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モーニング娘。'14“エース”鞘師里保 初単独インタビュー

モーニング娘。'14 “エース”鞘師里保 初単独 インタビュー

 鞘師里保、本人も待望の単独インタビュー敢行!
単独で語りたかった理由、過去最強にギラギラ燃える今、道重さゆみ卒業後はモーニング娘。の顔となるエースの覚悟と苦悩、世界に衝撃を与えられるリリウム等について。鞘師は今後の娘。を引っ張っていけるのか?生々しく語る。

鞘師里保にとっての道重さゆみ「昔のような感じではないです」

モーニング娘。'14 “エース”鞘師里保 初単独インタビュー
▲鞘師里保

--今日はこちらのスタジオでリハーサルとのことですが、【モーニング娘。'14コンサートツアー秋 GIVE ME MORE LOVE ~道重さゆみ卒業記念スペシャル~”】のリハーサルですか?(※このインタビューは同ツアー開幕前に敢行)

鞘師里保:そうです。今回のリハは史上最強に踊ってます。時間的にも動き的にも本当に史上最強。

--どんなツアーにできたらいいなと思っていますか?

鞘師里保:いろんな意味で区切りになるツアーだと思うんで……最近、本当にパフォーマンス力向上に対しての気持ちがめちゃくちゃ燃えてるんですよ。だから先輩のもそうですし、いろんな人のステージとかを映像で観て真似してみたりとか。今までは「研究しなきゃ」って感じでやっていたんですけど、今はそれをめちゃくちゃ楽しみながらやっているところなんです。今回のツアーは、未来に対しての不安とかも正直あるんですけど……11月26日が最終日になるんですけど、途中の公演だったり、初日が道重さんのいるモーニング娘。を最後に観る公演になる人もいると思うので、常に私たちの本当の完成形を出せるようにしたいなと思ってます。

--パフォーマンス力の向上心。いわゆるスウィッチが入ったということだと思うんですけど、何かきっかけはあったんですか?

鞘師里保:これ!っていうきっかけは特になくって、気付いたらいろんな人のステージングを観るようになって。だからもしかしたら道重さんのことは関係ないかもしれなくって、たまたま誰かのライブ映像を観たときに「こんなの出来たら面白いな!」とか思い始めて、気付いたら燃え上がってしまった(笑)。

--今までも鞘師さんに会うと「ギラギラしてる」って印象だったんですけど、今日の鞘師さんのギラギラ具合も史上最強だと思います。

鞘師里保:ありがとうございます(笑)!

--今回のツアーで道重さゆみは卒業する訳ですが、彼女は鞘師さんにとってどんな存在なんでしょう?

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鞘師里保:道重さんは…………努力の人だなって思います。こんなに何に対しても全力投球できる人がいるんだなと思って。「道重さんのように」と思って私もいろんなことを考えたりとか、毎日毎日家に帰ってからも仕事のシミュレーションとかいろいろやってるんですけど、どうしても抜けが出ちゃうというか、ミスをしてしまうことがあって。でも道重さんは1~10まで出来る。それだけの努力をして自分を変えていったんだなって。

--リーダーになる前の道重さんは“完璧”というイメージとはまた違いましたからね。

鞘師里保:昔の道重さんの話を聞くと、練習しないで怒られたとか(笑)。でも今の私たちから見て道重さんがそういうことをする人にはもう見えない、一切。だから私たちと同じように始まっているモーニング娘。の人生だと思うんですけど、今は私たちのお手本というか、本当に勉強になったりとか、道重さんがいることで毎日気持ちが引き締まる。自分がちょっとしたことでミスしたりする中、道重さんがちゃんとやっているところを見ると「ヤバイな」と思ったりします。いつも。

--まだリーダーになる前の道重さんは、加入当初の鞘師さんをまるでペットでも愛でるように可愛がっていましたが、その頃とは全く変わっている?

鞘師里保:そうですね。一緒に活動していてもリーダーになるまでは今みたいなイメージはなくって、テレビで観るキャピキャピした道重さんのイメージがすごく強かったんですよ。だから道重さんがリーダーになったときは正直ビックリして。でもいざなってみたらめちゃくちゃ格好良いし、本当に最強だなって。

--今の道重さんと鞘師さんの関係性ってどんな感じなんですか?

鞘師里保:昔のような感じではないです、まったく。前のように可愛がってくれる感じではない。でもそれはもう私には要らない状況かなって。逆にそれは有難いことだし、道重さんもそこは意識して下さっているのかなと思ったり。もちろん私が成長期でギュン!って変わっちゃったところもあるんですけど。

--期待値が高い分、もう甘やかす時期ではなくなったんでしょうね。

鞘師里保:道重さんの卒業後は私たち9期が一番上のメンバーになっちゃうので、そういうところはあるかもしれないですね。

モーニング娘。'14 “エース”鞘師里保 初単独インタビュー

--道重さゆみと過ごしたこの数年間、一番印象に残ってる彼女の言動は?

鞘師里保:道重さんはいつもファンの方のことを意識していて、私たちにとっては何回も踏むステージや仕事だったとしても、ファンの方はそれを全部観る訳ではないし、だから1回1回を大切にするっていう話をよくみんなにしてくれていて。ツアーが始まって最終日までに仕上げるんじゃなくて、初日までに仕上げる。最初だからまだ体に入ってない曲があったりすると、ちゃんと呼び出してお話をしてくれるんですけど、それはファンの方のことを第一に考えていらっしゃるからで。その印象が一番強いですね。

--そのリーダーが卒業するまでに成し遂げたいことってあったりします?

鞘師里保:私、忘れ物とか寝坊とかするキャラになってるんですけど……

--それはあくまでキャラなんですか?

鞘師里保:キャラじゃないんですよ、それが! でも「鞘師だからなー」みたいに流されちゃうことが多いんです(笑)。ただ、それはなんか嫌なんですよ。ミスしたくてしている訳じゃないし、すっごい悔しいんですよ。特に最近はちょっとしたミスでもめちゃくちゃ悔しくて、泣きたくなるような気持ちになる。昔は寝坊したとしても「仕方ない」ってどこかで思っていて(笑)。マジメなイメージを持たれがちなんですけど、全然マジメじゃないんですよ! 性格的にはマジメじゃないんです、全然!

--でもそれを今は変えていきたいと。

鞘師里保:そうなんです。あと、今の道重さんの美しい感じ。キラキラしている感じは、おそらく知らない人が見ても目につくと思うんですよ。そういう感じを私も出せるようにしたいなって思って。ひとまず形から入ろうと思って鍛えてみたりとか(笑)。ちょっと意識してみたりしてます。

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身内の人からは誰からも「エースだよ」って言われてない

--ではでは、そんな今の鞘師里保を掘り下げさせて下さい。鞘師さんには何度もインタビューさせて頂いていますが、単独は初。石田亜佑美の単独インタビューがあり、リリウムの記者会見終了後に鞘師さんが「私もひとりのインタビューやりたいです!×2回」と直談判してきたので実現することにしました。憶えてます?

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鞘師里保:憶えてます!

--なんで「私もひとりのインタビューやりたいです!」って思ったんでしょう?

鞘師里保:あの……ファンの方がビルボードジャパンの記事にいつも期待している感がすごくあるんですよ。そんなところで単独インタビューを受けているのが羨ましくて(笑)。それで私も、なんだろう? 対抗意識もちょっとあったのかもしれないんですけど、そんな「評判だった」とか言われたら……私もちょっとひとりで喋りたいなって……。それが一番の理由です。

--(笑)。今、鞘師里保ってモーニング娘。'14においてどんな存在だと、自分では思っていますか?

鞘師里保:まだ……言い方が合ってるか分からないんですけど、売り出し中みたいなイメージがあって。まだ安心感とかを持たれている気がしないし、今は。確立されたポジションがある訳ではなく、売り出されている途中。

--鞘師さんは「エース」と各所で呼ばれるようになってから長いですが、自分でもエースである自覚はあるんでしょうか?

鞘師里保:…………外で「エースだから」と言われることは増えたんですけど、身内の人からは誰からも「エースだよ」って言われたことはなくて。

--安倍なつみ、後藤真希、高橋愛、田中れいな……モーニング娘。には様々なエースがいましたけど、そうした先輩たちのようになりたい気持ちは強い?

鞘師里保:そうですね。先輩のことを研究したりして、それで踊ってみたりすると「愛ちゃんみたい」とか誰々さんみたいって言われることが多くって、すごく嬉しかったんですよ。でも、10月にニューシングル『TIKI BUN/シャバダバ ドゥ~/見返り美人』を出すことになって、つんく♂さんのライナーノーツを読んでみたら「モーニング娘。に今までいないタイプだ」とか「芸能界の中でも新しいタイプだ」って書いて頂いていて、「あ、こっちのほうが嬉しいかも!」って思うようになったんですよ。「誰かのようにじゃなく自分を出せているのかな?」って。

--強烈なオリジナリティがあるということですよ。

鞘師里保:誰々に似てるよりそう言われるほうが嬉しいし、ラクだなとも思いました。私、ちょっと気になった人がいたら、本当にその人の全部を真似したくなっちゃうんですよ。なんですけど、それをやっているうちにだんだんしんどくなってきてしまって……。でもつんく♂さんが「今までいないタイプ」って書いてくれたことによって「自分らしくやったらいいんだ!」って気持ちに変わっていきました。

--ちなみに「真似したくなっちゃう」と言ってましたけど、特に影響を受けた先輩は誰だったんでしょう?

鞘師里保:私は高橋さん。あと、後藤さんとか。正直に言うと、毎日ブログをチェックしたりとか(笑)。同じ私生活を送りたいぐらい、そこまで真似したいぐらい憧れていて。まぁ今でもそのクセは全然治らないんですけど!

--でも今はオリジナリティを目指していくということで、鞘師里保がなりたいエースってどんなエースなんでしょう?

鞘師里保:今は前に立たせてもらうことがほとんどなんですけど、今年の春ツアーで「HOW DO YOU LIKE JAPAN?~日本はどんな感じでっか?~」をやったときに石田亜佑美ちゃんがセンターだったんですよ。それを観たマネージャーさんが「サブの鞘師も格好良い」って言ってくれて。それで、どこにいても自分がある、自分を持ってる人になりたいなと思って。今はちょっと偏ってることが多いと思うんですけど、これからどのメンバーにも見せ場があるような構成になったとしても、やっぱり目が行っちゃう。センターとか前にいるから目が行っちゃうんじゃなくて、どこにいても引き付けられるような存在になりたいなって思います。

--それこそ真のエースかもしれないですね。

鞘師里保:私たちの体制のモーニング娘。は初めて観る人が多いと思うんですけど、仮にセンターが入れ替わったとしても、私が端っこに居たとしても、パッと観たときに「あ、この娘がエースなんじゃないかな?」って思ってもらえるようになりたい。

モーニング娘。'14 “エース”鞘師里保 初単独インタビュー

--正直なところ、誰もが知っているモーニング娘。の顔と言えば、現在は道重さゆみになる訳で、彼女が卒業した後のことを考えるといろいろ不安だと思うんですが、そこはどう?

鞘師里保:すごく不安です。想像できないですし……やっぱり道重さんに頼っている部分が多くって、卒業が決まってからもそれが抜けない。

--目立った先輩が卒業して「次は私たちの時代だ!」という感じではない?

鞘師里保:ではないです(笑)。冗談で「道重さんがいなくなったら、私の時代だって思ってるでしょ?」とか言われたりすることもあるんですけど、本当にそれはなくって。そこまでの気持ちに持っていけてない。もしかしたらそれぐらいの想いを持てたほうがいいと思うんですけど……。道重さん以外に9人もいるのにそれぞれの役割をしっかり持てていない気がするなぁ……って思う部分はあります。

--道重さゆみが卒業すると、おそらくモーニング娘。の顔は鞘師里保になっていくと思うんです。でもだからと言ってどうするべきか、道重さんの穴をどう埋めるべきかは考えられていない?

鞘師里保:何が必要なのかは……私にはまだ分からない。

--道重さゆみの卒業後について9人で話し合ったりはしてるんですか?

鞘師里保:いやぁ……しないですね。うーん……「したほうが良いからする」とかは嫌で。話し合いするとしたら、自然とそういう気持ちになったときにしたほうが良いと思うんですけど…………話し合うとかじゃないのかなぁ。話し合うことも大事なときはあるんですけど、今の感じではそうじゃない気もする。「話し合ったところで」っていう気持ちが大きいです。

--それよりは個々のスキルを上げるとか?

鞘師里保:個々のスキルとか、やっぱり考え方を変えていかなきゃ……今、そこまで先のことを考えているメンバーがどれだけいるかも分かんない。考えているとは思うんですけど……。

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モーニング娘。らしさが無くなっちゃうかもしれない不安

--実際、道重さゆみが卒業した後、9期、10期、11期の9人はどうなっちゃうと思いますか?

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鞘師里保:うーん………………今のままだとモーニング娘。らしさが無くなっちゃうかもしれない不安はあります。

--それは道重さゆみが今のモーニング娘。の象徴だったから?

鞘師里保:メンバーが変わってその時々でモーニング娘。の印象が変わる。それはもちろんあると思うんですけど、でもどこかひとつ筋が通っていたと思うんですよ、今までは。それをこの先も継続できるか。っていうところかな?

--その筋って要するに“イズム”的なものだと思うんですけど、鞘師里保が高橋愛を継承しようとしたり、道重さゆみの姿を見て尊敬している時点で通っているとは思うんです。あとはそれを信じながら「新しいモーニング娘。になるんだ」と勇気と自信を持って踏み出せるか。道重さゆみ卒業のタイミングで切り替えられるか、なのかなと。

鞘師里保:なるほど。

--道重さゆみ卒業のタイミングで「道重さん居なくなっちゃって、私たちはどうすればいいんですか?」では、ちょっと遅いかもしれない。

鞘師里保:あー、たしかに……。

--偉そうに語ってしまって申し訳ないんですけど。

鞘師里保:いえいえ! ありがとうございます。

--エースとしてみんなを引っ張っていきたい気持ちはある?

鞘師里保:それはもう、そういう立場として…………というのもあると思いますし、9期が一番上になるから引っ張っていかなきゃいけないと感じるし、あとは新メンバーが入ってくると思っているので覚悟はしているんです。9期10期11期は入る時期が近かった分、ぬるくなりたくないなと思うし、新メンバーが入ったときもビシッとやっていきたいから、やっぱり引っ張っていきたい。新メンバーだけじゃなく9期10期11期のメンバーも私の見方が変わるぐらい……………………はい、変わりたいなとは思うんですけど………。

--それは凄い精神力を使いますよね。

鞘師里保:そうなんですよ。

--でもその覚悟は少しずつ芽生えていると?

鞘師里保:芽生えています。でも自分がそれを出来るかが分からない………。でもとにかく「やってみよう!」っていうメラメラ感は持ってます!

--それがあれば大丈夫かもしれない(笑)。あと、道重さゆみ卒業という大きな転換期に個性を爆発させて、それによって新たなエース候補になるメンバーが出てきてもおかしくないし、12期がかつての後藤真希みたいな存在になるかもしれないし、鞘師里保=エースの座も約束されてはいないですよね。それについてはどう思う?

鞘師里保:もちろんセンターを獲られたくない想いはあるし、その部分に関しての抵抗心はあります。ただ、新メンバーが入ってくることは良いことだと思うんです。そういう状況になればまたみんな燃えると思うんで! そしたら今のまんまずっと私が真ん中にいるよりも…………って思ったりもする……んですけど、やっぱり獲られたくない!

--気持ちはとってもよく解ります(笑)。グループ全体のことを考えたら「自分以外のメンバーがセンターになっても面白いかも」と思うし、でもその半面で「いやいや、私はちゃんとモーニング娘。のど真ん中で歌いたい」とも思う。

鞘師里保:そうです。

--多分、これからの鞘師里保はバランスも考えなきゃいけないし、今まで以上に越えていかなきゃいけない壁も増えるし、大人になっていくシーズンに突入するのかもしれませんね。

モーニング娘。'14 “エース”鞘師里保 初単独インタビュー
▲鞘師里保

鞘師里保:私、オールマイティーに何でも出来たいと思っちゃう人で、例えば「コレに関してはこのメンバーが一番良いね」って誰かが話しているのを聞くとすごく嫌……嫌っていうか(笑)、グサって刺さる。でも、それもちゃんと大人になって「この娘はこういうところは私よりも全然出来るんだ」とか思えるようになっていかなきゃなって。歌は小田(さくら)ちゃんのほうが上手いなって思うし……最近は亜佑美ちゃんもグループの中でちゃんと位置を確立して目立ってきてるし、イベントをやっててもファンの方の印象に残るメンバーとか見てると「良いなぁ」って思ったりするんですけど、そこはちゃんと「自分には出来ないところなんだな」って…………全部出来たほうがいいんですけど、でも「出来ない」ってちゃんと諦めて他のことにチャレンジすることも大事なのかなって。

--諦めるというか、受け入れるということですよね。それで「あの歌上手い娘と私の歌声を合わせたらどうなるんだろう?」とか「あれだけダンスを踊れるようになったあの娘とこれをやったらどうなるんだろう?」とか、闘志を燃やしながらも楽しめるようになったらベストじゃないですか。道重さゆみ卒業後のモーニング娘。も明るいなって思います。

鞘師里保:グループとしてはそれが良いんだなって感じるようになりました。

--つんく♂さんは「12期メンバーに欲しいのは安室奈美恵タイプ」と仰ってるみたいですけど、この発想が生まれたのは……もっと言えば今のフォーメーションダンスやEDMを取り入れたモーニング娘。って、鞘師里保や石田亜佑美のダンス能力があってこそ生まれたものだと思うんですよ。自分ではどう思いますか?

鞘師里保:ダンスに関してはちょっとそういうのもあったかも?って思います。つんく♂さんもブログで褒めてくれたりしていたので。あと、新メンバーが入る度に「今までと違うことしてるんですよ」って仰ってるイメージもあるので、また12期が入ることでモーニング娘。は変わると思いますし、それがまたピョーン!って行けるきっかけになればいいなと思います。メンバーの中では「研修生の○○じゃない?」とか「こういう娘がいいよね」みたいな話はよくしてますよ。

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観たら一撃で「凄い!」って思うような鋭さがこれからは必要

--僕も最近のモーニング娘。を観ていると、安室奈美恵のことを思い起こすんですよ。それはモーニング娘。が安室奈美恵みたいなアスリートと張り合える可能性を持つ唯一のアイドルグループだと思うからで。いつか安室奈美恵とモーニング娘。のツーマンが観たいです(笑)。

安室奈美恵 / LIVE DVD&Blu-ray 「namie amuro FEEL tour 2013」 Digest Movie
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鞘師里保:わー! 怖い(笑)。安室奈美恵さんは凄すぎるので。いつか出来るのかなぁ?

--でもアイドルファン以外のリスナーにモーニング娘。を好きになってもらう為には、踊って歌えるアスリートみたいなポップスターにも負けない。簡単に言うとアイドルシーンの外で戦っていく。そういう意識が大事になってくるんじゃないかなと。鞘師さんはどう思いますか?

鞘師里保:それはすごく思います。いろんな人たちに「モーニング娘。格好良いなぁ」って言われたい。私が「モーニング娘。に入りたい!」となったのも「格好良い!」って思ったからですし、それが今の私のパフォーマンスとかに繋がってると思うんですよ。安室奈美恵さんとかは憧れ!なので、手の届く場所じゃないですけど(笑)、でもそういう人たちが観ても「格好良いな」って少しでも思ってもらえるようになりたいです。

モーニング娘。'14 “エース”鞘師里保 初単独インタビュー
▲LILIUM-リリウム 少女純潔歌劇-

--僕がモーニング娘。にそこまで期待してしまったきっかけ。そして鞘師里保に単独インタビューを決行したきっかけが、DVDにもなったミュージカル『LILIUM-リリウム 少女純潔歌劇-』だったんですけど、我ながら凄い内容だったなと自分でも感じていますか?

鞘師里保:感じてます。トラウマになりそうなぐらい。

--鞘師さんはヒロインのリリーを演じました。最初は可愛らしい吸血種の女の子でしたが、最後は観てて苦しくなるほどとんでもないことになります。演じてみていかがでしたか?

鞘師里保:見た目やキャラクターは人間なんですけど、でも人間じゃない役どころだったので、気持ちの持っていき方が難しすぎて……頭を抱えました(笑)。永遠の命を手に入れたときにどう思うか?とか現実では有り得ないことだから分からないし。小さい頃は「ずーっと生きられたらいいのになぁ」とか思ったりもしていたんですけど。でもリリーを演じてから「不老不死ってなんて怖いことなんだろう?」って思いました。

--役に入りすぎると精神的によろしくないけど、でも入り込まなきゃ演じきれないし、なかなか苦しい舞台だったんじゃないですか?

鞘師里保:そうですね。あと、私たちは同時進行でモーニング娘。'14のライブやイベントもやっていたので、役に入ったり、切り替えたりというのをどう調節すればいいのか悩みました。そこはみんな不安だったと思う。結果、よく分からなくなって面白いことになってる娘とかもいたので(笑)。普段も訳わかんないテンションになってたり。正直言うと、私も気持ちを入れるのに公演ごとブレがあったりして、入り込むっていうのも今回は難しかったです。私は舞台経験も演技そのものも初心者なので、器用にはできなかった。

--ただ、初心者とは言え、自分のことを何度も何度も刺して、それでも死ねなくて、絶望の雄たけびをあげるラストシーン。あんな表現をする鞘師里保も、あんな恐ろしい声を上げる鞘師里保も普段の活動の中では絶対ないし、誰もが驚愕したと思いますよ。

鞘師里保:たしかに(笑)。

--『LILIUM-リリウム 少女純潔歌劇-』はDVDリリースされますし、多くの人に観てもらいたい気持ちは大きいですか?

鞘師里保:今はすごくそう思うんですけど、最初は「『LILIUM』を観て下さい」と言いながら、心の底では「観に来ないでー!」って思ってました(笑)。今まで舞台やるときは本当の役者さんや先輩がいたりして、プロフェッショナルな方がサポートしてくれていたんですけど、『LILIUM』に関しては「これ、自分がまとめていく感じですかね?」みたいな中で舞台に立ったので、皆さんが評価する上で私のこととかすごく責めたりするのかな?って怖かったんです。でも結果的に「『LILIUM』がすごい」って公演中に言ってもらえて、それでやっと安心。初日を迎えるのが本当に怖かったですもん。自信が持てなくて。でも一生懸命頑張ったことは認めてもらえると思ったので、今はDVDを観てほしいなっていう気持ちです。

--誰もやってない、誰も描いてない、誰も演じてない作品を持っているのは強みですし、あれこそアイドルファンのみならず、誰にでも衝撃を与えられる武器だと思いますよ。

鞘師里保:そうですよね。末満健一(脚本/演出)さんには「アイドル活動の中でも生かせる何かを得られるようにしたい」という気持ちがあったみたいで、それで私たちの良さを引き出してくれたりとか、新しい一面を持てるような配役をして下さったみたいで。天才だなって思いました。「末満さん、凄っ!」って(笑)。

--そろそろ〆に入っていきたいんですが、様々な武器を手にしつつあるモーニング娘。。道重さゆみ卒業後はどんなグループになってほしい、もしくはしていきたいと思っていますか?

鞘師里保:うーん…………………なんかもっと……もっと鋭くなりたい。パフォーマンスとかで勢いがついてきているなって自分たちでも思うんですけど、でもちょっとどこかフワッとしているところもあるので、もっともっと磨きをかけて鋭くなりたいなって思っています。ある意味、大人になりたい。それは佐藤優樹ちゃんに急に「偉くなれ」とかそういうことじゃなくって。もっと研ぎ澄まされた存在になっていきたいなって思います。初めて観た人も、私たちひとりひとりの名前を知らない人も、観たら一撃で「凄い!」って思うような鋭さがこれからは必要だなって。

--では、鞘師里保自身はどうなっていきたい?

鞘師里保:今は他のハロプロメンバーやアイドルと比べられることが多いんですけど、鞘師里保というひとつのジャンルというか、ひとつの形を確立して、違う土俵に立てるようになりたい。突き抜けたいです。道重さんはそういうことが出来ている人だと思うので。時間はかかるかもしれないし、もしかしたらそうなれないかもしれないんですけど、目標はそういうところです。

Interviewer:平賀哲雄

Music Video

モーニング娘。’14「TIKI BUN/シャバダバ ドゥ~/見返り美人」

TIKI BUN/シャバダバ ドゥ~/見返り美人

2014/10/15 RELEASE
EPCE-7059/60 ¥ 1,760(税込)

詳細・購入はこちら

Disc01
  1. 01.TIKI BUN
  2. 02.シャバダバ ドゥ~
  3. 03.見返り美人
  4. 04.TIKI BUN (Instrumental)
  5. 05.シャバダバ ドゥ~ (Instrumental)
  6. 06.見返り美人 (Instrumental)

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