2021/02/25
英国のロイヤル・アルバート・ホールの開館150周年を祝う90秒のショート・ムービーが公開され、ザ・ローリング・ストーンズのミック・ジャガーがナレーターを務めている。
2021年2月23日に公開された、『Your Room Will Be Ready』と題された動画でミックは、W・H・オーデンの1964年の詩「For Friends Only」(友のためだけに)の一部を朗読している。過去にボブ・ディランや故ジミ・ヘンドリックスをはじめ、フー・ファイターズ、イギー・ポップ、アデルなど、各時代を代表する大物アーティストや政治家、有名人らがそのステージに立った歴史的会場は、新型コロナウイルスのパンデミックの影響で約1年も静けさに包まれている。
トム・ハーパー監督による動画は、スティーブン・プライスによるエモーショナルな音楽に乗せて静まり返った建物を映し出しながら、「Empty and silent most of the year, this room awaits from you what you alone as visitor can bring」(一年の大半は空っぽで静かなこの部屋は、訪問者である君だけがもたらすことができる何かを待っている)と、まるでこの状況を予見したかのような詩の一節で始まる。ここへ、建物そのものの記憶であるかのように、過去のライブ映像や熱狂する観客の姿が次々と現れる。
上記アーティストのほかにも故ジョージ・マイケル、ダイアナ・ロス、クリーデンス・クリアウォーター・リバイバル、クイーンの故フレディ・マーキュリー、エリック・クラプトン、ザ・フーなどのパフォーマンス映像のモンタージュが流れる中、ミックは、「Distance and duties divide us,/But absence will not seem an evil/ If it make our re-meeting/ A real occasion. Come when you can:/ Your room will be ready」(距離と務めが僕たちを分け隔てようとも、不在を悪とは思わない、それが我々の再会をとても特別な出来事にしてくれるのなら。 可能な時に来てくれ、君の部屋を準備しておく)と朗読している。
ミックはコメントで、「1960年代にストーンズとして(ロイヤル・アルバート・ホールで)パフォーマンスをした素晴らしい思い出がいくつかある。熱狂的なファンがステージに乱入してショーが中断しそうになるなど、少し手に負えなくなりそうなことが1度か2度あったけれど、俺たちはそのまま続けて最高の時を過ごした」と振り返り、「ロイヤル・アルバート・ホールは、間違いなく世界最高のコンサート会場の一つだ」と述べている。
画面に映る映像には、1969年のヘンドリックス、2016年の故クリス・コーネル(サウンドガーデン)、そして1933年にアルベルト・アインシュタインが行ったナチスを非難する演説など、これまで未公開だったものも含まれている。動画の最後には、“We’ve missed you”(君に会えなくて寂しかった)とシンプルに表示される。
ロイヤル・アルバート・ホールの本格的再開がいつになるのかはまだ発表されていないが、今週発表された英国の新たなガイドラインによると、5月17日から人数制限をかけながら屋内イベントなどが再開され、6月21日以降にさらに規模が拡大される見通しとなっている。
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