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Rake インタビュー
宮城県仙台市出身、在住のアーティストRake。シングル『 Fly away 』でメジャーデビュー後、2011年、3rdシングル『100万回の「I love you」』が、ヨコハマタイヤCMソングに抜擢され、配信150万ダウンロードを突破。また「SUMMER SONIC」「ap bank fes」「情熱大陸」など野外フェスへの出演と全国ツアーなど精力的にライブを行うなど幅広く活動している。2014年11月に開催する初のビルボードライブツアーを前に、今年1年の活動を振り返りつつビルボードライブへの意気込みを語った。
ここからが、僕らのようなエンタテインメントに関わる人間が役に立てる時
▲ 「100万回の「I love you」-live movie ver.-」
??Rakeさんは11月にビルボードライブに初出演していただきます。Rakeさんにとってライブとは、どんな時間ですか?
Rake:僕にとっては、ライブがまさに音楽活動です。あと、音楽って出会いだと思っています。デビュー前は、ギターが好きだから弾いて歌いたいから歌って、自分のために演奏をしていました。でもずっと続けてきた結果、今日もこうやって初めての出会いがあるし、音楽は色んな出会いを運んできてくれます。そしてどんなライブでも初めてRakeのライブを聴く人って必ずいるので、ライブ=出会いだなって思っています。
??客席の反応を意識したりしますか?
Rake:今年は特に、弾き語りで演奏することが多いんです。そうすると、少しテンポを上げたり遅くしてみたりするのも自分次第なので、お客さんの呼吸を感じてお客さんと一緒に作り上げていくようにしていますね。昨日と全く同じようにプレイしたつもりでも、お客さんの反応が全然違う場合もあるので、面白いなと思って演奏しています。
??今年は、宮城県内を毎月訪れる【Rake TOUR2014 -Around The HOME-】という無料ライブを開催されています。震災から3年半たちますが、実際各地を訪れてみていかがでしたか?
Rake:復興の進み具合は街によって異なりますが、3年半たってようやく大きな重機が入って道が整備されたり、港が修復されたりしてきています。ただ仮設住宅で暮らす方の人数は、なかなか減っていないようです。
??そうなんですね。
Rake:去年までは宮城県での活動と、全国ツアーを半々くらいの割合で行っていたんですが、震災から3年半がたって、自分も宮城の皆さんに支えていただいている恩返しとして歌っていきたいなと思うようになり、今年は地元の活動を中心にやっています。
▲ 【Rake TOUR2014 -Around The HOME-】ライブ写真
??特に印象に残った会場などはありましたか?
Rake:いつもライブをやる会場には、事前にお伺いして現地の町長さんや担当の方にお会いさせていただくようにしているんです。そうすると「道路などのハード面の修復は税金などで直せるけど、仮設住宅で暮らす方の精神的なケアは、なかなか自分たちだけでは難しい。そういう時にRakeさんみたいなミュージシャンが来てくれて、若くて力強い歌声を聴くことでエネルギーをもらえることができる。そしてRakeさんをきっかけに団欒の場が生まれ自然と人が集まることは、街にとってとても素晴らしいこと。いつまでも続けて欲しい。」と、みんなおっしゃってくださるんです。そういう言葉を聞くと、いよいよ ここからが、僕らのようなエンタテインメントに関わる人間が役に立てる時なのかなと思います。
もちろん、大勢の人が僕の曲を好きになって聴いてくれるのは嬉しいんですけど、見ず知らずのおじいちゃんが「まあ、ずいぶん歌の上手なお兄さんだね」って言って喜んでくれるのも、すごく嬉しい。音楽をやってきて良かったなって純粋に思います。なかなか野外フェスで1万人の前で歌っている時には、こういうシンプルなところは見えづらかったりするんですが、【Rake TOUR2014 -Around The HOME-】で歌う時は、今日一日みんなで笑顔になって楽しみましょうっていう気持ちで演奏しています。自分がミュージシャンであるということは一度置いておいて、普段 音楽からエネルギーをもらっている立場としてのライフワークの1つになっていますね。
??目の前の人に喜んでもらえるために演奏するというのは、ある種 音楽の原点でもありますよね。
Rake:仮設住宅とかで歌う時は、アコースティックギター1本で生の歌声で演奏する時もあるんです。中学校とか小学校の体育館で歌ったりするんですよ。音響設備などもないですし、空気の振動だけで伝える。本当に演奏の原点ですよね。しかも子供たちみんな、すごく真剣な表情で聞いてくれているんです。大の大人がガチで歌う姿なんて、普段聴かないじゃないですか。笑
??たしかに。生で、目の前で歌われる機会ってなかなかないですね。
Rake:人生の中の365日の中の1日の中の一瞬の出来事かもしれないけど、心から楽しんでもらって笑顔になってもらえる姿を見ると、自分が音楽を続けてきて良かったなって素直に思います。
リリース情報
YaMeTa!!!
- Rake feat. BONNIE PINK
- 2014/11/26 RELEASE
- [初回盤 ESCL-4338-9 定価:¥1,667(税別)]
- [通常盤 ESCL-4340 定価:¥1,204(税別)]
- 詳細・購入はこちらから>>
公演情報
ティーナ・カリーナ / Rake
Billboard Live 2014 ~TSUNAGU~
(1st STAGE) ティーナ・カリーナ (2nd STAGE) Rake
ビルボードライブ東京:2014/11/3(月・祝)
1st 15:30開場 16:30開演、2st 18:30開場 19:30開演
>>公演詳細はこちら
ビルボードライブ大阪:2014/11/5(水)
1st 17:30開場 18:30開演、2st 20:30開場 21:30開演
>>公演詳細はこちら
INFO: www.billboard-live.com
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誰かにとってポジティブな、エネルギーに満ちた音楽を鳴らし続けていきたい
??2011年3月11日にはRakeさんも仙台で震災に遭われたそうですが、震災の前と後で音楽に対する気持ちは変わりましたか?
Rake:変わりましたね。音楽以前に、そもそも自分の人生に対する価値観が変わりました。ああいう大きな震災があって、今まで感じたことのない揺れと恐怖でしたし、ライフラインも全部止まりました。人生で蛇口をひねっても水が出なかったり、電気がつかなかったりすることなんて、なかなかないじゃないですか。
??そんな経験したことないです。
Rake:それらを経験したことで、当たり前なことって、この世にはないんだっていう大前提みたいなものが、あの日からずーっと心の中にあります。そもそも自分が生きていることも当たり前だと思っているけれど、当たり前じゃない。そして家族や仲間だけじゃなく、電車で目の前に座っている見ず知らずの人も、同じ時代に生きてなんらかの繋がりをもって、同じ社会の中で生きているんだなっていうのが、あの日からずっと心の中にありますね。
??東京も電車が全部止まってみんなが歩いて帰る姿を見て、本当にこんなことって起こるんだな…って思いました。
Rake:震災の後、僕も東北の沿岸部にも行ったんです。本当に信じられないような光景が広がっていて。さっきの話とは矛盾しますが、それを見るとむなしくもなるんですよ。人間なんて、こんなちっぽけなものなのかって。家があってコンクリートの建物があって、あんなに立派に見えた街並みも一瞬にしてこんな風になってしまうんだと。でも自分の命が助かったからには、生きている限り精一杯生きていくことが、大切なことだなって思っています。
だから、僕は沢山の方にサポートしてもらって音楽を続けられているんだから、音楽を一生懸命鳴らすこと。そして、さっきも言いましたが自分の音楽をきっかけに少しでも交流が生まれたり、「震災で息子を亡くして、ずっとこらえてきたけど、Rakeさんの唄を聞いてボロボロ泣けました。心がすっきりしました。」っていう言葉を聞いて、誰かにとってポジティブなエネルギーに満ちた音楽を鳴らし続けていきたいっていう思いが明確になりました。
??演奏に込める気持ちが変わったんですね。
Rake:そうですね。震災までは、どっちかというと自分がプレイするのが好きで「こういう音楽、みんなかっこいいと思わない?」とか「これ、最高でしょ。みんなで一緒に楽しもうよ!」って、音楽のことだけを考えて演奏していました。でも震災が起こってからは、音楽がある前に自分には人生があって、みんなにも人生があって、音楽というものを通してみんなで繋がっていけるんだなって。そういう繋がることの素晴らしさや意味を感じながら歌うようになりました。
僕は本当に有難いことに、デビューした時に一番初めに出した曲をラジオ局のパワープレイに選んでいただくことができて、デビューした直後から仙台で曲作りをしてレコーディングして、リリースしたら全国を回って…っていう活動を、目まぐるしくずっと続けてきました。そして、その途中に震災があった。今年はもう一度現実に向き合って、今の自分が住んでいる街や今の自分の出せる音を確かめようっていうテーマで活動してきました。良い1年でした。
??Rakeさんが、初めて生で音楽を聴いた時のことって覚えてらっしゃいますか?
Rake:全然メジャーなアーティストではないんですが、自分が中学生の時に近所のお兄ちゃんたちがバンドを組んでて、そのお兄ちゃんたちのライブに誘われたんです。中学生でライブハウスに行くなんて、ドキドキじゃないですか。今はライブハウスも綺麗なところが多いですけど、僕が中学生の頃は、まだライブハウスには落書きがいっぱいあって、地下の暗いところにあって。「怖いな。」ってドキドキしながらライブハウスに行ったんですよ(笑)。そしたら、扉開けるとすごい大音量でバーンって鳴ってて。「あー、かっこいい!!」って思ったのを今でも覚えてます。
??Rakeさんは、今年【Room9-Rake Sweet-】という邦楽カバーライブもやってらっしゃいますが、いつもどうやって曲を探してるんですか?
Rake:カバーライブの時は「4月はflower」とか、「5月はRain」とかテーマを決めてやってるんです。
だから、「花の名曲って何かなあ。松田聖子さんの赤いスイートピーもあるし、桜坂って曲もあるなあ。」って連想しながら探しています。今年は、人生で一番邦楽を聴いているかもしれない(笑)。
あとはイベントだと他のアーティストの方と一緒になることがあるじゃないですか。この間は矢井田瞳さんが「Over The Distance」っていう曲を歌ってたんですよね。それを自分のステージが終わった後、裏で聴いていて「超良いなー、次のライブで俺、それカバーしてみよう」って思いました(笑)。
??たしかにフェスとかだと、アーティスト同士も交流や出会いがありますね。
Rake:そうなんですよ。僕は時間が許す限り残って、他のアーティストも聴いているので。
リリース情報
YaMeTa!!!
- Rake feat. BONNIE PINK
- 2014/11/26 RELEASE
- [初回盤 ESCL-4338-9 定価:¥1,667(税別)]
- [通常盤 ESCL-4340 定価:¥1,204(税別)]
- 詳細・購入はこちらから>>
公演情報
ティーナ・カリーナ / Rake
Billboard Live 2014 ~TSUNAGU~
(1st STAGE) ティーナ・カリーナ (2nd STAGE) Rake
ビルボードライブ東京:2014/11/3(月・祝)
1st 15:30開場 16:30開演、2st 18:30開場 19:30開演
>>公演詳細はこちら
ビルボードライブ大阪:2014/11/5(水)
1st 17:30開場 18:30開演、2st 20:30開場 21:30開演
>>公演詳細はこちら
INFO: www.billboard-live.com
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いつかは東北のフェスみたいなものを作ってみたい
▲ 「夢を抱いて~はじまりのクリスロード~YouTubeバージョン」 MV
??これから挑戦してみたいことってありますか?
Rake:「来年には大きな会場で」、「再来年にはもっと大きい会場で演奏したい」っていう目標も素晴らしいと思うんですが、僕は地元に根差して、本当の意味での東北の良さを体感して届けていくって言う活動に力を入れてやっていきたいなと思っています。自然や、食事や観光名所とか。東北の素晴らしさをもっと伝えていきたいと思っています。
あとは、もっと色んな人とセッションをしてみたいです。今回の【Around the Home】でも、阿部真央さんや遊助さんが遊びにきてくれました。みんなプレイスタイルも土俵も違う人達ばかりですが、そういう方と繋がっていって、一つの音楽が生まれるのはとても楽しいです。ので、どんどんセッションを増やしていって、いつかは東北のフェスみたいなものを作ってみたいですね。
??しかも、そのフェスでアーティスト同士のセッションとかコラボが見られたら、楽しいですよね。
Rake:そうなんですよ。そういうの、やってみたいですね。いきなり飛び入り参加してみたり、セッションしてみたり。それが音楽の醍醐味のような気がします。大御所の方たちは、その時代に共通するグルーブ感やセッションがありますが、僕らには若い世代にしかできない、僕らができることっていうのもあると思うんです。先輩ミュージシャンたちへのリスペクトはもちろんですが、「自分たちは、まだまだデビューしたばかりだから」とか「キャリアが浅いから」とか言わず、そこは遠慮せずに若手なりに盛り上げていきたいと思っています。
??今の年齢でしか出せない音ってあるでしょうしね。
Rake:そうですね。年を重ねるとどうしても、失敗したくないっていう気持ちが強くなっちゃうんですけど、それを忘れて演奏した結果、そこに少しでも光が生まれれば次に繋がっていくんじゃないかなと思えるようになりました。
??今回のビルボードライブ東京の公演にも、ツアータイトルに、「TSUNAGU」という言葉が入っていますね。
Rake:今年【Around the Home】を通じて感じた沿岸部の人達の今抱えている思いを、全国の皆さんにラジオやテレビやライブを通して自分もどんどん繋いで届けていきたいなっていう思い。あとライブ会場で隣に座っている人って見ず知らずの人かもしれないけど、「隣の人の邪魔にならないようにしなきゃ」って思いつつ、「1人じゃないんだな」っていう安心感もありますよね。これも、ある意味ライブを通じて繋がりが生まれている。そして今一緒にやっているスタッフたちも、宮城にある音楽事務所として東北と全国を繋げていきたいという想いをすごく持っています。ので、このタイトルはみんなで考えて付けました。
??1stステージに出演されるティーナ・カリーナさんとは、同じステージに立ったことはあるんですか?
Rake:【Around the Home】のゲストにも来てくれて、一緒にセッションをしたりもしています。
??ティーナ・カリーナさんの印象は?
Rake:元気いっぱいですよね。一緒に音を出していると「歌うことがすごく好きなんだな」っていうのが伝わってきます。歌うことが大好きで、ずっと歌っていたくって、だから今歌ってるっていう人なんだと思います。
??すごくストレートな方ですね。
Rake:とてもまっすぐで飾らない人ですね。今回は同じバンドメンバーで演奏するので、もし1stステージと2ndステージの両方を見てくださる方がいたら、僕とティーナ・カリーナのヴォーカルによって、バンドの音がどう変わるのかも楽しんでもらえると思います。
??ビルボードライブでの構成や、曲目など決まっていることがあれば教えてください。
Rake:まだ、きちんとしたリハーサルはやっていませんが、僕は“ 歌い手”が真ん中にいて、“バックバンド”が後ろにいるっていう線引きみたいなのがすごく嫌いなんです。ステージに上がったら、メンバーと一緒に1つのステージを作るんだっていう感覚は大事にしたいと思っています。今から、ワクワクしながら曲を決めていこうと思っています。
??最後にビルボードライブ東京公演にくるファンへ、一言お願いします。
Rake:今年は宮城県などの地元を中心にライブをしてきたので、東京でのライブはかなり久しぶりです。タイトルにも「TSUNAGU」という言葉を入れていますが、僕が地元で積み上げてきた思いを、しっかり皆さんの心に繋いでいけるようなライブにしたいと思っています。音楽ってやっぱりいいよねって思ってもらいつつ、音に浸れるような時間にしたいなと思っています。
リリース情報
YaMeTa!!!
- Rake feat. BONNIE PINK
- 2014/11/26 RELEASE
- [初回盤 ESCL-4338-9 定価:¥1,667(税別)]
- [通常盤 ESCL-4340 定価:¥1,204(税別)]
- 詳細・購入はこちらから>>
公演情報
ティーナ・カリーナ / Rake
Billboard Live 2014 ~TSUNAGU~
(1st STAGE) ティーナ・カリーナ (2nd STAGE) Rake
ビルボードライブ東京:2014/11/3(月・祝)
1st 15:30開場 16:30開演、2st 18:30開場 19:30開演
>>公演詳細はこちら
ビルボードライブ大阪:2014/11/5(水)
1st 17:30開場 18:30開演、2st 20:30開場 21:30開演
>>公演詳細はこちら
INFO: www.billboard-live.com
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