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SuG『SICK'S』インタビュー
SuG武瑠(vo)単独インタビュー敢行! これまでの集大成的作品『BLACK』を経て辿り着いた、真のSuGらしさ『SICK'S』。SuGが撃たれ死ぬGIFアニメや初ヨーロッパツアーでも注目を集める中、彼らの新フェーズは未だかつてない衝動のもと新境地へ到達する。加速するドキドキ、ここに公開!
清春と急接近~『BLACK』の先に取り戻した一番尖っている武器
--ツイッター見てたら清春さんと急接近してましたね。先方の打ち上げを兼ねた誕生会で親交をより深めたみたいですが、どんな話をしたの?
武瑠:……言えない話ばっか(笑)--(笑)
武瑠:えー、どうしよう? ほぼ言えない話ばっかりで……言えそうなやつ、思い出します。……まぁでもやっぱり服の話が多かったかな? 世代は結構離れてはいるんですけど、好きなブランドが被っていたりするので。あと、今回のSuGのアニメーションのアー写とか見ててくれて、本当かどうか分かんないですけど「すげぇ面白いからSADSでもやりたい」って言ってくれてましたね。思っていた以上に僕らのことをチェックしてくれていたみたいで。初めて会ったときも、僕のブランドを知っていてくれてて。--元々は何がきっかけで出逢ったんですか?
武瑠:元々はSuGが活動休止中のときに「トリビュートに参加しない?」って話を頂いて。そのときは直接会えてはいなかったんですけど、僕が浮気者で「忘却の空」をカバーさせてもらうときに初めて挨拶に伺わせてもらったんです。それまで何度かライブに行かせて頂いたりはしていたんですけど、敢えて挨拶には行ってなくて。変に周りの関係者に連れていってもらったりして挨拶するのもちょっと違うかな?と思って。清春さんにちゃんと認識してもらえるようになってから挨拶したかったんです。--じゃないと変に媚びてる感じになっちゃいますもんね。
武瑠:そういうことを直系の先輩にはしたくなくて。でもカバーするならさすがに挨拶しておきたいと思って会いに行ったら「あ、知ってる。見てるよ。面白いよね」って。しかも結構細かく見ててくれて。で、その後もライブに伺わせてもらったりとかしてて、今年の5月にもブランド5周年でTシャツのコラボを1回やらせてもらって、その辺から親交が結構深まっていった感じです。で、この前は清春さんの誕生日ライブの打ち上げのときに朝までガッツリと話させて頂きました。--どんな気分だったんですか?
武瑠:もちろん憧れている人で、格好良いと思う人なんですけど……なんて言うんだろうな?「昔から見ていた人と話してる。わぁ!」みたいな感じはなくて、そういう人がちゃんと自分の作品を見てくれて、しかもどこかのルートで繋がっている。自分がすごく影響を受けている人で、それを汲み取ってくれていたりしたことがすごく嬉しかったです。--元々、清春さんは何がきっかけが好きだったんですか?
武瑠:普通に『池袋ウエストゲートパーク』(SADS「忘却の空」が主題歌だった大ヒットドラマ)ですね。俺たちの世代はあれで好きになった人がめちゃくちゃ多いと思う。だから黒夢のことはよく知らなかったんですよ。あとはファッション誌の表紙をよく飾っていたので、それで知ったのがデカい。Smartのシルバーアクセ特集の表紙とかで「この人、誰だろう?」みたいな。それが最初の印象だと思う。--浮気者でSADSのカバーをしたり、ファッションブランドでコラボしたりはしてますけど、今後、清春さんとガッツリ何か出来るとしたらどんなことをしてみたい?
武瑠:やっぱりライブしたい。いつかSuGフェスに呼びたい。だから呼べるような規模にならないといけない。「可愛がってるから出てあげるよ」っていうよりは、ちゃんとした形でお招きできるようになりたいなって。--さて、こうしてインタビューさせて頂くのは、アルバム『BLACK』リリースタイミング以来になるんですが、あのひとつの集大成的な作品を発表してから今日までの日々は、SuGや武瑠くんにとってどんな期間になってますか?
武瑠:あれは活動休止前から作っていたアルバムだったし、黒いキャンパスの上で改めて復活していくぞっていう意味も含めて、活休から復活までの記録みたいな作品だったんで、言ったら復活してからのアルバムだとはあんまり思っていなくて。当時の構想のまま意地で完成させたアルバム。だからとにかくそれを作ることしか去年は考えてなかったんですよね。作ってそのまま倒れるぐらいの……実際に倒れたんですけど(笑)。それで「もうこれ出してダメだったらムリだ」みたいな感覚でやってたんですけど、作り終わったあとにツアー廻ってたら本当の意味での新しいSuGがスタートして、どんどん曲とか歌詞が湧いてきて、曲書いててここまで純粋に楽しいと思えるのは初めてだと感じるぐらいの状態になったんです。今までの「こうしなきゃ」「こういう層にぶつけなきゃ」みたいなところから抜けた感じがあって。--それまでの『BLACK』を完成させる使命感、これを達成しない事には……みたいな感覚から解放された?
武瑠:ジャンルのコンプレックスみたいなものもすごくあったんで、どこか一般的な人にも聴けるようにしたいとも思っていたし、攻めているつもりだったけど、結果として少し弱気。自信を無くしている活動になっていた。「大きくしたい、大きくしたい」って思うばかりに一番尖っている武器を若干出し切れてなかったのかなって。--一番尖っている武器とは?
武瑠:やっぱりフックがある言葉だったり、ビジュアルで言えばPVがぶっ飛んでいるとか、そういうところがSuGの一番の特徴だったんじゃないかと。そういう意味では去年のSuGは大人しめというか、少し大人っぽくなり過ぎていて、そもそも持っていたガチャガチャした派手さを抑えていた。そうじゃなくて頭に描いているものをそのまま出してみようっていうのが、今回の『SICK'S』。前回のシングル『teenAge dream』もある意味そうで、感情むき出しでそのまま書く。それが結果的に一般向けになったけど、『SICK'S』はアートワークやPVもかなり飛ばしている感じ。でもそれがSuGの一番の武器だなって今回改めて思えたんですよ。『BLACK』はもちろん好きなアルバムなんですけど、SuGにしか出来ない感は『SICK'S』のほうが出てるなって。--『BLACK』は「今までのSuGのイメージを壊すんだ、覆すんだ」って意思がすごく表れていて、それで衝撃を与えようとしていましたよね。
武瑠:そうです。そうだし、逆にそれによって成長できた実感があったので、今回また昔の武器を使おうと思えた。それはめちゃくちゃあります。「teenAge dream」みたいなあんなにストレートな曲を作ってみたけど、やっぱり良いものが出来たんで。楽曲のクオリティがどんどん上がっていると体感できてるのはすごくデカいし、楽しい。『BLACK』はそのときの精一杯で「最高」と思っていたけど、それを超えてしまった「teenAge dream」が作れたから「あれ? まだ出てくるんだな!」って。それで「SICK'S」も出来て、さらに来年出そうと思っている新曲もあって、どんどん良いものが出来てきている。それによって「そんなにめちゃくちゃ焦らなくてもいいんじゃないか」と思えるようになりました。リリース情報
SICK'S
- リリース日
- LIMITED EDITION[PCCA-04309(CD+DVD(「SICK'S」MV、MVメイキング等収録))]
- 定価:1,782円(tax in.)
- 詳細・購入はこちらから>>
- STANDARD EDITIONの詳細・購入はこちらから>>
関連リンク
Interviewer:平賀哲雄|Photo:Jumpei Yamada
衝動のアルバムへ「1番、2番がいなくて、全員4番バッター」
--なるほど。
※SuG「teenAge dream」(MUSIC VIDEO)
--『BLACK』で一度やれることを全部出したから。あそこでやり切ったからこそ、濃縮されたSuGらしさが今次々と生まれてきている。
武瑠:そうだと思います。毎回その場その場で出し切ってるから新しいものが生まれてくる。ストレートな「teenAge dream」で健康状態も良くなってきたから、安定した体を持った上で不安定なこと、現代病について考えられた「SICK'S」が生まれたんだと思うし。今回は、曲も歌詞もPVも写真もすべてがSuGに相応しい流れで出来てる。成り立ちとかジャンルも含めて「これしか出来ない」の集合体が出来た気がする。そういう振り切れた曲ばかりが次のアルバムには入れられると思っていて、アルバムは『BLACK』までコンセプチュアルにやってきたんですけど、次は全曲シングルのような内容を考えています。選りすぐりの楽曲群。--また、アルバム『BLACK』リリース以降、アニメ『デュエルマスターズ VSR』オープニングテーマを担当したり、ダウンタウン浜ちゃんの番組『浜ちゃんが!』に出演したり、黒フェスに参加したり、いわゆるメジャーな場に出ていく機会が分かりやすく増えましたよね?
武瑠:それは去年潜った成果だとも思うし、挫けずに、変に昔にすがらなかった成果なんじゃないかなって。過去の人気にすがって元に戻る感じにならず、リスクがあっても前へ突き進んできたからこそ、新しいところに出ていけているんだと思います。テレビアニメでSuGの曲が流れるようになったのは作詞者冥利に尽きるし、自分が発信していないところで流れている、スポットが当たっているというのは単純に嬉しいですね。--ダウンタウン浜ちゃんとのテレビ番組での共演はいかがでした?
武瑠:バラエティ番組には恐怖感があったんですけど……普通に楽しかったですね(笑)。それは自分がやっていることに誇りを持てるようになれたからだと思います。バラエティ番組に出たからってソレは壊れないって今は思えるので。なので、今後は機会があればテレビにも全然出て行きたいと思ってます。特殊な立ち位置で出て行く感じにはなると思うんですけど、それが一番自然で良いんだろうなって。--「SICK'S」のMVみたいなとんでもない映像作品も作る人が、地上波のバラエティ番組にも出ていくっていうのは面白いと思います。
武瑠:「SICK'S」のMVは復活以降最も凝って作ってるんですよ。どういう話で、どういう画で、どこをどのシーンで使うかとか、最初からガチガチに決めて、徹底的にディレクションして撮ってる。そこまで凝ったのは復活以降初めてのことなんですけど、それが楽しい。エキストラのスタイリングまで自分で手掛けて、自分の武器を全開で使ってんで。それはめちゃくちゃ大変なんですけど、それが一番の強みだと思ってるんで。じゃないと独自のジャンルなんて作れない。曲が良いだけでは絶対ジャンルに成り得ないんで、そういう意味ですごく正当な作品だなって思います。ロックが好きで、ヴィジュアル系からスタートして、原宿系とも呼ばれて、そういういろんなものがミックスされた感覚があるから出来るもの。音も良くなってるし、すごく独特な作品になってると思います。--個人的には、SuGの歴史を辿ったとき、何かと「『BLACK』以降」と表現されることが増えていくのかなと思ってるんですが、自分ではどう思う?
武瑠:それは分かります。SuGの活休からの復活シングルは「MISSING」でしたけど、復活曲としてはおかしかったじゃないですか。でも「teenAge dream」は復活にすげぇ相応しい曲じゃないですか。そういう意味では『BLACK』までが活休前なんですよね。実際に活休前と活休中に書いた曲ばかりなので。新しいSuGは「teenAge dream」で始まっている。--『BLACK』は活休前の自分たちにケジメをつけたアルバム?
武瑠:うん、そうですね。--武瑠くんは毎回新しいフェーズに入る上で、次のアルバムに向けての世界観やコンセプトを考えて活動、創作していきますよね。今回はどんなものを構築していこうと思っているんでしょう?
武瑠:とにかく1曲目は初期衝動で書いた「teenAge dream」。それだけは決めているんですけど、全体を通しても初期衝動がテーマのアルバムになると思います。デザインとかタイトルとかも自分の中ではもう出来てて、もう全曲書いてるんですよ。すでに制作に入っていて、かなり前のめりで作ってます。自分でも「よく作れるな」って思うんだけど、無茶してる訳ではなくて、とにかく曲がどんどん浮かんでくるんで。--言える範囲でいいんですが、どんな匂いや性格の曲が出来てきているの?
武瑠:うーん……『BLACK』よりも少し闇を含んだキャッチーさがある。自分のパーソナリティをまんま表している。背伸びしてキレイにするんじゃない……そういう意味で「SICK'S」はすごく分かりやすい。フックが独特というか。あとはさっき言ったとおり衝動で出来ている曲ばかりなので、その中には恋愛の曲もあるし、「SICK'S」みたいな社会について書いてる曲もあるし、「teenAge dream」みたいな夢を歌ってる曲もある。その全部を繋ぐ言葉は“衝動”。「初期衝動を英語に例えたら何だろう?」っていう発想からタイトルも考えていたりするので。--衝動=パーソナリティをまんま吐き出してしまうことに抵抗はなかったんですか?
武瑠:いや、すげぇ面白い。感動できます。今までコンセプチュアルアルバムばかり出してきて、どれも曲順通りにストーリーが進んでいって、トータルでひとつの世界が完成する。そういう物凄い縛りの中でやってきたんで、今回は一回それを無くしてみようと。一発一発が衝動で、とにかく良い曲を並べてみようっていうのが次のアルバム。一曲一曲に感動できるアルバム。一発一発がすべてキラーチューンっていうものを作ってみたくて、それを出し惜しみなく出していく。だから短編集みたいで面白いですよ。オールスター戦みたいなイメージ。1番、2番がいなくて、全員4番バッター。--衝動でひとつのアルバムを完成させる。そこへ行けたのは表現者として嬉しい?
武瑠:嬉しいですね。前よりも明らかに自分の感情をステージでも出せるようになってきたし、そういう自分に相応しい曲が生まれてきているので。前はトータルアートワークみたいなものが先にあって、そこに曲を並べて、それをライブでも表現する感じだったんですけど、今はMCも自分のテンションのままに話してるし、衝動で歌うような場面も増えてきたので、そのライブのスタイルに導かれるように自然と衝動的な曲が増えてきているんだろうなって。リリース情報
SICK'S
- リリース日
- LIMITED EDITION[PCCA-04309(CD+DVD(「SICK'S」MV、MVメイキング等収録))]
- 定価:1,782円(tax in.)
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- STANDARD EDITIONの詳細・購入はこちらから>>
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Interviewer:平賀哲雄|Photo:Jumpei Yamada
現代病にフォーカスした理由~SuGが海外でブレイクする可能性
--その一環としてリリースされる新シングル『SICK'S』。まずメンバーが全員撃たれる動くアートワークが話題になっていますけど、あれはどういった経緯で生まれたものなんですか?
武瑠:ツアー中から「次のシングルはどう見せるか?」ってずっと考えていたんですけど、「SICK'S」を書いたときに現代病っていうテーマが出てきて。人生というもの自体が頑張りすぎちゃダメだけど、頑張らなさ過ぎるのもダメです。ちょうどよく頑張らなきゃいけない、なんて難しいゲームなんだろう? それを現代病の人たちが出てくる『グーニーズ』みたいな感じで(笑)、架空のゲーム『SICK'S』というものをイメージしたのが今回のアートワーク。PVもそんなイメージなんですけど、ゲームみたいになってる。だから今回はすごく捻くれてるんです。SuGが復活してから一番捻くれてると思うんですけど、それって活休前はよくやっていたことで。それを今になって思いっきりやってみようと思ったんです。--メンバーが全員撃たれ死ぬアートワークって、冷静に考えるとぶっ飛んでますよね。縁起悪いし、マジメなファンとか怒りそう(笑)。でもSuGっぽい。
武瑠:そうなんですよ。SuGっぽいなって感じがします。--ジャケットもインパクト強いですよね。
武瑠:これは「現代病患者を書いてくれ」って頼んで。--(笑)。いよいよ突き抜けた感じがします。
武瑠:そうですね。去年の葛藤とか進化とかあったんですけど、そこからすらも抜け出してて一番の武器で勝負できてる感じがします。--これだけメンヘラという言葉があたりまえに使われるようになった現代ですけど、サビで「過呼吸 過呼吸」って連発する曲は初めて聴きましたよ(笑)。
武瑠:アハハ! これは思いついたときに「絶対入れよう」と思って。自分もよくなるんですけど(笑)、サビに「過呼吸」が入ってるのは面白いなって。しかもリフレインで入ってる。--そもそも現代病にフォーカスしようと思ったのは?
武瑠:「なんで頑張らないんだよ?」とか「なんで平坦に生きてんだよ?」って、そういう人を見ててムカついたりもするし、でも「ムカつくけど、分かるな」とも思うし、自分自身にもそういうところあったりするし。「なんでそんなに希望を見ないんだよ?」って言われたって「希望持てないんだからしょうがねぇじゃん」みたいな。その鬱屈した感じを曲にしたかった。ある意味、パンクみたいな感じ。押さえつけられているというか、「おまえらには希望がない。サトリだ、ゆとりだ」って抑圧されることに対しての怒りもすごく入ってる。そういう若者目線でもあるし、逆にその人たちを皮肉ってる部分もいっぱいある。なので、そういう人たちを見ていて思ったことだったり、伝えたいことだったりがあって、最終的には「どうせ省エネで生きてても傷付く量は変わんない。だったら楽しまなきゃ損じゃないかな?」っていう前向きなメッセージには落とし込んでるんだけど、皮肉や怒りみたいなものも入ってる。開き直って、ヤケクソになって前向き。毒キャッチーな内容になってます。Heavy Positive Rock、いわゆるSuGのど真ん中。--なんでそういう歌詞が生まれたんだと思います?
武瑠:すげぇストレスが溜まってたから。--分かりやすい(笑)。
武瑠:手を抜いてもダメだし、頑張らなさ過ぎるのもダメだし……みたいなことを歌っているのは、まんま自分の心境で。ペース配分が実際にヘタだから。最初の二行は自分の本音なので、すげぇしっくり来ました(笑)。--また、11/29~ヨーロッパツアー【SuG 2015 EUROPE TOUR】を開催。このインタビューが掲載される頃は終わってるかもしれませんが、これまでもフランス等で海外ライブはしてきましたよね。手応えはどうなの?
武瑠:ハッキリ言って手応えはなかったです。いわゆるヴィジュアル系のシーンが終わってるというか、日本カルチャーが終わっていくだろうなって。アニメとコミックだけが残っていくイメージはあります、今まで行った中でのイメージでは。だけど、俺たちのヴィジュアル系で括れなくなってきた特殊なところとか「SICK'S」のPVにどういう反応があるのか、という楽しみはある。ただ、先人が作ってきたヴィジュアル系の土壌はもうダメだろうなっていう。--それは具体的にどんなところに感じたんですか?
武瑠:単純に人がいない。興味を持っている人がいない。現地の人が言っていたんですけど、向こうでヴィジュアル系が流行ったときにレベルが低い奴らを受け入れすぎた。全然完成度が伴ってない、ただ派手な人がいっぱい来ちゃったから飽和しちゃった。それはめっちゃ分かる話じゃないですか。だからまたそれとは一段階違うレベルのものを届けなきゃいけないし、そこでどういう手応えがあるんだろう?っていうので今回のヨーロッパツアーは決めました(※実際に行ってみてどうだったのか、また後日話を聞きに行こうと思っています)。あとは待ってくれてる人たちがいるので、一回は行きたいなと思って。--ちなみに、武瑠くんから見て、昨今の、日本のアーティストが欧米進出に躍起になっている流れってどう捉えているんですか?
武瑠:何とも思ってないです。自然な事じゃないですか、海外に挑戦するのって。逆に今までが挑戦しなさ過ぎた。それは日本の市場が一番良かったからですけど、アーティストとして海外へ行くのは物凄く自然なことだし、それが日本人が音楽にお金を払わなくなってきたことによって、ようやく自然に起こり得るようになってきた。--どういうものが欧米で受け入れられると感じています?
※きゃりーぱみゅぱみゅ - ファッションモンスター,Kyary Pamyu Pamyu Fashion Monster
--SuGが海外でブレイクする可能性ってどの程度あると思います?
武瑠:うーん……正直、もうちょっと早く攻めるべきだったなって。今はもうかなり遅いなって思います。日本カルチャーのブームが終焉に向かってるし、もっと俺たちが子供っぽいときに行っておいたほうが地盤は作れただろうなって。でもそこに合わせて俺らは活動できないじゃないですか。今やりたい表現をすることが最優先だし、活休もあったから。だけどもうちょい早く行っていたほうが受け入れられやすかったと思う。実際、その頃のファンが多いので。--そんな中で敢行するヨーロッパツアーの感想はまた次回聞かせて下さい。ちなみに今作『SICK'S』が世に出る頃は年末ですが、自分の中で2015年はどんな1年だったなと思いますか?
武瑠:解放された年(笑)。いろんなものから。それによって純粋に音楽と向き合えるようになった。それまではとにかく苦しさしかなかったんですけど、やっと抜け出すことができたなって。--その流れで2016年にはどんなテンションで臨めそうですか?
武瑠:衝動をテーマにした物凄い純度の高いアルバムを持って、ライブバンドになりたいです。個人的には『SICK'S』で掴んだこの感じをとにかく続けていきたい。派手なことをバン!ってやって一瞬で広がるかって言ったら、もうそういう時代ではないと思うんで。これだけ飽和してると。だったらジャンルを作る、それが最重要課題だと思っています。人気や評価はその後についてくるものだと思うので。Interviewer:平賀哲雄
Photo:Jumpei Yamada
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SICK'S
- リリース日
- LIMITED EDITION[PCCA-04309(CD+DVD(「SICK'S」MV、MVメイキング等収録))]
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