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2019/05/05

<ライブレポート>Saucy Dog、初の日比谷野音ワンマン開催

 Saucy Dogが、ワンマンライブ【YAON de WAOOON in Tokyo】を、4月30日東京・日比谷野外音楽堂にて開催した。
 
 4月13日にバンド結成の地・大阪にて行われた【YAON de WAOOON in Osaka】。その追加公演となるこの日の舞台は、数々のバンドが伝説を残してきた日比谷野外音楽堂だ。当日のチケットはソールドアウト。天気はあいにくの雨に見舞われたものの、満員のオーディエンスが色とりどりのレインコートを被りながら、今か今かと開演を待ちわびていた。

 定刻を5分近く過ぎた頃、SEと共にメンバー3人が登場。秋澤和貴(Ba.)は長そでシャツ一枚、石原慎也(Vo/Gt)とせとゆいか(Dr/Cho)は半そでTシャツ姿と、4月の雨の日にしては寒そうな格好だったが、実は石原のこの格好、結成当初のライブ衣装だという。後のMCで秋澤が「13年前、僕の人生を救ってくれたバンドのワンマンが日比谷野音でありました。ここでワンマンできたことを誇りに思います」と語る通り、本人達にとって日比谷野音は、いつにも増して気合を入れたい場所だったようだ。

 「Saucy Dog、はじめます!」と力いっぱいの宣言と共に、ライブは「真昼の月」からスタート。疾走感溢れるビートと胸のすくようなギターサウンドが、雨ざらしの野音をあっという間に包み込んでいく。ライブでは、ルーズな曲調が気怠げな「曇りのち」、『シナリオ通りの雨に 向こうの空は笑っているよう』と歌う「マザーロード」など、この日の天候とリンクするシーンが多々あり。MCでも、せとが「慎ちゃん(石原)の声とサウシーの曲と雨って、めちゃくちゃ似合うと思いませんか?」と客席に問いていたが、雨が降ることまで計算されていたのでは?と思うほど、この日の野音とSaucy Dogの相性は抜群だった。

 中盤は、バンドの持ち味の一つである私小説的な世界観にするすると惹き込まれるようなパートだった。石原がつま先を床に打ち鳴らしながら始まった「いつか」、続く「コンタクトケース」でエモーショナルな一面を見せると、一転、アコースティック・パートでは、石原はアコースティックギター&ボーカル、秋澤はエレキギター、せとはキーボード&ボーカルにパートチェンジ。2ndミニアルバム『サラダデイズ』のシークレットトラックである「へっぽこまん」を披露する。エレクトリックピアノの優しげな音色と、せとの柔らかい歌声が、まだまだ肌寒い会場を温かく包み込んだ。

 雨もだいぶ小降りになってきたころ、ライブはいよいよ終盤戦へ。この日は平成最後の日ということもあり、石原は今までの活動を振り返りつつ、「俺らもちょっとずつ変わりながら、でも俺ららしさを残しながら、みんなの人生を彩っていけるような曲書いていけたらなと思います」と宣言。その後、バンドの物語を歌った「バンドワゴンに乗って」へ突入する。ところが、序盤で石原が歌詞を飛ばしてしまい、まさかのやり直し。曲間も沈黙を貫いていた客席からも、思わず声援が飛び交う事態に。しかし、気を取り直し再びギターが鳴りだすと、会場はさらに熱を帯び、本編ラストナンバー「ゴーストバスター」へと一気に駆け抜けていく。

 「野音は3人だけの夢じゃなくなってるなって感じることができました。不安もあるけど、みんなといられるって、これ以上ない幸せだと思います。ありがとうございました!」と、最後は「グッバイ」で2時間に及ぶライブを締めくくった。曲中、メンバー3人がアイコンタクトを取りながら、がっちりとアンサンブルを決めるシーン、またその後に繰り出されたコール&レスポンスは、この日の環境だけが作ったものではなく、Saucy Dogの音楽がこれまで積み上げてきたものを物語るようなフィナーレだった。

 Saucy Dogは今後、04 Limited Sazabys、クリープハイプ、SUPER BEAVERを招いたツーマンツアー【One-Step Tour】を開催する。自身最大規模の東阪ワンマンを成功させたSaucy Dogが、屈強な先輩バンド相手にどんなステージを見せるのか注目だ。

Photo:白石達也
Text:Mika Fuchii
 

◎公演情報
【YAON de WAOOON in Tokyo】
2019年4月30日(月・祝)東京・日比谷野外音楽堂
<セットリスト>
01.   真昼の月
02.   ナイトクロージング
03.   ジオラマ
04.   あとの話
05.   曇りのち
06.   マザーロード
07.   Wake
08.   新曲
09.   いつか
10.   コンタクトケース
11.   へっぽこまん
12.   世界の果て
13.   煙
14.   メトロノウム
15.   バンドワゴンに乗って
16.   ゴーストバスター
En1. 新曲
En2. グッバイ
 
◎ツアー情報
【Two-Man Tour 「One-Step Tour」】
2019年7月12日(金)大阪・大阪BIGCAT
w / 04 Limited Sazabys
2019年7月14日(日)愛知・名古屋ダイヤモンドホール
w / クリープハイプ
2019年7月25日(木)東京・Zepp Diver City(TOKYO)
w / SUPER BEAVER

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