2019/10/17
The King of R&B is Back!80年代から90年代にかけて数多くのヒット曲を手がけ、プロデューサー/ソングライター/シンガーとして100曲以上の楽曲を全米ビルボード・チャートの10位以内に送り込むとともに11度のグラミー賞を獲得してきたケニー"ベイビーフェイス"エドモンズ。ヒップホップ以降の時流に対応した音作りと、比類なきメロディセンスの高さでR&B時代の到来を体現した彼が、再びビルボードライブ大阪に帰還。今回はアメリカン・アイドル出身のステファノ・ランゴーンを含む2人の強力なバック・ボーカルを加えた重厚な9人編成で登場し、自身の代表曲に提供曲メドレーを含む全28曲を一気に駆け抜ける濃密なセットでオーディエンスを圧倒した。
通常よりも高いところにドラムと2台のキーボードが設置され、ダンス・パフォーマンスなどを交えたアクティヴなステージになる予感は的中。冒頭からサックス奏者がフリーキーなブロウを炸裂させる熱くもメロウなイントロを経て、2人のバック・ボーカル、そして扇動的なコールとともに主役のベイビーフェイスが登場すると、まずはファンク色強めなバッキングを伴ってソロ初期の代表曲2曲を連発。「次はラブソングを」と短くMCを挟み、彼ならではの叙情的なメロディが際立つ大ヒット曲「Every Time I Close My Eyes」をじわじわと高揚感を高めるダイナミックなアレンジで響かせると、その後も「Soon As I Get Home」「Whip Appeal」などと90年代前半のシーンを席巻した自身の代表曲をライブならではのエモーショナルな曲展開で次々と披露した。
「コンバンハ。皆さんとご一緒できて嬉しいです」と流暢なイントネーションの日本語で語りかけて場内を和ませると、「次は英国のエリック・クラプトンに提供したお気に入りの曲を」と前置きしてアコースティック・ギターを弾きつつ、ロック色を強めたアレンジで「Change The World」を。続いて、15年に発表した最新作から「Exceptional」を取り上げてファルセットな歌声の映えるメロディメイカーとしての衰えを知らない才を示すと、後半はいよいよお待ちかねの提供曲ヒット・メドレーへと突入。「これまでにたくさんの曲を書いてきた」と客席に語りかけ、83年にミッドナイト・スターに提供して後にアッシャーとモニカのカバーで広く知られた「Slow Jam」、87年にウィスパーズに書いた軽快な「Rock Steady」、ジョニー・ギルに提供した「Fairweather Friend」や映画のサントラ曲としてヒットした「There You Go」、そしてニュー・ジャック・スウィングの全盛期に世界中を席巻したボビー・ブラウンの大ヒット曲の4連発など…。改めてソングライターとしての偉大さを再認識させる怒涛のメドレーで喝采を集めると、終盤はハイトーンの歌声が映えるステファノらにもソロを取らせながら、テヴィン・キャンベル、アフター7などの90年代R&Bヒットをハーモニー豊かに響かせて、ソプラノ・サックスが奏でるムーディーなイントロからボーイズⅡメンの2大名曲「I'll Make Love To You」「End Of The Road」へ。最後は歌いながら客席フロアを巡回してファンたちとハグやハイタッチを繰り返し、R&Bの王道を自ら体現する唯一無比なセットで盛り上げた。
アンコールでは、再びアコースティック・ギターを手にして椅子に座り、MTVアンプラグドを彷彿させる心地よいバッキングを伴って「When I See You」を。極上のメロウネスと熱狂が交錯するR&B界の永遠の帝王のステージは、この後も18日までがビルボードライブ大阪、20日と21日がビルボードライブ東京と続く。
Text by Hidesumi Yoshimoto
Photo by Kenju Uyama
◎公演情報
【ケニー “ベイビーフェイス” エドモンズ】
ビルボードライブ大阪
2019年10月16日(水)~18日(金)※16日終了
1st Stage Open 17:30 Start 18:30
2nd Stage Open 20:30 Start 21:30
ビルボードライブ東京
2019年10月13日(日)※終了
2019年10月20日(日)
1st Stage Open 15:30 Start 16:30
2nd Stage Open 18:30 Start 19:30
2019年10月21日(月)
1st Stage Open 17:30 Start 18:30
2nd Stage Open 20:30 Start 21:30
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