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2021/04/14 19:00

DEAR KISS「ここで終わりたくない」5者5様の紆余曲折あったアイドル人生――メジャーデビュー記念インタビュー公開

 GALETTe、Barbee、GEM、ラストアイドルなどメンバー全員が他グループに所属していた過去を持っており、当時の自分と比較しながら、変化に戸惑いながら、日々葛藤しながら、それでも笑顔でステージに立ち続けてきたアイドルグループ・DEAR KISS。そんなストーリーの先でメジャーデビューを掴み、その第1弾シングル『ダンスはキスのように、キスはダンスのように』をリリースする彼女たちが、号泣しながら語っていた前回のインタビュー(https://bit.ly/2MwWhfs)とは対照的な、笑顔満開のインタビューを実現させてくれた。ぜひご覧頂きたい。

◎DEAR KISS『ダンスはキスのように、キスはダンスのように』メジャーデビュー記念インタビュー

<念願のメジャーデビュー「明るい未来を見て前に進めている」>

--2020年はコロナ禍でファンとも会えなくなり、それでも絆を繋ぎ続けた証とも言える最新曲「World Smile」をリリースしたり、そのタイミングで心情を吐露しながら涙ながらに語るインタビューもさせて頂いたりもしましたが、2021年の幕開けと共に約10か月ぶりとなる有観客ワンマンライブを開催し、嬉しいメジャーデビューの発表。見事なストーリーを紡いできた訳ですが、この間、どんな心情の変遷があったのか。それぞれ伺わせていただけますか?

齋藤里佳子:配信ライブとネットサイン会を繰り返す日々がずっと続いていたので、その間に「ファンが離れていってしまうのではないか」という不安と戦いながら過ごしていたんですけど、今年の1月のワンマンライブでビクターエンタテインメントさんからメジャーデビューすることを発表できて、その場で久しぶりにLIPS(DEAR KISSファンの呼称)と再会できて、すごく喜んでくれている姿を直接見ることができたから良かったなと思っています。

四島早紀:メジャーデビューが決まってファンの皆さんも喜んで下さっていたんですけど、メンバー自身もすごく喜んでいて。今は結構いろんなスケジュールを頂いているので、そこで全国の方々にDEAR KISSのことを発信できていることがすごく嬉しいです。

ののこ:前回インタビューして頂いた時点では、ファンのみんなに会えない状況が続いていたので、そんな中でメジャーデビューを発表しても喜んでもらえないんじゃないかと不安な気持ちもあったんですけど、結果的に直接メジャーデビューを伝えることができましたし、その後もみんなに嬉しいお知らせばっかり立て続けにお届けできているので、今はより一層「みんなをしあわせにしたいな、たのしい気持ちにさせたいな、ワクワクしながら応援してもらえたらいいな」という気持ちが強くなったし、そんな風に想える自信というか余裕ができたなと思います。

伊山摩穂:メジャーデビューを発表できる状況になるまでは、目の前のことをひたすらやるしかなかった感じだったんですけど、今はいろんな取材とかも受けさせて頂いていて、やっと「明るい未来を見て前に進めているな」とすごく感じていて。だからすごくたのしいです!

山田まひろ:私は2020年7月に加入したので、しばらくはLIPSの皆さんに直接挨拶もできないまま、明確な目標もないまま活動していたんですけど、1月の有観客ワンマンライブのあとはメジャーデビューに向けて毎日のようにいろんなお仕事ができているので、やっと心からワクワクしながら活動できている感じがします。

--今の5人の話を聞いて改めて「しあわせな未来を掴むことができてよかったな」と感じたのですが、DEAR KISSのメジャーデビューに辿り続くまで5人それぞれに紆余曲折があった訳じゃないですか。振り返ってみると、どんなアイドル人生を歩んできたなと感じていますか?

四島早紀:私は元々歌ったり踊ったりすることが好きじゃなくて、モデル志望だったから地元・福岡の雑誌とかで活動していきたいなと思っていたんです。でも、大学生でユニットを組んだときに「歌ったり踊ったりしてみたい」と当時のメンバーが言い始めて、いわゆるアイドル戦国時代真っ只中にアイドルになったんですけど、初心者だったから基礎も出来ていないし、とりあえず歌って踊ったらみんなでご飯食べに行ったり、飲みに行ったり、そういう感じだったんです(笑)。だから今こうして東京でアイドルをやっているなんて当時は想像もしていなかったんですよ。すごく不思議。でも、今はすごくたのしいです。

<5者5様の紆余曲折あったアイドル人生「ここで終わりたくない」>

--2013年~2016年まではGALETTeのメンバーとして活動されていましたよね。そこからDEAR KISSに加入する時期は、どういう心情で環境を変えていった感じだったんでしょうか?

四島早紀:やっぱりGALETTeのことは好きだったし、でも自分がやっていきたいことと違ったというか、裏方的な仕事もやりたいと思っていたんですよね。なので、DEAR KISSではプレイングマネージャーとしてそういう仕事もしているんですけど、GALETTe時代からのファンの方もたくさんいて、今回のメジャーデビューシングル『ダンスはキスのように、キスはダンスのように』も「大好き」と言ってくれていたりするので、そういう意味では、そこまで大きな変化は感じていないかもしれないです。

--ただ、GALETTeを卒業して入ってきたからには「何がなんでもDEAR KISSを成功させなきゃいけない」という想いはあったんですよね?

四島早紀:もちろんそう思っていたし、逆に何回も「もういいかな」と諦めかけたことだってあったんですけど、その度に「ここで終わってしまったら意味がない」じゃないですけど、後悔するんじゃないかなと思って、ここまで続けてくることができました。

--「ここで終わってしまったら」という想いはきっと5人全員のストーリーを支えてきたモノでしょうね。だからこそ今がある。ののこさんはどんなアイドル人生を歩んできたなと感じていますか?

ののこ:私は大分県で中学2年生の頃に読者モデルみたいなことをやっていたんですけど、ちょうどご当地アイドルが流行っていた時期だったから「アイドルをやろう!」みたいな感じになって。それが歌って踊り始めるスタートだったんですけど、それから沼にハマってしまい、アイドルに強い憧れとか「私もこうなりたい」という想いを抱くようになって、もう勉強や他のことに頑張れなくなって、アイドルしか見れなくなっちゃったんです。なので、私はこれまで何も続けて来れなかったんですけど、アイドルだけが唯一続けられていること。

--そこまで夢中になれるモノがアイドル以外になかったんですね、

ののこ:なかったです。私は「アイドルの道で生きていこう」と思ったから、他のことは何にも頑張らなくていいやと思って生きてきました。そしたら、こうなっちゃいました(笑)。

--でも、アイドルって観ている分には楽しいですが、アイドルをやるとなると苦しいこともたくさんあるじゃないですか。

ののこ:めちゃくちゃありましたね。アイドルは「すごくキラキラしたもの」として見えていたから、業界のこととか何も知らないままアイドルとしてデビューしちゃったんですよ。私、本当に世間知らずで、パジャマで東京を歩くぐらいの人間だったから……

--どういうこと(笑)?

ののこ:港区をパジャマとスリッパ姿で歩いていました。

四島早紀:ののことGALETTe時代は一緒に住んでいたんですけど、銭湯から家に帰るまでのあいだ頭にバスタオル巻いて歩いていたんです(笑)。

ののこ:知らない人の家の犬に勝手に「コタロー」って名前を付けたりしながら(笑)。そんな自分がここまで来れるとは想像もしていなかったですし、歳を重ねるごとにいろんなことを知って少し諦めちゃう……じゃないけど、どんどん自分で「私はこの程度なのかな」と決めてしまったりした時期もあって、いろんなチャンスを逃してしまった後悔もあったんですけど、だからこそ今の状況にはすごくビックリしているし、本当にしあわせだと感じられているし、毎日がたのしいです!

--続いて、里佳子さん。DEAR KISSに加入するまでもいろんなアイドルグループに所属されていたみたいですが、何グループぐらいに……

齋藤里佳子:自分でも数えられない。

伊山摩穂:そんなことある(笑)?

一同:(爆笑)

齋藤里佳子:芸能自体は3才の頃から子役としてスタートしているので、物心ついたときにはこの世界に入っていたんですよね。ミュージカルやお芝居もすごく好きなので、CMのオーディションとかも受けていたんですけど、そんな中で事務所が「アイドルグループを立ち上げる」みたいになって、初めてアイドルとして活動し始めたのが小6ぐらい。そこからもう……紹介してもらったりしながら何グループにも所属していたんですけど、5年前ぐらいにDEAR KISSの結成メンバーになったんです。ただ、ここに至るまで「辞めたい」と思う時期が本当にたくさんあって! マネージャーの武田さんとも大喧嘩した時期もあったりとか、逃げ出したくなる時期も何回もあって……でもその度に早紀ちゃんとかが親身になって相談に乗ってくれたりして、それによって救われてきたんですよね。

--メンバーがいたからここまで辿り着くことができたと。

四島早紀:里佳子は「なんでそこ?」というところに拘って悩み出すんですよ。「そんなところ別に気にしないでいいのに」と思うんですけど、それがルーティーンで来るんですよ。「あ、また来たな」みたいな。

--慣れてるじゃん(笑)。

四島早紀:でもそれが収まったら夢を語り出すタイプ。

齋藤里佳子:おかげさまでこうしてメジャーデビューすることが出来ました(笑)。私以外の4人は以前所属していたグループでメジャーデビューの経験があるんですけど、私は初めてで。で、私は「アイドルはメジャーデビューでききらそれでいい」と思っていたんですけど、でも今は「どうしてもここで終わりたくない」という気持ちがこれまで以上に大きくなっているんですよね。やっとスタートラインに立つことが出来たと感じられている。DEAR KISSって自分たちでやることが昔は多くて、メンバーと武田さんだけで何でもやっていたから、今こんなに大人の方たちが関わって下さっていることが夢みたいで。だからこそ「この方たちを裏切りたくない。ちゃんと恩返ししたい」と思えたんですよね。

--続いて、まひろさん。

山田まひろ:私は高校生までは普通に愛知県で暮らしていたんですけど、ダンススクールで憧れの人に出逢って、その方が東京でメジャーデビューすることになって、私もその人みたいに元気とかを届けられるアイドルになりたいなと思ったんです。それで私も上京して、とは言え、デビューする予定もなく美容学生として暮らしていたんですけど、就職活動を始めなきゃいけなくなった時期に「じゃあ、オーディションを受けてみよう」と初めて受けたのがラストアイドルだったんです。それで暫定メンバーになって、二十歳ぐらいでデビューしました。

--せっかく受かったラストアイドルをなんで辞められてしまったんですか?

山田まひろ:すごく有り難い環境で活動させて頂いていたんですけど、バトル企画とかでファンの方に無理をさせている感じがあるなと思っていて。それで上位に入てイベントでランウェイを歩かせて頂いたりしたので、それ自体はすごく有り難いことだったんですけど、そうやって上手くいくこともあれば、バトルに負けて、応援を無駄にさせてしまったこともあって……。そうなると、自分が上京するときに決めていた「みんなに元気を与えたい」とかそういう活動とは違ってきてしまう。あと、ずっと親に助けてもらいながら活動していたので「そろそろ自立をして活動したい。ここからは親に恩返しをしたいな」と思ったんです。

--そうしてDEAR KISSに加入した訳ですが、第2のアイドル人生はいかがですか?

山田まひろ:たのしいです。新しい環境に時間がかかるタイプなので、最初は緊張していたんですけど、最近はライブだけじゃなくて楽屋の時間とかもすごく楽しいですし、今はいろんな良いお知らせをファンの方に出来ているし、今回のメジャーデビューシングル『ダンスはキスのように、キスはダンスのように』は5人でジャケット写真に載ったりとか、なんでも5人で全部のお仕事に携わらせてもらえるので、すごくやり甲斐があるというか、本当に毎日うれしいです。

--そして、伊山さん。GEMでのデビューって何歳でしたっけ?

伊山摩穂:14歳。研修生(iDOL Streetストリート生)になったのは12歳ぐらいですかね。ただ、その当時はアイドルになろうと思ってなった訳ではなくて、2012年にエイベックスのアイドルオーディションとダンス&ボーカルオーディションの両方に受かっていたんですけど、勢いでアイドルのほうを選んでしまったんです(笑)。スパガさんが活躍されていたというのもあると思うんですけど、もうひとつのほうが何のプランも明確化されていなかったんですよね。それで、私は「次世代の浜崎あゆみになる」が夢だったので、その夢に向けてのステップアップになればと思って入ったんですけど、研修生のリーダーを務めさせて頂いたりしているうちにだんだん「アイドルも楽しいな」と思うようになって。スキルが高いメンバーも多かったから切磋琢磨もできるし、日本武道館でGEMのお披露目だったりとか大きい会場にも立てるし、すごく華のある仕事だなって。

--結果、全力でアイドル活動に臨むようになっていったと。

伊山摩穂:でも、メジャーデビューして時が進んでいくにつれて、すごくツラいこともたくさんあったし……蹴落とし合いじゃないですけど、メンバー同士の競争みたいなモノも乗り越えてきて、その中で体調が悪くなっちゃったりもしたけど、それでも諦めずに活動してきたんです。ただ、最終的にアイドルを1回辞めることになってしまって、そこで人生初のバイトをしたんです。そのときは「もうアイドルなんていいや。つかれた。私は一般人になりたい」と思っていたんですけど、そしたら何も楽しくなくて。普通に働いて、普通に友達とご飯行く時間が「無駄だな」と思い始めて、それで知り合いからいろんな事務所を紹介してもらって、そのときにDEAR KISSのお話を頂いたんですけど、このグループはみんな大人だし、早紀ちゃんとののこちゃんのことを元々知っていたこともあって、それで入ることにしたんです。

--GEMとDEAR KISSを比べると、伊山摩穂にとってそれぞれどんなグループだと思いますか?

伊山摩穂:GEMはみんなで競争というか、闘争心がすごくあるグループだったので、常に「追いついて、追い越して」みたいな感じで戦っていた。ステージに立つとひとつになるんだけど、個人個人でも競い合うグループだったなと思いますね。だから大変でした(笑)。でも、そこでの経験があったから自分も大人になれたし、GEMにはすごく成長させてもらったなと思っています。で、DEAR KISSは「みんなでひとつ」という感じ。それぞれ経験してきたことがたくさんあるし、だからこそまとまりがあるというか「5人で一緒にがんばろう」という気持ちが大きいグループだなと思います。あと「ツラいことよりも楽しいこといっぱいあったほうが良くない?」みたいな(笑)。ハッピーな気持ちのメンバーばかり。だから私も、昔はう病んでばっかりいたんですけど、DEAR KISSのおかげで心がハッピーな人間になれたなって思います。

<DEAR KISSの未来「5人で笑い合って進んでいきたい」>

--そんな5者5様の人生が結集したことによって掴んだメジャーデビュー。その第1弾シングル『ダンスはキスのように、キスはダンスのように』がここに完成した訳ですが、どんな感慨を持たれていますか?

ののこ:メジャーデビューシングルですし、ひさしぶりのCDですし、この5人になって初めてリリースするCDでもあるので、本当に嬉しく思っています。長く活動していると、CDを出す大変さとかも分かってくるから。あと、CDを出すことによっていろんな方に知ってもらえるチャンスが広がるし、自分たちの強みをこうして形に出来ることもすごく嬉しいです。

山田まひろ:自分の歌声が入ったDEAR KISSのCDは初めてなので、5曲全部歌えたり、全部の仕様のジャケット写真に映れていることがすごく嬉しいです。だからこそ、この曲を届けたい気持ちがすごく強いし、その為にも頑張らなきゃなって強く思います。

伊山摩穂:私にとってもDEAR KISSに加入して初めてのCDになるんですけど、こうやって取材とかしてもらったときに、CDにサインして渡したりするのが懐かしいなと思って(笑)。こういう感覚、久々だなって。あと、自分がやりたかったというか、好きな感じの楽曲で1stシングルをリリースできることもすごく嬉しいし、GEMのときに振付して下さっていた先生が「ダンスはキスのように、キスはダンスのように」の振付もして下さっていて……

--それは偶然?

伊山摩穂:偶然! それもうれしいです!

--そんな『ダンスはキスのように、キスはダンスのように』と共にメジャーデビューしていくDEAR KISSですが、ここからどんなグループにしていきたいなと思っていますか?

四島早紀:これからも変わらず、5人で笑い合って進んでいきたいです。今回のメジャーデビューシングル『ダンスはキスのように、キスはダンスのように』はすごい自信作なので、これでまた次に繋げていきたいです。

--すごくDEAR KISSらしい回答ですね。若手のアイドルに今の質問をしたら「やっぱり日本武道館に立ちたいと思います」みたいな回答になるし、昔の伊山摩穂でも「私、浜崎あゆみみたいになるんで。東京ドームに立つんで」と言っていたわけで……

伊山摩穂:やめてくださいよぉー(笑)!

四島早紀:じゃあ、そんな伊山さんに答えてもらいましょう。

伊山摩穂:あれからアイドル人生を積み重ねてきた身から申しますと(笑)、変に高望みはせず、これからも着々と前を進んでいきたいなと思っています。やっぱりひとつひとつ積み重ねた先に明るい未来が待っていると思うので。

--言葉に重みがある。

一同:(爆笑)

Interviewer:平賀哲雄
Photo:下山春香

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