2019/09/01
クエンティン・タランティーノ9作目の長編監督作『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』が日本公開を迎え、レオナルド・ディカプリオとブラッド・ピットという2大スターの初共演作に注目が集まっている。
日本公開に先駆け、7月26日に全米公開された本作は、過去タランティーノ作品の中で最大オープニング成績となっていた2009年8月23日公開の『イングロリアス・バスターズ』を超える4,035万ドルの大ヒットを記録し、タランティーノ史上最大のオープニング成績を飾った。60年代末期のハリウッドを舞台に、当時を生きる人々の姿を通してその光と闇を描いた本作には、タランティーノ監督のあふれる映画愛とリスペクト、そして自身がまだ幼かった頃に黄金期を迎えていた当時のハリウッドへの憧れが込められている。そんな本作には、60’sカルチャーを代表する音楽も続々登場。ポップカルチャー通として知られるタランティーノ監督直選の名曲群の一部を紹介しよう。
◎Deep Purple「Hush」
イギリス出身の世界的ロックバンド、ディープ・パープルの1968年に発売された1枚目のアルバム『Shades of Deep Purple』に収録されている1曲。なかでもシングルカットされた同曲はアメリカでも大ヒットを記録し、当時のアメリカの音楽カルチャーを代表する1曲となった。
◎Paul Revere & The Raiders「Good Thing」
アメリカで60年代中期から70年代初頭にかけて活躍したガレージ・ロックバンドの代表曲として挙げられる1曲。彼らの6枚目のアルバム『The Spirit of '67』に収められた同曲は、R&B調の骨太のボーカルに美しいコーラスが映え、本作の予告編でもハリウッドの黄金期の光を感じさせる一曲として使用されている。
◎Neil Diamond「Brother Love's Traveling Salvation Show」
エルトン・ジョンらと並び、アダルト・コンテンポラリー・アーティストの代表として名高いニール・ダイアモンドが1969年に発表した1曲。美しいピアノのメロディーと色気ある歌声は、黄金期を迎えたハリウッドにおいて、時代の移ろいや陰りを感じさせるような印象をも予告編の中では与えている。
◎José Feliciano「California Dreamin'」
日本では「夢のカリフォルニア」というタイトルでも知られる。タランティーノが使用したのは、人気グループだったママス&パパスによる1965年のオリジナル版ではなく、プエルトリコ出身の歌手ホセ・フェリシアーノが歌う、もっと悲しげで物憂げなカバーバージョン。
代表作の1つとして知られる『キル・ビル』では、布袋寅泰の「BATTLE WITHOUT HONOR OR HUMANITY」を起用するなど、音楽感度の高さと造詣の深さにも定評のあるタランティーノ監督。当時のハリウッドを再現することに徹底してこだわり抜いた監督が選りすぐった楽曲の数々にもぜひ注目して、目だけでなく耳でも本作を楽しんでほしい。そのほか本編で使用されている楽曲の数々はこちら。
-Roy Head & The Traits「Treat Her Right」
-The Bob Seger System「Ramblin' Gamblin' Man」
-KHJ「Mug Root Beer Advertisement」「Vagabond High School Reunion」「KHJ Los Angeles Weather Report」「KHJ Batman Promotion」
-The Village Callers「Hector」
-Buchanan Brothers「Son of a Lovin' Man」
-Chad & Jeremy「Paxton Quigley's Had The Course (from the MGM film Three in the Attic)」
-Bristol-Myers「Tanya Tanning Butter Advertisement」
-Paul Revere & The Raiders「Hungry」「Mr. Sun, Mr. Moon feat. Mark Lindsay」
-The Box Tops「Choo Choo Train (Mono Single Version)」
-Mitch Ryder & The Detroit Wheels「Jenny Take A Ride」
-Deep Purple「Kentucky Woman」
-Buffy Sainte-Marie「The Circle Game」
-Simon & Garfunkel「Mrs. Robinson」
-I Profumi di Capri「Numero Uno Cologne Advertisement」
-Los Bravos「Bring a Little Lovin'」
-Harold E. Weed, Dana Classic Fragrances「Suddenly, Heaven Sent Advertisement」
-Various「The Illustrated Man Advertisement / Ready for Action」
-Dee Clark「Hey Little Girl」
-Coty Inc.「Summer Blonde Advertisement」
-Robert Corff「Don't Chase Me Around (from the MGM film GAS-S-S-S)」
-I Cantori Moderni Di Alessandroni「Dinamite Jim (English Version)」
-Vanilla Fudge「You Keep Me Hangin' On (Quentin Tarantino Edit)」
-Maurice Jarre「Miss Lily Langtry (cue from The Life and Times of Judge Roy Bean)」
◎公開情報
『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』
現在公開中
監督:クエンティン・タランティーノ
出演:レオナルド・ディカプリオ、ブラッド・ピット、マーゴット・ロビー、エミール・ハーシュ、アル・パチーノほか
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