2019/07/29 15:00
エド・シーランの『No.6 コラボレーションズ・プロジェクト』が2週目の首位をキープした、今週の米ビルボード・アルバム・チャート。
先週、初動173,000ユニットを記録してNo.1デビューを果たした本作は、約55%もポイントダウンしたものの、今週も78,000ユニットと高い数字を維持し、トップの座を死守した。同じ作品が初登場から連続で2週首位をキープするのは、3月23日~3月30日付チャートで同2週をマークした、ジュース・ワールドの『デス・レース・フォー・ラヴ』以来、約4か月振りとなる。
78,000ユニットのうち、 16,000枚がアルバムの売上、57,000ユニットがストリーミングによるポイントだった。週間視聴回数は7,470万回で、ストリーミング・チャートでも同2週のNo.1をキープしている。本作からは、ジャスティン・ビーバーとデュエットした「アイ・ドント・ケア」が最高2位をマーク。アルバムが初登場した先週のソング・チャートでは、前週の6位から3位に再TOP3入りを果たしている。
続いて2位には、全米で7月19日に公開されたディズニー映画『ライオン・キング』のインスパイアード・アルバム『ライオン・キング:ザ・ギフト』がランクイン。本作は、メスライオン=ナラの声優を務めるビヨンセによるプロデュース作品で、前週にリリースされたオリジナル・サウンドトラックにも収録された「スピリット」など、彼女がボーカルを担当するタイトルが多数収録されている。映画の公開を受け、オリジナル・サウンドトラックも前週の31位から13位に大きく順位を上げている。
ビヨンセ名義のアルバムとして換算すると、アルバム・チャートでのTOP10入りは通算9作目で、2019年では、5月4日付チャートで4位にデビューしたライブ・アルバム『ホームカミング:ザ・ライブ・アルバム』 に続く2作目のランクインとなる。同一アーティストが、1年間で2作以上の新作をTOP10入りさせたのは、2月2日付チャートで首位デビューを果たした『WIZRD』と、6月22日付チャートで5位に初登場した『Save Me』の同2作をもつ、ラッパーのフューチャーに続く2人目。
ビヨンセは、『ホームカミング:ザ・ライブ・アルバム』のリリース翌週4月23日に、アルバムの発売3周年を記念して6thアルバム『レモネード』を<Spotify>や<Apple Music>などの主要ストリーミング・サービスで配信をスタートさせた。2016年5月にNo.1デビューを果たした本作は、今年の5月4日付チャートで9位にリエントリーし、2019年は実質3枚のアルバムをTOP10入りさせたことになる。
現時点で、『ライオン・キング』のオリジナル・サウンドトラックは13位、『ライオン・キング:ザ・ギフト』は2位に留まっているが、映画のサントラ盤は作品がヒットすることで徐々に売り上げを伸ばす傾向にある。通算13週の1位を記録した同ディズニー映画『アナと雪の女王』も、首位にたどり着いたのはリリースから約2か月後だった。『ライオン・キング』は、今週末に発表された北米での映画興行収入ランキングで80億円を突破し、2週目の首位をマークしている。映画の大ヒットを受け、本作もNo.1に到達する可能性が高い。
ビリー・アイリッシュの『ホエン・ウィ・オール・フォール・アスリープ、ホエア・ドゥ・ウィ・ゴー?』は、先週の2位から3位にダウン。週間ユニットは51,000で、前週から16%ポイントダウンしている。原因は、ジャスティン・ビーバーをフィーチャーした「バッド・ガイ」のリミックス効果が落ち着いてきたからだろう。4位のリル・ナズ・Xも、「オールド・タウン・ロード」の新リミックスがポイント・ダウンし、今週4位にランクインしているアルバム『7』も、13%減の43,000ユニットまで落ち込んだ。「オールド・タウン・ロード」は、今週発表される最新のソング・チャートで歴代記録を更新するかもしれない。
今週10位に初登場したのは、ナズの最新作『The Lost Tapes 2』。本作は、2006年~2018年にかけてリリースした4枚のスタジオ・アルバムに収録されなかった音源による未発表曲集で、1999年~2001年までの未発表曲をまとめた前作『The Lost Tapes』(2002年)の続編となる。なお、その前作が獲得したのも同10位だった。これまでリリースした全てのアルバムを含めると、TOP10入りは通算13作目の快挙。
『The Lost Tapes 2』の週間ユニットは23,000で、そのうち12,000枚がアルバムのセールスと、ストリーミングによるユニット数とほぼ同等だった。ラッパーのアルバムとしては珍しい傾向だが、年配層に支持されているアーティストは、ストリーミングよりセールスが強い傾向にある。シングル・ヒットや大々的なプロモーションをしていないにもかかわらず、これだけの売上が見込めるのは、確固たる人気を誇るアーティストである証拠。
Text: 本家 一成
※関連リンク先の米ビルボード・チャートは、8月2日以降掲載予定となります。
◎【Billboard 200】トップ10
1位『No.6 コラボレーションズ・プロジェクト』エド・シーラン
2位『ライオン・キング:ザ・ギフト』
3位『ホエン・ウィー・オール・フォール・アスリープ、ホエア・ドゥー・ウィー・ゴー?』ビリー・アイリッシュ
4位『7』リル・ナズ・X
5位『Revenge Of The Dreamers III』J.コール/ドリームヴィル
6位『インディゴ』クリス・ブラウン
7位『コズ・アイ・ラヴ・ユー』リゾ
8位『フリー・スピリット』カリード
9位『ビアボングズ&ベントレーズ』ポスト・マローン
10位『The Lost Tapes 2』ナズ
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