2019/09/17
ポスト・マローンの新作『ハリウッズ・ブリーディング』が初登場1位を記録した、今週の米ビルボード・アルバム・チャート。
本作『ハリウッズ・ブリーディング』は、前作『ビアボングス&ベントレーズ』(2018年4月)から1年4か月ぶりにリリースされた、通算3作目のスタジオ・アルバム。同チャートでの首位獲得は、前作に続き2作目で、2016年のデビュー作『ストーニー』(最高4位)から3作全てがTOP10入りを果たしている。
『ハリウッズ・ブリーディング』の初動ユニットは489,000で、そのうちアルバムの売上枚数が200,000枚、ストリーミングによるユニット数が278,000と、いずれも高い数字を記録した。楽曲単体の売上をアルバム1枚のみなし売り上げとするTEAユニットも、11,000枚と高セールスを記録している。
2019年度にリリースされたアルバムの初動ユニット数としては、2週前にNo.1デビューを果たしたテイラー・スウィフトの『ラヴァー』(今週2位)が叩き出した867,000に次ぐ、2番目に高い記録。なお、その2作に次ぐ初動ユニット数を記録した、ジョナス・ブラザーズの『ハピネス・ビギンズ』(414,000)、アリアナ・グランデの『thank u, next』(360,000)の4作はいずれも<リパブリック・レコード>からリリースされたアルバム。
総ユニット数ではテイラーに及ばなかったが、週間ストリーミング数としては同年最高の3億6,540万視聴を記録し、ストリーミング・チャートでも同1位に初登場している。前作『ビアボングス&ベントレーズ』の初動ユニット数461,000も上回り、初動売上枚数としても前作の153,000枚を約5万上回る、自己最高売上を記録した。セールスが好調だった理由として、ライブ・チケットとの交換特典と、公式ウェブサイトで販売されたグッズの売上等が挙げられる。
本作からは、前年10月にリリースされた映画『スパイダーマン:スパイダーバース』のテーマソング「サンフラワー with スウェイ・リー」がソング・チャート“Hot 100”で自身3曲目のNo.1獲得を果たし、続く2ndシングル「Wow.」も同チャート2位、3rdシングル「グッバイズ」が3位、リリース直前に発売された4thシングル「サークルズ」も7位にそれぞれ初登場した。
ポスト・マローンに大差をつけられ、2位停滞となったテイラー・スウィフトの『ラヴァー』だが、今週も104,000ユニットと高い数字を維持し、登場3週目にしてミリオンを突破する勢いをみせた。登場3週目で100万ユニットを突破したのは、2月23日~3月9日付チャートで記録したアリアナ・グランデの『thank u, next』に続く、2019年度2作目の快挙達成。大幅にポイントダウンしなければ、 ポスト・マローンの『ハリウッズ・ブリーディング』も同記録を達成できる可能性は高い。
今週3位に初登場したのは、オーディション番組『ザ・ヴォイス』の出演で注目を集めた女性シンガーソングライター、メラニー・マルティネスの新作『K-12』。週間ユニット数は57,000で、そのうちアルバムの売上が30,000枚、ストリーミングによるユニット数は27,000と、いずれも安定したポイントを獲得している。
本作『K-12』は、2015年にリリースしたデビュー・アルバム『クライ・ベイビー』から約4年ぶり、2作目のスタジオ・アルバムで、その前作が記録した最高6位を上回る、自己最高位を更新した。UKチャート(8位)やオーストラリア(6位)、ニュージーランド(8位)などでも、自身初のTOP10入りを果たしている。前作『クライ・ベイビー』は、これまで10億を超えるストリーミング数を記録し、総合140万ユニットを獲得している。
ヤング・サグの『ソー・マッチ・ファン』は4位に上昇し、 先週4位に初登場したリル・テッカの『We Love You Tecca』はワンランク・ダウン。シングル「トゥルース・ハーツ」が2週目の首位獲得を果たしたリゾの『コズ・アイ・ラブ・ユー』は6位をキープしている。一方、先週1位に初登場したトゥールの『フィア・イノキュラム』は7位に、3位にデビューしたラナ・デル・レイの『ノーマン・ファッキング・ロックウェル!』は9位に、それぞれ大幅ダウンした。ストリーミングの強いアーティストは上位をキープし、セールスが主のアーティストは翌週順位を大きく落とすというのが、昨今のチャートにおける傾向といえる。
10位にデビューしたのは、女性シンガー4人によるユニット=ザ・ハイウィメンのデビュー作『ザ・ハイウィメン』。初動ユニット数は34,000で、そのうちアルバムの売上が29,000枚とポイントのほとんどがセールスによるものだった。メンバーは、ブランディ・カーライル、ナタリー・ヘンビー、アマンダ・シャイアズ、そしてマレン・モリスの4人で、彼女たちがカテゴライズされるカントリー~フォークが主となっている。
Text: 本家 一成
※関連リンク先の米ビルボード・チャートは、9月20日以降掲載予定となります。
◎【Billboard 200】トップ10
1位『ハリウッズ・ブリーディング』ポスト・マローン
2位『ラヴァー』テイラー・スウィフト
3位『K-12』メラニー・マルティネス
4位『ソー・マッチ・ファン』ヤング・サグ
5位『We Love You Tecca』リル・テッカ
6位『コズ・アイ・ラヴ・ユー』リゾ
7位『フィア・イノキュラム』トゥール
8位『ホエン・ウィー・オール・フォール・アスリープ、ホエア・ドゥー・ウィー・ゴー?』ビリー・アイリッシュ
9位『ノーマン・ファッキング・ロックウェル!』ラナ・デル・レイ
10位『ザ・ハイウィメン』ザ・ハイウィメン
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