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2020/05/04 18:20

【米ビルボード・アルバム・チャート】ヤングボーイ・ネヴァー・ブローク・アゲイン初登場1位、トラヴィス・スコット/ミーガン・ジー・スタリオンTOP10返り咲き

 ヤングボーイ・ネヴァー・ブローク・アゲインの『38 Baby 2』がNo.1デビューを飾った、今週の米ビルボード・アルバム・チャート。

 本作は、2020年3月7日付チャートで2位にデビューした『Still Flexin, Still Steppin』からわずか2か月でリリースされた、通算16作目のミックステープ。首位獲得は2019年10月26日付チャートで同1位に初登場した『AI YoungBoy 2』に続く2作目で、TOP10入りは2018年に最高7位をマークしたデビュー・アルバム『アンティル・デス・コール・マイ・ネーム』含む3作目となる。 7か月以内に3枚のアルバムを1位、2位にランクインさせたのは、2009年にマイリー・サイラスが5か月9日で獲得して以来、約11年ぶりの快挙。

 前作『AI YoungBoy 2』からの首位獲得期間は6か月14日で、ラッパーの記録としてはフューチャーの『Future』(2017年3月11日付)~『HNDRXX』(2017年3月18日付)が打ち立てた7日に次ぐ、歴代2番目の最短記録。全てのアーティストを含むと、フューチャーに続く歴代2番目はBTSが『Love Yourself:Tear』(2018年6月2日)~『Love Yourself:Answer』(2018年9月8日)で打ち立てた3か月6日で、続いてオリビア・ニュートン=ジョンが『If You Love Me, Let Me Know』(1974年10月12日付)~『そよ風の誘惑』(1975年3月15日付)で記録した5か月3日、アリアナ・グランデの『スウィートナー』(2018年9月1日)~『thank u, next』(2019年2月23日)が打ち立てた5か月22日が上位5組となる。

 『38 Baby 2』の初動ユニットは67,000で、そのうちアルバム・ストリーミング(SEA)が63,000、アルバム・セールスはわずか4,000枚だった。アルバムの週間視聴回数は9,690万回で、今週最大のストリーミングを記録している。1位に初登場したアルバムのユニット数としては2020年度最小で、全体的に数字が落ちていることが分かる。なお、歴代最も少ないユニット数で1位にデビューしたのは、2017年10月28日付チャートでNFの『パーセプション』が記録した55,000。2週目以降で10万を下回るケースは度々みられるが、1位にデビューした作品が5~6万台というのは稀。

 ちなみに、今週2位にはダベイビーの『ブレイム・イット・オン・ベイビー』(56,000ユニット)がランクインしているが、タイトルに“ベイビー”が付く作品が上位2作品を占めるのは、歴代初となる。“ベイビー”が含まれるアルバムが同チャート1位を獲得したのは、その2枚の他、U2の『アクトン・ベイビー』(1991年)、ブリトニー・スピアーズの『ベイビー・ワン・モア・タイム』(1998~99年)、ホージアの『ウェイストランド、ベイビー』(2019年)がある。

 週間49,000ユニットを獲得して、リル・ウージー・ヴァートの『エターナル・アテイク』が3位をキープ。ザ・ウィークエンドの『アフター・アワーズ』は、2位から4位にダウンした(48,000ユニット)。5位はリル・ベイビーの『マイ・ターン』(41,000ユニット)、6位はポスト・マローンの『ハリウッズ・ブリーディング』(38,000ユニット)がそれぞれ同位を維持し、上位6作品はR&B/ヒップホップ・アルバムが占めた。7位にランクインしているバッド・バニーの『YHLQMDLG』(34,000ユニット)は、ジャンル区分するとレゲトンやラテンに該当するが、ヒップホップの要素も強いため、今週はTOP10にランクインした全ての作品がR&B/ヒップホップ・アルバムの独占ということになる。

 先週の30位から9位にTOP10復帰したトラヴィス・スコットの『アストロワールド』(28,000ユニット)は、4月23日に開催されたオンライン・ゲーム『フォートナイト』のバーチャル・ショー“Astronomical”の反響によるもの、21位から10位にジャンプアップしたミーガン・ジー・スタリオンの『SUGA』(27,000ユニット)は、ビヨンセをフィーチャーした「サヴェージ」のリミックスがリリースされたことで、ストリーミングが急上昇した。同リミックスは、今週のチャート集計期間が終了する前日の4月29日にリリースされたため、次週も上昇が見込める。

 今週、TOP10に初登場したタイトルはわずか1作。2作を下回るのは2020年2月8日付チャート以来のことで、主な原因は新型コロナウイルスの影響により発売を延期した作品が多数あるため。今週は、カントリー・シンガーのルーク・ブライアンや、女性ポップ・ロック・バンドのハイムが新作をリリースする予定だったが、いずれも延期が発表されている。


Text: 本家 一成

※関連リンク先の米ビルボード・チャートは、5月8日以降掲載予定となります。

◎【Billboard 200】トップ10
1位『38 Baby 2』ヤングボーイ・ネヴァー・ブローク・アゲイン
2位『ブレイム・イット・オン・ベイビー』ダベイビー
3位『エターナル・アテイク』リル・ウージー・ヴァート
4位『アフター・アワーズ』ザ・ウィークエンド
5位『マイ・ターン』リル・ベイビー
6位『ハリウッズ・ブリーディング』ポスト・マローン
7位『YHLQMDLG』バッド・バニー
8位『プリーズ・エクスキューズ・ミー・フォー・ビーイング・アンチソーシャル』ロディ・リッチ
9位『アストロワールド』トラヴィス・スコット
10位『SUGA』ミーガン・ジー・スタリオン

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