2020/10/21 15:45
来年に入っても新型コロナウイルスがヨーロッパのコンサート・ビジネスに影響を与えるのではないかという懸念が高まっていることを示す兆候として、ドイツの大手コンサート・プロモーターのセンメル・コンサートが、ハンス・ジマーの24日間に及ぶヨーロッパ・ツアーを2021年初めから2022年の初めに延期した。
2021年2月に始まる予定だったこのツアーは、2022年2月13日にチェコ共和国の首都プラハで始まり、4月12日のオーストリアの首都ウィーン公演まで続く。ハンス・ジマー、バンド、オーケストラと合唱団は、ドイツ、ベルギー、フランス、イギリスを含む12か国での演奏を予定している。
ドイツ・ベルリンが本拠地のセンメル・コンサートは、ヨーロッパにおける地方および国間での規制の足並みが揃わないことを非難し、「世界中の国や都市によって安全ガイドラインが異なるため、2021年2月から始まるヨーロッパ・ツアーのルートに対して筋道が立った合理的な解決策を実施することは不可能です」と説明した。
ハンス・ジマーは声明で、「私たちは、これがあなたと私たち全員にとって素晴らしく、安全なライブ・ツアーを提供する唯一の方法であると確信しています」と述べた。
ドイツは他のヨーロッパ諸国と同様に、過去数週間にわたり新型コロナウイルスの新たな波に見舞われ感染者数が急増しており、新たなロックダウン措置と数十以上の公演のキャンセルや延期につながっている。ここ数日で感染の増加が加速しており、米疾病管理予防センターに相当するドイツのロバート・コッホ研究所によると、9月上旬以降高齢者層の症例の割合が再び増加している。
10月19日時点で、ドイツでは36万6000人以上の新型コロナウイルスの症例が確認され、9780人以上が死亡している。
センメル・コンサートのCEOであるディーター・センメルマンは、ドイツのプロモーターは15万件以上のコンサートを2020年から2021年に延期することを余儀なくされていると米ビルボードに語った。センメル・コンサートだけでも、約200万枚のチケットに相当する約1500件のコンサートを2021年に延期している。
ハンス・ジマーのツアー延期の例は、新型コロナウイルスの新たな感染事例の頻発が、ライブ・シーンを来年再開させる能力についてのプロモーターの算段を変えたとセンメルマンは言う。
「特に来年前半はヨーロッパを巡るツアーは無理だろう。おそらくドイツ国内は可能かもしれないが、ヨーロッパを回るツアーは行えないと思う」と説明した。
ドイツ生まれのハンス・ジマーは、ブロードウェイの公演や映画『グラディエーター』や『ダークナイト』三部作のような大ヒット映画を含む200以上の映画プロジェクトのスコアを担当し、これらの映画の興行収入は世界中で280億ドル(約2兆9500億円)以上になるとセンメルは言う。今年の初めに、ハンス・ジマーは、ボンド・シリーズ最新作『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』のスコアを手掛けている。
As much as I would have loved to tour across Europe next year with @HansZimmerLive, we have made the difficult decision to delay until 2022. This is the only way to offer you and us a safe live tour. All 2021 tickets will transfer – more info at https://t.co/6NciF2REMr. To 2022! pic.twitter.com/tJgig1jKQx
— Hans Zimmer (@HansZimmer) October 19, 2020
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