大晦日にNYで2万人の観客を魅了！スクリレックスが語るディプロとの最強ユニット＝Jack Ü

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スクリレックス

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　EDM界の異端児スクリレックス、そしてビヨンセ、ファレル、マドンナなどの世界的アクトを手掛ける人気プロデューサーのディプロがタッグを組んだスペシャル・ユニット＝Jack U。米マイアミで開催された世界最大級のエレクトロニック・ミュージック・フェスティバル【Ultra Music Festival 2014】にて初お披露目したこの話題のユニットが、2014年大晦日に約2万人のキャパを誇るマディソン・スクエア・ガーデンにてイヤーエンド・ライブを開催。1stシングルとなった「Take U There (feat. Kiesza)」にフィーチャリングされたカイザをはじめ、A$APファーグ、ルディメンタル、イエロー・クロウらも参加し、大晦日のニューヨークを熱狂の渦に巻き込んだ。ライブに先駆け、スクリレックスがこのプロジェクトやライブへの意気込みなどを語ってくれた最新インタビューが到着！

Jack UのUは、“fun（楽しい）”のUだ。
どう、ヘッドラインにするのにもってこいだろ！

▲ ULTRA MUSIC FESTIVAL 2014

??DJセットは、僻地のウェアハウス、野外フェスやダンス・クラブで観るのが一番と考える人もいると思いますが、椅子のある巨大なスタジアムでワイルドなダンス・パーティを行うのは難しくないですか？そういった会場でプレイする時は、どういったことを心がけますか？

スクリレックス：会場のサイズに関わらず、観客と目に見えるようなリアルな繋がりを築くことを、いつも心がけてるんだ。会場には左右されたくない、その点はきっちり責任を持って向き合いたい。その部分を手助けする小さな施策がいくつもあって、たとえば小型カメラを自ら装着して、僕らの目線からの映像をモニターに映し出したりしてる。あとフロアには、リアルタイムで観客を撮影しているクルーもいて、その映像もスクリーンで流してる。どんな映像を流すかは事前に決めているけど、それらのグラフィックの合間に会場の雰囲気が感じることが出来る映像も入れ込んでる。すごくイイエネルギーなんだ。

　初めてコーチェラに行った時、すべてのステージ―巨大なメイン・ステージでも、パフォーマンス中のアーティストを密に追うカメラマンがいたことを憶えてる。観客側からだと、まるで昔のウッドストックのDVDを観ているような感覚で、何千人もの人々の中にいるにも関わらず、とても間近に感じることができて、パーソナルに思えた。観客とコミュニケーションをはかるのは、とても重要なこと。DJをするのは大好きだけど、それはアーティストとしての自分の一面でしかない。自分のアートをうまく伝えることで、より多くの人々にリーチするって感じるね。

??マディソン・スクエア・ガーデンで行われるライブであなたとディプロを初めて観るという観客も大勢いると思いますが、Jack Uのサウンドについて教えてください。2人がいつも作っている音楽との違いは？

スクリレックス：Jack Uの一番簡単な解釈は、スクリレックスとディプロ―お互いのサウンド、ペルソナ、考え方をド真ん中で融合したもの、それがJack Uなんだ。ありきたりかもしれないけど、別にハイ・コンセプトなプロジェクトではないんだ。ほぼ普段と変わらず、己の環境で、自分たちが聴きたい音楽を作っているだけ。と言うことは、すっごくマイナーだったり、その正反対になることもあるけれど、ポピュラーになるかどうかは、あまり深く考えてない。このプロジェクトは、そういったことではなくて、音楽を探究するためのものなんだ。

??DJの場合、ポピュラーなものに捉われ、自分のサウンドを見失ってしまうこともありがちですよね。

スクリレックス：まったくだよ。自分のPCに保存してるプレイリストのように、誰も聴いたことがないような曲が何曲かあるはずで、それはそれクールだよね。侮辱するつもりはないけど、近年のDJセットには「他にもプレイできる曲はいくらだってあるだろ。」って具合に、苛立ちを感じる。わかる？メイン・ステージで行われてるセットが、もっとヴァラエティ豊かだったら、って思うよ。もっと視野を広げようぜ。もし自分がマディソン・スクエア・ガーデンにヘッドライナーとして出演するんだったら、観客を退屈させるなんてもってのほか。とは言え、誰もノレないような変わった、思い上がったセットを披露することはしたくないから、バランスが必要だよね。Jack Uとしての最終的な目的は、何よりも楽しむこと。Jack UのUは、“fun（楽しい）”のUだ。どう、ヘッドラインにするのにもってこいだろ！DJセットを曲でてんこ盛りにしなくてもいいと思うんだ。ウザがられるような無名のレコード、これまで聴いた中で一番美しい曲をプレイしようと構わない、重要なのは、何かを感じさせる、それかノレる曲かということなんだ。

▲ NEW YEAR'S EVE AT MADISON SQUARE GARDEN

??大晦日にマディソン・スクエア・ガーデンでプレイするという実感は湧いてきましたか？正直な話、これまで自分のサウンドを擁護しなければならなかったエレクトロニック・アーティストとしてどのような心持ちですか？

スクリレックス：グラミー賞の時と少し似ているよね。すべてが終わるまで飲み込むことができないという部分で。それはそれで、いいことだと思うんだ。誤解しないでほしい、用意はできていて、準備は万端だけど、考えすぎても仕方ないんだよね。アーティストとして、自然と自分に対する競争心が芽生え、常にベストでありたい。成長する唯一の方法は、とにかくやってみることなんだ。

??では、2015年はJack Uにとってどのような年になりそうでしょうか？

スクリレックス：まず最初に、2015年の前半の時間をとって他のプロジェクトに専念しようと思ってる。ディプロも色々忙しいから、ちょうどいいと思うんだ。メジャー・レイザーに加えて、自身のプロジェクトも進めてるから、スケジュールが合ったり、会わなかったりだけど。でも、そこがJack Uのいいところ、自発的で、その場で色々できるから。2014年は、全部で30公演ぐらいやったけど、正式にアナウンスされていたのは、その内の10公演ぐらい。ハウス・パーティ、ビーチ、LAのSoulCycle（バイク・エキササイズ）クラスなんかにも行って、大声で叫び、ハァハァ言いながらバイクを漕いでる部屋でもプレイした。超ワイルドだったよ。君の質問に答えると、イエス、僕らのことを観る機会は2015年にもあるよ、間違いない。でも、耳を澄ましていないといけないかもね。

Q&A by Megan Buergert / 2014年12月30日 Billboard.com掲載