2012/12/07
第55回グラミー賞ノミネーションがついに発表され、テイラー・スウィフト、カーリー・レイ・ジェプセン、ファン.などが複数部門にノミネートされ話題となっているが、今年は60~70年代から音楽シーンを牽引してきた大御所アーティストが軒並み新作を発表、それらが各ジャンルの最優秀アルバムにノミネートされていることも見逃してはならない。
まずはロック部門。説明不要、ロック界の“ボス”ことブルース・スプリングスティーンが今年3月に発表し、昨年他界したEストリート・バンドの盟友クラレンス・クレモンズ最後のサックス・ソロが収録されたことでも話題となった『レッキング・ボール』が最優秀ロック・アルバム賞にノミネート。リード曲の「ウィ・テイク・ケア・オブ・アワ・オウン」は最優秀ロック・パフォーマンス賞と最優秀ロック・ソング賞にもノミネートされている。そして、最優秀オルタナティヴ・ロック・アルバム賞には、昨年ロックの殿堂入りを果たした孤高の天才詩人、トム・ウェイツがキース・リチャーズやレッド・ホット・チリ・ペッパーズのフリーらをゲスト迎えて制作した7年振りのスタジオ・アルバム『バッド・アズ・ミー』がフィオナ・アップル、ゴティエなどと並びノミネート。
続いて、ニューオーリンズ音楽の“生き証人”としてトム・ウェイツとならび昨年ロックの殿堂入りを果たしたドクター・ジョンの最新作『ロックト・ダウン』も、最優秀ブルース・アルバム賞にノミネート。ここ数年ですっかり音楽賞の常連となったブラック・キーズのダン・オーバックをプロデューサーに迎えた同作では、転がるようなピアノを封印しブードゥ的なオルガン&ヴォーカルを披露。世代を超えたコラボレーションにより、デビュー作『グリ・グリ』のような怪しく濃厚な世界観を21世紀に蘇らせ、自身40年以上のキャリアにおいてのビルボード最高位も記録した。
ドクター・ジョン同様、世代を超えたプロデューサーを起用し、レジェンドでありながら今もなお現役であることを証明してみせたのはレゲエ界の偉人ジミー・クリフ。彼を敬愛してやまないパンク・ロック・バンド ランシドのフロントマン、ティム・アームストロングのプロデュースのもと、オリジナルはもちろん、クラッシュ、ランシドのカヴァー曲にも挑戦した7年振りの新作『リヴァース』は最優秀レゲエ・アルバム賞にノミネートされている。
さらに最優秀フォーク・アルバム賞には、レイド・バックしたギター・サウンドに痛烈なメッセージを込め世に放ち続ける“音の旅人”ライ・クーダーがアメリカ政治と大統領選に一石を投じた話題作『エレクション・スペシャル』がノミネートされた。
移り変わりの激しい音楽シーンにおいて、長きにわたり良質な音楽を生み出し、第一線で活躍し続けるレジェンドたちが軒並みノミネートされたアルバム部門各賞の行方にも注目だ。
写真:WireImage
◎ノミネート一覧
ブルース・スプリングスティーン『レッキング・ボール』
最優秀ロック・アルバム賞
ブルース・スプリングスティーン「ウィ・テイク・ケア・オブ・アワ・オウン」
最優秀ロック・パフォーマンス賞
最優秀ロック・ソング賞
トム・ウェイツ『バッド・アズ・ミー』
最優秀オルタナティヴ・ロック・アルバム賞
ドクター・ジョン『ロックト・ダウン』
最優秀ブルース・アルバム賞
ジミー・クリフ『リヴァース』
最優秀レゲエ・アルバム賞
ライ・クーダー『エレクション・スペシャル』
最優秀フォーク・アルバム賞
◎TV放送
「生中継!第55回グラミー賞授賞式」
2013年2月11日(月・祝)午前9:45~ WOWOWプライムにて生中継(同時通訳)
※同日(11日)夜、リピート放送
◎ジミー・クリフ 来日公演
東京公演
2013年3月4日(月)~7日(木)at ビルボードライブ東京
大阪公演
2013年3月8日(金)at ビルボードライブ大阪
More info:
http://www.billboard-live.com
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