2020/08/16
8月17日付のBillboard JAPAN “Top Albums Sales”で、米津玄師の『STRAY SHEEP』が881,576枚を売り上げ首位を獲得した(集計期間2020年8月3日~2020年8月9日)。
『STRAY SHEEP』は前作『BOOTLEG』から約2年10か月ぶりとなる5枚目のアルバムで、「Lemon」「Flamingo」「TEENAGE RIOT」「海の幽霊」「馬と鹿」といったシングルをはじめ、Foorinや菅田将暉へ楽曲提供した「パプリカ」「まちがいさがし」のセルフカバー曲や、アルバムに先行して発表された「感電」を含む15曲が収録されている。
ここでは米津玄師の5作のアルバムの、初週販売枚数と累計販売枚数の比較をSoundScanJapanの販売データを使用し調査してみた。図1(http://www.billboard-japan.com/d_news/image/91064/2)がその結果で、左から右へとリリース順となっている。発売直後の今作のみ初週販売枚数=累計販売枚数であるが、前作『BOOTLEG』は初週販売枚数162,816枚に対して3.9倍近い633,383枚を売り上げており、他の作品も初週販売枚数の3.5倍(『Bremen』)~7.6倍(『YANKEE』)と大きく累計販売枚数を伸ばしている傾向がみてとれ、米津玄師の作品はロング・セールになる傾向が強い事を証明する結果となった。
そして、今作『STRAY SHEEP』は前作『BOOTLEG』が約3年かけて積み重ねてきた633,383枚を遥かに超える881,576枚を初週のみで売り上げる大ヒットとなり、立て続けの良曲の発表や、他アーティストへの楽曲提供やコラボ等、積み重ねてきた活動がしっかりと実を結んだ結果となった。
また、『STRAY SHEEP』の発売週(2020年8月3日~2020年8月9日)と、その前週(2020年7月27日~2020年8月2日)の過去作の販売数がどのように変化するかを調査する事で、『STRAY SHEEP』が過去作に与えている影響を調査してみた。
〇『STRAY SHEEP』の発売週の米津玄師の過去作の販売枚数(かっこ内は発売前週の販売枚数)
『diorama』 686枚 (228枚)
『YANKEE』 921枚 (292枚)
『Bremen』 725枚 (230枚)
『BOOTLEG』 2,088枚 (653枚)
全ての作品が前週と比較し3倍以上の伸びを示している。おそらく、本作から新たにファンとなったリスナーが『STRAY SHEEP』を購入する際に、過去作を一緒に購入しているものと考えられる。米津の楽曲に対する信頼感の高さ故だと言えるだろう。
米津玄師は元々長く売れるタイプのアーティストであり、本稿を執筆しているリリース2週目となっても『STRAY SHEEP』の勢いは衰えていない。空前の大ヒットとなった今作が、どれだけ販売数を伸ばすか注視したい。
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