2021/04/23
きゃりーぱみゅぱみゅが4月17日、東京・EX THEATER ROPPONGIでワンマンライブ【きゃりーぱみゅぱみゅ PREMIUM LIVE 『GREAT INVITATION』】を開催した。
2011年8月にミニアルバム『もしもし原宿』でメジャー・デビューしたきゃりーは、今年デビュー10周年を迎える。記念すべき年の初めに彼女は新レーベル<KRK LAB>を設立し、1月29日に10周年イヤー第一弾デジタルシングル「ガムガムガール」を配信リリース。そしてこのたび、約1年2か月ぶりの有観客ライブ開催することとなった。10周年イヤー最初のライブということもあって、きゃりーの気合いも充分。ライブ当日は2公演行われ、ここでは夜公演の模様をレポートする。なお本公演は、新型コロナウイルス感染症拡大防止に配慮した形で行われ、観客はハンドクラップやペンライトを振ってライブを楽しんだ。
モノクロの古い映画調のオープニングVTRが流れると、パーティーを待ちわびるきゃりーの姿が映される。1年ぶりに華麗なる招待の電話が鳴ると、笑顔のきゃりーがカラーに色づく。
トイピアノの音色とともに舞台の幕が開くと、きゃりーは「CANDY CANDY」からライブをスタート。赤いスカートに大きなリボンをつけたきゃりーは、家のリビングに座りながら歌っていく。曲の2番で立ち上がったきゃりーは、ソファーに座っていた二人のダンサーとともに観客に向かって歌とダンスを届ける。きゃりーとファンの久々の再会と言うべきライブの始まりのシーンは、早くも感動的ですらあった。ステージ左側のキッチンに移動したきゃりーは、ダンサーから渡されたエプロンをつけて「チェリーボンボン」を披露。きゃりーの「Clap Your Hands!」の声に観客はハンドクラップで応戦する。続けてステージ右手のバスルームに移動すると、きゃりーは「ちょうどいいの」を歌唱。シャワーヘッドを片手に持ったきゃりーは、バスタブから登場したダンサーと泡が舞う中パフォーマンス。リフレッシュしたきゃりーは、スーツのダンサーと「Scanty Skimpy」を披露する。4人のダンサーも加わり、スウィング調のサウンドでパフォーマンスする光景は、まるでミュージカル映画を見ているかのような展開だった。
MCコーナーに入り、きゃりーが「みんな久しぶりー、元気してましたかー」と声を上げると、観客は大きな拍手で応える。「みなさんにお会いするのは1年2か月ぶりですね。まだまだコロナ禍が続く中、来てくれてありがとうございます。今日は【GREAT INVITATION』という、プレミアムなこの日限りのライブを楽しんでいただけたらと思ってます」と挨拶。続けてきゃりーは、「冒頭の映画のワンシーンのような姿は、ライブができなくて待ちくたびれた1年間と、電話が鳴らない1年間がすごくリンクした感じがしたので、それを表現しました。(コロナ禍になって)当たり前のようにしていたライブができなくなって、自分に何ができるかな?とかたくさん考えました」とVTRとコロナ禍の1年についてを語る。そして「今回は、私のおうちみたいなものがコンセプトです。私は家で生活するのが大好きなので、今日は素晴らしいおうちの中の世界をみなさんに覗いてもらえたらなと思ってます。楽しんでください!」とライブのコンセプトを語った。
ライブに戻ると、CAPSULEのカバー「Super Scooter Happy」を歌唱し、明るくハッピーな空間を作っていく。ライブの熱量を上げるように、ステージに一人で残ったきゃりーは「とどけぱんち」をパワフルに歌唱。観客とともに拳を上げて、一体感を高めていった。そして、ダンサーが加わり「つけまつける」を披露する。きゃりーに合わせてファンは一緒につけまダンスを踊る。その光景にきゃりーは「ありがとー!」の声を上げた。ボルテージ高まる会場に届けられたのは「もったいないとらんど」。久々にライブの大音量で聴くと、キラキラのポップチューンがかなりダイナミックなナンバーであることに改めて気づかされた。さらにきゃりーは「みんな手を上げて!」と声を上げると「キズナミ」を歌唱。観客が声を出しての応援ができない分、きゃりーは終始ファンを見つめ、手でできる振りはレクチャーするようにステージを行なっていく。その姿から、会場にいる全員を楽しませたいという彼女の思いがしっかり伝わってきた。
会場のテンションが熱く上昇していく中、ダンスビートが響き渡り「楽しんでるかーい! 次の曲はみんなで一緒にダンスしたいと思います!」と語り「PON PON PON」を歌唱。花のついたハットを被ったきゃりーは、ファンと一緒に「PON PON PON」ダンスを繰り広げる。そして、カラフルなライティングとLEDミラーボールが会場をビビッドなカラーに染めると、Steve Aokiリミックスバージョンの「にんじゃりばんばん」が投下される。8ビットのゲームサウンドを活かしたビートに乗って、きゃりーのパーティーは最高潮の盛り上がりとなった。
続いて披露されたのは「かまいたち」。昨年惜しくも中止となってしまったツアーで披露される予定だった楽曲が、1年の時を経てファンに直接届けられた。そして、1月にリリースされた新曲「ガムガムガール」が初お披露目される。MVでは激しい格闘シーンが話題になったが、ライブでもキックを多用する振りが展開。和なフレーバーが光る楽曲を「一本! 一本!」の掛け声をリフレインしながらパフォーマンス。かわいさと強さの相まったニンジャ感を見せつけた。
怒涛の9曲連続楽曲披露したきゃりーはここでMCタイム。「ハ~、“かまいたち”からの“ガムガムガール”で酸素が足りなくなります」と椅子に座ってリアルに告白。息を整えた彼女は、今回の衣装のイメージについて「みなさんブリジット・バルドーというフランスの大女優を知ってますか。私は彼女のことが大好きで、今回おうちの中を表現するにあたって、ブリジッド・バルドーをモチーフに衣装を考えたいなと思ったんです。そしたら、ちょっと“ふりそでーしょん”味のある衣装になりました」と語った。さらにセットには、ランプや花瓶、ティーポットなどきゃりーの私物のアンティークグッズが使われていると語る。クッションに至っては「なんと綾野剛さんから誕生日にいただいたものなんです!」という紹介もされた。
続けてきゃりーは、「この1年2か月の間にICLという目の手術をして、裸眼で2.0くらい見えるようになって、今、お客さんの顔がめちゃくちゃ見えてます!」と視力が大幅アップしたことを口にする。「ずっと見えてますけど、ボードで“10周年おめでとう”って書いてくれてる。ありがとう」と語ると、「そうなんです。私、10周年なんです。今年はいろいろライブできたらいいなって計画してるので、楽しみにしててください!」と10周年イヤーへの意気込みを語ると、観客から大きな拍手が沸き起こった。
ライブもいよいよラストスパート。きゃりーの「みんなで一緒に踊るよ!」の声から、マーチングのリズムに乗って「最&高」が届けられる。ファンとともに「最&高」ダンスを繰り広げ、会場はハッピーなムードに包まれた。ラストナンバーは「おとななこども」。キラキラしたおとなになっていきたいという歌詞は、10周年イヤーもまだまだ進化していくという現在のきゃりーの思いにぴったり当てはまる。前向きなメッセージをしっかりとファンに伝えると、ゆっくりとステージの幕が閉じる。エンディングのVTRが流れ、“to be continued 10th ANNIVERSARY YEAR”のワードでライブは終了となった。
約1年2か月ぶりのワンマンライブで、キュートでハッピーなライブを見せてくれたきゃりー。ライブを通じ、観客に声を掛けステージを引っ張っていく姿からは、彼女の成長ぶりやたくましさが感じ取れた。コロナ禍であろうと絶対に楽しいパーティーにするという、きゃりーの強い意思がみなぎっていたのは間違いないだろう。10周年イヤーのきゃりーに、ますます期待高まるライブだった。
Text by 土屋恵介
Photo by Aki Ishii
◎公演情報
【きゃりーぱみゅぱみゅ PREMIUM LIVE】
2021年4月17日(土)
東京・EX THEATER ROPPONGI
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