2021/03/16
ドレイクの新曲「What’s Next」がNo.1デビューを飾った、今週の米ビルボード・ソング・チャート。
「What’s Next」は、2021年3月5日にサプライズ・リリースされた3曲入りのEP『スケアリー・アワーズ2』のリード曲で、初週4,910万再生を記録してストリーミング・ソング・チャートでも同1位に初登場した。デジタル・ソング・セールス・チャートでは、19,000を売り上げて3位にデビュー。ラジオのオンエア数も好調で、1週目にして1,190万回と好記録を打ち出している。
同EPに収録された「Wants and Needs feat.リル・ベイビー」は2位に、「Lemon Pepper Freestyle feat.リック・ロス」も3位にそれぞれ初登場して、今週はTOP3をドレイクが独占した。同じアーティストによる楽曲がTOP3を独占したのは、ビートルズ(1964年)、アリアナ・グランデ(2019年)に続く歴代3組目だが、ランクインしたタイトルが全て初登場曲というのは歴代初の記録。1位と2位がそれぞれ別アーティストによる初登場曲というケースはいくつかあるが、同じアーティストによる楽曲で全て初登場曲というのは前例がない。
「Wants and Needs」は、初週4,150万再生を記録してストリーミング・ソング・チャートでも2位に、17,000を売り上げてデジタル・ソング・セールス・チャートでは4位にデビューした。「Lemon Pepper Freestyle」も、ストリーミング・チャートで3位(3,210万再生)、セールス・チャートで5位(15,000ダウンロード)に続いている。
Hot 100におけるドレイクの首位獲得数は通算8曲目で、TOP10のランクイン数は45曲に、TOP40のランクイン数を119曲に、100位内にランクインしたタイトルは231曲に、それぞれ歴代最多記録を更新。ゲストのリル・ベイビーはTOP10のランクイン数を6曲目に、リック・ロスはドレイクとコラボレーションした2019年の「Money in the Grave」(7位)以来2年ぶり、2曲目のランクインを果たした。
ドレイク首位獲得曲
2010年 リアーナ「ホワッツ・マイ・ネームfeat.ドレイク」(1週)
2016年 リアーナ「ワークfeat.ドレイク」(9週)
2016年 「ワン・ダンスfeat.ウィズキッド&カイラ」(10週)
2018年 「ゴッズ・プラン」(11週)
2018年 「ナイス・フォー・ホワット」(8週)
2018年 「イン・マイ・フィーリング」(10週)
2020年 「トゥージー・スライド」(1週)
2021年 「What’s Next」
そのうち、「ゴッズ・プラン」、「ナイス・フォー・ホワット」、「トゥージー・スライド」は1位に初登場したタイトルで、今週「What’s Next」がNo.1デビューしたことでその記録を4曲に更新した。初登場1位獲得曲を4曲以上もつアーティストは、昨年5曲に更新したアリアナ・グランデがいるが、男性アーティストとしては歴代最多記録となる。また、TOP10に初登場したタイトル数を今週で通算30曲に、こちらも歴代最多を塗り替えた。
ドレイクの首位獲得総週は51週目で、男性ソロ・アーティストとしてはアッシャーの47週を上回る歴代最多となる。全てのアーティストを含めると、マライア・キャリー(84週)、リアーナ(60週)、ビートルズ(59週)に続く4番目の記録。
「What's Next」は、R&B/ヒップホップ・ソング・チャートとラップ・ソング・チャートでもそれぞれ1位に初登場し、首位獲得記録をいずれのチャートも歴代最多の22曲に更新した。ストリーミング・ソング・チャートでは10曲目の首位獲得で、TOP10入りは51曲目となる。
続いて4位には、ブルーノ・マーズとアンダーソン・パークによるコラボ・プロジェクト=シルク・ソニックのデビュー曲「リーヴ・ザ・ドア・オープン」が初登場した。上位4曲が全て初登場曲というのも、歴代初の記録。ブルーノ・マーズにとっては通算17曲目のランクイン、アンダーソン・パークは初のTOP10入りを果たした。
「リーヴ・ザ・ドア・オープン」は、初週27,000を売り上げてデジタル・ソング・セールス・チャートで2位、2,320万再生を記録してストリーミング・ソング・チャートで4位、2,350万オンエアを記録して、エアプレイ・チャートでは31位にそれぞれデビューした。R&Bソング・チャートでは1位に初登場し、ブルーノ・マーズは3曲目、アンダーソン・パークは初の首位獲得を果たした。
4曲が初登場したことで、初登場から8週連続で首位をキープしたオリヴィア・ロドリゴの「drivers license」は5位にダウン。ストリーミング、セールスはそれぞれ減少しているが、ラジオのオンエア数は7,430万回と高水準を維持し、エアプレイ・チャートで2位から1位に最高位を更新した。登場8週目でエアプレイ・チャートのトップに立ったのは、ジョナス・ブラザーズの「サッカー」(2019年)が記録した7週以来2年ぶりの最速記録で、アーティストにとって初めてランクイン曲としては、メーガン・トレイナーの「オール・アバウト・ザット・ベース」(2014年)が記録した7週以来、6年半ぶりの最速記録となる。
そのエアプレイ・チャートで、今週のAirplay Gainerを獲得したカーディ・Bの「Up」は2位から6位に、ザ・ウィークエンドの「セイヴ・ユア・ティアーズ」は6位から7位にそれぞれ順位を落としたが、各ポイントは安定していて次週以降再浮上が見込める。ザ・ウィークエンドの「ブラインディング・ライツ」は3位から8位にダウンしたが、今週でTOP10のランクイン数を53週に更新し、歴代最長記録をさらに塗り替えた。
Text: 本家 一成
※関連リンク先の米ビルボード・チャートは3月19日以降掲載予定となります。
◎【Hot 100】トップ10
1位「What's Next」ドレイク
2位「Wants and Needs」ドレイクfeat.リル・ベイビー
3位「Lemon Pepper Freestyle」ドレイクfeat.リック・ロス
4位「リーヴ・ザ・ドア・オープン」シルク・ソニック
5位「drivers license」オリヴィア・ロドリゴ
6位「Up」カーディ・B
7位「セイヴ・ユア・ティアーズ」ザ・ウィークエンド
8位「ブラインディング・ライツ」ザ・ウィークエンド
9位「34+35」アリアナ・グランデ
10位「ムード」24kGoldn feat.イアン・ディオール
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