2019/07/06
菅田将暉の新曲「まちがいさがし」が勢いづいている。5/27付のHot100で2位を記録し、その後6/10付では8位にまで下降したが、再浮上して今週も2位にチャートインしているのだ(【表1】)。早くもロングセールスの様相を見せているが、あくまでもこれは前哨戦。7月10日にはアルバム『LOVE』のリリースが予定されており、まだまだこれから盛り上がることが予想される。
菅田将暉は言うまでもなく、日本のトップ俳優として活躍しており、早くもそのキャリアは10年を超えた。しかし、本格的に歌手活動を始めたのは、2017年の映画から派生したバンド、グリーンボーイズからであり、その直後にソロとしてもデビューを果たした。アーティストとしてはまだスタートしたばかりであるが、すでに十分な結果を残している。
「まちがいさがし」は、シングル曲という単位でいうと5曲目にあたる。しかし、これまでと違うのは、今回フィジカルのCDをリリースしていないことだ。もちろん、アルバムが目前にあるとはいえ、戦略としては大きな決断だったのではないだろうか。とくに、彼のようにビジュアルでもアピールできるアーティストは、パッケージは重要であり、需要も少なくはない。
ただ、彼の楽曲はこれまでもダウンロードやストリーミングに強かったという事実がある。加えて、今回は「灰色と青」に続く米津玄師とのコラボレーションだ。米津といえば、ダウンロードの強さに関しては圧倒的であり、ストリーミング配信は行っていないが動画の再生数に関しても驚異的な記録を持っている。いわば、フィジカルとは無縁のフィールドで大きく勝負できるアーティストであり、米津と組んだことで、配信を前提にプロモーションを進めるのは正解といってもいい。実際、「まちがいさがし」も配信リリース時から3週連続1位、ストリーミングは4週連続2位、そして、YouTubeなどのご動画再生数は4週連続1位となっている。アルバム前の盛り上げとしては申し分ない結果だろう。
さらには、あいみょんをフィーチャーした「キスだけで」も配信が開始され、今週は初登場15位となっている。この曲も今後アルバムがリリースされ、プロモーションの露出が増えて楽曲が浸透することで、さらに伸びていくはずだ。戦略的にフィジカルを配して配信に特化する。まもなくリリースされるアルバムのタイミングで、その成果が確認できることだろう。Text:栗本斉
栗本斉:旅&音楽ライター、選曲家。レコード会社勤務の傍ら、音楽ライターやDJとして活動を開始。退社後、2年間中南米を放浪し、現地の音楽を浴びる。その後フリーランスとして活動した後、2008年から2013年までビルボードライブのブッキングマネージャーに就任。フリーランスに戻り、雑誌やライナーノーツなどの執筆や音楽評論、ラジオやストリーミングサービスにおける構成選曲などを行っている。
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