2021/05/13 08:00
4月24日、大阪・大阪城ホールにてFM802が開催するライブイベント【FM802 SPECIAL LIVE 紀陽銀行 presents REQUESTAGE 2021】が開催された。
本イベントはFM802が『リスナーからリクエストされるアーティストの名曲を生のライブで体感してもらいたい』という思いから2002年にスタート。毎年恒例のイベントとして人気を集めていたが、昨年は緊急事態宣言の発令を受けて開催中止に。今年は初の2日連続での開催を予定していたが、悔しいことに再びの緊急事態宣言発令が決定。急遽初日のみの開催となり、2日目は後日延期という形となった。
今回のライブレポートではKANA-BOON、THE ORAL CIGARETTES、SUPER BEAVER、Little Glee Monsterが出演した、初日の模様のみをお届け。
社会人になって、新入生になってようやく…。春に開催される【REQUESTAGE】には音楽ライブに参加するのが初めてだという人も少なくない。これまでずっとラジオやCD、サブスクで聴いてきた音楽。【REQUESTAGE】では"音源はライブ"であることを体感し、"LIVE is LIFE"であることを体験する場であってほしいと願っている。イベントでは公演前に、【REQUESTAGE】のHPにて、『ライブで聴きたい曲』のリクエストを受け付け。その結果はイベント当日、セットリストの参考にされる。開演前にはDJ大抜卓人、落合健太郎がイベントに懸ける思いや感染症拡大防止対策についてのお願い、様々な規制がある中で来場してくれたことに感謝の気持ちを伝える。そしてこの日のライブが一生の記憶に残り、この日の成功が次へのステージへのたすきになることを願い、なによりもアーティストと観客にとって素晴らしい音楽との出会いになってほしいと思いを語り、イベントは開幕へ。
トップバッターは大阪出身、KANA-BOON。メンバーはステージ中央で互いを見合い、熱量を高めていく。1曲目「さくらのうた」、出だしの一音から体に大きな音圧がぶつかってくる! 谷口鮪(Vo&Gt)はこれでもかと晴れやかな表情だ。インディーズ時代からずっと歌い続けてきた、春めく音がいっぱいに溢れた楽曲。ステージからはライブができる歓びがひしひしと伝わってくる。メジャーデビュー曲「盛者必衰の理、お断り」では、中毒性のあるメロディに癖のある歌詞はそのままに、楽曲に込められた思いはデビュー当時から何も変わっていないことを改めて思い知らされる。最終曲のアッパーチューン「スターマーカー」まで、KANA-BOONが魅せたバンドの魅力をぐっと詰め込んだ6曲。リスナーからの思いをしっかりと音にして返してくれた3人に会場からは熱い拍手が止まらなかった。
続いて登場したLittle Glee Monsterは1曲目「ECHO」からステージを踏みつけ、力強い歌声を聴かせていく。かれん、MAYU、manaka、アサヒ、全員がメインボーカルでコーラスもこなす、その強みを生かし、三者、いや四者四様なビートの強い歌声を会場に響かせる。この日のステージがバンド仕様なのもあって、華奢なはずの彼女たちの姿がより迫力を増して見える。真っ白なオーガーンジーとフリンジの衣装が印象的で、楽曲毎にステージの照明が衣装に変わる変わる色をつけていく。聴く者の思いを代弁する「だから、ひとりじゃない」、4人の歌声の個性が際立つ「OVER」など、多彩な楽曲が続いていく。さらに「Waves」では圧倒的な声量と表現力、重低音を響かせる歌声に瞠目し、観客はただ呆然と立ち尽くしてしまう。ラスト「世界はあなたに笑いかけている」まで、歌声だけで観客に強烈なインパクトを残していった。
SUPER BEAVERは「3番手、ハイライト飾らせていただきます!」と1曲目「ありがとう」から感情を大いに爆ぜていく。シンプルで嘘がない言葉で綴られた彼らの楽曲はその日その瞬間の感情に一番に寄り添ってくれる気がしてならない。メンバーが鳴らす音をひとつも漏らすまいと、声が出せない代わりに手を高く掲げて音に呼応する、そんな観客の姿さえも愛おしくなる。「精一杯向き合って、1対1のステージに挑みたい」と、渋谷龍太(Vo)が全身全霊でライブにぶつかっていくことを誓い、この日のライブはリクエスト1~5位を順に披露することを告げる。観客の思い全部盛りなステージだ! 「突破口」や「予感」、「アイラヴユー」で「愛してるって歌うけど、しっかり受けとめてくれますか」なんて言われた日には、声には出せないけど全身で受け止めるしかない! ラスト「美しい日」まで、剛勇に突っ走ったステージに大きな拍手が贈られた。
イベント転換中には、同局で毎年春に制作される【FM802×阪神高速 ACCESSS!】のオリジナルキャンペーンソング「春は溶けて」のMVが初公開された。今年は川谷絵音が作詞作曲し、シンガーには北村匠海(DISH//)、長屋晴子(緑黄色社会)、ホリエアツシ(ストレイテナー)、三原健司(フレデリック)、yamaが参加。すでに同局にてオンエアされ、聴き慣れていることもあってか、観客はみなスクリーンに釘付けになっていた。
ほかにも、会場では入場時に観客全員に特製ポストカードを配布。ポストカードに記載されている文字をSNSでハッシュタグをつけて投稿すると抽選でプレゼントが当たる企画なのだが、そのいくつかの文字を集めると「LIVEでまた会おう」という言葉が完成する。その言葉に懸ける思いに会場からは温かな拍手が贈られた。
そしてイベントはいよいよ最後、THE ORAL CIGARETTESのステージへ。大阪城ホールではすでにライブ経験が何度とある彼らは、会場の熱量を瞬時に高めるのもお手の物で1曲目「5150」からフルスロットルで突き進んでいく。「聴きたい曲あるやろうし♪」と、彼らもまたリクエストで受けた楽曲を1~7位まですべてカウントダウンで披露していく。聴きたかったあの曲この曲が生で聴けるとあって、観客はどの曲も息ぴったりに音に応えていく。リクエストとはいえ、この日披露されるのは7曲のみ。「容姿端麗な嘘」「BLACK MEMORY」など、ライブでもお馴染みの楽曲が並ぶも、その順位はメンバーも意外だったとか。ライブ中盤、山中拓也(Vo&Gt)は昨今の音楽シーンの状況を憂いつつも、「負のスパイラルに落ちるより、幸せでおってほしい。叫びたい言葉は次に取っておこう」とこの日のライブが開催されたことに感謝し、明るく言葉をかける。そして「これからもロックバンドとしての道を作っていきたい。そこにあなたの姿がありますように」と、これからの活動に改めて誓いをたて、アンコールを含む全7曲を駆け抜けた。
ライブハウスやホール、野外フェス…、目の前のステージで大きな音が鳴り響き、煌めく照明の下、"生"だからこそ感じられる音楽の迫力や魅力は他に代えることができない。それはミュージシャンも観客も同じ。ライブでしか得ることのできない感情をずっと忘れずにいたい。そう思える1日だった。
【FM802 SPECIAL LIVE 紀陽銀行 presents REQUESTAGE 2021】、初日のステージはここで終了。開催延期が決まった2日目の公演の詳細については追って情報を待ちたい。なお、この日のライブ音源などは5月14日・21日夜8時から放送のFM802の特別番組にてオンエアされる予定となっている。
写真提供 FM802
Text by 黒田奈保子
◎イベント情報
【紀陽銀行 presents FM802 REQUESTAGE 2021】
4月24日(土)<終了>、25日(日)延期
会場:大阪城ホール
https://funky802.com/requestage/
◎特別番組情報
【紀陽銀行 presents FM802 REQUESTAGE 2021】特別番組
ライブ音源&出演アーティストからのコメントオンエア
日時:5月14日(金) 20:00-21:00
DJ:落合健太郎
https://funky802.com/service/homepage/index/94186article
番組内プレゼント:アーティストサイン入りポスタープレゼント
【紀陽銀行 presents FM802 REQUESTAGE】特別番組
日時:5月21日(金) 20:00-21:00
DJ:大抜卓人
番組情報:COMING SOON
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