2020/07/11 11:00
今週の洋楽まとめニュースは、カニエ・ウェストに関する話題から。2020年7月4日の米独立記念日に、11月に行われる米大統領選挙への立候補を表明したカニエが、翌日から早速#2020VISIONキャンペーンを開始した。立候補を表明したツイートで彼は、「我々は今、神を信頼し、ヴィジョンを統一し、未来を築くことにより米国の可能性を実現しなければならない」と綴っていたが、テーマの一つである“未来を築く”と関連してか、5日に彼は「YZY SHLTRS(YEEZYシェルター)進行中 #2020VISION」とキャプションをつけ、建設中の斬新なドーム状の建物の写真を投稿した。写真の建物の建設場所は明記されていないが、彼は2019年にも似たような建物を米カリフォルニア州カラバサスで建設していたが、建設に必要な許可をロサンゼルス郡公共事業部から得るための期限に間に合わなかったため、プロトタイプ住居とみられる建造物は取り壊されたとCNNが伝えていた。
カニエ・ウェスト、米大統領選挙への立候補を表明 “YZY SHLTRS”と名付けた建築物を公開
一部の自宅隔離命令が全米で緩和される中、ニールセン・ミュージック/MRCデータによる新型コロナウイルス調査第5弾の結果で、消費者は屋外でより多くの時間を過ごし、ソーシャル・メディア、テレビ、ビデオゲームなどに費やす時間が少なくなったことが分かった。また、近いうちにライブ・イベントに行くことにますます興味を持っており、経済活動再開でショップが営業したことで音楽の売り上げが大幅に増加。そして、何万人もの米国人が参加したBlack Lives Matter (ブラック・ライヴズ・マター、黒人の命は重要)の抗議活動により、オーディオとビデオのストリーミングは著しく落ち込んだが、通常時まで回復している。特にカントリー・ミュージックは上昇を続けており、パンデミック開始以来、オーディオ・ストリーミングは毎週13%の著しい利益を上げた。
音楽ストリーミングと売り上げは回復、コンサートは追随するか? 最新米調査発表
7月9日、米ロサンゼルス市警察(LAPD)が、ポップ・スモークの殺害事件に関与した疑いで5人を逮捕をしたことを発表した。罪状は明らかになっていない。LAPDの公式Twitterアカウントには、「ニューヨークを拠点にするラッパー、ポップ・スモークとして知られるBashar Jacksonの2月19日の殺害事件に関して、LAPDの刑事は成人男性3人と未成年の少年2人を逮捕しました」と綴られている。米ロサンゼルス郡検死局によると、当時20歳だったポップ・スモークことBashar Barakah Jacksonは、2月19日に米ハリウッド・ヒルズの自宅で胴体の銃創により亡くなった。彼は2019年に『Meet the Woo』、2020年に『Meet the Woo 2』と題された2作のミックステープを発表。ニッキー・ミナージュとスケプタとのコラボ・シングル「Welcome to the Party」、「Christopher Walking」や「Dior」で知られていた。また、トラヴィス・スコットの『JACKBOYS』に収録された「Gatti」で自身初の米ビルボード・ソング・チャート“Hot 100”入りを果たしている。
さて、今週の米ビルボード・ソング・チャートでは、ダベイビーの「ロックスターfeat.ロディ・リッチ」が通算4週目の首位をキープした。前週から15%増加の4,370万再生を記録して、ストリーミング・ソング・チャートでは7週目の1位をキープ。ストリーミングが上昇したのは、6月26日に公開されたミュージック・ビデオの再生回数が好調だったためで、YouTubeの公式チャンネルでは、公開1週間で2,000万再生を突破している。また、28日にヴァーチャルで開催された【BETアワード】でのパフォーマンス効果も主要ポイントに反映したようで、エアプレイ・チャートで前週比16%増の4,600万回を記録して12位から10位に上昇している。先週8位にTOP10入りしたジャック・ハーロウの「ホワッツ・ポッピン」は、一気に順位を上げ2位に上昇。前週比72%増の3,410万再生を記録して、ストリーミング・ソング・チャートでも5位から2位にTOP3入りを果たしている。「ホワッツ・ポッピン」が急上昇したのは、6月24日にリリースされたリミックスの効果が大きく、ダベイビー、リル・ウェイン、トーリー・レインズの3者が参加している。
【米ビルボード・ソング・チャート】ダベイビー&ロディ・リッチ首位キープ、ジャック・ハーロウが2位へ上昇
そしてアルバム・チャートでは、ル・ベイビーの『マイ・ターン』が5週目の首位をキープした。先週とほぼ同数の70,000ユニットを獲得して、首位復帰の6月20日付チャートから4週連続、初登場した3月14日付チャート含む5週目の1位を記録したことになる。2020年度ではロディ・リッチの『プリーズ・エクスキューズ・ミー・フォー・ビーイング・アンチソーシャル』と、ザ・ウィークエンドの『アフター・アワーズ』の各4週を上回る、首位獲得週最長記録だ。しかし、今週もTOP10に新しくランクインした作品はなく、『マイ・ターン』は6月20日、6月27日付チャートに続く、3週目の新作不在での首位獲得となった。週間ユニット数も、6月20日付チャートで本作が記録した65,000ユニットに次ぐ2番目に低い記録で、5週目の首位獲得は強豪不在ということが主な理由として挙げられる。先週の56位から2位にジャンプアップしたのは、リル・ダークの『Just Cause Y'all Waited 2』。6月26日に7曲を追加したデラックス・エディションがリリースされたためと考えられるが、今年は発売から数週間~数か月後に新曲を追加して再リリースするのがラップ・アルバムの主流になっていて、1位の『マイ・ターン』も、5月1日に6曲を追加したデラックス盤をリリースし、再ヒットに繋げた。
【米ビルボード・アルバム・チャート】リル・ベイビー5週目のNo.1、リル・ダークが2位へ急上昇
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