2020/06/08 09:30
レディー・ガガの新作『クロマティカ』が自身6作目のNo.1デビューを果たした、今週の米ビルボード・アルバム・チャート。
本作は、2018年10月にリリースした主演映画『アリー/スター誕生』のサウンドトラックから1年半、オリジナル・アルバムとしては、2016年10月発表の5thアルバム『ジョアン』から約3年半ぶりとなる復帰作。Billboard 200での首位獲得は、『アリー/スター誕生』を含む通算6作目で、最高2位を記録したデビュー作『ザ・フェイム』(2008年)以外すべてのアルバムが、首位を獲得している。
2008年 『ザ・フェイム』2位
2011年 『ボーン・ディス・ウェイ』1位
2013年 『アートポップ』1位
2014年 『チーク・トゥ・チーク』1位
2016年 『ジョアン』1位
2018年 『アリー/スター誕生』1位
2020年 『クロマティカ』1位
6作を首位に送り込んだ期間としては、テイラー・スウィフトが保持していた10年9か月を下回る、女性アーティストの歴代最短記録を更新(9年と2日)。男性アーティストを含めると、それより短い期間で6作以上1位を獲得したアーティストが計11組いる。
アルバム・チャートで6作首位を獲得した女性アーティストは、レディー・ガガの他、ビヨンセ、マライア・キャリー、ブリトニー・スピアーズ、テイラー・スウィフトの4組がいる。歴代最多はバーブラ・ストライサンドの11作で、続いてマドンナの9作、ジャネット・ジャクソンの7作が上位3組。全てのアーティストを含めると、計19作を記録したザ・ビートルズがトップ。
『クロマティカ』の初動ユニットは274,000で、そのうちアルバム・セールスが205,000、アルバム・ストリーミングによるユニット(SEA)が65,000、楽曲単体によるユニット数(TEA)は4,000だった。全体の約75%を占めたセールスには、公式ウェブサイトで販売されたグッズのバンドルや、夏に開催予定のライブ・チケットの償還、パッケージ・セールス等が含まれる。
アルバムの初週ストリーミングは8,716万回で、今年リリースされたポップ・アルバムの週間最高視聴回数を打ち出した。なお、2020年度(2019年12月~)としては、ハリー・スタイルズの『ファイン・ライン』が2019年12月28日付チャートで記録した1億8,700万回が、ポップ・アルバムの週間最高ストリーミングとなる。全てのジャンルを含むと、3月21日付チャートでリル・ウージー・ヴァートの『エターナル・アテイク』が記録した4億4,000万回が、現時点での週間最大ストリーミング。
2020年に発売されたアルバムとしては、ザ・ウィークエンドの『アフター・アワーズ』(444,000)、BTSの『Map of the Soul:7』(422,000)、リル・ウージー・ヴァートの『エターナル・アテイク』(288,000)、エミネムの『ミュージック・トゥ・ビー・マーダード・バイ』(279,000)に続く5番目に高い初動ユニット数で、女性アーティストとしては最高記録となる。今年首位を獲得したアルバムは18作あるが、そのうち男性ソロ・アーティストが14組、男性グループが2組、女性アーティストは、セレーナ・ゴメスの『レア』と、本作『クロマティカ』の2作のみ。
アルバムの発売1週間前にリリースした先行シングル「レイン・オン・ミー with アリアナ・グランデ」は、先週のソング・チャート“Hot 100”でNo.1デビューを飾り、アルバムのプロモーションに繋げた。
続いて2位には、ベテラン・シンガーソングライター=ジミー・バフェットの新作『ライフ・オン・ザ・フリップ・サイド』が初登場。本作は、2013年リリースの前作『ソングス・フロム・セント・サムウェア』(最高4位)から7年、通算29枚目のスタジオ・アルバムで、TOP10入りは12作目のランクイン。そのうち、2004年リリースの25thアルバム『ライセンス・トゥ・チル』のみ首位を獲得している。
『ライフ・オン・ザ・フリップ・サイド』の初動ユニットは75,000で、そのうちアルバムの実売が74,000とセールスがユニット数のほとんどを占めた。売上には、コンサート・チケットのバンドルが含まれているが、新型コロナウイルスの影響により、当初スタート予定だった5月16日から7月に延期が発表されている。
上位2組がR&B/ヒップホップ以外のタイトルで独占したのは、今年の1月4日付チャートでハリー・スタイルズとマイケル・ブーブレが獲得して以来、約5か月ぶりとなる。
8位にデビューしたのは、プエルトリコ出身のラテン・シンガー/ラッパーのアニュエルAA。本作『エマニュエル』は、2018年リリースのデビュー作『Real Hasta la Muerte』から2年ぶり、2作目のスタジオ・アルバムで、前作の44位から一気に飛躍し、自身初のTOP10入りを果たした。初動ユニットは39,000で、そのうち36,000がアルバム・ストリーミングによるユニットとジミー・バフェットとは対照的な内訳だった。週間視聴回数は5,580万回を記録している。
そして10位には、エル・P、キラー・マイクによるヒップホップ・デュオ=ラン・ザ・ジュエルズの3年半ぶりとなる新作『RTJ4』が初登場した。本作は、最高13位をマークした前作『ラン・ザ・ジュエルズ3』に続く4枚目のスタジオ・アルバムで、TOP10入りは意外にも本作が初。初動ユニットは38,000で、アルバムの売上が30,000とセールスが8割近くを占めた。売上が好調だった理由として、公式ウェブサイトで販売されたグッズのバンドルが挙げられる。なお、本作は通常の発売日である金曜日の5月29日より5日遅い、6月3日にリリースされた。それを考慮すると、4万近いユニット数を獲得したのは快挙といえる。
Text: 本家 一成
※関連リンク先の米ビルボード・チャートは、6月12日以降掲載予定となります。
◎【Billboard 200】トップ10
1位『クロマティカ』レディー・ガガ
2位『ライフ・オン・ザ・フリップ・サイド』ジミー・バフェット
3位『マイ・ターン』リル・ベイビー
4位『ワンナ』ガンナ
5位『ハイ・オフ・ライフ』フューチャー
6位『ダーク・レーン・デモ・テープス』ドレイク
7位『ザ・ゴート』ポロ・G
8位『エマニュエル』アニュエルAA
9位『ブレイム・イット・オン・ベイビー』ダベイビー
10位『RTJ4』ラン・ザ・ジュエルズ
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