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2021/04/26

【米ビルボード・アルバム・チャート】ヤング・サグ率いるレーベルのコンピ盤初登場1位、エリック・チャーチ/グレタ・ヴァン・フリートTOP10デビュー

 ラッパーのヤング・サグ率いるレーベル<YSL Records>によるコンピレーション・アルバム『Slime Language 2』が1位に初登場した、今週の米ビルボード・アルバム・チャート。
 
 本作は、2018年8月にリリースした『Slime Language』(最高8位)に続くコンピレーション第二弾で、YSL(Young Stoner Life)名義では初、レーベルに所属するアーティストの作品を含めると、ヤング・サグのデビュー・アルバム『ソー・マッチ・ファン』(2019年)、ガンナの2ndアルバム『ワンナ』(2020年)に続く3作目の首位獲得。
 
 『Slime Language 2』の初動ユニットは113,000で、そのうちアルバム・セールスが6,000、アルバム・ストリーミング(SEA)は106,000、トラックごとのユニットが1,000と全体の9割強をストリーミングが占めた。週間再生数は1億4,268万回を記録している。
 
 ヒップホップ系のアーティストはストリーミングが強い傾向にあるが、23曲という収録曲の多さも再生数を高めた理由として挙げられる。なお、翌4月23日には8曲を追加したデラックス盤が早々にリリースされたため、次週も高ストリーミングを維持する可能性が高い。
 
 本作には、最多の13曲(デラックス盤を含めると17曲)にクレジットされているヤング・サグを中心に、ガンナ、ヤック・ゴッティ、リル・デューク、リル・キードなどYSL所属のアーティストから、ドレイク、フューチャー、リル・ウージー・ヴァートなどレーベル外の人気ラッパーもゲストとして参加している。
 
 2021年に入ってからR&B/ヒップホップにカテゴライズされるアルバムが首位を獲得するのは、3週前にNo.1デビューしたロッド・ウェーブの『SoulFly』(今週6位)に続く2作目で、近年の傾向からすると4月末時点では少ない。
 
 一方、今年はカントリー勢がアルバム・チャートを賑わせていて、今週は先週トップを飾ったテイラー・スウィフトの『フィアレス(テイラーズ・バージョン)』が2位、通算10週の1位をマークしたモーガン・ウォレン『デンジャラス:ザ・ダブル・アルバム』が3位、エリック・チャーチの新作『ハート』が5位に初登場し、TOP5に3作もカントリー・アルバムがランクインしている。3作がランクインしたのは2015年11月28日付チャート以来約5年半ぶりで、その週の2位にはエリック・チャーチの『ミスター・ミスアンダーストゥッド』が初登場するという偶然も重なった。
 
 ストリーミングが集計に含まれるようになった2014年12月以降、カントリー系のアーティストが上位を独占することは少なくなったが、歴代再生数を塗り替えたモーガン・ウォレンやテイラー・スウィフトなど、ストリーミングの強いアーティストの登場で盛り返しつつある。
 
 エリック・チャーチのTOP10入りは『ハート』が通算6作目で、その6作いずれもTOP5にランクインしている。初動ユニットは49,000で、そのうちアルバム・セールスが40,000、アルバム・ストリーミングが8,000、トラックごとのユニットは1,000だった。ストリーミングを除く週間セールスは、今週最大の売り上げを記録している。
 
 本作は3部作による構成で、4月16日にリリースされた『ハート』に続き、20日にはファンクラブ限定の『&』、翌23日には『ソウル』が連続でリリースされた。次週のチャートでは『ソウル』も上位ランクインが見込める。
 
 続いて7位に初登場したのは、米ミシガン州出身のロック・バンド=グレタ・ヴァン・フリートの新作『ザ・バトル・アット・ガーデンズ・ゲート』。初動ユニットは44,000で、そのうちアルバム・セールスが39,000、アルバム・ストリーミングは5,000と本作もセールスが大半を占めた。アメリカでは最高3位を記録したデビュー・アルバム『アンセム・オブ・ザ・ピースフル・アーミー』から2作連続、イギリス(UKチャート)では8位に初のTOP10入りを果たしている。


Text: 本家 一成

※関連リンク先の米ビルボード・チャートは4月30日以降掲載予定となります。

◎【Billboard 200】トップ10
1位『Slime Language 2』ヤング・サグ&V.A.
2位『フィアレス(テイラーズ・バージョン)』テイラー・スウィフト
3位『デンジャラス:ザ・ダブル・アルバム』モーガン・ウォレン
4位『ジャスティス』ジャスティン・ビーバー
5位『ハート』エリック・チャーチ
6位『SoulFly』ロッド・ウェーブ
7位『ザ・バトル・アット・ガーデンズ・ゲート』グレタ・ヴァン・フリート
8位『ザ・ハイライツ』ザ・ウィークエンド
9位『フューチャー・ノスタルジア』デュア・リパ
10位『シュート・フォー・ザ・スターズ、エイム・フォー・ザ・ムーン』ポップ・スモーク

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