2020/07/13
カニエ・ウェストが、2020年11月に行われる米大統領選挙への出馬計画や、新型コロナウイルスに感染していたことなど、4時間にもわたって“とりとめもなく”話したインタビューが先週公開されたが、本業であるMCとして披露したインタビュー関連のフリースタイルが3本公開された。
カニエは、大統領になった場合の具体的な政策的処方などを一切示しておらず、従来のような選挙対策チームもまだ結成されていない。公開されたフリースタイルは、インタビューの補遺として披露された意識の流れ的な内容で、パンデミックや薬物依存、O・J・シンプソン裁判の判決や死刑などに関する自身の思いが荒く表現されている。この中で彼は、民主党の候補として最有力であるジョー・バイデンをディスったかと思えば、つい最近まで支持していたドナルド・トランプ大統領からの決別を宣言し、映画『ブラックパンサー』に登場するフィクションの黒人ユートピア、ワカンダのような政権を作りたいという夢を語っている。
フォーブスが「This is What the Covid's Made」とタイトルをつけた約2分のフリースタイルは、「COVIDリストが引き起こしたもの/これほどまでの憎悪/COVIDリストが引き起こしたもの/これほどまでの苦しみ/暴動が起きるからって俺たちをおとなしくさせようとする(2x)/COVIDが引き起こしたものを見てみろ/この憎悪を/COVIDが引き起こした」と始まっている。
続いて、食生活の改善や本格的な計画が必要だとラップしたあと、「バンカー(掩体壕)に隠れてないで/男らしい男になれよ」と、標的がトランプ大統領ともバイデン候補とも受け取れるディスを放っている。彼はまた、義母クリス・ジェンナーと、彼女の亡くなった夫である故ロバート・カーダシアンなどに向けて、「俺たちはもうすぐビッグになる」と述べ、自身の【サンデー・サービス】シリーズをバチカンで行うと宣言している。
「Thou Shalt Not Kill」と題された2番目の音源では、そのロバート・カーダシアンが弁護を担当した、O・J・シンプソン事件の裁判判決について、「ロバート・カーダシアン/以前/俺はO.J.がやったとか、O.J.はやってないとか言いたいんじゃない/やったのかなんて/俺には分からない/俺に分かることは、父親の家に住んでいた頃に/あの判決が下されるところを見て/黒人として、俺たちは皆あれを勝利だと感じた/黒人が無実の罪で起訴され/死刑判決を受けてきたことへの報いとして」と、ラップというよりは途切れ途切れに話し、死刑に反対する姿勢や、小学校で祈りの時間を復活させるべきだなどと主張している。
3番目のフリースタイル「This is Earth」では、地上の土を表す“dirt”という単語をネガティブな意味で使ってしまっていることを神に謝罪し、アウトサイダー・アーティストであるダミアン・ハーストをシャウトアウトし、処方薬への依存に苦しんできた過去が語られている。「やつらは俺たちに集中させようとする/やつらは痛みに影響しようとする/狙いを教えてくれ/特典(perks)がたくさんある/俺は“percs”に依存していた」と彼はラップし、「薬物依存/悪魔にとっては役に立つ/バカがたくさんいる/痛みを与える時だ/違う、愛を与える時だ」などと続けている。
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