2020年8月25日、ビルボードライブ東京にて配信ライブ【paris match ONLINE SHOW ～LIVE LOVERS～ from Billboard Live supported by CASIO】が開催された。

　およそ8か月振りのワンマンライブとなる今回のステージは、paris matchのライブサウンドには欠かせない鉄壁の布陣が揃い、観客を迎えたリアルの公演と2ndステージの配信というハイブリットでの開催で、20周年のアニバーサリーをお祝いした。

　注目のオープニングナンバーは、今年4月に配信限定でリリースされ、最新アルバム『ROUND 12』にも収録されている新曲「スターダスト」。青いドレスを軽やかに揺らし、クールな歌声で聴かせるミズノマリの横で、演奏・コーラスに加え、所々軽快な手拍子でも会場を沸かせる杉山洋介。さらにアルバムから「甘い予感」、「恋色の街」の2曲を披露し、曲が終わるたびに会場ではもちろん、コメント欄でも「8888888」と多くの“拍手”が鳴り響いた。

　ここでミズノは「長いようで、あっという間……でも、長かったかな」と20年を振り返る。そして11月には、ミズノが幼いころから聴き親しみ、昔、杉山の前でも披露したことがあるというカーペンターズの「We've Only Just Begun」のカヴァーに加え、未発表曲を含んだ11年ぶりのソロ・アルバム『Salon de Mari Platinum Songs』がリリースされることが発表された。

　ライブ中盤では、20周年とコロナ禍以降の久しぶりのライブであることを記念し、多くの曲を届けたいという思いから、初期のアルバムを振り返るメドレーに突入。終始見事な展開で、全5曲を披露した。ここでミズノは2002年のシングル『Saturday』が11月3日の「レコードの日」にアナログ盤としてリリースされるという嬉しい発表のほか、今回のライブで最新アルバムのレコーディング・メンバーが揃い、音楽を届けることができる喜びを語った。

　終盤に差し掛かると、バラード調の「悲しい夜の過ごし方」を星屑のように煌めく印象的なライティングの中で披露。さらに「Happy?」から「Killing You」で畳み掛け、「最後の曲です！」と始まったのは「Sandstorm」。会場の手拍子とともに、サックスとギターのソロが繰り広げられ、スタイリッシュで華やかなムードをフロアとスクリーンに充満させたまま、ステージは幕を閉じた。

　会場ではアンコールを求める拍手が起こる一方、コメント欄でもアンコールを期待するファンからのコメントが止まらない。再びメンバーが登場し、ミズノが改めて20周年を振り返り「洋介さんとたいちゃん（古澤辰勲）がわたしを拾ってくれたから……」と感謝を口にしつつ、感極まって涙。それに対し杉山は「ミズノさんの声あってこそ」と返す。そして、メンバーやファンへ今までの感謝を伝えた後にはミズノ自身が大切にしているという「ETERNITY」をしっとりと歌い上げた。最後の曲は、盛り上がり必至の「Saturday」。曲が始まると同時にステージ背後のカーテンが開き、東京の煌びやかな夜景が広がる。メンバーも演奏しながら思わず踊ってしまうような高揚感の中、円熟のサウンドで終始会場を魅了した。

　また、アンコールの後、メンバーが横一列に並び観客に挨拶をした際には、ミズノから年末恒例となっている東京・日本橋三井ホールでのライブについて、現在の状況下で悩んでいたが今年も開催することを決定した、というサプライズ発表も飛び出した。

　20年という歴史の中で数々の音楽を生み出してきた彼らが、自らのアニバーサリーを祝うべく新旧を織り交ぜた選曲で届けてくれた真夏の祝祭。同ライブのアーカイブ視聴期間は8月28日23時59分までとなっているので、今後の嬉しいリリースに期待を膨らませつつ、ぜひ引き続き楽しんで欲しい。

Photo：Yuma Totsuka

◎配信ライブ情報
【paris match ONLINE SHOW ～LIVE LOVERS～
from Billboard Live supported by CASIO】
日時：2020年8月25日（火）21:30～
配信会場：ビルボードライブ東京
※視聴可能期間：2020年8月28日（金）23:59まで

＜TICKET＞
オンライン視聴券：¥2,800
チケット購入URL：https://eplus.jp/parismatch-s/
※販売期間：8月28日（金）21:00まで

＜Member＞
Vo：ミズノマリ（paris match)
G,key：杉山洋介（paris match)
G：樋口直彦
B：坂本竜太
Dr：濱田尚哉
Key：堀秀彰
Sax：山本一
Tp：佐々木史郎
Tb：佐野聡
Cho：黒沢綾