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「自分が何でも知ってる、って思い込むようになったらおしまい」― ファレル 最新インタビュー
世界3大広告賞として知られ、世界中のクリエイティブが集う、カンヌライオンズ国際クリエイティビティ・フェスティバル(Cannes Lions International Festival of Creativity)。自身の大ヒット曲「Happy」に合わせ、世界初の試みとなる24時間に及ぶミュージック・ビデオ「24 Hours of Happy」を制作したことで、昨年この広告賞のウェブ部門でグランプリを受賞したファレル。ご存じの通りファレルは、アディダスとのコラボや『The Voice』のコーチ役、6月30日にいよいよローンチするApple Musicで自身のラジオ番組をホストするなど、音楽以外にも多方面でその才能を発揮しているアーティストだ。
そんな彼が、今月27日まで開催されている本年度のフェスティバルで、クリエイティヴィティーとコラボレーションについてトーク・セッションを行った。その相手を務めたのは、2000年代中盤に人気オーディション番組『アメリカン・アイドル』の司会として大ブレイク、1970年から続く老舗チャート番組『American Top 40』のDJも務め、他にもプロデューサー、俳優として活躍し、アメリカでは知らない人はいないマルチ・タレント、ライアン・シークレスト。トーク後に2人が米ビルボードのインタビューに応えてくれた。
自分は何でも知ってる、って思い込むようになったらおしまいさ
▲ 「Pharrell Williams, Bob Pitman and Ryan Seacrest Meet Cannes Lions TV」
??トーク・セッション中に「Happy」は、映画『怪盗グルーのミニオン危機一発』のワンシーンのために書かれ、不採用になった10のアイディアから生まれた曲だとおっしゃってましたね。
ファレル・ウィリアムス:可能性としてまったく頭になかったんだ、そんな風に全然思えなかったから。わからないものだよね。これはトーク中に言いそびれたことなんだけど、何が素晴らしいって、こんな風になるなんて自分でも思っていなかったこと。まさかこんなことになるなんてね。
??制限がある方がクリエイティヴになれると感じますか?
ファレル:結局シチュエーションによって違うんだよね。決まったやり方があれば、って思うけれど、それが無いんだ。そういうやり方は、僕に合ってないと思うし。
??数週間前にApple Musicにて初公開された新曲「Freedom」は何にインスパイアされた曲ですか?
ファレル:ファレル:あの曲は…ごく自然と生まれたんだよね。
(ライアン・シークレストが到着)
??今、様々な仕事をこなしていく中で、どのようにクリエイティヴィティーを保ち続けるか、について話していました。
ライアン・シークレスト:僕の場合、多少コントロールされたカオスの渦中にいる方が、100%ベターだね。もし、3つか9つやらなければならないことがあるとしたら、9つやらなければならないことがある、って考えていた方が、うまくこなせるんだ。
ファレル:その通り。
ライアン:僕らが仕事をしている環境の気に入ってるところは、もう何も制限がないというところ。何をやることも可能で、それが原動力になっているんだ。
▲ 「Happy」(Seacrest 10th Anniversary Edition)
??スタジオに入った時、そのプロジェクトのみについて考えていますか?自身のクリエイティヴィティーをどの程度区分化できますか?
ファレル:面白いよね、様々なことに着手するんだけど、きちんと区分化するから。君がカーダシアン一家のリアリティ番組(ライアンは番組のエグゼクティヴ・プロデューサー)に携わることは、君のラジオ番組にも新鮮味をプラスしてくれる。そしてそのラジオ番組は、君が他に携わっているプロジェクト…パッと浮かんでこないけど。
ライアン:気にしないよ、僕の経歴に詳しくなくても大丈夫。
ファレル:君の名前は様々な場所で目にするけれど、そういったものが他のアイディアに新鮮味を保たせるために一役かってるはずだよ。皿に並べられたフルーツと一緒で、バナナはリンゴと同じぐらい大切で、そのリンゴはオレンジと同じぐらい大切で、ブドウはチェリーと同じぐらい大切だ。すべて果物―それらで彼の様々プロジェクトを表しているんだけど、どの果物も独特で、異なった目的がある。その目的というのは、他の果物たちの目的を思い出すことで悟るんだ。こうやって一つの傘下にあるけれど、いくつもの素晴らしいパーティションに区切られていき、混ざり合うことはないんだ。このエトスには、いつだって一貫性がある。
ライアン:ファレルが日々やっていることこなすには、好奇心が必要だとも思うね。すべてのプロジェクトが区分化されているにも関わらず、どのプロジェクトからも僕自身学ぶことがあるって感じる。僕は何か新しいことを学びたいと思いながら、毎朝起きるんだ。
ファレル:何かを吸収することって、大切なんだ。それに気づくと、自分がやっていることにエゴは関係ないと理解し始めるんだ。自分が何でも知ってる、って思い込むようになったらおしまいさ。だから僕は一生学び続ける学生でいる。
??だから最近、より積極的に様々なことに携わっているのですか?どのようにフォーカスを保っているのですか?
ファレル:好奇心。新しいもの、次にクルもの、この新たなエモーションとフィーリングは何か、この新しいサウンドは何か、この新たな意思は何か、って。
??初のソロ・ワールド・ツアーも終盤に差し掛かっていますが、現在までのキャリアを踏まえて如何でしたか?
ファレル:妙な感じだよ、いつだって誰かが隣にいたから。 N.E.R.D.の時はすごく区分化されていて…またこの言葉が出てきたね。僕らだけの小さなプロジェクトで、あれ以上のことを成し遂げるなんて、僕自身思っていなかった。だから未だに「わぁ~、もうステージに上がる時間?あ、わかったOKだよ。」って心を落ち着かせてる感じさ。
??そして『アメリカン・アイドル』がフィナーレを迎えることで、来年からライアンにとってプライベートの時間が少し増えることになる思いますが、その際起こる変化についてどのように心の準備をしていますか?
ライアン:すごくエモーショナルだよね、15年間一緒に歩んできた番組だから。
ファレル:わぁ、素晴らしいことだね、おめでとう。
ライアン:ありがとう。まさか自分に起こるとは思ってなかった最高の“旅”だったよ。自分が司会を務めてたというのは置いておいて、これまで出会った様々な人々、語ることができた様々なストーリー、そして子供たちやティーンたちと彼らの両親と育むことができた繋がり。この経験を振り返った時に、そういったものが僕にとって特別になる。収録最後の晩に、みんなにさよならを言った瞬間にそれを感じるんじゃないか、って予想してる。そして空虚感を味わうと思う。
Q&A by Andrew Hampp / 2015年6月25日 Billboard.com掲載
"Happy" MV
来日公演情報
【SUMMER SONIC 2015】
ファレルが、サマーソニックにヘッドライナーとして出演!
大阪:2015年8月15日(土) 舞洲サマーソニック大阪特設会場
千葉:2015年8月16日(日) QVCマリンフィールド&幕張メッセ
INFO: http://www.summersonic.com
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