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Do As Infinity『BRAND NEW DAYS』インタビュー
DoAs=特異ではあるけど、存在価値があるもの。第3のフェーズへ。
新アルバム『BRAND NEW DAYS』は伊達じゃない。DoAsの特異さや貴重さを実感した上で新たな一歩を踏み出し、前へ前へと自らの意思で突き進もうとする2人の言葉。またここからDoAsが面白くなる予感、お届けします。
ウチらはウチらでこれで15年やってきてるからなっていう自信
--15周年を迎えた2014年。自分たちにとってはどんな1年でしたか?
※Do As Infinity / 「Mysterious Magic」MUSIC VIDEO(Short ver.)
--出産が歌や音楽に与えた影響ってあったりしますか?
伴 都美子:聴く音楽、聴かせたいなと思う音楽は、前とはちょっとずつ変わっているかもしれないです。良い意味で今に執着しないというか、以前よりは未来に目が行くようになっているので、そういった面での変化はあるかもしれない。--亮さんから見て、伴 都美子のどんなところに変化を感じたりしますか?
大渡 亮:お客さんに向かっていってる感じが、昔より今のほうが強くなってる。ちゃんと向き合っているというか。前は「早く帰りたい」みたいなところがあったけど(笑)。恥ずかしくて。 伴 都美子:それ、だいぶ昔だよね(笑)? 大渡 亮:でも今はお客さんと堂々と向き合っているというか、向かっていってる。 伴 都美子:前は「こんな私でもよかったら観ていってください、聴いていってください」っていう感じだったんですけど、今は全然違いますね。恥ずかしがり屋、照れ屋っていうのは相変わらずどっかにはあるんですけど、発信者、表現者としてそれじゃイカンっていう意識があるので。自分の中にある何かを発信、表現する立場としての責任もあるし、言ってしまえば、音楽やライブは娯楽ですけど、人前に立つ以上はそのひとつひとつを意味あるものにしていきたい。デビュー当時とはその辺の価値観は大幅に変わってますね。--15周年ライブに向け、亮さんとファンで決めるセットリスト会議もありましたが、実際にやってみていかがでした?
大渡 亮:ファンの意見も積極的に取り入れたいと思って実現したんですけど、とは言え120%お客さんの意見を聞いたらライブの起承転結は組めないんで。なので、まずは説明ですよね。「実は俺たちの今までのライブは起承転結があって、ここのセクションではこういった感じの曲で……」っていう理屈から話して。それで事前に書いてもらっていたセットリストをその場で見て、ホワイトボードを使って…… 伴 都美子:先生みたい(笑)。 大渡 亮:講師みたいな感じで進めていって。まぁでもかなりね、参加して下さった方々の意見を反映した形になってるんですよ。意外とみんなコアなものを望むと思いきや、「いや、その曲は毎回やってくれているし、外したくない」なんていう保守的な意見もあったりして、個人的にはすごく興味深かったですね。やってよかったと思いました。--今、ファンとの直接的なコミュニケーションで意見が聞ける状況自体にはどんなことを感じたりしますか?
大渡 亮:デビューからしばらくはこっちも手探りで、正直言ってそこまでの余裕がなかったんですよね。自分たちがどういったものなのか、あまり自覚しないまま進んでいたので。でも再結成のタイミングでは、このグループは復活するべきなんだという想いでまた動き出していたので、Do As Infinityがどういうグループなのかよく理解できていたし、こういう形態でこういう音楽をやってるグループはJ-POPシーンの中であまりいないんじゃないかと思えていた。特異ではあるけど、存在価値があるものだと僕は思ってるんですよ。それに対する自信というかね、人様とはちょっと違うかもしれないけど、ウチらはウチらでこれで15年やってきてるからなっていう。そういうところで余裕が生まれてるから、みんなの意見も受け入れて、それを還元しようと思える。--伴ちゃんにとってはファンってどんな存在になってるんでしょう?
伴 都美子:共に成長してきた……私たちはサポーターって呼んでますけど、時には厳しいことも言ってくれるし、素直な意見を言ってくれたり、共にDo As Infinityっていうグループを熱くしてくれる。だからサポーターっていう言葉は本当に相応しいなって思います。--DoAsとサポーターみたいな関係性ってなかなか築けないと思います。
伴 都美子:最近の若いアーティストとかバンドの方々とファンのコミュニケーションっていうのは、ツイッターとかFacebookとかSNSを通して擬似友達みたいになってるじゃないですか。あの親近感って何なんでしょうね。 大渡 亮:あり得ないね(笑)! 伴 都美子:この世代からすると(笑)。 大渡 亮:そんなに安心したいのかな? ひとりで寂しく耐えればいいじゃん。 一同:(笑) 大渡 亮:なんか、みんな繋がりたがるよね。なんでそんなに不安になるんだろうか。1人を楽しめないのかな? 俺、ひとりでいるのも好きなんで……まぁでもそうじゃない人がいるってことなんだよね。たまには一人でいいのにね。毎日分単位じゃん? 繋がってなきゃいけない感じが。俺なんか煩わしくてしょうがないけどね~。たまに歩み寄って仲良くするのはいいけど、基本はひとりでいいと思うんだよね。それがベーシックで、仲間と何かするときに集って、それでまたそれぞれの家に帰る。どんなときでも繋がってないと気が済まないのは……パソコンとかスマートフォンの進化がもたらした産物だと思うんだけど、俺は良いとこ取りで、あんまり支配はされたくないな。支配されやすいと思うから、自覚してなくても。--DoAsぐらいの使い方が一番ナチュラルかもしれませんね。猫の写真をツイートしてるぐらいがちょうどいい(笑)。
伴 都美子:アハハハ! 大渡 亮:伴ちゃんはミステリアスなんで、あれぐらいがバランス的に良いと思う。リリース情報
BRAND NEW DAYS
- 2015/02/25
- 初回限定盤[AVCD-93070(CD+DVD)]
- 定価:5,184円(tax in.)
- 詳細・購入はこちらから>>
- 通常盤の詳細・購入はこちらから>>
関連リンク
Interviewer:平賀哲雄
伴 都美子「私がもうちょっと表に出ていったほうがいいのかな?」
--そんな時代が変わっていく中で活動してきた15年。その象徴となった昨年の10/13渋谷公会堂でのアニバーサリーライブでは、伴 都美子から大渡 亮へ手紙が贈られるサプライズもありました。
2014年10月13日 渋谷公会堂【Do As Infinity 15th Anniversary ~Dive At It Limited Live 2014~】
--あの手紙をどうして贈りたいと思ったんでしょう?
伴 都美子:なかなかそういうきっかけやタイミングってないですし、15年って人で言ったら思春期の真っ只中で、反抗期だったりする訳で(笑)。15年ってよくよく考えると凄い年月だなって思うし、でも同時に「まだ15年」っていう気持ちもあって。私たちにあるのは未来だから「これからもよろしく!」っていう想いを伝えたかったし、いろいろあったけど、気持ちの一番中心にあるのは感謝だったし、たまにはいいかな?と思って、手紙という方法で伝えさせてもらいました。ありきたりかもしれないけど、結婚式でも両親に向けてのお手紙とかあるじゃないですか。分かっちゃいるけど、ウルって来るじゃないですか(笑)。友達の結婚式に出席して「ああいうことって大事だよな、手紙っていいな」って思ったりもして。--そしてアルバム『BRAND NEW DAYS』から始まる2015年。どんな1年になりそう?
大渡 亮:良いアルバムを創れたと思っているので、これを引っ提げて俺たちの現在をまた打ち出していきたいですね。デビュー当時のガムシャラにやってきた感じで、今はいろいろやり方は変わっているとは思うんですけど、2015年バージョンの自分たちをちゃんと刻んでいければいいなって思いますね。--デビューから解散、再結成から15周年、このふたつの時代の次なるフェーズに入っていくイメージなんですか?
大渡 亮:そうですね。今はより俯瞰でグループのことを考えられるようになっているし、このグループがどういう風に作用するのかもなんとなく分かる。地に足つけて、ちゃんと聴きたいと思ってくれる人たちに一生懸命発信し続ければ、それこそ本当にずっと続いていくんじゃないかと思いますね。--今、その感覚になれたきっかけって何だったんでしょう?
大渡 亮:伴ちゃんの出産があって、ライブ活動を10ヶ月ぐらいお休みしていたこともあって、このグループの貴重さを感じたんです。なので、10月に行われた15周年ライブは楽しかったし、いろんな人に支えられて存在していることも実感できて、本当に有り難いと思います。そしてこのグループが持っている特異的な感じはやっぱり貴重だなと改めて思いました。その貴重なものをずっと続けていくことが、俺と伴ちゃんの使命なんだなって。--具体的に言うと、どんなところに特異さや貴重さを感じますか?
大渡 亮:あんまり媚びてないんだよね(笑)。こんなに媚びてなく、自由に音楽創れてるグループってあんまりいないんじゃないかな。媚びないようにしてるというより、結果的に媚びてないんだけど、この形態が僕らにとって一番望ましい形であって。これで今の世の中に寄り添うようなサウンドにしていっても、自分たちの存在価値が上がるとも思えないし、だから不思議だなって。という意味での貴重さ。--Do As Infinityってジャンルとかブームの枠で言うと、どこにも属してないんですよね。誰もDo As Infinityっぽいことをやれてないゆえの貴重さなのかなと。伴ちゃんはどう思いますか?
※Do As Infinity / ETERNAL FLAME
Do As Infinity / Tangerine Dream
--それから15,6年経って、Do As Infinityみたいな存在が他にいないと判明していくストーリーは面白いですよね。
伴 都美子:それを分かりやすく伝える為にも、私がもうちょっと表に出ていったほうがいいのかな?とか思うんですよ。でもその一方で「いや、現状を維持しなきゃ」とか…… 大渡 亮:いや、伴ちゃんに「表に出ていったほうがいい」みたいな意識があるんだったら、ワァ~っとやってみてほしい。 伴 都美子:本当? 大渡 亮:分かりやすくしてほしい。それ、実はまだ一度もやってないから。それが出来ると今後楽しみだなぁ。 伴 都美子:たしかにやってないことをやらないと道は開けませんからね。 大渡 亮:だからもう保守的に考えないで、ワァ~ってやる方向で伴さんは考えて頂いて。俺、ついていくから。やっぱりボーカリストが先頭で引っ張っていってくれる図っていうのは、俺としても嬉しいですね。楽しみが見つかった。 伴 都美子:期間限定ですけどブログを始めたのもその一環で。なんて言うんですかね……今までは「知っている人だけ知っていればいいや」って思っていたんですけど、発信していかないといけない……っていまさら(笑)。--15周年を経て(笑)。
伴 都美子:そんな感じでちょっとやってみよっかなって。あとはテレビやラジオも出ていけるなら出ていきたいし、また番組とかもやってみたい。リリース情報
BRAND NEW DAYS
- 2015/02/25
- 初回限定盤[AVCD-93070(CD+DVD)]
- 定価:5,184円(tax in.)
- 詳細・購入はこちらから>>
- 通常盤の詳細・購入はこちらから>>
関連リンク
Interviewer:平賀哲雄
「じゃあ、もうアルバムを作らない」って人はまだいないでしょ?
--『BRAND NEW DAYS』というタイトルに相応しい話になってきました。
伴 都美子:あ、そうだ。『BRAND NEW DAYS』からいろいろ考えたり、イメージを膨らますようになったんです。新しいことやりたいなって。--そもそも『BRAND NEW DAYS』というタイトルにしようと思ったのは? 表題曲ありきで?
※Do As Infinity / 11th album「BRAND NEW DAYS」
--そんなアルバムに伴ちゃんはどんな印象や感想を?
伴 都美子:また新しいDo As Infinityの足跡が印せた一枚じゃないかなと思ってます。海外の方が書いた曲もあって、そういうのも今回初めてトライしたことで、「こういう曲も出来るんだ」っていう嬉しさもあったし、トライ&エラーじゃないけど、それの繰り返しでこのアルバムは出来たんじゃないかなと思います。--このアルバムで一歩進めた感がある?
大渡 亮:そうですね。プロダクションが半分変わってるんですよ。新しいアレンジャーの方と組んだり、この15年で初めての試みもあって。それで不安の中で始めた新しいアプローチも良い結果になったと思うんで、今後も怖れずに新しいことはどんどんやっていきたい。例えば、1曲ずつ全部違うアレンジャーの方とやるとかね、そういうのもアリだなって思えたので。結局、伴ちゃんが歌えばDo As Infinityになるので、だったらいろいろやってみていいのかなって。--そのDo As Infinityがこれからも音楽を通してやっていきたことは?
大渡 亮:音楽で何かが変わる。という考えがあるのであれば、自分たちが楽しんでいればいつかそれが人に届くと俺は思ってて。やっぱり楽しんでないとポジティブなエネルギーは人に伝染していかないと思うんで、改めて言うならば、音楽を楽しむということです。--では、Do As Infinityがアルバムを出し続ける理由は何だと思います?
大渡 亮:今やアルバムという形態でなく音楽を聴いたり、情報を得ようとしている時代なのは分かってる。でも俺はこの形態の芸術作品を手に取ってきてるんで、アルバムが本当に必要なくなるまではこの形態に拘って……でも拘っている訳でもないなぁ。 伴 都美子:でもアルバムが無いと目標が無くなっちゃうというか…… 大渡 亮:難しい質問だね、これ。 伴 都美子:うん。でも重要な話。アルバムっていう目標があるから走れるところもあるし、これを継続することで未来を見れるというか。 大渡 亮:本当に「アルバムというフォーマットは必要とされない」って思ったら、会社はアルバムを出さないことを勧めてくるだろうし、そういう風になっていくと思うんですよ。でも今のところそんな話もないし、日本のアーティストで「じゃあ、もうアルバムを作らない」って人はまだいないでしょ? 海外の配信とかにしてもアルバムとして売ってるじゃないですか。十数曲をまとめて。だからそういう概念っていうのは残るんじゃないですかね。起承転結、侘び錆びみたいなものは単品じゃ感じられないし、アルバムで音楽を聴く楽しさはあるから。--ただ、その楽しさすら知らない世代もいますからね。
伴 都美子:そこにストーリーがあるとは思いもしないっていう。 大渡 亮:今、知り合いに30歳のミュージシャンがいるんだけど、驚くほど名盤を知らないの。ウチに遊びに来たときに「おまえ、これは聴かなきゃダメだろう」みたいなやり取りをしてたんだけど、そしたら「どの曲ですか?」ってアルバムじゃなく単品でダウンロードしてて、「え? おまえ、これ、アルバムとして名盤なんだよ?」みたいな。本当にカルチャーショックだった。だから後日全部CDを渡しました。。 一同:(笑) 大渡 亮:「アルバムで聴け!」って。 伴 都美子:こういう熱血先生がいたら絶対に音楽好きになる(笑)。--そろそろ時間的に締め括っていきたいんですが、伴 都美子/大渡 亮それぞれをどんなミュージシャンだと思うか?という質問をしたく。伴ちゃんから見た亮さんはどんなミュージシャン?
伴 都美子:真っ直ぐで熱い、情熱を密かに持ったギタリスト。そういうところをあんまり前に出さないんだけど、実はここにマグマがちゃんとある。--では、亮さんから見た伴ちゃんは?
大渡 亮:他に類を見ない声を持ったボーカリストですね。いまだかつて伴ちゃんみたいな声のボーカリストに会ったことがないから。これに尽きるね。それを大事にしてこのグループは突き進むべきだと思うな。 Interviewer:平賀哲雄リリース情報
BRAND NEW DAYS
- 2015/02/25
- 初回限定盤[AVCD-93070(CD+DVD)]
- 定価:5,184円(tax in.)
- 詳細・購入はこちらから>>
- 通常盤の詳細・購入はこちらから>>
関連リンク
Interviewer:平賀哲雄
BRAND NEW DAYS
2015/02/25 RELEASE
AVCD-93070 ¥ 5,280(税込)
Disc01
- 01.Mysterious Magic
- 02.EDGE
- 03.Brand new days
- 04.蒼生
- 05.Rapunzel
- 06.夢の終わりに
- 07.Marionette
- 08.Route 16
- 09.Always
- 10.song for you
- 11.はじまりの場所
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