2020/04/19
新型コロナウイルスの感染拡大により4月7日に感染者の多い7都府県に出された緊急事態宣言は4月16日には対象が全国に広げられた。
ほとんどのイベントやライブが中止になり、多くの人が外出を控えている現在のような時には、どういったジャンルが購入されるのか、SoundScanJapanのアルバム販売データを用い、ジャンルに着目して調査してみた。
アルバム全ジャンルの売上をグラフ化したものがグラフ1(http://www.billboard-japan.com/d_news/image/87184/2)である。期間はイベントが中止になったりテレワークに切替える人が増え始めた2月中旬から、厳しく外出の自粛が求められている4月中旬の現在までである。各日付は集計の最終日を示している。
濃い黄緑で示すJPOPと薄い黄緑で示すワールドミュージック(KPOPなど)は週によって増減しており、売上の大きさはその週のリリース作品によることがわかる。ちなみに3月1日の週はBTS『MAP OF THE SOUL : 7』が、3月22日の週はジャニーズWEST『W trouble』と三代目 J SOUL BROTHERS from EXILE TRIBE『RAISE THE FLAG』がリリースされている。
JPOP以外のジャンルについて変化を見やすくするためにJPOP抜きでグラフ化したものがグラフ2だ。(http://www.billboard-japan.com/d_news/image/87184/3)水色の洋楽POPはそれほど変化はないもののやや減少傾向、濃い青で示す演歌歌謡曲は絶対数が少ないので見にくいが減少している。演歌歌謡曲は全ジャンル中で唯一、実店舗での売上がEコマースよりも大きい。そのためイベントが中止になったり外出を控えたりするとその影響を一番受けやすいといえる。
ジャズ、クラシックは期間を通じてあまり変化は見られなかった。自宅で過ごす人が増えると売上が増加するのではと予想していたが傾向として見えるほどの違いはなかった。また、サントラ・イージーリスニングは「ミュージカル『刀剣乱舞』 髭切膝丸 双騎出陣2019 ~SOGA~」のリリース週に大きく増加したがその他の週は特に変化はなかった。
3月中旬以降明らかに増えているのは濃いオレンジ色で示すアニメキッズだ。3月29日までの週には『名探偵コナン テーマ曲集 6 ~THE BEST OF DETECTIVE CONAN 6~』がリリースされるなど、元々春休み期間に当たるためアニメキッズ作品のリリースが豊富という事情もあるが、それらを長時間室内で過ごす子供たちのために購入する機会が増えていると思われる。
今回調査した期間においてはアニメキッズの増加以外大きな変化は見られなかったが、今後この状況が長引けば新譜が予定通りに制作できるとは限らないなど、各所に影響が出ることが予想される。ウイルスの流行収束のために改めて自身の行動を見直すとともに一日も早く日常を取り戻せるよう心から願う。
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