりエモい」とかよく言うんですけど、そういう楽器を持っている方の感覚は私にはまだわからないんで。だから「まだまだだな」って感じる。もっと勉強しなきゃなって。
Interviewer:平賀哲雄
メロン記念日も死んでないし、楽曲たちも語り継がれる
--でも楽器が無いなら無いなりに4人のボーカルや動きで「よりエモい」を表現していくことが、今のメロン記念日の在り方なんじゃないんですか。
大谷雅恵:そうですね。私たちが今から「バンド作ります」って言ったらそれは違うと思うんですよ。今までやってきたモノをどれだけロックにできるか?っていうのがメロン記念日が進むべき道なのかなって思います。
--僕は前からハロプロのオーディエンスとロックのオーディエンスが入り乱れるライブをやったら絶対面白いと思っていて。聴いてる音楽は違えど、熱量の凄まじさはどっちも引けを取らないじゃないですか。で、メロンはその融合を実現した初めての存在だと思うんですよね。
村田めぐみ:おぉ~! でも今確かにその現象は起き始めていて、メロンファンの方とバンドファンの方がごっちゃになってライブを楽しんでる。でもそれは今の私たちだから実現できたことだと思っていて。最初の頃の私たちはハロー!プロジェクトのファンに対しても子鹿のようにブルブル震えていて「大丈夫だったかな~?」っていう(笑)。そういう気弱なグループだったけど、今なら全然私たちの音楽を知らなかったとしても「ライブ来たら絶対にノリノリにしてみせる!」ぐらいの気迫でステージに立てている。
--そんなメロン記念日がロックバンドとして世に放つニューアルバム『MELON'S NOT DEAD』をリリースする訳ですが、自分たちでは仕上がりにどんな印象や感想を持たれていますか?
斉藤瞳:すごく豪華なアルバムになったと思います。これだけたくさんの人に楽曲提供をしてもらうって、多分凄いアルバムですよね?
--凄いアルバムです。
斉藤瞳:どの曲に対しても思い入れが凄いんです。10周年手前にロック化計画がスタートして、それはもう本当に刺激的なプロジェクトで。すごく恥ずかしい話なんですけど、それまでは曲作りから参加するっていうことを今までしなかったんですよ。ボーカル入れだけすれば終了みたいなレコーディングをしてきてしまった。でもロック化計画が始まってからはバンドさんの音作りから参加したりとか、トラックダウンにも立ち合わせて頂いたりとか、曲を作っていく行程に最初から最後まで付き合えたんです。そういう意味では今までの作品よりも更に思い入れが強い曲ばかりになりましたね。
柴田あゆみ:何回聴いても楽しいアルバム。1曲目に入っている『メロン記念日のテーマ(Rock Ver.)』は以前からライブではオープニングで使っているので、この曲が聞こえてきた途端にドキドキワクワクして「始まる!始まる!」みたいな感じになっちゃう。で、曲順もロック化計画コラボレーションシングルをリリースしてきた順になってるから、2009年の春ぐらいからの思い出がすごく詰まっていますね。本当に集大成だし、何度聴いても飽きないし、あの~……ニヤけてきますね(笑)。だからみんなにもこのアルバムをたくさん聴いてニヤけてほしい。
--『MELON'S NOT DEAD』というタイトルもまた良いなと思ったんですが、本人たち的にはどんな想いを込めたタイトルだったりするんでしょう?
大谷雅恵:今作のタイトルはこの4人がそれぞれに考えつつ、あとスタッフさんも何人か考えつつ、投票制で最後は決めたんです。その結果、私たちが考えたモノは落選しまして。
--ちなみにその落選したタイトルにはどんなモノが?
村田めぐみ:『ロックフロントエージェンシー』という。
--(笑)。
村田めぐみ:事務所がアップフロントエージェンシーなもので。なかなか良い名前に仕上がったんじゃないかなって思ったんですけどね。10年、アップフロントエージェンシーに所属してここまで来れたっていうのと、ロックアルバムですよっていうことで、これ以上のタイトルはないだろうと。でも投票のときに手を挙げたのは私だけでした。
--残念な結果に。でもこのタイミングでこのアルバムで『MELON'S NOT DEAD』っていうタイトルは、格好良いですよ。
斉藤瞳:「私たち、死んでないよ」っていう(笑)。
村田めぐみ:10周年だからこそ言える言葉だし。
斉藤瞳:もちろんそういう想いも含まれています。やっぱり10年を経て、メロン記念日も死んでないし、私たちの楽曲たちもずっと語り継がれていくし、消えない。このアルバムだけじゃなくて、私たちの過去10年含めて消えないので。
--では、今作の豪華な収録曲についても触れていきたいんですが、まずオープニングを飾る『メロン記念日のテーマ(Rock Ver.)』。最高ですね。何気なく、最近のメロン記念日を知らない人が試聴したら、めちゃくちゃぶったまげるでしょうね。
斉藤瞳:この曲は収録することができて嬉しかったです。ライブのオープニングテーマとして作ったんですけど、リリースされることがなかったんですよ。でもこれからは私たちもちゃんとCDとして手元に持てるのが嬉しいですね。
--そして、ライブでも共演しているBEAT CRUSADERSとのコラボナンバー『DON’T SAY GOOD-BYE』。メロン記念日が本気でロックをやったらこうなる、っていうイメージを見事に形にしているナンバーだと思うんですが、そもそも彼らとはどういうキッカケや経緯があって一緒にやることになったの?
大谷雅恵:DJイベント【MELON LOUNGE】をやり始めますってときに、そこにハロー!プロジェクトの娘たちを呼ぶのではなく、外の人たちと接触したいと。それでビークルさんを呼んでくれたスタッフさんがいて。で、ビークルさんのライブを観て「うわ!すげぇな、この人たち」と思って。それからはビークルさんの人の良さと言いますか、どんどん私たちと話はしてくれるし「何かやろうぜ」って言ってくれるし。で、ハロー!プロジェクトっていう壁がやっぱりあって2年半ぐらいご無沙汰してしまったんですけど、ロック化計画をやることが決まったときには「この人たちにお願いしないでどうする!」って言って『DON’T SAY GOOD-BYE』を作ってもらったんです。しかもヒダカさん、私たちのこと忘れてなかったんですよ。すでにメロンの為の曲をイメージしていてくれて「いつ来ても大丈夫なように待っていた」って。泣ける話なんですけど。
--やはり最初にBEAT CRUSADERSのライブを観たときは衝撃でしたか?
柴田あゆみ:それはもう衝撃的でした。私たちもハロー!プロジェクトの中で見たらロックだったし、自分たちの中でも「ロック、ロック」って口にしていたんですけど、ビークルさんとか他の方たちの本場のロックを観たら恥ずかしくなっちゃって(笑)。
Interviewer:平賀哲雄
ヒダカさんによく「村田さんは歌がちょっと」って
--『DON’T SAY GOOD-BYE』は、4人のボーカルが最もエモーショナルに響く曲の構成になってるなと感じたんですが、実際歌ってみるといかがですか?
斉藤瞳:歌ってると泣けてくるんですよ。いろんな想いも含まれてるし「こんな格好良いロックな楽曲が自分たちの曲になった」って思うと、歌いながら泣きたくなってくるんですよね。
村田めぐみ:私的に『DON’T SAY GOOD-BYE』は……、今から言うことはちょっと載せにくいかもしれないんですけど、載せて頂いて結構ですので。
--分かりました。
村田めぐみ:ヒダカさんによく「村田さんは歌がちょっと」って言われるんですね。この曲のレコーディングのときもそんな感じだったんですけど、最終的には私のところもちゃんと入れてくれて。そこは本当にヒダカさんの優しさというか。
--優しさで入れたんですか?
斉藤瞳:Sですからね、ヒダカさんは。必ずそういう標的を作る人なんです。で、メロンの場合は村田だったんです。で、自分のバンドだとカトウさん。
--(笑)。
斉藤瞳:だからレコーディング中とかも「死ね死ね、死ね死ね」すごいんですよ!それがヒダカさんの愛情表現なんです。
村田めぐみ:レコーディングは和気藹々とそういう感じで。私たちは長年ビークルさんに曲を書いて頂きたいと思っていたので、最初は緊張してたんですよ。でもそういうドSなジョークもありつつ、すごく和んでレコーディングが出来たので良かったなって。
--続いて、ニューロティカが手掛けた『ピンチはチャンス バカになろうぜ』。これも素晴らしい化学反応を生んでますね。お互いが本気で音楽で遊んでやろうっていう意気込みを感じます。
大谷雅恵:バカになれる曲って、こういう曲のことを言うんだなって。これまでもライブでやればバカになれる曲はあったんですよ。『遠慮はなしよ』とか。でも『ピンチはチャンス バカになろうぜ』は作るときからバカになれた。だから実際にライブでやってみてもバカになれますし。でもライブでやるときは曲順を考えないと、大変なことになるんです。この曲を最初の方にやっちゃうと「この後、どうしよう?」ってなる(笑)。何も考えずに歌える曲ですね。ストレス発散じゃないけど、バァ~~~!って出し切れる曲。
村田めぐみ:この不況の時代にはすごく良い曲だと思います。どんな状態にあってもこの曲を聴いたら一筋の光を見れるというか、すごく楽しくなれる曲なので、いろんな人に聴いてもらいたいです。
斉藤瞳:あと、どのコラボしたバンドさんも凄い素敵な方たちだったんですけど、一番親近感が沸いたのはニューロティカさんでした。
--25年もやってるバンドですけどね。
斉藤瞳:そうなんですよね(笑)。だから失礼かもしれないんですけど、でもすごく親近感があって。人の良さというか、……あの、失礼なんですけど、私たち、あっちゃん(ATSUSHI、ニューロティカのボーカル)を叩いたりとか(笑)できちゃうような、そういうコミュニケーションの取り方をさせてくれるんです。歌をうたってるときはバカでいいし、騒いでいいし、上下関係なんてないんだよってことを教えてくれました。
--続いて、ミドリとのコラボ曲『sweet suicide summer story』。ある意味、全くメロン記念日に寄せてないというか、イメージもクソもない感じで、それに立ち向かっていく4人のボーカルが非常にエキサイティングで良いなと。自分たちではどんな印象を持たれていますか?
村田めぐみ:最初に2曲ミドリさん側から頂いて、よりミドリさんらしい方を選んだんです。ミドリさんの空気の中で私たちがどれだけ表現できるか?っていうのをやってみたかったんですけど、やっぱり今までにない歌い方と表現になりますね。すごく刺激を頂いたなって。ライブ中も普段だったらいろんなことを気にしつつ歌うんですけど『sweet suicide summer story』は本当に曲だけに集中して、周りも見ないし、その世界へ入っていけるので、今までにないタイプ。
--ミドリとはどういう経緯で一緒にやることになったの?
村田めぐみ:日比谷野外大音楽堂でのミドリさんのライブがあって、そのライブのOPENING ACT DJを私にってリクエスト頂いて、やらせていただいたことがきっかけですね。
柴田あゆみ:その前に4人で恵比寿でミドリさんのライブを観させて頂いて、そのときに「デストローイ!!」っていうフレーズがすごく耳に付いて。それで『sweet suicide summer story』を聴いたときに「感じないから」の「ら」のところで「同じような展開が来た!」と思って、そこだけ変に気合いが入っちゃって。
--やはりミドリのライブも衝撃的だった?
村田めぐみ:緩急が凄いなと思って。まり子(後藤まり子、ミドリのギターと歌)さんは普段から甘い声をしてるのに、いきなりドスが入ってきたり、本当に目と耳が釘付けになる。
斉藤瞳:そんなまり子さんがメロンのことを元々知っていてくださったみたいなんですよね。それで「面白い、やってみたい」って思ってくださったんですよ。
--続いて『青春・オン・ザ・ロード』ですが、これはグッと来る曲ですね。THE COLLECTORSが思い描く青春と4人が表現する青春がしっかり溶け合ってる感じがして。
大谷雅恵:すごくミディアムな曲で、このノリにそのまま乗っかってしまうと、歌が歌謡曲になっちゃうと思って。で、それをどう違う形で表現するかっていうのは悩みましたね。加藤さん(加藤ひさし、THE COLLECTORSのボーカル)も「歌謡曲チックになる部分がいくつかあるね」って言ってて。激しいロックだと「どれだけそこにパワーを入れるか!」みたいな感じで行けちゃうんですけど、こういうミディアムな曲をロックに響かせるのは難しいんですよね。それで出した答えが、ナチュラルなモノでいいんだってことで。何も色を付けないまま歌った方がいいっていう。その結果、すごく良い感じで歌と音が重なり合いましたね。
斉藤瞳:加藤さん「俺、凄い曲作っただろ?」って(笑)。
Interviewer:平賀哲雄
ロック入門編にはこのアルバムをどうぞ!
--じゃあ、加藤さんともがっつりコミュニケーション取りながら、曲が作れたんだ?
柴田あゆみ:私たちより少し年下の娘さんがいて「ディズニーランドに行ってよぉ」みたいな、親子のお話をよく聞かせてくれて。私たちも「お父さん」って呼んだら失礼かもしれないんですけど、ちょっとワガママも聞いてくれるような感じで接して頂けました。
大谷雅恵:あと、ハロー!プロジェクトだった娘たちの生活とかが気になるみたいで、日常的な話も普通にさせてもらってるんですよ。で、私たちがTHE COLLECTORSのライブを観させて頂いた次の日が、どこか車で遠征することになっていて。その頃はフェスに行くとき、大阪とか広島とか行くときも車で移動していたんですけど、レンタカーが6人(メンバー4人・マネージャー2人)乗ると狭くて。車で行くのはロックで素敵なんだけれども、ちょっと狭いぞと。
柴田あゆみ:12時間とか狭い車の中だったからね。
大谷雅恵:それでちょっとブーブー言ってたんですよ。車種をエルグランドにするぐらいで私たちは全然モチベーションが違うから変えてほしいって(笑)。でもチーフマネージャーに「お金掛かるからダメ」って言われてて。それで加藤さんに相談したんですよ。で、加藤さんとチーフマネージャーは昔から関わりがあって、加藤さんの方がちょっと上っていうのもあって「石井くん、エルグランドだよ」って言ってくれたんです(笑)。それで実際に移動車がエルグランドになったんです。だから加藤さんのおかげだなって。
斉藤瞳:やっぱりスターだよね。
村田めぐみ:(私たちは)加藤チルドレン。
--(笑)。続いて、GOING UNDER GROUNDとのコラボ曲『メロンティー』。この曲はアイドルとしてもロックとしても振り抜けてる感じがして、さすがトキメキ生産バンドだなと思いました。実際、仕上がりを聴いたときはどんな印象や感想を?
斉藤瞳:一番メロン寄りな曲ですよね。コラボレーションさせて頂いた5バンドの曲の中では、今までのメロンファンにも伝わりやすい楽曲になったなって感じてます。最初はもっとGOING UNDER GROUNDさん寄りのメロディアスで甘い感じのサウンドだったんですけど「私たちは今、ロック化計画中なのでもっとアッパーで音の強めなモノを欲してるんです」と伝えたら、こんなに素敵で可愛らしいポップロックを作ってくれて。GOING UNDER GROUNDさんにも感謝してます。
--他にも今作にはメロン記念日だから形にできたロック、他ではなかなか集められないアーティストと作り上げたナンバーが多数収録されていますが、このアルバムがどんな風に世に響いていったらいいなと思いますか?
大谷雅恵:ロックを聴いたことがない人とか、興味があるんだけどどうやって入っていったら分かんない人には、この1枚を聴いてもらったら入り口が見つかるんじゃないかなって思うんです。コラボさせて頂いたバンドさんそれぞれに色があって、どれも面白かったりするので、どこかには絶対ハマるだろうなって。これをキッカケにロックの世界に入ってくれたら嬉しいです。ロック入門編にはこのアルバムをどうぞ!って感じです。
--今後も他のガールズユニットができないことをガンガンやっていきたい想いは強い?
斉藤瞳:やりたいですね。面白いことをやっていきたい。元々ハロー!プロジェクトの中にいても、私たちは「メロンが一番最初だったよね」っていうモノをたくさん積み重ねてきたグループだと思うんですよ。だからそういうメロンから切り出せるようなことは今後もやっていきたいなって思います。まだまだメロンの認知度は低いと思うんですけど、面白いことをやっているってことはこの1枚が証明してくれると思うので、あとはガンガン露出していければなって。
--また、今回参加してくれたバンド以外でもコラボレーションしてみたい人たちっていますか?
斉藤瞳:ホルモン(マキシマム ザ ホルモン)!
大谷雅恵:でも歌うとなるとボーカル大変だよ。
斉藤瞳:じゃあ、みんなでナヲちゃんになったらいい。ナヲちゃんが歌うような曲を当てはめてもらう。勝手なこと言ってますけど(笑)。
村田めぐみ:あと、怒髪天さん。怒髪天さんのお酒好きなところが曲に現れているのが好きで。で、メロンのファンもすごくアルコール好きな人が多いんで、みんなで大合唱できるような曲を作ってもらいたい。
--柴田さんと大谷さんは誰かいますか?
柴田あゆみ:今回はメロンからお願いして実現したコラボレーションばかりなんですけど、いつかは「一緒にやりたいんですけど、お願いします」って言われたい。もしくは学生や主婦、会社員でもいいんですけど、バンドを組んでいる一般の方とかの力を借りるのも楽しいかなって。やっぱり良い音楽って誰が作っていても関係ないと思うので、そういう面白いことをやっていきたい。
大谷雅恵:私は海外のアーティストさんとやりたい。フーバスタンクとやりたい。それで英語で歌ってみたいんですよね。日本語で伝わるモノはすぐ伝わりますけど、英語でも伝わる曲って格好良いじゃないですか。何言ってるか分かんなくても、音や声がいいから格好良いって思える音楽をやっていきたい。
--そんな実現したい夢が盛りだくさんのメロン記念日ですが、今後も基本的にはロックを追求していく感じですか?
柴田あゆみ:そうですね。でも楽器は持たないと思います。THE COLLECTORSの加藤さんとかにも「楽器をやれ、パートを決めてやるから」って言われて、GOING UNDER GROUNDさんの余ってる楽器とかを貸して頂いて練習するみたいな話もあったんですけど、私たちは開き直って「いや、楽器は持てません」って言って(笑)。なので、このスタイルは突き通していくかなと思います。
--あと、今作『MELON'S NOT DEAD』を引っ提げたライブやツアーは考えていたりするんでしょうか?
斉藤瞳:10周年ライブがあります。私たち、2月19日がデビュー10周年なので、その日にSHIBUYA-AXでライブをしつつ、大阪にも行って。曲はこのアルバム中心ですけど、10年の集大成的なライブにしたいなと思ってます。
--では、最後になるんですが、読者の皆さんにメッセージを、メンバーを代表して大谷さん、お願いします
村田めぐみ:そうですね~。
一同:(爆笑)
村田めぐみ:昨年は今までにないぐらいレコーディングをたくさんやらせて頂いて、メロンのライブの流れも変わるぐらいいろんなロックの曲を歌うことができたんですけれども、やっぱりライブが一番私たちの武器だと思っているので、メロン記念日のことを知らない人たちにも「良いな」って思ってもらえるようなライブをやっていきたい。そしていろんな人たちに曲を聴いてもらいたいなと思いますので、ぜひともライブにお越しください。
Interviewer:平賀哲雄
MELON’S NOT DEAD
2010/02/17 RELEASE
EPCE-5692/3 ¥ 3,240(税込)
Disc01
- 01.メロン記念日のテーマ (Rock Ver.)
- 02.DON’T SAY GOOD-BYE/メロン記念日×BEAT CRUSADERS
- 03.ピンチはチャンス バカになろうぜ! (Album Ver.)/メロン記念日×ニューロティカ
- 04.sweet suicide summer story/メロン記念日×ミドリ
- 05.青春・オン・ザ・ロード/メロン記念日×THE COLLECTORS
- 06.メロンティー/メロン記念日×GOING UNDER GROUND
- 07.ロマンチックを突き抜けろ!~Break it now~
- 08.ALL AROUND ROCK
- 09.愛だ!今すぐ ROCK ON!
- 10.ALWAYS LOVE YOU/メロン記念日×BEAT CRUSADERS
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