2020/08/10
テイラー・スウィフトの『フォークロア』が2週目の首位を死守した、今週の米ビルボード・アルバム・チャート。
先週、2020年度最大の週間ユニット846,000を記録し、自身7作目のNo.1デビューを飾った『フォークロア』だが、2週目となる今週のユニット数は前週から84%も減少し、135,000まで落ち込んでいる。そのうち、アルバム・ストリーミング(SEA)が53%減の102,000、楽曲によるユニット数(TEA)は81%減の3,000、アルバム・セールスが95%減の30,000といずれも大幅に下降しているが、特にセールスの急落が目立つ。これは、ファンが初週に購入したグッズのバンドルが激減したことが原因のひとつで、ポップやロック系のアーティストにはよくみられる現象。一方、ストリーミングの強いラップ系のアーティストは、安定したユニット数で上位をキープする傾向にある。
故ポップ・スモークの『シュート・フォー・ザ・スターズ、エイム・フォー・ザ・ムーン』もストリーミングが好調で、登場5週目にして97,000と高ユニット数を維持し、先週の4位から2位に返り咲いている。ジュース・ワールドの『レジェンズ・ネヴァー・ダイ』は3位をキープし、再びTOP3に故人の作品が2作同時ランクインした。『レジェンズ・ネヴァー・ダイ』の週間ユニットは88,000で、こちらも安定したポイントをキープしている。同じラップ系のアーティストでも、ストリーミングが弱ければ上位を維持できず、先週2位にデビューしたロジックの『ノー・プレッシャー』は、それが影響し今週TOP10圏外にランクダウンした。
ジャンル区分はポップでも、R&B寄りだったり若年層に人気のあるアーティストはストリーミングが強く、昨年はビリー・アイリッシュの『ホエン・ウィ・オール・フォール・アスリープ、ホエア・ドゥ・ウィ・ゴー?』や、アリアナ・グランデの『thank u, next』が大ヒットした。先週の10位から7位に再浮上したハリー・スタイルズ『ファイン・ライン』も、新曲「ウォータメロン・シュガー」のヒット効果でストリーミングが上昇し、先週から26%増の39,000までユニット数を伸ばしている。
7位から5位にTOP5復帰したリル・ベイビーの『マイ・ターン』(50,000ユニット)に続き、ダベイビーの『ブレイム・イット・オン・ベイビー』も11位から6位に浮上し、再TOP10入りした。『ブレイム・イット・オン・ベイビー』は、10曲の新曲と「ロックスター」のリミックス計11曲が追加されたデラックス・エディションが8月4日にリリースされ、アルバム・ストリーミングが急上昇。前週から47%増の43,000までユニット数を伸ばしている。『ブレイム・イット・オン・ベイビー』の他、前述の『シュート・フォー・ザ・スターズ、エイム・フォー・ザ・ムーン』や『マイ・ターン』、今週8位にランクインしているガンナの『ワンナ』も、同様の手法でストリーミングを上昇させランクアップした。強豪不在の週にデラックス盤を発表し、最高位を更新したアーティストもいる。
約1年ぶりにTOP10復帰を果たしたのは、ビヨンセによるインスパイアード・アルバム『ライオン・キング:ザ・ギフト』。7月31日にディズニープラスで公開された『ブラック・イズ・キング』のリリース公開を受け、セールスやストリーミングが上昇した。本作も、同日7月31日にリミックスや新曲「ブラック・パレード」を追加したデラックス・エディションが発売されている。これまでの最高位は初登場週である2019年8月3日付チャートで獲得した2位で、首位は逃している。
Text: 本家 一成
※関連リンク先の米ビルボード・チャートは、8月14日以降掲載予定となります。
◎【Billboard 200】トップ10
1位『フォークロア』テイラー・スウィフト
2位『シュート・フォー・ザ・スターズ、エイム・フォー・ザ・ムーン』ポップ・スモーク
3位『レジェンズ・ネヴァー・ダイ』ジュース・ワールド
4位『ハミルトン:アン・アメリカン・ミュージカル』サウンドトラック
5位『マイ・ターン』リル・ベイビー
6位『ブレイム・イット・オン・ベイビー』ダベイビー
7位『ファイン・ライン』ハリー・スタイルズ
8位『ワンナ』ガンナ
9位『ハリウッズ・ブリーディング』ポスト・マローン
10位『ライオン・キング:ザ・ギフト』ビヨンセ
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