2019/12/27
“オレたちのバンド” =ヴィンテージ・トラブルが1月にまたやってくる。少なくとも年に1度は必ず日本でショーをやってくれる彼らだが、ビルボードライブで演奏するのは2017年4月以来、2年9ヵ月ぶりの2度目だ。「かっこいいけど、前にも観たし」「いつものあの感じでしょ?」と高を括っている方にどうこう言うつもりはないが、実際のところ彼らは来るたびに何らかの新機軸を打ち出し、進化の様を我々に見せつけている。
新機軸で魅せるライブの魅力
例えば、2017年からサポートで鍵盤担当のブライアンが加わり、その後彼の重要度はどんどん増していって、バンドの音に艶が出た。タイ・テイラーが1曲トロンボーンを吹くのもちょっとした見せ場になった。全体の構成も変化を見せ、2019年4月のライブは以前のように初っ端からぶっとばすのではなく、ミディアムスローからスタートして横揺れのダンス曲も挿みつつエンジンをかけ、熱狂の渦に巻き込んだあとでまた落ち着かせ……といった具合に緩急の自在度がさらにアップしていた。
そんなヴィンテージ・トラブルは、2018年から作品タイトルの通り“CHAPTER Ⅱ ”……即ち彼らにとっての第2章を印象付ける動きに入っている。初のブギーファンク曲「Do Me Right」や2010年代のラテンポップに寄せたメロディーが哀愁を誘う「Crystal Clarity」(タイがトロンボーンを吹くのはこの曲だ)などを収めたEP『Chapter II - EP I』を2018年11月に発表し、そこでは生々しさを抑えめにして洗練されたダンス~ポップ・サウンドを打ち出した。
ポップな新曲が彩る最新ライブ
そして2019年4月にはEP シリーズ第2弾『Chapter II - EP Ⅱ』を発表。アメリカでホンダのCM に使われたダンス曲「Everyone Is Everyone」や美しいアカペラで始まるポップバラード「How It Is」を収めたそのEP も、ブルーノート期やそれ以前の作風に立ち返ったソウルバラッド「So Sorry」以外は彼らなりの新しさやポップさが強く意識されていたものだった。また同時期にエルトン・ジョンの「Rocket Man」をヴィンテージ・トラブルらしいブルーズロック調にアレンジしてシングル・リリース。9月には哀愁を感じさせるミッドバラッドの新曲「Can't Let Go」もシングル・リリースした。
このように2018年以降は矢継ぎ早に新曲を出しながら、バンドの可能性をどんどん広げていっているヴィンテージ・トラブル。そこからは従来のイメージを打ち破ってとにかく前進するのだという強靭な意志が感じられる。11月から3年ぶりのUS ツアーにも出ているので最高の状態での来日となるし、何しろポップな新曲が豊富にあるので、今回の公演は相当フレッシュな印象をもたらすことになるだろう。
TEXT : 内本順一
◎公演情報
【ヴィンテージ・トラブル】
<ビルボードライブ大阪>
2020年1月20日(月)
1stステージ 開場17:30/開演18:30
2ndステージ 開場20:30/開演21:30
<ビルボードライブ東京>
2020年1月21日(火)- 22日(水)
1stステージ 開場17:30/開演18:30
2ndステージ 開場20:30/開演21:30
詳細:http://www.billboard-live.com/
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