2019/07/15
真心ブラザーズによる毎年恒例の対バンイベント【マゴーソニック】のオフィシャル・ライブレポートが到着した。
真心ブラザーズ結成30周年を記念して、【マゴーソニック2019 30周年スペシャル!】が大阪の服部緑地野外音楽堂で開催された。初の野外となった【マゴーソニック】。まず、真心ブラザーズによる前説が行われたが、登場SEのトラブルをゆる~くイジるというふたりらしい始まり。心配された雨も始まる頃には止んでいた。また、全ての出演者出番の前にも、ふたりは登場して紹介をしていった。
トップバッターは、真心と同じ事務所で実の姉妹ももと小春によるチャラン・ポ・ランタン。ももの唄と小春のアコーディオンで「進め、たまに逃げても」、「ムスタファ」と続けて披露していく。新曲「置行堀行進曲」も初披露された。ふたりの素敵な衣装が実のお母様とお祖母様によって制作されている事も明かされ、そこから夏にピッタリな曲と紹介されての「ソトデナイ」へ。海外の大名曲が「ひきこもり!」というコール&レスポンスで歌われるのは誠に愉快だった。「愛の讃歌」ではマイクのシールドがギリギリいけるとこまで、ももは客席へ飛び出し、撮影もOKのサービスタイム! スタッフと肩組んで踊って歌ったり、凄く自由な雰囲気での素晴らしい幕開けだった。
二番手は、藤巻亮太。勢いよく「五月雨」からスタート。CMソングでもお馴染みの「ウィスキーがお好きでしょ」では、あまりの美声に観客もウットリしながら聴き惚れる。20代はレミオロメンで活動して、30代になってからソロになり世界を旅するようになったことをきっかけに、「幸せ」について考えるようになったというMCの流れから「マスターキー」へ。「南風」、「雨上がり」というアップビートな楽曲では、自然に手拍子も起きて盛り上がっていく。自身が地元の山梨で開催しているフェスについても話され、最後は代表曲でもある「3月9日」へ。曲間で思わず拍手が起きるくらい、その場にいる全員に沁みているのがわかった。
三番手は、真心のふたりから「いい男!」と紹介されたMy Hair is Badの椎木知仁。静かに現れて、椅子に座り、ゆっくりと歌っていく。「明るい歌を歌います!」と「大人になってこそ」を披露。バンドマンたるもの女に食わせてもらうものと想っていた20歳の頃、そして実際はヒモになりきれなかったという実話から、「ヒモと女」、「元ヒモとして」へ。今年初めてひとり暮しして出来た歌、ツアーを追いかける女性客の気持ちになった歌など、ひとつひとつのエピソードが面白い。この日、バンドの楽曲ではなく、全曲ソロの楽曲で勝負したのも潔くて、かっこよかった。
四番手は、銀杏BOYZ峯田和伸。真心とFM COCOLOのDJマーキから「怪物!」紹介された峯田だが、1曲目「SKOOL KILL」から上半身裸になり、途中でギターを捨てて、観客席へ乗り込み、その怪物っぷりを発揮する。2曲目「人間」では雨も降り出し、「どうせならザーザー降りがいい!」と峯田が話すと、本当にザーザー降りに! そんな中でも照れながら真心への想いを明かす一面も素敵であった。「夢で逢えたら」、「BABY BABY」という人気曲では、観客たちから喜びの歓声が飛び交う。高校時代の甘酸っぱい想い出や、もう固有名詞を曲名にしないなどと明かされた後は、ギターを持たず、オケで歌う「ぽあだむ」。一番雨が激しい時間は、一番ライブも激しかった。
五番手は、友情出演で15分のみの登場となった。ウルフルズのトータス松本。真心の「一輪車でトータスは来る!」という謎のイジリに笑いながらも、今年リリースとなった「リズムをとめるな」をぶつけてくる。あっという間に場を支配するのは、本当に流石であった。ロマンチックで男臭いラブソング「サムライソウル」も雨の中、ただただ耳を傾けてしまう。最後は、観客の手拍子とともにアカペラで「バンザイ~好きでよかった~」へ。トータスが歌い終わる頃には雨も止み、真心へとバトンは渡された。
「やっと音楽が出来るわ!」とYO-KINGが話し、1曲目「GREAT ADVENTURE FAMILY」へ。そして、夕方にピッタリな「荒川土手」と歌われる。ふたりは本当に野外が似合うなとのめりこみながら観るが、当の本人たちは「喋らないといけない事は、さっき(中説)喋り尽くして何も無いね!」とやはり至って緩やか。既に喋られた30周年記念セルフカバーアルバムだが、ファン投票によって収録曲は決められている。「この曲?!」と桜井秀俊が困惑する桜井ボーカル楽曲「今しかない 後がない」も歌われた。
YO-KINGが「バンザ~イ!!」とウルフルズナンバーを歌いかけて、そのまま「どか~ん」への流れは、この日一番と言っていいくらいの爆発的な盛り上がりを見せた。感極まり、YO-KING自ら「30周年おめでとう!」と言う姿は、とても印象的だった。本人たちいわく「いいサマーヌードだった!」という万感の思いが込められた「サマーヌード」からの「明日はどっちだ!」で、本編は〆られる。
お楽しみ会という名の出演者全員によるアンコールでは、本日誕生日を迎えたYO-KINGをバースデーソングとバースデーケーキでサプライズお祝いするところから始まり、「カントリーロード」のカバー、そして、真心の「空にまいあがれ」が合唱された。サビの「空にまいあがれ!」で、観客全員が両手をあげて歌う光景は本当に美しかった。こうして、30周年記念の「マゴーソニック」は幕を閉じた。
そして、9月4日に発売の真心ブラザーズ30周年記念のセルフカバーアルバム『トランタン』に彼らの歴史を物語るに相応しい豪華ミュージシャンが参加することが発表された。「愛」では東京スカパラダイスオーケストラがド派手に賑やかに華を添え、「明日はどっちだ!」では真心を敬愛するサンボマスターと丁々発止のヴォーカル&熱演奏合戦を繰り広げ、「素晴らしきこの世界」では盟友・奥田民生がヴォーカルのみならず素晴らしいドラミングとギターでも大参加! 更に「同級生」でもドラムとギターでサポート。「突風」では現在桜井がツアーサポートを行っているウルフルズからサンコンJr.が、フラワーカンパニーズからはグレートマエカワが参加。そして、お馴染みMB'Sが長年培ってきた一体感で“ビッグバンド”サウンドでお祝いし、近年のツアーで高いバンド感を出し続けるLow Down Rouletteでは進化し続ける真心の今を表現している。「今しかない後がない」をYO-KINGが全パートを一人で演奏するという面白い試みも。更に新曲「はなうた」、ボーナストラックとして「どか~ん」の収録が決定。
真心ブラザーズの膨大な楽曲からファン投票でベスト10が選曲された本作は、【特別生産限定盤】【初回限定盤】【通常盤】の3形態。【特別生産限定盤】には、30th 特別記念グッズ“特製 トランタンTシャツ(非売品・フリーサイズ)と、周年の時くらいはと、スタッフに煽られながら頑張っている2019 年の“ほぼ上半期”の真心ブラザーズの動きを綴ったドキュメント映像(DVD)が付属する。T-シャツにはジャケットに使用されているメンバーが描かれたイラストがプリントされている。コレクターズアイテムになること間違い無しの特別生産限定盤は数に限りがあるので早めに予約をしてほしい。更に【初回限定盤】付属DVDにはMUSIC VIDEOと「ほぼトランタンin 伊香保」と銘打ったライブ映像が収録されることがアナウンスされた。
そして30周年記念ライブ・ツアー【トランタン】が、9月27日(金)・28日(土)の東京・日本青年館2デイズからスタートする。真心ブラザーズの歴史を物語るミュージシャン達が参加しており30周年ならではの特別仕様になっているのでこちらも要チェックだ。
PHOTO:村井香
LIVE REPORT:鈴木淳史
◎リリース情報
セルフ・カバーアルバム『トランタン』
2019/09/04 RELEASE
<特別生産限定盤(CD+セルフライナーノーツ付ブックレット+DVD+トランタンTシャツ)>
TKCA-74830 / 8,333円(tax out)
<初回限定盤(CD+セルフライナーノーツ付ブックレット+DVD)>
TKCA-74831 / 3,889円(tax out)
<通常盤(CD+セルフライナーノーツ付ブックレット)>
TKCA-74832 / 2,963円(tax out)
【CD】(曲順未定・五十音順)
・明日はどっちだ!
・愛
・突風
・JUMP
・今しかない
・素晴らしきこの世界
・同級生
・うみ
・この愛は始まってもいない
・恋する二人の浮き沈み
・はなうた(新曲)
・どか~ん (ボーナストラック)
【DVD(特別生産限定盤)】
・真心ブラザーズ 30th Anniversary Document「2019 年ほぼ上半期」
※周年の時くらいはと、スタッフに煽られながら頑張っている2019 年の" ほぼ上半期" の真心ブラザーズの動きを綴ったドキュメント映像、公開!
【DVD(初回限定盤)】
・Music Video
・「ほぼトランタンin 伊香保」
【参加ゲストミュージシャン】
奥田民生 / サンボマスター / 東京スカパラダイスオーケストラ / サンコンJr.(ウルフルズ) / グレートマエカワ(フラワーカンパニーズ) / MB'S / Low Down Roulette(敬称略)
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