2019/04/29 12:00
あいみょんの新曲「ハルノヒ」が絶好調だ(【表1】)。今週は惜しくもラストアイドルに続く2位に甘んじてしまったが、リリース前からすでにベスト10入りしていたことを考えれば、今後首位を獲得することも不可能ではない。勢いという意味でも伸びしろは大きいだろう。しかも、前作の「マリーゴールド」も3位にまで浮上してきている(【表2】)。昨年巻き起こったあいみょんフィーバーは、今年はさらにヒートアップするかもしれない。
ただ、「ハルノヒ」と「マリーゴールド」は順位が近いとはいえ、実は売れ方がちょっと違う。グラフを見ればわかるが、「ハルノヒ」はダウンロードに続いてストリーミングのポイントが高く、フィジカルのCDも健闘している。一方の「マリーゴールド」は、圧倒的にストリーミングの力が大きい。もともと、あいみょんの楽曲は、いずれもストリーミングがずば抜けて強かった。過去曲の大半が、ストリーミングによるヒットといってもいいだろう。
しかし、「ハルノヒ」はあきらかに違っている。もちろん、新譜だからダウンロードやCDの売上が高めというのは納得する。とはいえ、「マリーゴールド」の場合、CDセールスのポイントは、発売週でも32位どまりだったことを思えば、「ハルノヒ」がこのポイントで9位というのは大きな変化といえる。これには映画『映画クレヨンしんちゃん 新婚旅行ハリケーン ~失われたひろし~』の主題歌ということも大きいが、昨今の露出も相まって、ストリーミングを使わない若年層や主婦層などにまで広がっているのではないだろうか。
秦 基博が『ドラえもん』の主題歌「ひまわりの約束」で大ブレイクしたことも記憶に新しいが、「ハルノヒ」がこのまま独り歩きしていけば、あいみょんはさらに世代を超えて一回り大きくファン層を獲得できるに違いない。そういう意味でも、この売れ方の変化は、彼女の今後の展開にとって非常に重要な意味を持つ気がしている。Text:栗本斉
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