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2020/11/06

<ライブレポート>THE YELLOW MONKEY、ドームツアー【30th Anniversary LIVE】の幕開け「ファンと共に歩んできたバンドです」

 THE YELLOW MONKEYが11月3日、東京ドームで【30th Anniversary LIVE -DOME SPECIAL-】を開催した。

 3月にバンドキャリア史上最大規模となるドームツアー【THE YELLOW MONKEY 30th Anniversary DOME TOUR】の東京ドーム公演の延期を発表したTHE YELLOW MONKEY。今回新たに発表された【30th Anniversary LIVE】は、全4公演での実施が計画された。そして、ツアーの初日となる東京ドーム公演は、約3時間に25曲を演奏するというボリュームに加え、有観客、ライブストリーミング、WOWOW生中継のハイブリッド公演としても開催。ここでは、結成30周年を迎えた彼らの、新たな歴史の一夜となった様子を紹介していきたい。

 公演はメモリアルなVTRから始まった。今までの公演やリハーサルの様子などが収められたものだ。そして、大きな拍手に迎えられてメンバーが登場すると、ロックバラード「真珠色の革命時代~Pearl Light Of Revolution~」で幕開け。序盤から観客全員が立ちながら手拍子を送り、一体感が生まれていく。続いて「追憶のマーメイド」や「SPARK」と疾走感溢れるチューンでは、吉井の甘い歌声が観客の心を掴んでいく。最初のMCで「ちゃんと満員だ」と吉井が安堵すると、「俺たちも思いっきり楽しみたいと思います。最後までよろしく!」と意気込みを熱く宣誓した。

 今回の公演では、ステージ上にモニターが多数配置されており、視覚的にも楽しむことができた。「Balloon Balloon」ではモノクロのエフェクトを取り入れ、グランジなギターリフから始まる「Tactics」では、メンバーの顔だけでなく、足元や後ろ姿なども映し出され、ライブの臨場感を生み出していた。また、エマがリバーブの効いたギターソロを会場に轟かせてから始まった「球根」では、ヒーセの重圧感のあるベースラインもひしひしと体に伝わってきた。

 ここで、メンバーがステージ上に設置された花道を通って、センターステージに移動。「30年の歩みを奏でたいと思います」と言って、「花吹雪」や「Four Seasons」を披露した。途中、吉井が「楽しんでる? 大丈夫?」と問いかけると、観客が歓声に代わって大きな拍手をメンバーに届ける。アップテンポでブギーな一曲「Foxy Blue Love」を届けると、メンバーの背後には過去のライブ映像が映し出された。続いてインディーズ時代のアルバム『Bunched Birth』から「SLEEPLESS IMAGINATION」を披露。そして、吉井の力強いボイスが会場全体に響く「熱帯夜」では、客席で観客によるウェーブも繰り広げられ、ライブはさらに白熱していく。

 中盤のMCでは、2001年の解散から時を経て2016年に復活したことや、ツアーのこと、19年ぶりのフルアルバム『9999』の発売についてなどを振り返る。様々なことがありつつも、東京ドーム立つことができたTHE YELLOW MONKEY。「(ライブを)見て、体験してもらってありがとうございます」と吉井は心から感謝を告げる。「イエローモンキーのロックンロール聴いてください」と発すると、バンドの代表曲ともいえる「JAM」を披露。二番サビでは歌唱を客席に委ね、観客の心の歌声を吉井は上を見上げながら受け止めた。さらに、観客一人ひとりに配られたLEDも赤く会場を包み込む。

 「天道虫」、「パンチドランカー」、「Love Communication」とアップテンポなナンバーで後半戦に向かってエンジンをかけたあとは、「色んなことがありましたけど、ファンと共に歩んできたバンドです」と改めて感謝を伝え、哀愁の漂う「バラ色の日々」へと繋ぐ。今回、THE YELLOW MONKEYは昨今の状況を鑑みて、どんな形でもライブに参加できるよう『Sing Loud!あなたの声をメンバーへ、会場へ。』を実施。事前に歓声や歌声を募集し、会場で響かせるという参加型企画だ。会場で声が出せない代わりに、この事前に集めた歌声は会場で流し、それを聴いた吉井は「ありがとう、愛してます」と心の叫びを伝えた。

 その後の「SUCK OF LIFE」では、間奏には吉井がマスクをし、エマのギターにタッチする演出を見せ、「THE YELLOW MONKEY IS MY LIFE」と叫び、笑顔で締めくくった。本編最後となった楽曲は、3月にリリースされた配信シングル「未来はみないで」。中止となったドームツアーに向けて制作された、THE YELLOW MONKEYの“シーズン2”のラストを飾る楽曲だ。切なさもあるが、前向きなそのストーリー性溢れる歌詞で、会場を優しく包み込んでいく。

 大拍手の中、再登場したメンバーたち。アンコールは「楽園」で幕を開けた。ヘビーなギターサウンドが特徴的な「ALRIGHT」では、吉井が30年来のメンバーたちの紹介を入れていく。続く「悲しきASIAN BOY」では、会場全体に紙吹雪が舞い、その上で吉井が大の字で寝転ぶ姿が印象的だった。パワフルな楽曲で駆け抜け、ラストは「プライマル。」で終了。

 なお、THE YELLOW MONKEYはライブに参加してくれたファンに向けて、新たな「Live Loud」の参加型企画を打ち出した。ナゴヤドーム、京セラドーム、東京ドームの3公演からファンが愛する楽曲を選び、その投票の結果を受けて、20年ぶりのライブ・アルバムとして形にするというのだ。11月7日の横浜アリーナ公演日の正午から、投票ページがオープンする。収録内容は、バンド結成日である12月28日の日本武道館での公演後に発表される予定だ。

Text by Tatsuya Tanami
Photo by 横山マサト


◎公演情報
【30th Anniversary LIVE-DOME SPECIAL-】
2020年11月3日(火・祝)東京ドーム
<セットリスト>
1.真珠色の革命時代~Pearl Light Of Revolution~
2.追憶のマーメイド
3.SPARK
4.Balloon Balloon
5.Tactics
6.球根
7.花吹雪
8.Four Seasons
9.Foxy Blue Love
10.SLEEPLESS IMAGINATION
11.熱帯夜
12.BURN
13.JAM
14.メロメ
15.天道虫
16.パンチドランカー
17.Love Communication
18.バラ色の日々
19.SUCK OF LIFE
20.パール
21.未来はみないで
22.楽園
23.ALRIGHT
24.悲しきASIAN BOY
25.プライマル。

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