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カラパナ デビュー40周年&来日公演記念インタビュー
みんな音楽が大好きなんですよ
ハワイで結成され、今年ついにデビュー40周年を迎えた70年代を代表する“サーフ・ロック”の代名詞的バンド、カラパナ。7月の来日公演に向けてメンバーのケンジ・サノ氏にインタビューを実施。初期の名曲たちについて、メンバーの死から復活、再生など40年で積み重ねた濃厚なバンドの歴史を語っていただきました。
カラパナとの出会い「ハワイのバンドがこんなに巧いのか!」
--今年はファースト・アルバム『KALAPANA/ワイキキの青い空』リリースから40周年となります。
佐野:あっという間なのか、長かったのか両方なんですけどね。色々あって知らないうちにこうなってました(笑)--ファースト・アルバム『KALAPANA/ワイキキの青い空』のリリースは75年なので、佐野さんはまだ加入されていません。当時バンドのことはご存じだったんですか?
佐野:もちろんです。大学でハワイの人間とバンドをやっていたので、カラパナとセシカポは知ってました。「ハワイのバンドがこんなに巧いのか!」と。失礼な意味じゃなくて(笑)ハワイの兄ちゃん4人が一緒になってこんなサウンドが作れるのかと度肝抜かれましたね。アルバムもレコード買いましたし。--「Nightbird」をはじめとして、KALAPANAを代表する名曲がぎっしりと詰まったこのアルバムですが、佐野さんは初期の作品とどのように接していますか?
佐野:加入前からファンだったので、その目線から理解しても外せない楽曲ですよね。入った当時は変えてやろうとか思ったんですけど、良く考えたらファンはそっちを聴きたくないんですよ。レコードと同じアレンジを聴きたいし、それを生で味わいたいからライブに来ていただける。だから好きな曲だし、ちょっと変わったとしてもベーシックな部分は忠実にやります。良い曲が多いんで。--加入された当時に変化を持たせようとしたということですが、オリジナルのメンバーから意見はあったんですか?
佐野:僕はプロデューサー/リーダーという形で入ってくれと言われて加入したので、ほとんどなかったですね。意味わかんないですよね(笑)「俺、新メンバーなんですけど?」って。なので、好き勝手やらせてもらえました。加入して一番最初にリリースした『ハリケーン』ってアルバムも今聴くとジャンルとしてはかなり違ってますしね。脱皮というか新しいカラパナを見せたかったので、マッキーは大賛成でしたし、他の皆も「ケンジがやりたいんだったら」って。--『Hurricane』は、サーフロック、フュージョンから更にノンジャンルな印象になったがあります。かなり佐野さんにお任せ状態だったんですね。
佐野:でもそれから少ししてかな。ポール・マッカートニーを観にいった時にやっぱりビートルズの曲を聴きたいんですよ。新曲やられてもピンとこないなと(笑)--80年代当時のライブですね…
佐野:ソロになってから曲ばっかりで。ビートルズの曲は「イエスタディ」と「ブラックバード」だけ。当時は「やりたくない」って感じだったんだけど、今は90%くらいビートルズの曲ですからね(笑)--先日の来日公演では「マジカル・ミステリー・ツアー」や「エイトデイズ・ア・ウィーク」で幕開けしてましたね。
佐野:そうなんですよ。でも本当に自分もそれが理解できて。だからこそ、カラパナのライブも1st、2ndアルバムの曲がメインですね。--佐野さん自身も83年の加入からもう30年以上経ちましたが、こんなに続くと思われましたか?
佐野:メンバー同士よくケンカしてたバンドだったんですよね。だから「入っても1年くらいでケンカ別れでしょ?」って思ってたんですよ。だから、「ちゃんとツアーとアルバム制作やるんだったら入るよ」って条件を出して。で、任せてもらって、やってたらお客さんにまぁまぁウケたんですよ。メディアも沢山取り上げてもらって、日本のツアーもすぐできましたし。--ここまで続けれた秘訣ってなんでしょう?
佐野:ベーシックな部分でみんな音楽が大好きなんですよ。カラパナというバンドを誇りに思っているし。やってることが好きなんですよね。一緒に集まってやるとめちゃくちゃ楽しい。ライブでもご年配のカップル、元サーファーのオッチャン達(笑)たまに若い人も来てくれて(笑)こちらからもそう言ったお客さん達を見てるとやめれないですよね。そういう人たちがいてくれる限り。カラパナ復活から再生「みんな泣いて喜んでくれたんです」
--そうして続けていく中、99年マッキー・フェアリーが自殺するという、あまりにもショッキングな事件が起きました。当時を振り返ってメンバー感はどのような状態だったんでしょうか?
佐野:これまでにも色々問題があったんですよ。マッキーもドラッグから抜け出せなくて…。更に2人目の奥さんもとんでもない方で…。波乱に満ちた人生をああいう形で終わってしまったんですけど、俺らがどうにか止めれなかったのかなと思います。今でもそう思いますし。最終的には自分で乗り越えなきゃいけないことですけど。当時はショックなんてものじゃなかったですね。一回彼が自殺未遂をしてしまったからロスに呼んでたんですけど、どっぷりハマってて。それからディージェイから「自殺した」って連絡があって頭真っ白になって意味がわかんなかったですね。そして、他メンバーとも連絡とってすぐハワイ向かって。所詮1回目のバンドがダメになったのも、マッキーがクビになって、マラニもクビになって、ディージェー1人でやっててもつまんなかったからですよ。だからマッキーのいないカラパナなんてやっても意味がないと思って、1年近くなんにもやらなかった。--どのようにしてバンドは再生していったんでしょうか?
佐野:ライブに呼ばれて「久々にやってみる?」って出たらみんな泣いて喜んでくれたんですよ。俺らもお互いを見れば全員泣いちゃってるし。だからファンの為にもマッキーの音楽の為にもやらなきゃなと思って活動を再開していきました。--ショッキングな事件を乗り越え、2002年にはナ・ホク・ハノハノ・アワードでロック・アルバム賞、技術賞を受賞されます。この時の心境を教えてもらえますか?そしてこのアルバムはどのあたりが評価されたとお考えでしょうか?
佐野:大復活でしたね。マッキーのいないカラパナが昔のサウンドを鳴らしながらも、新しいものを取りいれて認められた。嬉しかったです。--そして40周年。ここまでカラパナという看板にはこだわってきたんでしょうか?
佐野:そうですね。カラパナだからやる。自然体ですけどね。マネージャーがガツガツ仕事を取りにいくわけでもないし、ほんとに幸せなことで仕事があるので。--佐野さんは日本でも忙しくされてると思うのですが、カラパナメンバーとはどれくらいの頻度で交流を持っているんですか?
佐野:ゲイロードとはしょっちゅう連絡とってますね。マラニはギグで会うだけ(笑)ハワイ行ったら会いますけど。ディージェーはたまにメールとかかな。急に「お前なんで電話してこないんだ!?」って電話してくることもありますね(笑)だから「話すことねぇじゃん!なんだよ?」って返して(笑)メンバーとの絆~そして40周年ジャパン・ツアー
--信頼関係があるからこそですね。
佐野:そうですね。ハワイに行ってると、誰から聞いたのかまたディージェーから「電話しないんだ」ってボロクソ言われますよ(笑)「今日きたばっかりだよ。時差もあるし」って。そんな感じです。--ライブ前はどんな話し合いをされるんでしょうか?
佐野:まずは曲の選択ですね。どの曲をどんな風にアレンジしようかって話しをするんですよ。で、いろいろ一通りやるんですけど、最終的にはいつもと同じようになるんですよね(笑)いつものスタイルが落ち着くなって。曲はてんこ盛りにあるんで、あまり演奏してないものを入れたりもするんですけど。--7月のジャパン・ツアーを心待ちにしているファンがたくさんいます。そのファンに一言お願いします。
佐野:ファンの人たちが「絶対聴きたい!」と思ってる曲を入れてますし、40周年ということで、最近全然演奏してなかった曲もやろうと思ってます。みんなが納得して帰ってもらえる内容になっているのでお楽しみに。因みに僕は今年還暦なので、赤いベースをオーダーしました。ちゃんちゃんこはちょっとイヤだったので(笑)そのベースも使います!--ありがとうございます。
佐野:ハワイのメンバーに色々質問送っていただいたそうですけど、2コしか返ってこなかったんですよね?ごめんなさいね(笑)半分ならまだわかるけど!10問中2つしか返答がなかったハワイメンバーからの回答!
--今年はファースト・アルバム『KALAPANA/ワイキキの青い空』リリースから40周年となります。シングルヒットを放った「Nightbird」やKALAPANAを代表する名曲がぎっしりと詰まったこのアルバムを改めて今振り返ってみて、どのような印象をお持ちになりますか?
プラット:1枚目のLPは間違いなく僕たちの最高傑作の一つさ。みんな若くて意欲に満ち溢れていた。ハワイから出て音楽をやるなんて誰も経験したことなかったからそれだけで僕たちの創作意欲はどんどん掻き立てられたんだ。最高の思い出さ。--そして、翌年セカンド・アルバム『KALAPANA Ⅱ』にはこれもまたKALAPANAの代表曲である洗練された都会的なメロディが印象的な「Juliette」やフュージョンテイスト溢れる「Black Sand」など時代の流れを汲み取った楽曲が収録されています。このアルバムに対するメンバーサイドからの印象をお聞かせ頂けますか?
プラット:ファーストアルバムでは外部のプロデューサーとアレンジャーと一緒に作ったんだけど『KALAPANA Ⅱ』では本当に初めて自分たちだけでプロデュースするチャンスだった。ファーストで学んだプロデュースやアレンジのノウハウをKALAPANA 2に全て反映させた…まだまだ僕たちは貪欲だったんだ。結果ファーストに次ぐ最高傑作が出来上がった。当時僕らの周りにあった才能をいかんなく発揮することが出来たという意味では凄い経験だった。2回答しかなかったけど、メンバーからビデオメッセージも到着!
Kalapana 40th Anniversary JAPAN TOUR 公演情報
2015年7月14日 (火) 広島CLUB QUATTRO
開場 18:00 / 開演 19:00
info:http://www.club-quattro.com/hiroshima/
2015年7月17日(金)ビルボードライブ東京
1stステージ開場17:30 開演19:00
2ndステージ開場20:45 開演21:30
2015年7月18日(土)ビルボードライブ大阪
1stステージ開場15:30 開演16:30
2ndステージ開場18:30 開演19:30
2015年7月19日(日)ビルボードライブ東京 ※追加公演
1stステージ開場15:30 開演16:30
2ndステージ開場18:30 開演19:30
ザ プレミアムベスト カラパナ結成40周年記念ベスト
2013/06/19 RELEASE
PCCY-1958 ¥ 2,934(税込)
Disc01
- 01.パラダイス
- 02.愛しのジュリエット
- 03.ミッドナイト・セイリング
- 04.リアル・シング
- 05.アイ・リメンバー・ユー
- 06.モロカイ
- 07.キック・イット (21stセンチュリー・ヴァージョン)
- 08.メニィ・クラシック・モーメンツ
- 09.ケアナエ・ブリーズ
- 10.ライティング・オン・ア・フォーチュン
- 11.パラダイス・ロマンス
- 12.カミング・ホーム
- 13.シャブリ
- 14.ジョンズ・ソング
- 15.ラヴ・アンダー・ザ・サン
- 16.ダナズ・チューン
- 17.虹を追う男
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