2019/11/11
ポスト・マローンの『ハリウッズ・ブリーディング』が2度目の首位返り咲きを果たした、今週の米ビルボード・アルバム・チャート。
初登場(9月21日付)から3週連続で1位を独占し、11月2日付チャートで4週間振りに首位復帰した『ハリウッズ・ブリーディング』。先週、カニエ・ウェストの新作『ジーザス・イズ・キング』の登場により2位にランクダウンしたが、今週再びトップに返り咲き、通算5週目のNo.1獲得を果たした。
同一のアルバムが5週以上1位を獲るのは、2018年7月14日~8月11日付チャートで同5週をマークした、ドレイクの『スコーピオン』以来、約1年ぶり。2019年度にリリースされたアルバム、ポスト・マローン自身の作品いずれも、5週は最長記録となる。
『ハリウッズ・ブリーディング』が今週獲得したユニット数は78,000で、登場9週目にして以前高い数字を維持している。本作のリリース直前に公開された4thシングル「サークルズ」が、前週のソング・チャートで3位まで上り詰め、最高位を更新。先行シングルは、自身3曲目の首位獲得を果たした「サンフラワーwithスウェイ・リー」、「Wow.」(最高2位)、「グッバイズ」(最高3位)の4曲全てがTOP3入りしている。
先週、週間264,000ユニットを記録して、自身9作目となるNo.1デビューを果たしたカニエ・ウェストの『ジーザス・イズ・キング』は、2位にダウン。今週記録したユニット数は72,000で、1位のポスト・マローンとは僅差ではあるものの、数字は大幅に落としている。初登場した先週は、同チャートの他にもR&B/ヒップホップ・チャート、ラップ・チャート、クリスチャン・アルバム・チャート、ゴスペル・アルバム・チャートの5つを制したが、今週はR&B/ヒップホップ・チャート、ラップ・チャートでもポスト・マローンにその座を奪われている。
3週前1位に初登場した、ヤングボーイ・ネヴァー・ブローク・アゲインの『AI YoungBoy 2』は、週間62,000ユニットを記録して4位から3位にTOP3復帰した。ユニット数の内9割以上をストリーミングが占めている。一方、4位に初登場したミランダ・ランバートの新作『ワイルドカード』は、週間53,000ユニットのうち、44,000がアルバムの純粋な売上枚数で、セールスが圧倒的に強かった。 2019年度にリリースされたカントリー・アルバムでは3番目に高い週間ユニット、女性カントリー・アーティストの作品としては最高記録となる。
本作『ワイルドカード』は、2016年にリリースした2枚組アルバム『ザ・ウェイト・オブ・ジーズ・ウィングス』(最高3位)から3年ぶり、通算7枚目のスタジオアルバムで、同チャートでは2ndアルバム『クレイジー・エックス・ガールフレンド』(2007年)以降、全てのアルバムがTOP10入りを果たしている。
2007年『クレイジー・エックス・ガールフレンド』(最高6位)
2009年『レヴォリューション』(最高8位)
2011年『フォー・ザ・レコード』(最高3位)
2014年『プラチナ』(最高1位)
2016年『ザ・ウェイト・オブ・ジーズ・ウィングス』(最高3位)
なお、カントリー・アルバム・チャートでは、2005年リリースのデビュー作『ケロシン』から7作連続の首位獲得を果たしていて、イギリスのカントリー・チャートでも、本作で自身初のNo.1獲得を果たした。
先週の10位から7位に上昇したヤング・サグの『ソー・マッチ・ファン』は、収録曲「ホット」のリミックスがリリースされたことで、アルバムのストリーミングも上昇し、前週から20%以上増加の35,000ユニットを記録した。同曲は、オリジナルにラッパーのガンナがフィーチャーされているが、リミックスはガンナに加えトラヴィス・スコットも参加している。
以下、8位にテイラー・スウィフトの『ラヴァ―』(34,000ユニット)、9位にビリー・アイリッシュの『ホエン・ウィ・オール・フォール・アスリープ、ホエア・ドゥ・ウィ・ゴー?』(32,000ユニット)、10位にTOP10復帰したクリス・ブラウンの『インディゴ』(24,000ユニット)が続き、今週はミランダ・ランバート以外、初登場作品のない安定したチャート・アクションだった。
Text: 本家 一成
※関連リンク先の米ビルボード・チャートは、11月15日以降掲載予定となります。
◎【Billboard 200】トップ10
1位『ハリウッズ・ブリーディング』ポスト・マローン
2位『ジーザス・イズ・キング』カニエ・ウェスト
3位『AI YoungBoy 2』ヤングボーイ・ネヴァー・ブローク・アゲイン
4位『ワイルドカード』ミランダ・ランバート
5位『Over It』サマー・ウォーカー
6位『カーク』ダベイビー
7位『ソー・マッチ・ファン』ヤング・サグ
8位『ラヴァー』テイラー・スウィフト
9位『ホエン・ウィー・オール・フォール・アスリープ、ホエア・ドゥー・ウィー・ゴー?』ビリー・アイリッシュ
10位『インディゴ』クリス・ブラウン
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