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2019/12/02

坂本龍一も認める逸材、ポン・ジュノ最新作『パラサイト』で音楽を手掛けるチョン・ジェイルとは

今年の【カンヌ国際映画祭】にて、審査員満場一致で最高賞・パルムドールに輝いたポン・ジュノ監督最新作『パラサイト 半地下の家族』が、2020年1月10日より全国で公開される。同映画で音楽を手掛けるのは、坂本龍一もその実力を認める気鋭の音楽家“チョン・ジェイル”だ。そんな彼の経歴を紹介する。

 映画、演劇、ポップミュージックなどの幅広い分野にて、音楽家・歌手・作曲家として活躍するチョン・ジェイル(37)。伝統的な韓国音楽とメランコリックなピアノの旋律や革新的な最新の音楽をミックスした楽曲が高く評価され、韓国のグラミー賞といわれる【韓国大衆音楽賞】を2度受賞。これまで映画『海にかかる霧』(14/シム・ソンボ監督)の音楽を手掛けたほか、国立唱劇団の音楽監督も務めてきた。

 また、2018年4月には11年ぶりに行われた南北首脳会談でピアノの演奏や楽曲の作・編曲を手掛け、韓国音楽界を牽引する存在として広く知られた。母国の音楽やクラシックなどの伝統的な音楽を踏襲しながらも、独自性のある作品を生み出すチョン・ジェイルを巨匠・坂本龍一も絶賛。自身との共通点について対談したメディアで言及するなど、その実力を認めている。

 そんなチョン・ジェイルが手掛ける映画『パラサイト 半地下の家族』のオリジナルスコアは、ヨハン・セバスチャン・バッハなどのバロック音楽を基調としながら様々に表情を変えていく「The Belt of Faith」をはじめ、ポン・ジュノ監督との綿密な打ち合わせを持って制作されたという。

 ポン・ジュノ監督は、「別の芸術という点で、最もコントロールが難しいのは音楽。彼に感謝している点は、“私に欲しいものを与えようと一生懸命努力”してくれたこと。劇中の「The Belt of Faith」という楽曲は、多くのシーンを網羅し、感情によって縦横無尽に変化していく必要がありました。この約8分ある楽曲を作るうえで、何十回も台本を持って彼と話し合ったのです」と語る。

 なお、アメリカでは劇中音楽も支持され、NYの老舗レーベル“Sacred Bones Records”からサウンドトラックのLPレコードがGreen Glass、Peachの2色で発売されることも話題になっている(映画を観た後ならこのカラー展開に込められた意味がわかる)。気になる方はSpotifyやApple Music等でも『Parasite (Original Motion Picture Soundtrack)』のタイトルで聴くことができるので是非チェックして欲しい。



◎映画『パラサイト 半地下の家族』

 全員失業中の貧しい一家とIT企業を経営する裕福な社長一家という相反する2つの家族の出会いから想像を遥かに超える展開へと加速していく物語は、既に韓国動員1,000万人突破、フランス動員160万人突破、全米でも今年の外国映画興行収入第一位になるなど、各国で動員記録を塗り替えている。オスカー前哨戦といわれるトロントやニューヨークなど各国の映画祭で絶賛&受賞を重ね、【第92回アカデミー賞(R)』での受賞も有力視されている。

 しがない内職で日々を繋ぐ貧しいキム一家は、“半地下”の家での生活から抜け出せずにいる。そんな生活は、豪邸に住む裕福なパク社長一家との出会いで、果たしてどのように変化していくのか。

出演: ソン・ガンホ、イ・ソンギュン、チョ・ヨジョン、チェ・ウシク、パク・ソダム、イ・ジョンウン、チャン・ヘジン
監督:ポン・ジュノ(『殺人の追憶』『グエムル -漢江の怪物-』)
撮影:ホン・ギョンピョ 音楽:チョン・ジェイル
提供:バップ、ビターズ・エンド、テレビ東京、巖本金属、クオラス、朝日新聞社、Filmarks/配給:ビターズ・エンド
英題:PARASITE/原題:GISAENGCHUNG

2020年1月10日(金)、TOHOシネマズ日比谷ほか全国ロードショー


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