2019/08/27
米国の性・生殖に関する医療サービスNPO、プランド・ペアレントフッド(PP)と136名の有名アーティストが協力し、最近全米各地で妊娠中絶が違法化されている現状に抗議するキャンペーンを発足させた。
<Bans Off My Body>(私の体に禁止令を近づけるな)と題されたキャンペーンの全面広告が米誌ビルボードに掲載され、アリアナ・グランデ、レディー・ガガ、ビリー・アイリッシュ、ケイティ・ペリーなどが名を連ねている。ほかにもベック、ノラ・ジョーンズ、カーリー・レイ・ジェプセン、リゾ、ニッキー・ミナージュ、T-ペイン、マイリー・サイラス、ナイン・インチ・ネイルズ、デュア・リパ、ミーガン・ジー・スタリオン、セイント・ヴィンセント、エイサップ・ファーグ、ケイシー・マスグレイヴス、トロイ・シヴァン、ジョン・レジェンド、キャロル・キングなど、そうそうたる面々だ。
PPは今後数か月間、米フィラデルフィアで開催されるジェイ・Zの【メイド・イン・アメリカ】や、米アトランタで開催される【ミュージック・ミッドタウン】などの音楽フェスティバルや、アーティストの全米ツアー会場で直接人々にネット署名運動への参加を呼びかける予定だ。この署名運動は2020年1月22日まで続けられるが、この日は米国で初めて人工妊娠中絶を規制する米国内法の大部分を違憲無効とした“ロー対ウェイド事件”の最高裁判決から47年目にあたる。
同団体は昔からミュージシャンの協力を得てきたものの、2019年はより多くのアーティストが積極的に関わってくれているとアレクシス・マギル・ジョンソン代表代理/CEOは話している。これは2019年に300以上の中絶制限法案が全米で提出されており、26の禁止令が可決されていることから、共通の切迫感が強まっているからだろう。トランプ政権は今週、Title Xプログラムを通じて国から補助を受けているPPなどの医療サービス団体が、人工妊娠中絶専門医への紹介を行うことを違法にした。このため、プランド・ペアレントフッドは自主的にTitle Xプログラムから脱退している。
このキャンペーンの賛同者の中でも特に若いアーティストの一人である17歳のビリー・アイリッシュは、「(女性が)生殖権を公正かつ平等に行使できるために戦っているプランド・ペアレントフッドのために立ち上がれることを誇りに思う。私たちが必要としているリプロダクティブ・ヘルスケア(性と生殖に関する保険サービス)を利用する基本的な権利が脅かされているような世界では、自由に生き、十分に行動することなどできない。自分の体、人生、そして将来を管理する権利は誰にでもある」と声明でコメントしている。
最近多くのアーティストが中絶権を支持する姿勢を表明している。アリアナ・グランデが6月に開催されたアトランタ公演の収益から25万ドル(約2,640万円)をPPに寄付したほか、トラヴィス・スコットも5月の公演のグッズ売上を同団体に寄付した。アラバマ州で5月に人工妊娠中絶が違法化された時、リアーナは法案に賛成した議員25名(全て白人男性)の写真に、「こいつらがアメリカの女性に代わって決定を下しているバカどもだよ」と添えてツイートしている。
Nearly 140 musicians have banded together to tell lawmakers: #BansOffMyBody! Add your name to the petition and sign alongside artists and musicians here: https://t.co/jJNOEHocfr pic.twitter.com/uIo8L9wrdf
— Planned Parenthood (@PPFA) August 24, 2019
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