2019/06/07
1992年公開のディズニー・アニメーションの名作を実写化した映画『アラジン』が、全米公開から2週間経って、ついにここ日本で公開スタートした。アニメーション版の『アラジン』のみならず、『リトル・マーメイド』や『美女と野獣』といったディズニーの人気作品の音楽を長年担当してきたアラン・メンケン。『アラジン』プロモーションのため5月中旬に来日したディズニー音楽の巨匠に、新曲「スピーチレス~心の声」について話を聞いた。
「スピーチレス~心の声」はイギリス出身の期待の女優ナオミ・スコットが演じるジャスミンが劇中で歌う楽曲で、アラン・メンケンが作曲、そして『ラ・ラ・ランド』や『グレイテスト・ショーマン』で一躍注目を浴びたベンジ・パセック&ジャスミン・ポールが作詞を手がけた。“女性だから国政に口を出さないほうがいい”という周りの言葉にずっと口をつぐんできたジャスミンが<もう黙ってはいられない>と決意を表明するエンパワメントソングだ。
実写映画においてアランが一番力を入れたのがこの楽曲の制作だったようで「ワクワクしたけど、作業はとても大変で、アレンジも試行錯誤したし、不安ももちろん感じていた。“彼女の声が届かなくてはいけない”――これがきちんと伝わる曲を作りたかった。現代的に世界の観客にも伝わるメッセージ性を意識したんだ。想像していたよりもずいぶん上手くいったから、すごくホッとしている。『よし、上手くいった!』と感じたのは、私の感覚からではなく、観客の様子から感じたんだ。東京に来る前にパリやロンドン、ベルリンを廻ってきたけど、映画を観た人達から良いコメントばかり頂いたから、上手くいったってことだよね」と、数多くのディズニーの名曲を作ってきた名作曲家でさえも、内心自信がなかったことを告白した。
ナオミが歌う劇中曲とは別に、ポップバージョンの「スピーチレス」のアレンジもアランが担当しているのだが、「私のベイビー(赤ちゃん)」と言うほど、本曲について語っている時のアランの目はキラキラと輝いていた。その渾身作の制作の裏側について尋ねると、「事前にナオミには新曲があることが伝わっていて、彼女はどんな曲なのか興味津々だった。私が部屋でこの曲を弾いていたら、外で待っていた彼女が『もしかして、これが私の曲?』ってウキウキしててね。こうやって役者に『これが君の曲だよ!』って伝える瞬間っていうのは、この仕事の楽しいことの一つでもあるんだ」と、微笑ましいエピソードを明かしてくれた。最後に試写で4回泣いたというアランから、「ティッシュを忘れないでね」と映画を楽しみにする日本の観客にメッセージももらっている。ぜひ、ハンカチ・ティッシュ持参でスクリーンへ。
Text and photo by Mariko Ikitake
◎公開情報
『アラジン』
2019年6月7日(金)より、全国ロードショー
監督:ガイ・リッチー
音楽:アラン・メンケン
キャスト:メナ・マスード、ナオミ・スコット、ウィル・スミスほか
配給:ウォルト・ディズニー・ジャパン
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