Special
横山ルリカ『七色のプリズム』インタビュー
突然のアイドリング!!!解散報道に誰よりも感情を露わにしていたメンバー 横山ルリカ。あの報道を受けて彼女はどんな想いで日々を過ごしていたのか。そしてアイドリング!!!メンバー全員卒業が決まったタイミングで、偶然にも新たな決意表明的な内容となった新ソロシングル『七色のプリズム』にはどんな想いを込めているのか。人生の大きな分岐点を前にした彼女が語ってくれた。
「本当に解散するんですか?」何も言えなかったことが一番申し訳なかった
--こうしてインタビューさせて頂くのは、初ソロアルバム『ラピスラズリ』のリリースタイミング 以来1年強ぶりになるんですが、この間に横山さんにはいろんなことがありましたね。実際、ここ1年はどんな日々でした?
※横山ルリカ - 瞬間Diamond(Short ver.)
--ソロとグループの両立はどうだったんでしょう?
横山ルリカ:最初の頃は大変でしたね。ソロでもアイドリング!!!でも歌うので喉を痛めちゃったりもしたし、あとは握手会で話す話のネタが無くなってしまうという問題も(笑)。ソロとアイドリング!!!のリリースが交互にあって、絶え間なく握手会があったんです。だから個別握手会が一番大変でした! 最初は「この間、来て下さってありがとうございます」とか「ライブ、どうでしたか?」とか聞けるんですけど、3回目とか4回目になってくると「この間、これ聞いたしなぁ……どうしようかなぁ?」「アイドリング!!!の握手会でもこの話したしなぁ……」とか(笑)、そこが一番考えなきゃいけないところでしたね。--結局どうしていたんですか?
横山ルリカ:アシスタントのお仕事をさせてもらっていたこともあって、質問をするっていう能力がちょっと高くなりました。引き出すっていうスキルが身に付いたので、とにかく私からの質問攻め(笑)。--では、アーティストとアイドルの両立はどうですか? ソロはアイドリング!!!と求めるものも求められるものも違うと思うんですが。
横山ルリカ:一番違うなと思ったのは、お客さんのライブの見方。アイドリング!!!だとコール&レスポンスとかもありますし、何人もメンバーがいることもあって盛り上がってるとお客さんの笑い声とかよく聞こえてくるんですよ。反応が分かりやすい現場。でもソロになると皆さん、ちゃんと私の歌を聴いて下さってるし、私の話していることもちゃんと聞いて下さるんですけど、いつもみたいなリアクションがないから逆に不安になっちゃって、「あ、今の面白くなかったのかな?」とか「え、今のスベったのかな?」ってなる。でもよくよく考えたらウケを狙う為にやっている訳ではないので(笑)。--笑いを取りに行く姿勢があたりまえになっちゃってたんですね(笑)。
横山ルリカ:そうなんです(笑)。でもソロのときはそんなに気にしなくてもいいのかなって思って。笑いを取りに行くというよりは、私のことをいっぱい知ってもらおうっていう意識でMCもやることにしてます。--そのソロの話を深く掘り下げる為には、まずどうしてもアイドリング!!!の現状について触れない訳にはいかないんですが、先日の解散報道。最初知ったときはどんな気持ちになりましたか?
※アイドリング!!!3/18発売6thアルバム"ロデオマシーン"より「My Fate」MV Short Ver
--なるほど。
横山ルリカ:でも私の気持ちよりも、ファンの人から「本当に解散するんですか?」って聞かれても何も言えなかったことが一番申し訳なかったです。ちょうどリリースタイミングで個別握手会とかもあったんで、スタッフさんは「メンバーにはそういうこと聞かないで下さいね」ってアナウンスしていたんですけど、でもやっぱり応援してくれている人たちに事実かどうかをお知らせできないのが一番申し訳ないなって。私たちもあの時点では本当に事実がどうなのか分からなかったから、とりあえず「時期が来たら正式に発表するから、それまではちょっと待っててください」っていう形だったんで、モヤモヤした日々が続いて。でも、それでも気を遣って全然違う話題で明るく接してきてくれたファンの方もたくさんいらっしゃったんで、そこはアイドリング!!!のファンの方の良いところだなって思いました。で、最終的に番組で発表できて、升野さん(バカリズム)に面白くしてもらって、明るい形で「10月で全員卒業」っていう風に発表できたのが救いだったなって。でもそれまではツラかったですね。リリース情報
七色のプリズム
- 2015/05/13
- 初回限定盤A[ VUZJ-24]
- 定価:1,836円(tax in.)
- 詳細・購入はこちらから>>
- 初回限定盤Bの詳細・購入はこちらから>>
- 初回限定盤Cの詳細・購入はこちらから>>
- 通常盤の詳細・購入はこちらから>>
関連リンク
Interviewer:平賀哲雄
新たな決意表明みたいな形になったので驚いてます
--相当苦しかったと思います。モーニング娘。で例えれば道重さゆみが卒業する前に、AKB48で例えれば高橋みなみが卒業する前に「解散します」って言われるのと一緒な訳で。本来有り得ないことですもんね。
※アイドリング!!!12/24発売23rdシングル「ユキウサギ」MV Short Ver.
--そんな精神状態でもアイドリング!!!のステージに立って何かを発信しなきゃいけないというのは、どんな気分だったんでしょう?
横山ルリカ:ほとんど発言するのは外岡えりかだったんで、私的にはちゃんとステージをひとつひとつやっていって、握手会もいつも通りにやって。「いつも通りのことをちゃんとやろう」って思っていました。ファンの方もそこは汲んでくださって、あたたかく見て下さっていたんで、逆に絆が深まったイベントになったんじゃないかなって思いますね。--今は「全メンバー卒業」をどう受け止めているんでしょう?
横山ルリカ:実感はないですけど、とりあえず「なんで7期生入るんだろう?」とは思いました(笑)。終わるって決まってるのに! だからもうとんでもない人が入ってきてほしいですね。おネェとか。--完全にオチ担当じゃないですか(笑)
横山ルリカ:本当にそういう面白い人が入ってきてほしいですね。そしたらすごく楽しい最後の3ヶ月になりそう(笑)。アイドリング!!!だったら許容できそうですし。どうせだったらすごく有名な人とか、すごくパンチの効いた人に入ってきてほしい。--『笑っていいとも!』の最終回間際にとんねるずがレギュラーになる感じですね。
横山ルリカ:アハハハハ! ビッグゲストお待ちしてます!--まだ全メンバー卒業の10月まで少し時間はありますが、横山さんにとってアイドリング!!!はどんな場所だったなと思いますか?
横山ルリカ:成長する為の学校みたいな場所だったなって、すごく思っていて。歌とかダンスとかは自分で習っててアピールポイントでもあって、オーディション合格も「歌とダンスで受かりました」って聞いていたから、それを存分に活かそう!っていう意気込みで番組収録に臨んだら、いきなり関節技をかけられたりとか、パイを投げられたりとかして(笑)。バラエティは慣れてなかったし、最初の頃は全然好きじゃなかったんですよ。だから「なんでこんなことやんなきゃいけないんだろう?」とか「これやって面白いのかな?」とかマイナスなことしか考えられなくて、収録をしてても前に出れないし、一番端っこの席だし、楽しくないし、本当に負の連鎖。ライブは楽しかったけど、番組収録は自分の中で重く圧し掛かってて。でも歳を重ねるごとに「もっともっと前に出て喋りたいな」とか「ちょっとでも面白くなれたらな」って気持ちが芽生えてきて、バラエティ番組をたくさん観るようになったりとか、誰かのマネをしてキャラを作って喋ってみたりとか、いろんな試行錯誤をしていくうちにだんだん楽しくなって。今は本当にバラエティが大好きになって、家に帰っても真っ先にバラエティの録画観たりとか、トークの勉強したりとか。今、アシスタントの仕事もすごく楽しくやっているので、「人って嫌いだったものをこんなに好きになれるんだ」って教えてもらった気がします。--なるほど。
横山ルリカ:あと、番組のMCが升野さんだったのも有り難かったです。良い意味でアイドルとして見てないから、本当に必要なトークスキルとか、空気の読み方とかを教えてもらっていた感じがして。贅沢な先生だったなってすごく思います。他にも、自分が気付いてないところでもいろんなことを学習できた場所だと思うので、第二の学校みたいなものですね、アイドリング!!!は。--そんなアイドリング!!!が最後のフェーズに入ったところで、横山さんは約1年ぶりのシングル『七色のプリズム』をリリースすることになりました。今作にはどんな想いを込めているんでしょう?
※横山ルリカ - 七色のプリズム(Music Video Short ver.)
--「街並も色彩(いろ)も 変わって行くけど 描いてた夢は 変わらないよ」とか、まさに横山さんの今だと思うんですけど。
横山ルリカ:そうですね。でもそのフレーズのところは歌うのが難しいんですよ!「あれ、ここってどう歌ってたんだっけ?」って一瞬分からなくなっちゃったりして。でもすごく綺麗な歌詞だし、レコーディングではパワーで歌うっていうよりかは、丁寧に、包むように歌おうって思いました。リリース情報
七色のプリズム
- 2015/05/13
- 初回限定盤A[ VUZJ-24]
- 定価:1,836円(tax in.)
- 詳細・購入はこちらから>>
- 初回限定盤Bの詳細・購入はこちらから>>
- 初回限定盤Cの詳細・購入はこちらから>>
- 通常盤の詳細・購入はこちらから>>
関連リンク
Interviewer:平賀哲雄
また違うアイドルグループに入ってたりして(笑)
--実際「描いてた夢は 変わらない」と言いきれる部分はある?
横山ルリカ:そうですね。って言いたいところなんですけど、私、夢は持たない主義なんですよ(笑)。--格好良いですね。
横山ルリカ:全然格好良くはないです(笑)。大きな夢を持つと、それのことばっかり考えちゃうし、大きな夢は辿り着くまでにすごく時間がかかるから、そこまで頑張れないタイプなんです。目の前にある仕事とちゃんと向き合って頑張っていくっていう風にしたら、自然と良い仕事とかももらえると思うし、良い縁に出逢えると思うから、まずはそこから頑張っていこうっていう考え方なんです。だって、夢って叶わないと悲しくなるじゃないですか。でも夢を見てないのにそれが実現できたら「ラッキー!」って思える。だから夢は持たないようにしています。--作詞家のワタナベハジメさんに自分の状況や想いを伝えたりはしたんですか?
横山ルリカ:いや、全然。それでこの歌詞だったので「予知能力あるのかな?」って思いました(笑)。--そんな横山ルリカと運命めいた出逢いをしたシングル『七色のプリズム』、どんな風にファンや世に響いていってほしいなと思いますか?
横山ルリカ:伝えたいことはすごくシンプル。変えたいことや足りないものがあって、すごくコンプレックスを抱えてしまうことってあると思うんですけど、何かひとつ行動を起こせば、何かひとつ変わる。その繰り返しで人生がもっともっと素敵なものになるんじゃないかなって、自分自身もいろんな体験をして思ったんです。それをこの曲で表現しているので、4月から新生活を始めた人とかがどんどん発展していく季節でもありますけど、どんなことがあっても挫けずに、前向きになるきっかけにしてほしいなって思います。--あと、今作は、ボーカリストとしての表現力が明らかにレベルアップした横山ルリカを体感できますよね。
横山ルリカ:えー!? 本当ですか?--2曲目の「紫陽花」(あじさい)、3曲目の「明日のために」まで聴くとよく分かるんですけど、声の表情が豊かになりましたよね。ひとつひとつのフレーズにどんな想いを込めているのかが伝わってくる。自身ではどう思われます?
横山ルリカ:以前のシングルはパワー勝負というか、声量勝負みたいな感じの曲で、私は高い声も出るし、それが得意なのかなって自分の中でも、周りの認識としてもあったと思うんですよ。でもだんだんソロの活動の中でいろんな曲を歌っていくうちに、ミディアムテンポの曲のほうが歌いやすいというか、感情が込められるようになってきたなって思って。あと、良いボイトレの先生にも出逢うことができて、その先生に「さ行を意識すると伝わるようになるから、「さしすせそ」を大事にしてください」って教えてもらったことがあって、今はそれを念頭に置いて歌うようにしているんですけど、そういう細かい部分も意識して歌うようになったら、感情を込めて息を多めに出す歌い方のほうがしっくりしてきたんです。今回のシングルは私が気持ちを込めやすいミディアムな曲が揃っているので、そういう印象を持ってもらえるのかもしれないですね。--ライブなどで涙を誘える曲と歌だなと思いました。
横山ルリカ:嬉しいです。あと、2曲目の「紫陽花」は私が作詞してるんですけど、以前作詞した曲はそんなにアイドルから遠くないイメージだったんです。でも今回は付き合ってるカップルの話なんで、あまり私とは結びつかない感じだと思うんですけど、そこを逆に聴いてほしい。「こういう恋愛の歌も書けるようになったんだなぁ」って思ってもらいたくて。カップルなんだけど、ひとりは気持ちが無くなっちゃってる感じの切ない歌になってるんです。ラブソングってすごくハッピーかすごく切ないかの両極端なイメージなんですけど、その中間を表現できたのでぜひ聴いてもらいたいです。--3曲目の「明日のために」にはどんな印象を?
横山ルリカ:2曲目の「紫陽花」があってからのこの曲なんで、「あー、別れちゃったんだ」みたいな感じになるんですけど(笑)、でもこれは前向きな失恋の曲で。失恋したときって悲しいじゃないですか。だから本当に切ない曲が支持されてると思うんですけど、この曲は悲しみに浸かっているところから切り替えられる。別れてしまった相手をずっと想ってても、その相手は他の人が好きだったりとか、何か理由があって別れていると思うので、変わらず想われても相手も苦しいと思うし、自分もその間は新しい出逢いもないし、その未練を断ち切るほうが自分のため、明日のためになる。そういう歌詞なんだろうなと自分なりに解釈して歌っています。--このシングルからまた精力的なソロ活動を期待したいところなんですが、アイドリング!!!が終了した後はソロ一本になる訳ですよね。そうした少し先の未来について考えたりすることはありますか?
横山ルリカ:ありますけど、あんまりマイナスには考えてないですね。アイドリング!!!が無くなったらいろんなスケジュールが無くなるとは思うんですけど、その分だけ新たに出来ることが逆に増えると思うので、そんなに悲観的ではないですね。あと、アイドリング!!!を卒業したらおそらくまとまった休みも取りやすくなると思うんで、海外に行ってみたいです。今まで全然行けなかったから、家族との旅行とかも日帰りだったりしたんですよ。だから世界遺産とか観に行きたいです。今まで9年間ずっと忙しくしてきたんで、このタイミングぐらいは……とか言って、また違うアイドルグループに入ってたりして(笑)。「もう入るんかい!」みたいな。--実際にそういう話があったらどうするんですか(笑)?
横山ルリカ:笑っちゃいますけどね! でもちょっと考えるかも(笑)。ただ、グループで9年やってきたんで、今回の卒業は「もう一人でやりなさい」ってことだと思って、ひとりで頑張っていきます。Interviewer:平賀哲雄
Music Video
リリース情報
七色のプリズム
- 2015/05/13
- 初回限定盤A[ VUZJ-24]
- 定価:1,836円(tax in.)
- 詳細・購入はこちらから>>
- 初回限定盤Bの詳細・購入はこちらから>>
- 初回限定盤Cの詳細・購入はこちらから>>
- 通常盤の詳細・購入はこちらから>>
関連リンク
Interviewer:平賀哲雄
関連商品