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吉田山田『吉田山田シングルズ』特集インタビュー

吉田山田 『吉田山田シングルズ』 インタビュー

 2014年「日々」のロングヒットと共に、各人気テレビ番組へ引っ張りだこ状態になるほどのブレイクを果たした吉田山田。今回の特集では彼らがここに辿り着くまでの日々、そして彼らの音楽に救われた(?)女の子の日々をお届けします。

◎吉田山田インタビュー ~吉田山田の日々~
初めてのMステ「俺、このままテレビ出ちゃダメだ!」

--今年1月『吉田山田』リリース時以来のインタビューなんですが……いやぁー、売れましたね。吉田山田。

山田義孝:どうなんですかね?

吉田結威:どうでしょう? あの……全くお金が入ってこない。

吉田山田 『吉田山田シングルズ』インタビュー

山田義孝:信じちゃうから(笑)。逆に聞きたいんですよね。いろんな人に「キテるねぇ!」とか言われるんですけど、「本当にキテるんですか? 今」って誰かに確認したい。いろんなテレビ番組に出させて頂くようにはなったんですけど、前から街中で指さされたりはしていたんで。こんな恰好してるんで。だから日常的に何かが変わった印象もなく。

吉田結威:今、僕ら自身としてはそれをちょうど精査してるところなんですよ。初めてのことが本当に多いので。ずっと出たかった番組に出させてもらったりとか、自分たちのステージが上がってきているのは分かるんですけど、それがこの日本のどんな人たちにどれぐらい届いているのか、精査している。例えば、先日、北海道でインタビューを受けて、そのインタビュアーの方が前日に女子大に講義をしに行ったらしくて、「明日、吉田山田っていう2人組にインタビューするんです」って言ったら、9割ぐらいの女生徒が知っていたらしいんです。

--完全に売れてるじゃないですか。

吉田結威:そういういろんな人から聞く「そんなに知ってくれてるんだ?」っていう話を自分の中で重ねていって、実際にはどれぐらいの人が知っているのかを考えている最中なんだと思います。だから売れてると言われればそんな気もするし、これだけテレビに出させてもらっても「まだまだ知らない人は山ほどいるな」とも思うし。

--初めて出演した『ミュージックステーション』はいかがでした?

山田義孝:吐くかと思いました。

--(笑)。緊張で?

吉田山田 『吉田山田シングルズ』インタビュー

山田義孝:そうですね。錚々たる出演者じゃないですか。目の前にPerfumeさんがいて、ちょっとした待ち時間に「あ! 話題の人たちだ!」って僕らに向かって言うんですよ。「いやいやいや、何これ?」って思うじゃないですか。僕らの憧れとか、僕らが知っている著名人が僕らのことを知っていたときに「へ? 僕らのこと知ってるの?」ってなります。ドキっとしますよね。

吉田結威:あと、山田が今まで取ったことのない行動を取り始め……出演10分ぐらい前になって急に楽屋の電気を消し始め、ヘアメイクさんが髪の毛セットしてくれたにも関わらず、和室の床に寝始めたんですよ。それで「すみません、スネにハンドクリームを塗ってください」っていう……あ、これはもうアレかなと思って。「怖い!怖い!怖い!」と思いながらも、「スタッフの皆さん。ちょっと今集中したいみたいなんで、そうさせてあげてください」と伝えて。

--凄い状況ですね。

吉田山田 『吉田山田シングルズ』インタビュー

吉田結威:なんかでも「成長したな」と思うのは、そういった初めての仕事のとき、自分が何を求めているかそれぞれ分かるようになってきたっていう。楽屋を真っ暗にしてスネにハンドクリーム塗ってくれって言ったら、もしかしたら「こいつ、本当に頭おかしいんじゃないか」と思われるんじゃないかな?と気にして言えなかったりして、結果的に緊張しすぎて仕事をトチったりとか、そういう失敗もこの5年間で繰り返してきたんです。でも正直言って良いパフォーマンスができれば、裏で何があってもいい訳ですよ。多少のワガママがあっても「楽屋で集中させてください」「2人だけにさせてください」って言うのもアリだし、そういう「こうすれば緊張が和らぐ」とか、今自分が何を求めているか分かるようになった、言えるようになってきたのは成長かなって思いましたね。

--なるほど。

吉田結威:初めての『ミュージックステーション』だったからもちろん緊張したし、その話をプロデューサーの方にしたら、その方が「でもね、初めての緊張って1回しかないから、緊張したらいいんだよ。大いに」って言ってもらえて。それで僕は結構肩の荷が降りて、大いに緊張しました。堂々と。

--なんでスネにハンドクリームだったんでしょう?

山田義孝:『ミュージックステーション』って本番の前に本番と全く同じことをリハーサルとしてやるんですよ。そのときにもう高まっちゃって! 心臓ドキドキするし、テンションが上がっちゃって、「俺、このままテレビ出ちゃダメだ!」と思ったから、一旦落ち着こうと思って、一回寝て無になりたかったんです。

吉田結威:できればお風呂に入りたかったんだよね?

山田義孝:そうなんです。お風呂に入ると、1回全部が洗い流されるので。でも時間的に全然無理だったので、寝て。そしたら普段気にならないことが気になってきちゃって。「あ、俺、足の肌がカサカサじゃねーか」と思ったら、そればっかり気になっちゃって!

--こんなカサカサでテレビ出ていいのかと?

吉田結威:アハハハハ!

日々 / 吉田山田【MUSIC VIDEO】
日々 / 吉田山田【MUSIC VIDEO】

山田義孝:もう急いで足にクリーム塗ってもらって、「あ、うん。これで多分大丈夫だな」と思って。一応自分の中で安心してから出たんですけど、あんだけ何十回何百回歌ってきた「日々」なのに歌詞忘れそうになるんですよ! 「“おじいさんは”だっけ? “おじいさんと”だっけ? どっちだっけ!?」って分かんなくなって。でも歌い出したら何とか出てきたんですけど、なんか、頭使ってるって感じでしたね。「どうやって歩いてるんだっけ?」って考え出したら歩けなくなるのと同じ感じ。それぐらい、今まで感じたことのない空気感でした。でもあれを乗り越えたら大丈夫だろうなって思います。いろんなことに対して。

--あの日の『ミュージックステーション』はリアルタイムで観ていたんですけど、吉田山田が出てきて、その話題がツイッターとかで盛り上がってる感じは嬉しかったです。「おー、ここまで来たのか」って。

吉田結威:吉田山田に「ギター持ってフルマラソン走れ」って言うぐらいの人ですからね。嬉しいでしょうね。(※詳細は過去のインタビューにて)

一同:(笑)

--吉田山田はそんなことしなくても『ミュージックステーション』に出れることを証明してくれました(笑)。それにしても『オールナイトニッポン』にも出れましたし、ここ1,2年で吉田山田を取り巻く状況って大きく変わりましたよね。そこってどう消化しているの?

吉田山田 『吉田山田シングルズ』インタビュー

吉田結威:まだ消化してないんです。それが僕なりの、この日常を過ごす上でのやり方。あの『ミュージックステーション』に出ているとか、僕らが『オールナイトニッポン』に出ているとか、それについて考えちゃうと上手くいかないんですよ。そこにある空気。僕らが「こんな感じなんじゃないか?」と考えていた現場の空気と、実際に感じる現場の空気って違うんです。そこには人の温かさがあるし、やっぱり人間が作ってるんですよ、全部。でも自分が好きだったその番組たちを憧れ視しすぎると、それに飲み込まれちゃうんですよね。だから「今、自分は『オールナイトニッポン』で喋っている」とか「テレビに映っている」っていうことを忘れるようにしていて。

--ひとつの処世術ですね。

吉田結威:『ミュージックステーション』のリハで歌ったとき、共演者のE-Girlsさんとか何人かの女性が泣いていて、「すごく素敵な曲ですね」って言ってもらって。そのときにまたひとつ気がついて。俺らはテレビのプロじゃないから、例えば「この角度でこの表情したら格好良い」とかも分かんないから、そうじゃなくて目の前にいる人たちが涙を流すぐらいの歌をうたおうって。あんまり意識を広げないようにしたんですよね。「カメラの向こう側で何万人の人が観てる」とか考えないようにするのと一緒。今正にそういう状態だから売れてる実感がないんですよね。

--じゃあ、天狗になってる感もなく?

吉田結威:いや、それももちろん自覚はなく……天狗って自覚なくなっちゃうもんだから分かんないですけど(笑)、「これでいいのかな?」って思うぐらい、僕ら2人はすごくフラットですね。やんなきゃいけないこととか、やっていることは別に変わっていない。

--変にバランス崩したりはしてないと。

山田義孝:それは周りのスタッフの存在も大きいと思います。もう友達みたいな感じなんですよ、マネージャーもディレクターも。

吉田結威:とある人から「これだけ売れたら天狗になっちゃうんじゃないの?」って言われたときに、ウチのスタッフが「いや、こいつらが天狗になったら僕がしばき倒すから大丈夫です」「こいつらには“天狗になったらしばく”って言う人がたくさんいるんです。だから大丈夫だと思います」って言ってて、なるほどなぁって。だから僕はなんとなく大丈夫かなって思ってます。

--山田さんはどうですか?

山田義孝:そうですねぇ~……

--山田さんが天狗になるってどういう状態かよく分からないですよね(笑)。

吉田結威:生まれたときから天狗っちゃ天狗ですからね。

一同:(笑)

吉田山田 『吉田山田シングルズ』インタビュー

山田義孝:自分のことしかあんまり考えずに生きてますからね。でも……毎日楽しいですね。今まで「良い作品できた!」と思ってもそれがあんまり広まんなかったりするとストレスというか、それが次の作品を生み出す良いフラストレーションでもあったんですけど、それがようやくちょっとずつ実を結んで、いろんな人と共に喜び合えるようになってきたんで、それは幸せ。あと、一流の人たちと出逢ったりすると、みんな面白かったりして、仕事終わった後にすごく良い気分になるんですよね。「素敵な人だったなぁ。ああいう風になりたいな」って。そういう良いお手本がたくさんいるし、研ぎ澄まされた世界にいるなって感じる。だから毎日刺激的で楽しいです。

--あと、売れてくるとよく出てくる問題シリーズで、そろそろギャラの配分でギスギスし始める頃なのかなと。

吉田結威:まぁ基本的には8:2なんで。山田が8。

山田義孝:ほらほらそういうこと言うと……

吉田結威:僕はまぁ2で満足してるんで。

山田義孝:すぐそういうこと言うよね。最近、これ、多いんですよ。

--そんな吉田山田が『吉田山田シングルズ』なる……

吉田結威:ハハハハハ!

山田義孝:いやいやいや、まずいまずい!

--シングルコレクションをリリースできるぐらいの日々を刻んできた訳ですけど、今は8:2とは言え、元々は学校で知り合った2人が……

山田義孝:8:2じゃないです!

--8:2じゃない?

山田義孝:5:5です!

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◎吉田山田インタビュー ~吉田山田の日々~
吉田だけで成り立たなくて、山田だけで成り立たなくていい

--(笑)。高校時代に山田さんが吉田さんに廊下で“ハモれるアピール”をして結成された訳ですけど、それから今日に至るまで。どんな日々だったなと感じていますか?

吉田山田 『吉田山田シングルズ』インタビュー

山田義孝:いろんな人から「これまで大変だったでしょ」とか言われるんですけど、実際には「ツラいなぁ……」って思ったことはほとんどないんですよ。ライブの本数とかもめちゃくちゃな数やったり、「え、ここでライブやるの?」みたいなこともありましたけど、全部笑い話になるんですよ!スタッフと一緒に「マジか!」って全部笑い話に変えてきたので、とにかくよく笑ったなって。各々で悩むことはあったでしょうけど、みんなが集まるともう悪ふざけというか(笑)、全部プラスのテンションに持っていっていけたから、これは他の人たちとは出来なかったことだろうなって思いますね。

--やたらドヨーンとしたりヒリヒリしたことは……

山田義孝:ほとんどないですね。他のアーティストの友達から「いや、マネージャーがさ……」とか「プロデューサーがさ……」とかよく聞きますけど、ウチはそういう意味ではすっごい恵まれてますね。

吉田山田 『吉田山田シングルズ』インタビュー

吉田結威:それで救われている部分もある。それもまた運だと思うんですけど。良い曲を作れば売れて食べていける世界ではないじゃないですか。運もすごく大きな要素として必要な業界にいるので、悩んでもしょうがないことで悩まないようにしているんですよ、つまり。やることはやるし、やるしかないし、やってやる!って全員思ってるけど、それでもやっぱり上手くいかないことはあるし、それに対して変に悩んでてもしょうがないから笑おう。っていう精神を持っている人が集まってきてくれてるっていうのは、僕らが持ってる一番の財産だと思ってる。

--では、この2人で歩んできてよかったなって思いますか?

吉田結威:吉田山田の良いところって“ひとりじゃダメなところ”って僕は思ったんですよ、最近。キャラクターで言えば、山田はやっぱり天然で、社会的にダメで……

山田義孝:いやいや、そんなハッキリ「ダメ」って……。

吉田結威:山田はこの仕事以外何もできないだろう、みたいな。ちょっと残念な人ってイメージがあると思うんですよ。

山田義孝:そんな言い方ないでしょ……。

--(笑)

吉田結威:で、僕は結構しっかりしてて、音楽以外の仕事でも食っていけるんじゃないかって目で見られがちなんですけど、全然そうじゃなくて。僕も自分にすごく自信がないし、抜けてるところめちゃめちゃいっぱいあるし。でも山田と出逢ってこの12,3年の間に本当に上手いこと自分の凸凹、そして山田の凸凹がどんどんどんどん擦り合わさっていって、綺麗な形に、吉田山田という形に今もなおなっていってて、それでいい。別に吉田だけで成り立たなくて、山田だけで成り立たなくていい。っていう風になれてるって結構すごいことなんじゃないかなって、男30にして思う訳ですよ。「自分はこうありたい」と思ってほとんどの人が生きてるけど、「吉田山田でこうあれれば別にいいかなぁ」って思えてる、その2人じゃなきゃダメな感じ。それはここ十数年で得た一番大きな成果な気がしますけどね。

山田義孝:だから僕も「ひとりだったらどうしてたんだろう」って思います。あと、こんなこと言うとアレなんですけど、最近はいろんなメディアに出させてもらって嬉しいし、ビックリもしてるんですけど、その半面でずっとこうなっていることを想像していたので、どこかであまり違和感がないというか。例えば、僕にはいろんなやりたいことがあるんですよ。絵を描くこともそうだし、服作ったりデザインするのも好きだし、でもある程度のところで「これ以上は出来ないだろうな」ってなんとなく分かるんです。だけど音楽に関しては「ここまで来れる」って思っていたので、だから2人で続けていたと思うんですよ。あんまり疑わずに来れた。いろんなタイミングが合って「日々」をリリースできたことは奇跡と言えば奇跡なんですけど、こうなるべくしてなったんだろうなって。その感覚はよっちゃんと出逢ったときから変わってない。

--なるほど。

山田義孝:でもひとつ「そういうもんなのか……」と思ったのは、僕らはデビューしてから5年間ほぼノンストップでやってきた訳なんですけど、最近になってようやく「頑張ってるね」って言われるんですよ。それがちょっと自分の中で「そういうもんなのか……」って。今までの日々はすべて間違いなく無駄ではないんですけど、やっぱり大半の人がそういう風に見てるんだろうなとは思いますね。

吉田結威:今までも頑張りは変わんないからね。でもそれが報われるようになってきたってことだよね。

山田義孝:そうそう。それが分かったこともひとつ大きなことですかね。だから昔から応援してくれていた人には「本当に恩返ししたいな」っていう想いもあるし。

--この5年間で取っ組み合いのケンカになったり、「もうおまえとはやってられへんわ!」みたいになったことはなかったの?

※魔法のような / 吉田山田【MUSIC VIDEO】
※魔法のような / 吉田山田【MUSIC VIDEO】

吉田結威:取っ組み合いはなかったですね。でも波はありましたよ。例えば震災があったりとか、そういう状況によるものもあったんですけど、2人の成長の仕方が全く違ってて、それ故の波はあった。植物に喩えると、僕はサボテンで山田はアサガオぐらい違うんですよ。でも違うからこそすごく相手の成長が目に見えていて、「あー、山田変わったなぁ」ってすごく思うんですよ、この5年で。5年前も今もマヌケなんですけど、自分と戦った末のソレと、ただのマヌケって全然違くて。だから「格好良いな」と思うんですよ、今は。良いこと言うなと思ったのは、「今まで味わったことない苦難なんだから、今までしたことないやり方じゃなきゃ乗り越えられないと思う」これって言葉にするのは簡単だけど、超大変なことだと思うんですね。それで新宿のゴールデン街を呑み歩いたりしてましたけど、それがしたくてしてる奴と違うんですよ。

(※注釈:山田氏は今までと違う手法で制作することで、吉田山田の音楽をより強いものへ成長させようと模索。そのひとつが「わざと呑みに行ったりして、その帰り、曲を聴いて出てきた一回目の言葉を大事にする」「1杯呑んだら次の店行って、その間に曲を絶対一回聴いて、何かを絞り出す」という手法だった。なお、それ以前の彼は、焼き鳥屋でもコーラを頼むような下戸だった)

山田は家でだらっとうじうじしてたいんですよ。でも自分の殻を破ろうともがいてもがいて、それを乗り越えたっていうのは、すごく格好良いなって思ってて。男として。で、それがなかったら辞めていたかもしれない。あのときのままだったら、今日までは続いてなかっただろうなって思う。

--初めてインタビューしたとき、「今まで「可愛い、可愛い」と言われ続けてきた山田が、漠然としている故に難しい“格好良い”というテーマに臨んでるんです。それを乗り越えないと、吉田山田は次のステージに行けない」と仰っていましたが、それを乗り越えてこその今ですよね。

吉田結威:そう思います。

--もがいていた時期を超えて、本当に吉田山田は格好良くなったと思います。だからこそ先日の5周年記念全曲ライブも成立したと思うんですけど、自分たち的にはどんなライブになったなと感じていますか?

山田義孝:最初は「面白いじゃん!」って感じだったんですけど、リハしてみて「これ、大丈夫かな?」「なげぇ!」と思って(笑)。すっごい不安になったんですよ! しかも喉の調子が2人とも良くなくて、でも喉休める期間も全くなく本番当日まで来ちゃったんですけど、いざステージに立って歌ってみたらどんどんどんどん元気が出てきて、喉も調子良くなってきて、まさか全曲あんな感じで歌えるとは!っていう。「あ、行けた!」「なんか分かんないけど歌えた!」って感じでした。なんで歌えたのか分かんないんですよね。

吉田山田 『吉田山田シングルズ』インタビュー

吉田結威:僕が一番驚いたのは、4時間もステージの上にいるとそれが日常になるんですよ。空気が馴染むんです。自分の中でライブって特別なものだし、ある種の緊張感を持って立つからいいものだと思っていて。だから2時間のライブだとエンディングでやっと「今日はこんなライブだったなぁ」って冷静に考えられるようになるんですけど、4時間いると途中で「ここ、空気的に喋り要らないな」とか分かって、その場でMC削ったりしてるんですよ、あの日。みんながその場の空気を読めて、阿吽の呼吸で対応できるようになる。それは良い収穫でしたね。今後のライブに生かしていきたい。

--で、その全曲ライブのあとに『吉田山田シングルズ』をリリースするっていうのがまた必然性を感じさせます。仕上がりを聴いてどんな印象や感想を持ちましたか?

※吉田山田シングルA面コレクション『吉田山田シングルズ』トレーラー
※吉田山田シングルA面コレクション『吉田山田シングルズ』トレーラー

吉田結威:これは全曲ライブでも感じたことなんですけど、「今、この曲フィットするな」っていう。そういうことってあるんだなって。例えば「ガムシャランナー」「ツボミ」「夏のペダル」ってデビューして1年でバァ~!って出した曲たち、実は去年ぐらいまではちょっと歌いたくなかったんですよ。「ちょっと若いな」と思って。でも今年の初めに『吉田山田』ってアルバムを出して、今の自分たちがちゃんと格好良いと思えるものを出せたと思って、それを経てから過去の曲をステージで歌ったら「あ、ちゃんとフィットしてんな」って感じたんですよね。で、今、この『吉田山田シングルズ』を胸を張ってリリースできるっていうのは、すげぇ良い流れだなと思って。去年までの「昔の曲、ちょっと照れんぜ」みたいな感覚のまま出してたら、ちょっと後ろめたさもあっただろうけど、今は「日々」って曲があって「ガムシャランナー」って曲があって、それが良いって思えた。

山田義孝:「この曲入れたくないな」って曲が1曲もなかったので、胸を張れるので、それが多分馴染んでるってことだと思うんですけど。幅広いですけど、ブレてはいないなって。でもちゃんと成長してるなって。1stアルバムはとにかくガムシャラに今あるものをすべて出す。2ndアルバムはいろんな人とコラボレーションしてみる。そうやっていろんなものを経てるんだけど、やっぱりブレないんだな、吉田山田って。これが吉田山田なんだなって、自分たちでも改めて再確認できますね。「新しいこと、新しいもの」ってやり続けてたんだけど、振り返るとすべて吉田山田になってる。

--良い話。ただ、全曲ライブやって、シングルコレクション出して。もう後は解散ぐらいしか残ってない気もするんですけど……

吉田結威:よく分かりましたね~。

山田義孝:いや、まだまだ(笑)!

--これで最終回ではない?

山田義孝:最終回ではない!

吉田結威:駆け込み最終回みたいな。最後に全部うわっ!てなって強引に終わる。

--打ち切り的な(笑)。残り5話分ぐらい詰め込んで一気に主要キャラ死んでくパターンですよね。

吉田結威:ハハハハハハ!

山田義孝:そのパターンではないです!

--ただ、マジメな話をすると、2014年がピークだったと言わせない戦いがこれから待ってる訳ですよね。それこそ「日々」と肩を並べる、もしくは超えていく曲も求められると思いますし。

吉田山田 『吉田山田シングルズ』インタビュー

山田義孝:いろんな人から言われるんですよ。「「日々」を超える楽曲を」って。でもそれは一切考えてないですね(笑)。「日々」も「よし!凄い良い曲作るぞぉー!」と思って出来た曲じゃないので、結局そうなんだと思って。もちろんアンテナは常に張ってるんですけど、余計なプレッシャーは一切抱えないほうが絶対いいと思っているんです。それで日常的に種は溜めてるんですけど、変な曲が出来ちゃったりするんですよ。この前は「もやし」って曲作ったんですけど、そういう「これ、絶対OK出ないだろうな」って曲も怖れずに作るようにしてます。何がどうなるのか分からないので。とにかく出てくるものを形に残す。それしか出来ることないなって。だから「この後どうしよう?」みたいなプレッシャーはあんまりないですね。楽しいこといっぱいしようと思っています。

--では、第二章のはじまりの曲「もやし」、非常に楽しみにして……

※逢いたくて / 吉田山田【MUSIC VIDEO】
※逢いたくて / 吉田山田【MUSIC VIDEO】

吉田結威:いや、『吉田山田シングルズ』に「逢いたくて」が入ってるでしょ! 新曲が入ってるでしょ、もうちゃんと!

--いや、「もやし」の話するから。

吉田結威:「もやし」、俺も聴いたことないわ!

山田義孝:(笑)

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◎吉田山田×コショージメグミ対談 ~吉田山田に救われた?日々~
「なんて楽しそうなんだろう!」ちょっと泣きそうです。思い出して。

吉田山田 『吉田山田シングルズ』インタビュー

--吉田山田の特集インタビューにいきなり金髪の女の子が登場。「誰? あの女」「山ちゃんの恋人?」みたいな噂が立って炎上……

コショージ:うわぁ~。

山田義孝:炎上させましょう。

--結構乗り気(笑)。まぁそういうことにならない為にもですね、コショージさんが何者なのか、まず吉田山田ファンに向けて自己紹介をお願いします。


BiS / nerve(BiSなりの武道館より)

コショージ:あの~……BiSというアイドルグループを7/8までやっておりまして、あんまり売れなかったんですけど……

山田義孝:いやいや、横浜アリーナでライブしてましたよね!?

コショージ:そうですよね……なんて言ったらいいんでしょう?

--コショージさん、すんごい緊張してますね(笑)。

コショージ:緊張してしています! あ、緊張してます! 憧れなので……あのー、ファンです。ただの。

一同:(笑)

吉田結威:今はどんな活動されているんですか?

コショージ:BiSが終わってから新しいグループを作って、Maison book girl(メゾンブックガール)っていうんですけど。

--もう何度かライブでは面通ししている2組ですが、初めて会ったのは渋谷duoにおける熊木杏里とのツーマンライブのときで。どんな印象を持たれました?

吉田結威:あのときまでは本当に可愛い……

コショージ:(笑)

--事前に存在は知ってたんですか?

吉田山田 『吉田山田シングルズ』インタビュー

吉田結威:知ってましたよ。山田からBiSというグループの話を聞いていて、それで今日はそのグループからメンバーの娘が来てくれると。で、実際にお会いしたらすごく腰が低くて、そのときはちゃんと吉田山田を応援してくれてるんだなって。そのときまでは思っていたんですけど、あるときから……山田派だと。

コショージ:ハハハ! そんなときありましたっけ?

吉田結威お台場でのライブに来てくれたとき、「どっちかと言えば、どっちですか?」って聞いたら、結構目をキラキラさせて「山田さん」って……

コショージ:え、そんなこと言いましたっけ?

吉田結威:なので、僕としては……もうどうでもいいかなっていう。

吉田山田 『吉田山田シングルズ』インタビュー

山田義孝:いやいや、どうでもいいって……

吉田結威:あとはもう2人で。若い2人で。

コショージ:違いますよ~。

--じゃあ、今日ここにいるのも本意ではない?

吉田結威:全然もう帰ってもいいかなって!

一同:(笑)

吉田結威:まぁコショージさんとしても別に僕はいなくてもいいだろうなって! そういう気持ちで今もここにいます。すごく涙を我慢してます。

山田義孝:違うでしょ!

吉田結威:はい?

山田義孝:そんなこと言ってないでしょ?

コショージ:言ってないですよ。

山田義孝:被害妄想ですよ、よっちゃんの。

吉田結威:いや、でもハッキリ仰いましたよね?

コショージ:違います。「お父さんに似てますね」みたいな。

吉田結威:「だからないです」って。

コショージ:違う違う!

吉田結威:言ってましたね? そう言ってました!

--(笑)。初対面したときに、実は以前に吉田山田とコショージメグミは会っていたことが発覚しました。

コショージ:憶えててくれて感動しました。

吉田山田 『吉田山田シングルズ』インタビュー

山田義孝:新潟のGolden Pigs。ぼんやりですけど、憶えてたんですよ。当時「希望とキャンディ」の終わりで僕らがシルクハットから花を出すっていう、そういうパフォーマンスを短い間だけやっていたんですけど。で、いつも目の前にいる子供とかにプレゼントしていたんですけど、そのときは子供がいなくて。でもめちゃくちゃ泣いてる娘がいたから「この娘にあげよう」と思って(笑)。

コショージ:ハハハハ!

山田義孝:その日、全然お客さんがいなくて、前のめりにかぶりつきで観てる人がほとんどいなかったんです。それもあってなんとなく憶えてるんです。2,3人の女子高生みたいな娘たちが来てくれてて、その中の1人が泣いてたなって。

コショージ:そう、そうなんですよ。

山田義孝:めっちゃ泣いてたんで「この娘にあげよう」って。

コショージ:私、その日、なぜか泣いてたんですよ。どうしたんでしょうね。なんでしょうね。なんか、すごい、多分、つまんなかったんですよ。

--何が? ライブが?

コショージ:違う違う!

山田義孝:コラ! つまんなすぎて涙が出るって(笑)!

吉田結威:「あーつまんない! うわーん!」

吉田山田 『吉田山田シングルズ』インタビュー

コショージ:言葉足らずでした! 学校生活がつまんなくて。多分、高2か高3ぐらいだったと思うんですけど、みんな進路とかを決めているような時期だったんです。でも私は別にやりたいこともないし。それでも卒業はしたいからただ授業を受けている。それでなんか「うーん……」って感じだったんですけど、でもその日は「吉田山田さんのライブがあるな!」と思って、友達を連れて行ったんですよ。で、何組か出演しているイベントだったんですけど、吉田山田さんが最後ぐらいに出てきたらガラッと空気が変わって。「なんて楽しそうなんだろう!」みたいな。それで感動したのか……今、ちょっと泣きそうです。思い出して。

吉田結威:最初はどうやって吉田山田を知ったんでしょう?

コショージ:多分、テレビで観たんですよね。『CDTV』のエンディング。

※ツボミ / 吉田山田【Music Video】
※ツボミ / 吉田山田【Music Video】

吉田結威:「ツボミ」だ? へぇ~。

コショージ:でも私が好きな音楽って元々ちょっと違うんですよ。

--キュアーが好き。dipが好き。吉田山田と音楽性は異なりますよね。アレルギー反応を示してもおかしくないぐらい。

コショージ:でも吉田山田さんのライブは元気になるじゃないですか。元気になりたくて「ライブ行きたいな」って思ったんですよ、きっと。

山田義孝:そのときの精神状態とハマったんですかね?

コショージ:私が憶えているのは、その吉田山田さんのライブに行く日の授業中。ノートにずっとでっかい○を書いていたんですよ、私。それはよく憶えてる(笑)。

吉田結威:ちょっとね、強めのお薬出しておこうね。

コショージ:ありがとうございます(笑)。不安定だったんですかね?

--吉田山田の2人は特典会でファンと交流することもあると思うんですけど、彼女みたいなタイプのファンっているんですか?

吉田山田 『吉田山田シングルズ』インタビュー

吉田結威:いつもコショージさんが聴いてる音楽と僕らの音楽って、ある種真逆のところにあって。で、その時期にたまたま落ち込んでて吉田山田の曲が響いたから、その後も僕らの曲を聴いてくれるようになった訳じゃないと思うんですよ、僕は。やっぱり山田が持ってる闇の部分。何もかもが上手くいかなくて生きているのがしんどいなって思うときの、その人間の闇みたいなものを山田はすごく持ってる人間だと思ってるんですよ。それは音楽をやっていく上では魅力的で、本人はツラかったりするし、大変なんだけど、すごく大事なもので。僕はその部分があんまり表に出ないタイプだけど、山田はそういうのを感じさせるんですよね。そこに引き寄せられて来る人っていうのはいて、そういう人はやっぱり感性が鋭くて、山田が暗いことを言わなくても、影の部分を匂わせなくても感じちゃうんですよ。多分、フィーリングで。で、それを自覚してない人もすごくたくさんいて。だから今まで聴いてた音楽と全然違うのに、吉田山田には惹かれる。J-POPのど真ん中行ってるような、ある種「ダサい」と言っても過言ではないところへ進んでるのに惹かれてしまう。

--なるほど。

吉田結威:だから、これはマジメな話、吉田と山田がいて、なんとなく初めに山田に興味を持つというのは、僕には全然頷けることなんです。自分が抱えていた闇みたいなものがあったんだとしたら、山田のその部分に共鳴したんじゃないかなって。で、涙を流して、その理由が上手く喋れないっていうのも山田だし、それって。上手く言えないことが共鳴してなんとなく伝わり合った瞬間ってめっちゃ感動すると思うんですよ。言えない人であればあるほど。僕はその光景を冷静に第三者的に見ることがよくあるから、結構頷けるんですよね。彼女が吉田山田の曲を好きでいてくれてるのって。

--今の話を聞いてどうですか?

山田義孝:自分では分かんない。

コショージ:でも吉田さんがそう言うならそうなのかなって。

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◎吉田山田×コショージメグミ対談 ~吉田山田に救われた?日々~
金髪……金髪同盟!っていうグループ作ればいいじゃん。

--コショージさんは山田さんの影響で金髪にしたんですもんね。

吉田山田 『吉田山田シングルズ』インタビュー

コショージ:そうです。もしかしたら元々金髪に憧れてたかもしれないんですけど、その時期に山田さんと椎名林檎さんが好きで、2人とも金髪だったんですよ。「じゃあ、私も金髪にしなきゃ」と思って。

--で、この話をすると吉田さんがそっぽを向くっていうね。

吉田結威:どうでもいいです。今、ハッキリ言っちゃいましたもんね。「山田さんと椎名林檎さんが好きで」って。

一同:(笑)

コショージ:違います! 金髪の! 金髪の話だったんで。

吉田結威:なんだろう。眠いなぁ~。

コショージ:私、何人か友達を吉田山田さんのライブに連れて行ってて。CDとかも貸して。結構、吉田さん人気だったんですよ!

吉田結威:はい、ありがとう。

山田義孝:心ここに在らず(笑)。

コショージ:本当なのに!

吉田結威:ハハハハハ! 悲しいわ!「結構、人気ありましたよ」って言われるの、なんか悲しいわ!

--それって何年前ぐらいの話なんですか?

※夏のペダル / 吉田山田【Music Video】
※夏のペダル / 吉田山田【Music Video】

コショージ:『夏のペダル』(3rdシングル/2010年6月リリース)とか『と』(1stアルバム/2010年10月リリース)が出た頃です。

吉田結威:4年ぐらい前だ。

コショージ:その頃、新潟のタワレコにめっちゃ通ってたんですけど、「『夏のペダル』発売だ」と思って行ったら無くて取り寄せたんです。そしたら吉田山田さんのCDが並ぶようになって「よっしゃぁ!」みたいな。

山田義孝:嬉しい。

--コショージさんはこれからもMaison book girlでアイドルを続けていくんですけど、そんな彼女と吉田山田でコラボするとしたら何がしたいですか?

山田義孝彼女のブログとか観てると、物凄い文章能力はある訳じゃないんですけど、凄い世界観なんですよ。物語みたい。だからこの娘の書く詞に僕が絵を描いて、それにメロディーをつけて物語が創れたらすごく楽しいだろうなって。絵本を創って、それの歌を創る。詞を書いて、絵を描いて、ギターで……

吉田結威:いいじゃん、2人でやったら。

山田義孝:そんなに閉ざさないでよ。

--今の話も「別に2人でやればいいじゃん」的な感じでしたもんね(笑)。

吉田結威:なんかね。

山田義孝:いやいや、よっちゃんのメロディーが必要ですから。ちょっと、どこ見てるの?

吉田山田 『吉田山田シングルズ』インタビュー

吉田結威:やってください。勝手にやってください。

山田義孝:吉田山田とコショージメグミですから。

吉田結威:金髪……金髪同盟!

一同:(笑)

吉田結威:っていうグループ作ればいいじゃん。

山田義孝:そんな安易な、極悪同盟みたいな……

吉田結威:そういう感じでやったらいいじゃん。

山田義孝:でも彼女の文章は凄いなって思いましたね。僕、正直言うとBiS時代のことを深くは知らないんですよ。PVとか、過激な部分とか、表面的な部分は知っているんですけど、メンバーそれぞれの立ち位置とかよく分かんなくて。でも一番目を引く。並んでても「あ、この娘、なんかあるな」って思わせる。それでブログ観たら「あ、やっぱり面白い人だ」って思って。

--面白いコラボになりそうですよね。その前に吉田さんとの関係を修復しないと出来るもんも出来なくなっちゃうので……

吉田山田 『吉田山田シングルズ』インタビュー

コショージ:そうですよね。あの……素敵なお髭で(笑)。

吉田結威:…………。

--もうダメだな(笑)。

吉田結威:おつかれさまでした!

--誰か止めて! ちょっと強引に進行しますけど、コショージさんも山田さんにとっての吉田さんみたいな存在がいると良いかもしれませんね。

山田義孝:そうかもしれない。でも探したら見つからないよね、そういう相手って。

コショージ:偶然出会えるかな。

吉田結威:でもそれってどうなんですかね? 僕の中でもテーマなんですけど、僕ら吉田山田はたまたま出会いましたけど、山田が僕と一緒にいれば成功する。行きたい道に行けると思ってアピールしてきた訳じゃないと思うんですよ。すげぇシンプルに「楽しそうだな」って思っただけで。で、僕と山田みたいな人が一緒にいることが良いことなのか。共鳴できるものを持っている2人が一緒にいるほうが良くなるのかって、僕は分からなくて。結果として吉田山田はこれで良いと思えてるけど、コショージさんみたいなタイプと山田と2人でやってたらもっとめちゃくちゃ有名になって、ワールドワイドで活躍していたかもしれないし。それは永遠の議題。だから僕みたいな人を見つけたらいいっていうのが答えじゃないと思うんですよ。僕らはひとつこの答えを得たけど、全然違う答えもあると思うんですよね。

--Maison book girlには相性良さそうなメンバーはいるんですか?

コショージ:お世話係系の人はいますね。私のお世話をしてくれそうなメンバーは一番最初に入れました。顔も可愛かったし、お金持ってそうだったし(笑)。

--いろんなメンバーがいると思うんで化学反応を楽しみにしています。で、コショージさん的には吉田山田とどんなことがしてみたい?

コショージ:さっき、山田さんが言っていたことも新しい表現で面白いと思うし、普通にライブとかも一緒にしてみたい。

山田義孝:BiS解散後のライブをまだ観たことないんですよね。

--泣きながらポエトリーリーディングとかしますよ。アイドルでありながらアーティスト性は高いんで、結構ぶっ飛ぶと思います。

山田義孝:凄い、凄い。

吉田結威:アイドルとアーティスト性って反対にあるものじゃないですか。って僕は勝手にイメージしてるんですけど。で、アイドルっていう大元があるからそういうアーティスティックなものも生きる。っていう風に考えているのか。例えば、僕らだったらデビュー当時に「M-1に出ろ」って言われたんですよ。それはすっごい恐怖だったの。俺らは基本としてミュージシャンというものがあるから、そのレベルで「ライブのMCが面白い」って言われてるだけで、本気でそれで勝負なんてできないよ!ってすごく思うんですよ。そういう感覚なのか、自分的にはアーティスティックなことをメインでやりたいと思っているのか。

コショージ:いや、多分、同じですね。ウチらはアイドルであるから……っていう。今のグループで「アーティストです」って言って出ていっても、どこにも見向きもされないし、BiSも多分そうだったと思うし。

山田義孝:でもBiSって「アイドルって枠なの?」って思うぐらいのことやってたじゃないですか。だから今後もやりたいことをやったらいいと思う。異質だったもん、BiSって。そこから抜け出してまた新しいことをやっていくって聞いて、「何やるんだろう?」って僕もすごく思いますもん。

--BiS解散後もアイドルを続けてるメンバーって2人しかいなくて。そういう意味では「アイドルなのに何でもやれちゃう」感は踏襲できる存在ではあるのかなと。

吉田結威:ただ、何やったっておかしくないと思われてる人がめちゃくちゃなことやっても多分面白くないんですよ。何やったってよくない人がそういうことをやるから面白い。ある種、不自由だから面白くできるんですよね。だから山田は「やりたいことをやったらいい」と言うけど、僕はちょっとそうじゃないと思っていて。さっきの話に戻るけど、山田の中にある闇をそのまま表現してればそれでいいってことじゃないと思うんですよ。闇はあるけど、僕はこうなりたいとか。こういう風に見てほしいとか、こういう風に希望を与えたいとか。っていう想いが結構大事なのであって。なので、やりたいことをやりたいようにやるより、アイドルならアイドルをちゃんとやってこそ生きてくるんじゃないかな、そういう部分って。それを生かした感じで何か一緒にできたらお客さんも喜んでくれると思う。僕らが楽しいってだけじゃなくて。

--そこまで踏み込んで何か出来たら面白そうですね。

吉田結威:まぁでも今日会って思いましたけど、一番最初に会った頃よりすごく素敵な人になってますよね。それが……なんか、僕、まるで親戚の叔父さんみたいですけど(笑)、解散したり、いろいろ波はあるんでしょうけど、右肩上がりに素敵な人になっていってるなってすごく思います。醸し出ているものが。実はちゃんとやることをやってる、戦うところでは戦ってる感じ。「あ、この人、ちょっと不安だな。大丈夫かな?」とは思わない。すごく輝いてる感じがしますよ。

コショージ:ありがとうございます。なんか……今日は、私がめっちゃ褒めちぎろうと思っていたんですけど。

--こと吉田さんに対しては空回りしましたね。

吉田結威:今のところ0点です。

一同:(笑)

--では、ラストチャンス。最後に吉田山田の魅力を伝えてください。

吉田山田 『吉田山田シングルズ』インタビュー

コショージ:私が新しくやっていくMaison book girlもそうだし、BiSもそうでしたけど、ファン層が偏っちゃうんですよ。でも吉田山田さんは誰にでも届く音楽をやっていて、そういう人たちがこれから多くの人を救うんだろうなと思って。それは出来ないことだから、私には。だからそこが格好良いと思う。

吉田結威:……………めっちゃ見てくるやん。

コショージ:(笑)

吉田結威:100点です。

山田義孝:これ、あげようかな。(帽子から一輪のバラを取り出す)

吉田山田 『吉田山田シングルズ』インタビュー

コショージ:あー!! やった! ありがとうございます!

--新潟でのライブの再現じゃないですか。

コショージ:やばい、泣きそう。

吉田結威:あとはお若い2人で。

一同:(笑)

--では、最後に。コショージさんから吉田山田ファンの皆さんにメッセージをお願いします。

コショージ:あの……私も一緒に走っていいですか?

Interviewer:平賀哲雄
Photo:外林健太

吉田山田「吉田山田シングルズ」

吉田山田シングルズ

2014/12/17 RELEASE
PCCA-4136 ¥ 2,547(税込)

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Disc01
  1. 01.日々
  2. 02.魔法のような
  3. 03.ごめん、やっぱ好きなんだ。
  4. 04.メリーゴーランド
  5. 05.カケラ
  6. 06.約束のマーチ
  7. 07.夏のペダル
  8. 08.ツボミ
  9. 09.涙の海
  10. 10.ガムシャランナー
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