2021/04/19
テイラー・スウィフトの『フィアレス(テイラーズ・バージョン)』が1位に初登場した、今週の米ビルボード・アルバム・チャート。
本作は、2008年にリリースした2ndアルバム『フィアレス』とそのプラチナム・エディション(2009年)、2010年のシングル「トゥデイ・ワズ・ア・フェアリーテール」を全曲再録音した「テイラーズ・バージョン」と、未発表曲6タイトルによる「フロム・ザ・ヴォルト」の計26曲を収録したアルバムで、原盤とは別にカウントされるため、テイラーはこれで通算9作目の首位を獲得したことになる。
テイラー・スウィフトNo.1獲得アルバム
『フィアレス』(2008年)
『スピーク・ナウ』(2010年)
『レッド』(2012年)
『1989』(2014年)
『レピュテーション』 (2017年)
『ラヴァー』(2019年)
『フォークロア』 (2020年)
『エヴァーモア』(2020年)
『フィアレス(テイラーズ・バージョン)』(2021年)
女性アーティストとしては、バーブラ・ストライサンドの11作に次ぐ2番目の記録で、同9作をもつマドンナと並んだ。アーティスト総合の歴代トップはビートルズの19作で、ジェイ・Z(14作)、バーブラと同位のブルース・スプリングスティーン(11作)、エミネムとエルヴィス・プレスリーの10作が続く。9作をもつアーティストは、その他ガース・ブルックス、ケニー・チェズニー、ドレイク、ローリング・ストーンズ、カニエ・ウェストの計7組がいる。
『フィアレス(テイラーズ・バージョン)』の初動ユニットは291,000で、1月23日付チャートでモーガン・ウォレンの『デンジャラス:ザ・ダブル・アルバム』(今週4位)が記録した265,000ユニットを上回る、現時点での2021年最大の週間ユニットを更新した。過去8か月以内の記録では、『フォークロア』(2020年8月8日 / 846,000ユニット)、『エヴァーモア』(2020年12月26日 / 329,000ユニット)、『フィアレス(テイラーズ・バージョン)』(2021年4月24日 / 291,000ユニット)と、テイラーの作品が上位3作を独占している。
そのうちアルバム・セールスが179,000で、週間セールスとしても『デンジャラス:ザ・ダブル・アルバム』の74,000(1月23日)を大きく上回る2021年の最大数を記録した。ストリーミングを除く2021年度総セールスTOP5は以下の5作で、『フィアレス(テイラーズ・バージョン)』は登場1週目にして2番目に高い売り上げを記録。テイラーの作品がTOP5中3作を占めるという快挙も達成した。
モーガン・ウォレン『デンジャラス:ザ・ダブル・アルバム』218,000
テイラー・スウィフト『フィアレス(テイラーズ・バージョン)』179,000
キャリー・アンダーウッド『My Savior』114,000
テイラー・スウィフト『フォークロア』111,000
テイラー・スウィフト『エヴァーモア』111,000
アルバム・ストリーミング(SEA)は109,000で、週間再生数は1億4,298万回を記録。ストリーミングは『デンジャラス:ザ・ダブル・アルバム』の初週2億4,018万回(2021年1月23日付チャート)を上回ることができなかったが、女性アーティストによるカントリー・アルバムの週間ストリーミングとしては、ブレンダ・リーの『ロッキン・アラウンド・ザ・クリスマス・ツリー』(2021年1月2日付チャート)が記録した4,467万回を上回る最大数を更新した。初動ストリーミングとしても、マレン・モリスの『ガール』(2019年3月23日付チャート)が記録した2,396万再生を大きく上回り、女性アーティストによるカントリー・アルバムの最高記録を達成している。
カントリー・アルバムにカテゴライズされる作品(カントリー・アルバム・チャートにランクインした作品)としては、2015年8月29日付チャートでルーク・ブライアンの『キル・ザ・ライツ』が記録した345,000以来最大の週間ユニットで、ストリーミングが加算されるようになった2014年12月13日以降では、女性アーティストによるカントリー・アルバムの最高記録を更新した。
テイラーは、これで『フォークロア』(2020年8月8日)、『エヴァーモア』(2020年12月26日)に続き、8か月2週間で3枚のアルバムを1位に送り込んでいる。女性アーティストとしては、ドナ・サマーの14か月を上回る歴代最短記録で、前作『エヴァーモア』からの首位獲得期間としても、自身が『フォークロア』から『エヴァーモア』で記録した4か月2週間を上回る4か月に、女性アーティストの歴代最短記録を更新している。なおアーティスト総合では、3作の首位獲得最短期間がフューチャーの6か月3週間で、前作からの首位獲得期間もフューチャーの一週間が歴代最短記録。
前述にもあるように、本作は元のアルバムとは別の作品としてカウントされるため、先週157位にランクインしていた『フィアレス』は新作のデビューにより圏外へランクダウンしている。
続いて2位には、先週の73位からジャンプアップした故DMXのベスト盤『ベスト・オブ・DMX』がランクイン。週間ユニットは前週から544%増加の77,000まで上昇し、アルバム・ストリーミングも508%増加の59,000(8,856万再生)、アルバム・セールスが733%増加の9,000、トラックごとのユニットも666%増加の9,000までそれぞれ急増した。TOP10入りは通算7作目で、同2位を記録した6thアルバム『イヤー・オブ・ザ・ドッグ...アゲイン』(2006年)以来約15年ぶりのランクインとなる。
1位『イッツ・ダーク・アンド・ヘル・イズ・ホット』(1998年)
1位『フレッシュ・オブ・マイ・フレッシュ・ブラッド・オブ・マイ』(1998年)
1位『アンド・ゼン・ゼア・ワズ・エックス』(1999年)
1位『ザ・グレイト・ディプレッション』(2001年)
1位『グランド・チャンプ』(2003年)
2位『イヤー・オブ・ザ・ドッグ...アゲイン』(2006年)
2位『ベスト・オブ・DMX』(2021年)
DMXは、今月初頭にドラッグのオーバードーズによる心臓発作で入院し、4月9日に50歳という若さで死去した。その訃報を受け、『ベスト・オブ・DMX』の他『イッツ・ダーク・アンド・ヘル・イズ・ホット』が46位、『フレッシュ・オブ・マイ・フレッシュ・ブラッド・オブ・マイ』も107位にそれぞれリエントリーを果たしている。DMXは、『グランド・チャンプ』が首位を獲得した2003年時点で、デビュー・アルバムから5作連続で初登場1位を記録した史上初のアーティストという記録をもつレジェンド。シングルでは、R&B/ヒップホップ・ソング・チャート8位を記録した「パーティー・アップ(アップ・イン・ヒア)」などのヒットがある。
先週首位に返り咲いたジャスティン・ビーバーの『ジャスティス』は3位に(60,000ユニット)、前述の『デンジャラス:ザ・ダブル・アルバム』(58,000ユニット)を挟み、ロッド・ウェーブの『SoulFly』も先週の3位から5位にそれぞれランクダウンした(55,000ユニット)。
以下、大きな変動やニュー・エントリーした作品はないが、アリアナ・グランデの『ポジションズ』が先週の17位から6位にTOP10復帰を果たしている。今週ポイントが上昇したのは、4月9日にLPとカセットテープがリリースされたため。パッケージの売り上げを受け、週間ユニットは138%増加の54,000、アルバム・セールスは1,613%増加の35,000までそれぞれ急増している。
Text: 本家 一成
※関連リンク先の米ビルボード・チャートは、4月23日以降掲載予定となります。
◎【Billboard 200】トップ10
1位『フィアレス(テイラーズ・バージョン)』テイラー・スウィフト
2位『ベスト・オブ・DMX』DMX
3位『ジャスティス』ジャスティン・ビーバー
4位『デンジャラス:ザ・ダブル・アルバム』モーガン・ウォレン
5位『SoulFly』ロッド・ウェーブ
6位『ポジションズ』アリアナ・グランデ
7位『ザ・ハイライツ』ザ・ウィークエンド
8位『Destined 2 Win』リル・ティージェイ
9位『シュート・フォー・ザ・スターズ、エイム・フォー・ザ・ムーン』ポップ・スモーク
10位『フューチャー・ノスタルジア』デュア・リパ
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