2019/10/22
イギリスに活動拠点を置く日本の4人組“DYGL(デイグロー)”が10月19日、六本木EX THEATERで【DYGL JAPAN TOUR】東京公演を行った。7月には【FUJI ROCK FESTIVAL'19】でのステージで好評を博すなど、国内外での注目度をめきめき上げている彼ら。各地の公演が即完となるなか、こちらもソールドアウトとなった同東京公演のライブレポートが届いたので下記にお届けしよう。
■DYGL EX THEATERライブレポ:Nobuki Akiyama「今の状況にも世の中にも満足してないけど、それでも声をあげたいと思ってるすべてのみなさんのために歌います」
7月に待望の2ndフルアルバム「Songs of Innocence & Experience」を発表し、8月のフジロックで見せてくれた熱いパフォーマンスも記憶に新しいDYGL。9月のヨーロッパ公演と並行する形で行われてきた日本ツアーも、ついに10月19日(土)の六本木EX THEATERでファイナルを迎えた。
アルバムリリース時のインタビューではこれまでのバンドスタイルのみならず、サックスを取り入れるなど新たなアプローチにも挑んだことを明かしていた彼ら。今回の公演ではHiroto Taniguchiをサポートに迎え、より表情豊かな演奏を繰り広げてくれた。
2ndアルバム発売に合わせたツアーではあるものの、彼らは冒頭から新旧問わずに楽曲をチョイス。「Hard To Love」から「Let It Sway」「Let's Get Into Your Car」の流れは、古くからのファンにとっては何とも熱い展開だ。初のアルバム「Say Goodbye to Memory Den」発表以前のライヴでは、比較的淡々とした様子で演奏していたDYGLだが、この日は爆音に乗せ、とにかくエモーショナルに動きまくる。長年の活動を経て、楽曲だけでなく彼らの佇まいも変化していったことを痛感させられた。
Nobuki Akiyamaの「今の状況にも世の中にも満足してないけど、それでも声をあげたいと思ってるすべてのみなさんのために歌います!」という言葉が心強い「Bad Kicks」に入ると、すでに観客達のテンションもハイボルテージに。そんなフロアをクールダウンさせるように、中盤からは「Only You (An Empty Room)」「An Ordinary Love」とミドルナンバーが続く。「Behind the Sun」のような甘いチューンもいい緩和剤として作用し、Yotaro Kachi&Kohei Kamotoの柔らかなリズムセクションはたまらない心地よさに溢れていた。
ほどよくオーディエンスをリラックスさせたところで、今度はキャッチーなメロをメインに据えた「A Paper Dream」「I've Got to Say It's True」へ。2枚のアルバム制作を通し、幅広いサウンドメイクがこなせるようになった彼らの真骨頂とも言えるブロックだ。そして「Waste of Time」「Nashville」でいよいよライヴも佳境へ。ここでAkiyamaは、日本だけでなく世界各地で引き起こされている差別や格差、隔離に触れ、今日言わなければ明日に持ち越されてしまう、その不安感を「Don't You Wanna Dance In This Heaven?」に込めたことを明かした。1年間で世界各地を巡る彼らだからこそ、やはり見えたもの、募る思いがあったのだろう。それでもAkiyamaは問題を提起するだけでなく、「みんながやりたいことができて、風通しのいい社会になってほしいと思います」と温かく語りかける。その真摯な姿勢に、自然と会場から拍手が飛び交った。
インディー・ロックとサイケデリックの魅力を絶妙に組み合わせた「Don't You Wanna Dance In This Heaven?」で本編を終え、アンコールではどこかホッとした様子を見せたDYGL。MCではYosuke Shimonakaにトークが振られる珍しい場面もあり、彼は「よくあるMCやるのもどうかな、とは考えてたんですけど……ここまで来て、いろいろ感じるものはありますね。」としみじみ振り返る。さらに話題は結成当初の思い出話まで広がり、彼らの普段の姿が垣間見えるコーナーとなった。そこから長年ライヴハウスを沸かせてきた「All I Want」では、上半身裸となったShimonakaがギターをかき鳴らし、フロアはモッシュの嵐に。クールな側面だけでなく、ロックならではの熱いグルーヴを生み出すDYGLの懐の深さが示された終盤だった。
このあとはアメリカツアー、アジアツアーを控えている彼らだが、11月5日には東京で追加公演を実施。過去にBeach Fossilsとの共演を果たした渋谷CLUB QUATTROが舞台となるだけあり、ファンの期待は相当に高まっているはずだ。すでにソールドアウトとなっているが、足を運ぶファンは来月を楽しみにしていて欲しい。
photo by Yukitaka Amemiya
◎ツアー情報
【DYGL JAPAN TOUR】
7月21日(日) 岡山 PEPPERLAND ※SOLD OUT
7月23日(火) 鳥取 AZTiC laughs
7月27日(土) FUJI ROCK FESTIVAL'19
8月1日(木) 愛媛 Double-u studio
8月3日(土) 高知 ri:ver ※SOLD OUT
8月4日(日) 香川 TOONICE ※SOLD OUT
8月8日(木) 福島 CLUB#9
8月9日(金) 岩手 the five morioka
8月12日(月) 宮城 LIVE HOUSE enn 2nd ※SOLD OUT
8月13日(火) 青森 Quarter
8月16日 (金) RISING SUN ROCK FESTIVAL 2019 in EZO
8月20日(火) 石川 GOLD CREEK
8月22日(木) 新潟 CLUB RIVERST
8月23日(金) 長野 LIVE HOUSE J
8月28日(水) 奈良 NEVERLAND
8月29日(木) 京都 磔磔(takutaku)※SOLD OUT
8月31日(土) 広島 CAVE-BE
9月1日(日) 兵庫 VARIT.
9月7日(土) 福岡 SUNSET LIVE 2019
9月8日(日) 沖縄 Output ※SOLD OUT
10月3日(木) 福岡 BEAT STATION
10月5日(土) 熊本 NAVARO
10月6日(日) 長崎 ASTORO HALL
10月11日(金) 北海道 Sound Lab mole
10月15日(火) 愛知 CLUB QUATTRO
10月17日(木) 大阪 BIGCAT
10月19日(土) 東京 EX THEATER ROPPONGI ※SOLD OUT
11月5日(火)東京 SHIBUYA CLUB QUATTRO ※追加公演 SOLD OUT
◎海外ツアー情報
<EU TOUR w/ The Mystery Lights>
9月17日 (火) Loppen コペンハーゲン デンマーク
9月18日 (水) Bar Brooklyn ストックホルム スウェーデン
9月21日 (土) Vulkan Arena, オスロ ノルウェイ
9月22日 (日) Atlas オーフス デンマーク
9月23日 (月) Lux, ハノーバー ドイツ
9月24日 (火) Kantine Am Berghain, ベルリン、ドイツ
9月25日 (水) Kulturclub Schon Schon, マインツ ドイツ
9月26日 (木) BUMANN & SOHN, コルン ドイツ
9月27日 (金) Hemdendienst, ニュルンベルグ ドイツ
9月28日 (土) City Club, アウスブルグ ドイツ
<US TOUR>
10月22日 (火) Kung Fu Necktie フィラデルフィア
10月23日 (水) Alphaville ブルックリン
10月24日 (木) The Wayfater コスタメサ
10月25日 (金) UNCOOL FESTIVAL V @ The Hollywood Palladium ロサンゼルス
10月26日 (土) UNCOOL FESTIVAL V @ The UC Theatre バークリー
10月28日 (月) No Fun ポートランド
10月29日 (火) The Sunset シアトル
10月30日 (水) Biltmore Cabaret バンクーバー
<ASIA TOUR>
11月2日 (土) Dudesweet バンコク
12月4日 (水) Clapper Studios 台北
12月5日 (木) This Town Needs 香港
12月7日 (土) Hou Live 深セン市
12月8日 (日) Mao Livehouse 広州市
12月10日 (火) Nu Space 成都市
12月11日 (水) Vox 武漢市
12月13日 (金) Vas Live 上海
12月14日 (土) Mao Livehouse 杭州市
12月15日 (日) Omni Space 北京
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