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2019/07/30

【米ビルボード・ソング・チャート】リル・ナズ・Xが17週目の首位獲得で歴代最長No.1に、リゾTOP5入り

 リル・ナズ・Xの「オールド・タウン・ロードfeat.ビリー・レイ・サイラス」が、歴代最長となる17週目のNo.1獲得を果たした、今週の米ビルボード・ソング・チャート。

 先週、マライア・キャリー&ボーイズIIメンの「ワン・スウィート・デイ」(1995年) とルイス・フォンシ&ダディー・ヤンキーの「デスパシートfeat.ジャスティン・ビーバー」(2017年)の同16週に並び、首位獲得週の歴代最長タイ記録を更新した「オールド・タウン・ロード」。今週、その記録を上回る17週目に達し、歴代単独1位に浮上。デビューしたばかりの新人ラッパーが、米ビルボードの新記録達成を果たした。

 週間7,250万視聴を記録して、ストリーミング・チャートでも同17週目の首位を獲得。こちらも、ルイス・フォンシ&ダディー・ヤンキーの「デスパシートfeat.ジャスティン・ビーバー」の16週を上回る、歴代最長記録更新となった。R&B/ヒップホップ・チャート、ラップ・チャートでも同じく17週目の首位を維持し、2019年のソング・オブ・サマーでは、9週目のNo.1をマークしている。

 デジタル・ソング・セールス・チャートでは、前週からわずかながら上昇し、週間46,000ダウンロードを記録して通算13週目の1位を死守。エアプレイ・チャートでは、10位から14位に落ち込んだ(週間4,700万回)。セールス、エアプレイは2位以下と大差ないものの、ストリーミングが圧倒的に強いのが、首位を独走している理由として挙げられる。

 週間7,250万回という高視聴回数を叩き出した理由として、7月19日に公開された「Week 17 Version」というタイトルの新ミュージック・ビデオの反響がある。同ビデオは、今週17週目の1位獲得となることを記念したもので、視聴回数の伸び率はさほどではないものの、SNSの反響や話題性が大きかった。

 今週、歴代記録を更新した同曲だが、次週も引き続きトップを独走する可能性が高い。というのも、7月25日に韓国の人気ボーイズ・グループ=BTSのRMが参加したリミックス・バージョン「ソウル・タウン・ロード」を発表したからだ。本人曰く、このリミックスが最後の(リミックス)リリースになるとのことだが、反響次第では18週目となる首位獲得週の記録更新も期待できる。

 その記録を打ち破るべく、こちらもリミックスのリリースなど様々な手法でポイントを伸ばした ビリー・アイリッシュの「バッド・ガイ」は、今週も2位に停滞。週間5,090万試聴を記録し、ストリーミング・チャートでも同2位をキープしたが、 デジタル・ソング・セールス・チャートでは2位から5位に転落している(週間22,000ダウンロード)。

 一方、エアプレイ・チャートでは、前週から5%増の8,930万回を記録し、5位から4位に浮上した。エアプレイは徐々に伸びていく傾向にあるため、「バッド・ガイ」の首位獲得もまだ可能性がないとはいえない。「オールド・タウン・ロード」とのポイント差を1.2対1まで縮めている同曲だが、前述にある新リミックスがリリースされたため、次週トップが入れ替わる可能性は極めて低いだろう。

 先週の4位から3位に再TOP3入りしたのは、ショーン・メンデスとカミラ・カベロのデュエット曲「セニョリータ」。7月6日付チャートで2位に初登場した同曲は、今週エアプレイ・チャートで9位にTOP10入りし、ランクアップに繋げた。週間 6,690万回を記録し、今週の<Airplay Gainer>にも輝いている。エアプレイ・チャートでのTOP10入りは、ショーンにとって7曲目、カミラは4曲目の快挙。

 この曲のヒットを受けてか、 ショーン・メンデスの前シングル「イフ・アイ・キャント・ハヴ・ユー」も、先週の13位から10位にTOP10復帰を果たしている。同曲は、5月18日付チャートで2位に初登場し、その後TOP10圏外へとダウンしたが、今週11週振りとなる2度目のTOP10入りを果たした。2曲同時にTOP10入りさせたのは、ショーン・メンデスにとって初の快挙で、2019年ではドレイク、ポスト・マローン、トラヴィス・スコット、アリアナ・グランデ、ホールジーに次ぐ6組目のアーティストとなる。

 TOP10中、前週からポイントが上昇したのは、この 「セニョリータ」と「イフ・アイ・キャント・ハヴ・ユー」、それから5位に浮上したリゾの「トゥルース・ハーツ」の3曲のみ。リゾは、シングル曲での最高位更新を果たしている。ストリーミング・チャートでは5位、エアプレイ・チャートでは7位にそれぞれ上昇していて、今後もランクアップが期待できそうだ。

 TOP10以下では、ルイス・キャパルディの「サムワン・ユー・ラヴド」が前週の26位から20位に上昇中。UKチャートではNo.1獲得を果たしている同曲だが、全米でのランクインは意外にもこの曲が初となる。米NY出身新人ラッパー=リル・テッカの「Ran$om」も、前週の23位から19位へ、初のランクインにしてTOP20入りを果たしている。

 今週のアルバム・チャートで2位にデビューした、ディズニー映画『ライオン・キング』のインスパイアード・アルバム『ライオン・キング:ザ・ギフト』から、同アルバムを手掛けるビヨンセの「ブラウン・スキン・ガール」が76位にデビュー、その他計3曲がランクインした。テイラー・スウィフトの新曲「ジ・アーチャー」は69位に初登場と出遅れている。


Text: 本家 一成

※関連リンク先の米ビルボード・チャートは、8月2日以降掲載予定となります。

◎【Hot 100】トップ10
1位「オールド・タウン・ロードfeat.ビリー・レイ・サイラス」リル・ナズ・X
2位「バッド・ガイ」ビリー・アイリッシュ
3位「セニョリータ」ショーン・メンデス&カミラ・カベロ
4位「トーク」カリード
5位「トゥルース・ハーツ」リゾ
6位「アイ・ドント・ケア」エド・シーラン&ジャスティン・ビーバー
7位「グッバイズ」ポスト・マローンfeat.ヤング・サグ
8位「サッカー」ジョナス・ブラザーズ
9位「サンフラワー」ポスト・マローン&スウェイ・リー
10位「イフ・アイ・キャント・ハヴ・ユー」ショーン・メンデス

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