モーガン・ウォレンの『デンジャラス：ザ・ダブル・アルバム』が初登場から7週連続の首位をキープした、今週の米ビルボード・アルバム・チャート。
 
　前週から若干数減少したが、ほぼ横ばいの89,000ユニットを記録して7週目の1位を獲得した『デンジャラス：ザ・ダブル・アルバム』。ユニットの内訳、80,000がアルバム・ストリーミング（SEA）で、週間再生数は1億1079万回を記録。週間ストリーミングも7週連続で1億回を突破する快挙を達成した。一方、アルバム・セールスは31％減少の7,000まで下降している。
 
　Billboard 200史上、カントリー・アルバムが初登場から7週連続で首位をキープしたのは本作『デンジャラス：ザ・ダブル・アルバム』が初の記録で、これまで最長記録を保持していたガース・ブルックスの『果てなき野望』（1992年10月10日から11月14日）を上回り、歴代トップに立った。なお、『果てなき野望』は初登場からの記録は6週どまりだったが、1992年11月28日付チャートで首位に復帰し、非連続で計7週を記録している。
 
　非連続記録を含む7週以上首位を獲得したカントリー・アルバムは、『デンジャラス：ザ・ダブル・アルバム』と『果てなき野望』以外に6作、以下の計8作がある。
 
18週　ガース・ブルックス『ローピン ザ ウィンド』（1991年から1992年）
17週　ビリー・レイ・サイラス『サム・ゲイブ・オール』（1992年）
11週　テイラー・スウィフト『フィアレス』（2008年から2009年）
8週　ガース・ブルックス『ザ・ヒッツ』（1995年）
8週　イーグルス『ホテル・カリフォルニア』（1977年）
7週　ガース・ブルックス『果てなき野望』（1992年）
7週　テイラー・スウィフト『レッド』（2012年から2013年）
7週　モーガン・ウォレン『デンジャラス：ザ・ダブル・アルバム』（2021年）

　カントリーを含む全てのジャンルで初登場から7週以上首位を獲得したのは、2016年5月21日から7月16日までの9週（通算記録は13週） を記録した、ドレイクの『ヴューズ』以来約5年ぶりで、過去5年間では通算8週を記録したテイラー・スウィフトの『フォークロア』（2020年）含む3作のみとなっている。

　続いて2位には、アリアナ・グランデの『ポジションズ』が先週の9位から7ランクアップして再TOP3入りした。2020年10月30日にリリースされ、翌11月14日から21日の2週首位を獲得した『ポジションズ』だが、今週再浮上したのは、2月19日に5曲を追加したデラックス盤がリリースされたため。アルバムに収録された「34+35」は、リミックスの効果で、先週のソング・チャート“Hot 100”で2位に最高位を更新。同曲のヒットもあり、今週は66％増加の49,000までユニット数を上昇させている。
 
　『ポジションズ』のように新曲は追加されていないが、パッケージや価格帯が異なるエッセンシャル・エディションを同2月19日にリリースしたBTSの『BE』が、その効果を受けて254％増加の36,000ユニットを獲得し、先週の74位から7位にTOP10復帰を果たしている。2月12日に未発表曲6タイトルを追加したデラックス盤『ザ・ムーンライト・エディション』として再リリースしたデュア・リパの『フューチャー・ノスタルジア』も、先週21位から7位にTOP10入りし、今週も8位に引き続きランクインしている。

Text: 本家 一成

※関連リンク先の米ビルボード・チャートは、3月5日以降掲載予定となります。

◎【Billboard 200】トップ10
1位『デンジャラス：ザ・ダブル・アルバム』モーガン・ウォレン
2位『ポジションズ』アリアナ・グランデ
3位『シュート・フォー・ザ・スターズ、エイム・フォー・ザ・ムーン』ポップ・スモーク
4位『ザ・ボイス』リル・ダーク
5位『Shiesty Season』Pooh Shiesty
6位『アフター・アワーズ』ザ・ウィークエンド
7位『BE』BTS
8位『フューチャー・ノスタルジア』デュア・リパ
9位『ホワット・ユー・シー・イズ・ホワット・ユー・ゲット』ルーク・コムズ
10位『マイ・ターン』リル・ベイビー