2020/05/17 14:00
2020年5月18日付のBillboard JAPAN週間“Top Albums Sales”では、上位100作品中、集計期間(2020年5月4日~5月10日)に発売された作品がわずか2作品という異例の事態となった。
例年、大型連休中には物流倉庫なども休みになるため、この時期に発売される新譜はもともと少ない。それに加え、新型コロナウィルス感染拡大に伴う緊急事態宣言を受けた発売時期の延期が増え、連休の前後も発売される作品が極端に少なくなった結果、多い週であれば上位100作品のうち半数以上を占めることもある新譜が、当週はDIMENSIONの『31』と川井憲次『THE BEST OF "IP MAN" ORIGINAL SOUNDTRACK』の2作品だけとなった。グラフ(http://www.billboard-japan.com/d_news/image/88081/2 )に直近の週の状況を示す。前年の同時期に当たる第18週(2019年4月29日~5月5日)は当週発売新譜が上位100作品中13作品、第19週(2019年5月6日~5月12日)は18作品あったことからも当週がいかに少ないか明らかだ。
この状況で存在感を増しているのが長く愛される作品だ。例を挙げると当週392枚を売上げて46位となった中島みゆき『Singles 2000』(2002年)、297枚を売上げて67位の松任谷由実『日本の恋と、ユーミンと。』(2012年)、296枚を売上げて68位となった大滝詠一『A LONG VACATION』(1981年)などだが、『A LONG VACATION』は3月21日の大滝詠一『Happy Ending』発売によって需要が喚起され、この頃から売上が増え始めるが、新作がだんだんと落ち着いていく一方、『A LONG VACATION』の売上は増えたまま推移し、当週にはついに新作の『Happy Ending』を超えている。これは『A LONG VACATION』に収録されている「君は天然色」が今年もテレビCMに起用されているのに加え、テレビアニメ『かくしごと』のエンディングテーマに採用されたことも理由の一つと考えられる。これまでも数々のCMに使われてきたため、意識せず耳にしていた人も多いだろう。閉塞感の漂う今だからこそ、耳にしたことのある安心感が求められているのかもしれない。
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