2020/06/18
故アヴィーチーの代表曲「ウェイク・ミー・アップ」が、2020年6月17日で発売からちょうど7年が経った。今やダンス・ミュージックの定番で、アヴィーチーの死から2年あまりが経った今も人々に愛され続けている楽曲だが、リリースの3か月前に彼が【ULTRA 2013】で初披露した際、そのユニークさに観客がついて来れず、ブーイングが巻き起こったのは有名な話だ。
昨年、ボーカリストのアロー・ブラックはSPINのインタビューで、「【ULTRA】でパフォーマンスをした時、とにかく居心地が悪かった。音響スタッフですらどうすればいいのか分かっていなかったんじゃないかな。あのフェスのほかの出演者は、キャノン砲や特殊効果を使ったり、半裸の女性ダンサーたちをステージで踊らせてた。そこへティム(アヴィーチーの本名)が、ドラムやバンジョー、フィドル、ギター、そして3人のシンガーを連れて登場したわけだから」と当時を振り返っている。
その夜、ブラックと共作者のマイク・アインジガーがステージ後のアヴィーチーにパフォーマンスがうまくいかなかったのかと尋ねたところ、彼は、「観客はあとで分かるようになるから心配するな」と答えたそうだ。
アヴィーチーの読みは正しかった。ダンス/ポップ/カントリーの境界線を曖昧にした「ウェイク・ミー・アップ」は、彼自身のカタログで最もよく知られた楽曲の一つになっただけでなく、EDM時代を象徴するアンセムとなった。米ビルボード・ソング・チャート“Hot 100”で4位を記録、2013年のイヤーエンド・チャートでは13位でフィニッシュした。また、ダンス/エレクトロニック・ソングス・チャート“Hot Dance/Electronic Songs”で26週首位に君臨し続けたことから、その後ザ ・チェインスモーカーズの「クローサー feat. ホールジー」(27週)に破られるまでは最多記録を保持していた。
この楽曲がチャートに旋風を巻き起こしていた2013年秋、アヴィーチーとナイル・ロジャースに米ビルボードがインタビューしていた。この時アヴィーチーは「ウェイク・ミー・アップ」について、「僕はずっといい曲だと思っていたよ。楽曲に対する自分自身の判断を信じていたというか、人々があれを聴きさえすれば、少なくとも僕のファンが聴いて、カントリーだってことを乗り越えてくれれば(大丈夫だと思っていた)。楽曲を信じていたんだ。これまでの作品で一番だと思っていたから」とコメントしていた。
アヴィーチーと共作中だったロジャースは、リリース前に楽曲を聴かせてもらった際、「カントリーのマーケットに大きな影響を与えるかもしれないダンス・レコードを出すなんて、統計的にも芸術としても大胆だと思ったし、これがハマればダンス・ミュージックとして次のレベルに進むだろうと思った」と絶賛している。
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